持続可能な社会を支えるPPESのグリーンバッテリーへの挑戦
PPESのビジョンは、「かけがえのない地球 クリーンで豊かな社会を未来へ。」会社設立の準備段階から大切にしてきたこのビジョンには、「環境に優しいエネルギーと情報がシームレスにつながり、ヒトとモノが自由に移動できる暮らしやすい社会を実現する」という意志が込められていて、設立に携わったメンバー、そして今の社員にも受け継がれている会社の根底にある想いです。
このビジョンのもと、私たちは、2つの重点テーマを定めています。1つは「グリーン化」。グリーンバッテリーの実現により、電動車の普及ともに環境・社会課題を解決することをめざしています。もう1つは「競争力強化」で、バッテリーの安全性や性能向上、リーズナブルな価格といったお客さまの期待に応えることです。この2つのテーマ──グリーン化と競争力強化──の両輪で、電動車の普及と環境課題の解決の両立を実現しようとしています。
グリーン化の取り組みを推進するため、当社では「グリーンバッテリー戦略」として、「脱炭素社会の実現」「循環型社会の実現」「責任ある調達」「自然との共生・社会との共生」という4つの柱を軸に活動しています。
1つめの「脱炭素社会の実現」は、「2030年までに自社工場のカーボンニュートラル達成」や「バッテリーのサプライチェーン全体でのカーボンフットプリント(製品の原材料調達から製造、使用、廃棄・リサイクルに至るまでの生涯を通して排出されるCO2排出量)その数値を80%削減する」といった中心的な取り組みです。モビリティの電動化はもちろん、バッテリーの製造から使用後に至るまで、あらゆるプロセスで脱炭素化をめざしています。
2つめの「循環型社会の実現」は、リサイクルによる資源循環を推進するものです。すでに欧州では電池規則が始まり、使用済みバッテリーの回収率や主要材料のリサイクル率に関する目標が定められています。
当社でも「クローズドループリサイクル」の仕組みをの構築をめざし、使用済みバッテリーからレアメタルを抽出し、再びバッテリー原材料として活用する取り組みを進めています。この分野には技術的な難易度の高さや、業界を超えた連携といった課題がありますが、私たちが先駆者となってこのループを回し始めることに大きな意義があると考えています。
3つめの「責任ある調達」では、バッテリー製造に必要なレアメタルなどの部材調達において、人権や環境への配慮を徹底しています。当社は、厳格なガイドラインに基づいてデューデリジェンスを行い、コストや効率性だけでなく、正しいパートナーと正しい方法による事業運営を重視しています。
4つめの「自然との共生・社会との共生」では、加西工場をはじめとする各拠点での生態調査や生態系保全活動に取り組むとともに、地域住民の皆さまと連携した教育・交流活動も推進しています。こうした取り組みを通じて、地域自然環境や地域社会と調和したものづくりをめざしています。
グリーンバッテリーの価値は、カーボンフットプリントやリサイクル率などの環境指標だけでは測れません。私たちは「責任ある調達」や「自然・社会との共生」についても重視しながら社会と調和したものづくりを大切にしています。
「良い製品は、良いマナーでつくられてこそ本当の価値がある」と考え、人権への配慮や地域との共生など、幅広い観点からグリーンバッテリーを追求しています。
地球規模の課題に本気で挑む。PPESグリーンバッテリー 成功への道筋
「グリーンバッテリーで世界ナンバーワンをめざす」という志のもと、私たちは業界でもきわめて挑戦的な目標を掲げています。それが、2030年に自社工場のカーボンニュートラルを達成し、サプライチェーン全体でカーボンフットプリント(※)を80%削減するという目標です。
※ 原材料の調達から廃棄・リサイクルまで、製品のライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの量を、CO2排出量に換算して表したもの
「なぜ、そこまで高い目標を?」と聞かれることも少なくありません。しかし、気候変動という地球規模の課題に本気で立ち向かうには、既存の延長線上にある目標では不十分です。世界をリーディングする企業をめざした高いレベル、あるいはそれ以上のインパクトでなければ社会は変えられない。その揺るぎない意志が、この目標には込められています。
