安全・安心・高品質な電池をお客さまに──世界トップレベルの技術で信頼のものづくり
PPESは、パナソニックと三洋電機*¹2009年パナソニックが子会社化、そしてトヨタ自動車という3社のDNAが融合してできた会社です。パナソニックと三洋電機は、アルカリ系電池からリチウムイオン電池まで、先人が残してきたノウハウを基盤に最新の技術開発を続けてきました。トヨタ自動車は世界に先駆けて電動車を普及させてきた経験から、電池をいかに安全に、そして効率的に使いこなすかという車両側の知見を豊富に持っています。
電池を知り尽くした「つくるプロ」と、「つかうプロ」。この両者の知見と技術を融合させることで、「良いクルマ」のための「良い電池」を作ることができるようになりました。そこにトヨタ生産方式による高効率なものづくり力が加わることで、世界トップレベルのバッテリーを効率的に生み出すことが可能となったのです。
PPESの最大の強みは、車載電池事業を始めて20年以上の歴史の中で、安全に徹底的にこだわった電池を作り続けていることにあります。この安全性は、一朝一夕に実現できたものではありません。
私たちは何よりも安全性を最優先に考え、電池の徹底した解析と技術力の向上に取り組み、その成果を生産工程に反映させてきました。どのようにすれば電池が安全に機能するのかを追求し、長年にわたり信頼されるものづくりを重ねています。さらに、安全な電池であっても、誤った使い方を防ぐためには正しい制御が不可欠です。私たちは、その制御技術にも力を入れ、安心してご使用いただける製品づくりをめざしています。
これらの取り組みは当社一社の努力だけで実現できるものではありません。電池は、実に多くの部品・材料と、多くのパートナー企業さまの協力があって初めて製品になります。材料を供給してくださる仕入れ先さまから、実際に電池を使ってくださるお客さままで、サプライチェーンに関わるすべての人が、安全への想いを一つにすること。設立当初からこの考え方を関係者の皆さまにしっかりと説明し、仲間づくりを進めてきました。
単なる取引先ではなく、同じ想いを持つ「仲間」として、情報をオープンに共有し、共に課題解決にあたる。この強固なパートナーシップこそが、PPESの品質を支えるもう一つの柱です。
カーメーカーとの一体開発と、技術革新のための要素開発。ニーズに寄り添い進化する
前述の通り、電池と車が融合したPPESの強みの一つが、カーメーカーとの一体開発がいっそう磨き上げられることです。電池専業メーカーのみで開発を進めると、どうしても電池の性能だけを追求してしまいがちです。しかし、カーメーカーと一体となることで、お客さまが本当に必要とする車の価値を見出すことができます。
たとえば、長く走れること、充電が早く終わること、さらに室内空間の広さや手に入れやすい価格などはいずれも車の価値ですが、実は電池と直結しており、これらの価値を電池としてどう提供するかが私たちの仕事です。しかしながら、車全体としての価値の最大化は電池専業メーカーだけではどうしても限界があります。カーメーカーと共に、一緒に設計・開発することで、より良い価値を生み出すことができるのです。
また、世の中で求められる電池の量に対応していくために、生産体制の拡充を進めています。今後さらなる生産拡充に向け、当社内製工場以外にも広くパートナーさまとの強固な協力体制を構築していきます。
さらに、次世代技術の要素開発にも注力しています。電池は正極、負極、セパレーター、電解液という4つの主要部材で構成されており、中では目に見えない化学反応が起こっています。これらの進化はまだ発展途上で、材料のポテンシャルをもっと引き出す余地が多く残されています。PPESも現在の電池の性能を最大限引き出しながら、さらに高い性能ニーズに応えるために5年先、10年先、20年先を見据えた開発に取り組んでいます。
「グリーンバッテリー」による、持続可能な社会実現に向けた新たな取り組み
