本記事では、ヘルスケア領域のプロジェクトに取り組むコンサルタントの有志活動「RDL(Ridgelinez)バーチャル薬局」の取り組みを紹介します!
<RDLバーチャル薬局とは>
RDLバーチャル薬局とは、ヘルスケアプロジェクト経験者・薬剤師資格保有者が、Ridgelinez社員の健康増進を目的として、健康づくりの拠点形成を推進する活動です。ヘルスケアプロジェクトのメンバーが検討した「健康に関する行動変容サイクル」(※)を実践する取り組みでもあります。
※ 健康に関する行動変容サイクルとは:(健康に関する情報を)「得る」→(自身の健康状態を)「知る」→(最適な対策を)「考える」→(継続的に健康増進の為に)「行動する」の4つのサイクルが循環すること
<RDLバーチャル薬局立ち上げの背景>
流通・小売・リテール業界と、ヘルスケア領域を中心にコンサルティングを行うConsumerProducts, Distribution & Retail Services Practice(※)(以下、CPDR)において、特にクライアントの健康課題・社会課題の解決、新規価値創出のご支援に取り組むManagerの足立は、「そもそも自分を含めたPractice メンバーに健康意識が十分にあると自信をもって言えるだろうか」と疑問を抱きました。同時に、お客様のヘルスケア新規事業を推進する立場である自分たちが健康意識を高めることが、より説得力を持ったコンサルティングにつながるのではないかと考えました。
足立が何かできないかと悩んでいるところ、薬剤師免許有資格者である馬野、村瀬、熊谷が入社しました。彼らもまた、足立が抱く課題感と「社員の健康意識の向上・行動変容のきっかけを作りたい」という想いに共感し、足立とともに「RDL バーチャル薬局」を立ち上げました。そして、そんな彼らの企画に賛同した会社の支援を得て、いよいよ本格的な活動が始まりました。
※ Practice とは:専門領域(業界・ビジネステーマ・技術)ごとに組成されるプロフェッショナルコミュニティのことで、従来の組織体よりも組織間の壁が低いことが特徴です。したがって、業務内容が限定されることなく、様々なテーマのプロジェクトに携わることができます。また、Practice間のコラボレーションもしやすく、柔軟な仕事の進め方が可能となっています
<歩活(あるかつ)企画への取り組み>
バーチャル薬局の始動にあたり、Practiceのメンバーに健康状態・健康意識に関するアンケート調査を行ったところ、特に「運動不足」「食/栄養の乱れ」「睡眠不足」の課題を抱えていることが明らかになりました。そこで、「運動」「食/栄養」を軸に行動変容を促すことを活動方針に定め、具体的な取り組みを進めることにしました。
そんな中、Ridgelinez 社員を含む富士通グループ社員が加入する健康保険組合の取り組み、「歩活」(※)の存在を知り、バーチャル薬局の活動の第一歩として、まずはこの「歩活」を通じて社員の「運動」の習慣化を目指しました。
※ 歩活とは:日々の生活に「歩く」をプラスして運動を習慣づけ、心身の健康につなげることを目的とした富士通健康経営事務局主催のイベントです。富士通健康保険に加入する社員とその家族が参加可能であり、任意でメンバー登録するチームで平均歩数を競い合うことにより歩く習慣を身に着けます
ところが、Ridgelinezの「歩活」初年度の参加者は、全社員のわずか3%という結果に終わりました。そこで、まずは歩くことへの興味・関心を高める必要があると考え、富士通に所属する2016年リオデジャネイロオリンピックの競歩メダリスト荒井 広宙さんによる講演と歩き方の体感イベント「運動習慣レクチャー会」を実施しました。
▲荒井広宙さんによる運動習慣レクチャー会
本イベントでは、参加者が「運動習慣と健康との関係性」について学ぶことに加えて、「業務の合間に実践できる簡単なストレッチ」や「正しい歩き方」をその場で実践するアクティブな体感イベントとなり、健康意識の飛躍的な向上につながりました。
参加した社員からは、「すぐに取り組める簡単な内容で、健康を意識した行動が習慣化すると感じた」、「ふと思い出した際に気軽に実践可能な内容だった」、「運動習慣は健康増進に加えて、仕事の効率化にも影響すると感じた」など、健康意識の醸成につながったという声が多く寄せられました。
こちらの運動習慣レクチャー会の様子はぜひ動画からもご覧ください!