PPESは、「かけがえのない地球 クリーンで豊かな社会を未来へ」というビジョンのもと、電池を通じて地球環境に貢献するとともに、サステナブルな経営をめざし、その推進をしています。
その中で掲げているのが「グリーンバッテリー」という考え方です。これは4つの柱で構成されており、1つめが電池生産にかかるCO2削減(脱炭素)。2つめがリサイクルなどの推進による循環型社会の実現。3つめが人権・環境を保護する責任ある調達。そして、4つめが自然との共生・社会との共生です。私たちは、環境のために電池を提供するだけに留まらず、社会に貢献し、必要とされる会社をめざして事業展開・成長を図っていきます。
とくに注力していきたいのが、循環型社会の実現です。持続可能な社会のためには、限りある資源を有効に活用し、廃棄物を最小限に抑える“循環型システム”が求められています。
たとえば日本は、資源のほとんどを輸入に依存しており、電池製造においても大きな課題となっています。また、使用済み電池や工場廃材などの問題も、電池市場が拡大すればするほど重要度が増してきます。
こうした中、私たちは電池で使われる資源の再利用をめざし、早期にリサイクル技術が確立できるよう取り組みを進めています。
このシステムが実現できれば、資源を無駄なく回すことができるだけでなく、リサイクル材を活用することで、新規に資源を採掘するよりも低CO2、低コストでの製造が可能になると考えています。この取り組みを推進するためにも「仲間づくり」がとても大切だと思っており、業界団体であるバッテリーサプライチェーン協議会(BASC)の活動にも力を入れています。
また、「社会との共生」では、地域社会の課題解決に向けた新しい取り組みも進めています。たとえば、兵庫県加西市と協力し、私たちのバッテリー技術を活用した地産地消型のエネルギーマネジメントの可能性を探っています。
激動の市場環境への対応。PPESの強みを活かし、さらにフレキシブルな組織へ
電動車市場は今後さらに大きな成長が期待される一方で、政策転換や販売動向などにより、ニーズが短期間で大きく変化するという特徴があります。こうしたダイナミックな市場環境の中で、サステナブルな経営を実現するための取り組みも多岐にわたっています。
このような環境下で企業が社会をリードし続けていくには、フレキシブルでスピード感のある組織運営が欠かせません。
PPESには、その柔軟性やスピードを存分に発揮できる独自の風土があります。私たちは、従来の枠組みにとらわれず、仕事のやり方そのものを見直し、必要に応じてルールやプロセスを積極的に刷新していく姿勢を大切にしています。
さらに私たちが重視しているのが、多様な人材が自由に意見を出し合える「心理的安全性」です。どれだけ多様な人材が集まっても、意見が言いにくい環境では本来の力を発揮できません。一人ひとりがのびのびと自分らしく活躍できる場が、真の多様性とイノベーションにつながると考えています。
この風土の背景には、異なる3つの企業文化が融合し、設立からまだ間もない中で「トヨタでもパナソニックでもない、自分たち自身で新しい会社を創っていく」という強い想いがあります。ただし、やみくもに変化を追い求めるのではなく、守るべき基盤はしっかりと堅持しつつ、必要な部分はタイミング良く変えていくことも大切です。
PPESの中には、「正味を追求する」という考え方があります。本質的な価値の創出(仕事の正味)にこだわる姿勢を持ち、無駄を徹底的に排することで、お客さまや社会全体にとって何が本当に大切なのかを全員で考え、知恵と力を出し合っています。
今後も経営企画を担う立場として、市場環境や政策動向の変化に迅速かつ柔軟に対応し、常に最適な商品とサービスを社会に提供できる会社をめざしていきます。そのためにも、組織体制をより柔軟に変革したり、意思決定のスピードアップを図るだけでなく、一人ひとりが持てる力を最大限に発揮できる環境づくり、そして現在の風土のさらなる発展に努めていきます。個人の成長の総和こそが会社の成長に直結すると信じ、これからもチャレンジし続けます。
※ 記載内容は2025年9月時点のものです