本イベントの開催に加え、Ridgelinez独自の歩活企画も実施しました。この歩活は、個人の行動変容を促すことが目的のため、参加者に一律の目標を定めるのではなく、「継続すること・これまでの行動にプラスαの活動をすること」に重きを置いた個人目標の設定を促しています。
また、1か月間のイベントとして繰り返し実施しており、参加者の歩数ランキングを公開するなど、個人の取り組み意欲を促す仕組みづくりを行いました。さらに、目標達成度に応じたオリジナルタオル等の景品を用意し、イベントへの満足度の向上と達成感の醸成につなげる工夫も行いました。
一方で、個人で取り組むウォーキングイベントの特性上、参加者からは一体感が得られにくいという声も上がりました。そこで、歩活イベント期間中に、定期的なストレッチ・運動機能測定会を開催しました。他の参加者との情報交換や交流の場を設けると同時に、自身の運動機能レベルを認知し、より効果的な運動に導くことを目的として、様々な工夫を施したプログラムを用意しました。
例えば、富士通グループのアセットを活かし、富士通チアリーダー部フロンティアレッツのチアの動きを基にしたストレッチを実践したり、Fujitsu ウェルネス運動支援サービス(※)による椅子立ち上がりテストを行ったりしました。
※ Fujitsu ウェルネス運動支援サービス とは:機能訓練の現場で必要な成果評価を効率化し、科学的介護の実践をご支援するサービス。AIを用いた独自の画像解析技術により多人数同時の測定を撮影だけで可能とし、限られた時間での手軽なデータ収集から活用までを実現します
▲フロンティアレッツストレッチ
参加者からは、「短時間でしっかりストレッチできた」「運動測定したことで自分の筋力が同年代の平均以下なのだと知り、取り組み意欲が増した」などのポジティブな感想が寄せられています。
<歩活の結果>
このような取り組みの結果、Ridgelinezの歩活企画の参加者は昨年同時期実施時の約10名(全社員の3%)から約100名(全社員の20%)に飛躍的に伸長しました。また参加者の平均歩数は前月比+1,944歩となり、運動面での健康に関する行動変容を起こすことに成功しました。
歩活企画を中心としたRDLバーチャル薬局の取り組みは、社員に健康増進に向けた行動変容を促すだけでなく、「先週は歩数がすごく多かったけど、どうやって過ごしたの?」「あと〇〇歩でランキングトップになれるね!」など、業務上の関わりが少ない社員同士のコミュニケーションのきっかけにもなり、企業の風通しの良さを向上させることにもつながっています。
<RDL バーチャル薬局メンバーのコメント>
<INDUSTRY GROUP / CPDR Practice / Manager / Takamasa. Aコメント>
個人の健康増進を目指し、どんな取り組みをしようか考えている中で、せっかくであれば自分だけでなくチーム、組織、会社全体の健康増進にも寄与したいと強く感じるようになり、今回の企画立案に至りました。当社は、健康課題解決と新規価値創出において広く活用可能なP3T フレーム(※)という独自のフレームを有しています。
今回も自社の健康経営において、運動施策の観点で自社の有していない要素は親会社である富士通に協力を仰ぐことで補完し、価値の最大化を図りました。引き続き、食/栄養施策などにおいても、最適な取り組みを企画していきたいと考えています。
※ P3T フレーム:当社が異業種共創型ヘルスケアコミュニティ構築支援において活用している「PeoplePeople(ヒト)×Product×Product(モノ)×Place×Place(場所)×Technology×Technology(技術)」を用いた独自のフレーム
<INDUSTRY GROUP / CPDR Practice / Consultant / Ryo. Kコメント>
健康や歩くことへの意識は、持ち続けることが難しいものだと思います。今回取り組んだ歩活のように、活動状況を可視化し、他者と共有することが継続への鍵になると感じました。今後、運動以外の分野にもこれら取り組みを活用していければと思います。
<INDUSTRY GROUP / CPDR Practice / Senior Consultant / Yoshinori. Mコメント>
Ridgelinezは、富士通の出島として立ち上げられたためか、活用できる富士通のアセットが見過ごされていると感じました。今回は富士通健保や富士通企業スポーツ推進室の協力を得て、歩活の取り組みを推進しました。Ridgelinezだけでなく富士通グループの多様性を活かして引き続き健康増進活動に取り組んでまいります。
<INDUSTRY GROUP / CPDR Practice / Associate / Risako. Mコメント>
私たちが健康経営を考えるときに対峙する必要があるのは「人」であり、会社に属する「人(従業員)」を深く理解することが必要です。実際に歩活という1つの企画でも、参加者の求めるモノ(動機)は、チームの関係性、ヘルシーな生活、ゲーム性など、人によって異なっていると感じました。そのため、訴求方法を人(願望)により変えるようにしました。
今回は、会社のカルチャーや社員の想いを理解した私たちが介入したことで成功につなげられたのだと思います。今後は、健康と価値観の結びつきに注視して、活動を深化させていきたいです。
<RDLバーチャル薬局の今後の展望と期待する結果>
今後の展望としては、当社が異業種共創型ヘルスケアコミュニティ構築支援において活用しているRidgelinez独自の「P3T フレーム:PeoplePeople(ヒト)×Product×Product(モノ)×Place×Place(場所)×Technology×Technology(技術)」を用いた展開・加速を進めていきます。
今回の事例では、People(富士通所属アスリートを講師に招いた講演・レクチャー、大手食品メーカー等の講演)×Product 社内常設カフェを活用した健康関連製品の提供 ×Place(Ridgelinez 事業所を活用した各種イベント)運動測定ツール・アプリ 活用をしました。
今後は母体である富士通だけでなく、様々な外部企業を巻き込み、それぞれの要素を活用して活動を進めていきたいと考えています。
今回の「運動」による健康への行動変容アプローチに続き、次回は「食/栄養」についてP3T フレームを活用し、外部企業を含めた様々なプレーヤーとのコラボレーションを検討していきます。
このようにRidgelinezでは社員が主体となり、社内のカルチャー変革を促すとともにクライアントワークに活かせる実践知を日々蓄積しています。