もちろん、これほど高い目標を掲げると、経営面とのバランスや、現場の実行部隊が立ち向かう実現可能性などの課題が生じます。そこで経営戦略部の中に設置されたのが、私たちグリーン戦略室です。
グリーン戦略室の役割は、高い目標と事業継続の両立を図るため、経営戦略と密接に連携しながら中長期の目標を設定すること。そして、その目的を現場に落とし込み、目標達成のために調達部門や製造部門、技術部門などの各部署と協力体制を築きながら、一丸となってグリーンバッテリー戦略を推進することです。
これまでにないまったく新しい取り組みや革新的な挑戦も多いため、各部署がすぐに実行に移せないケースもあります。そんな時は、まずはグリーン戦略室がトライアル的に挑戦して仕組みを構築し、各部署でさらにレベルアップした仕組みにアップデートしていく流れを作ることも重要な役割です。理想論を押し進めるのではなく、現場が抱える課題の熱量を肌全身で感じながら解決策の第一歩を共に協働しながら踏み出す。それが私たちのスタンスです。
原点は、 故郷の自然豊かな景色。その想いが今、未来を創る挑戦へとつながる
私が環境分野での仕事を志した原点は、生まれ育った地域にあります。富士山を望む水のきれいな街で、自然豊かな環境に囲まれて育ちました。
とくに印象深いのは、小学生の頃に耳にした地域の歴史です。かつて経済成長期に、コンビナート建設計画が持ち上がったものの、地域住民が「地元環境への負荷が大きすぎる 」と計画を止めたことがあるのだそうです。
これをきっかけに自然豊かできれいな環境を守ることの大切さを感じ、学生時代は大気汚染物質の測定技術の開発や光化学スモッグなどの大気汚染メカニズムの解明などを研究。卒業後は自動車メーカーに就職し、工場の環境改善対策を推進、アメリカで脱炭素・再エネ導入企画の推進をしたり、長年、環境分野で仕事をしてきました。
自動車メーカーで環境分野に携わる中で、今後の脱炭素社会の実現には「バッテリー」が心臓部になると強く感じていました。そんな折、2023年にPPESへの出向の話が持ち上がったのです。バッテリーの専門家集団の中で、業界の最前線に立てることは、私にとってとてもまたとない機会でした。
実際に出向してまず印象的だったのは、一人ひとりの「やってみよう」という個人の前向きな意志を尊重し、挑戦を後押しする文化、その根底にある“熱量”です。
社内の風通しの良く、オープンな文化にはいつも刺激を受けています。経営トップから現場のメンバーまでの距離が近く、マネジメント層とも気軽に話し合える環境があります。
ポジションに関わらず良い提案はすぐに採用するスピード感と、チャレンジを歓迎する文化が、失敗を恐れずにアイデアを実行に移せる土壌になっているのだと思います。
だからこそ、「グリーンバッテリーで世界ナンバーワンをめざす」という目標を最初に聞いたときの衝撃は、今でも忘れられません。自動車メーカーの一員として全体を見ていると、正直「本当にできるのか?」と。業界にはとてもレベルの高い競合企業もいます。
でも、その高い壁に本気で挑もうとする経営陣の意志や、出向者である私のようなメンバーの意見にも真摯に耳を傾け、チャレンジを全力で応援してくれる企業文化に日々触れるうちに、私の不安は「自分たちが歴史を作るんだ」という確信に変わっていきました。
守りたかった故郷の自然。その想いが今、この場所で、世界一への挑戦という形で実を結ぼうとしています。
一人ひとりの想いが、地球の未来を変える力に。仲間と共に描く、グリーンの未来地図
高い目標を達成するためには、さまざまな壁を乗り越えなくてはいけません。たとえば、ガスを使用している設備の電化は、効率の維持や投資回収などが大きな課題です。
社外との連携も、私たちの挑戦の鍵を握ります。サプライチェーン全体でカーボンフットプリントを削減していくためには、仕入先さまをはじめパートナーとの協力が欠かせません。
もちろん、最初からすべてのパートナーに理解を得られるわけではなく、「そんな高い目標は非現実的だ」と言われることもあります。それでも、各社の担当者と膝を突き合わせ、相手の状況や抱えている困り事を現地現物で理解しながらどうすればお互いにとって最良の方策になるのか議論を重ねています。その熱意が伝わった時に「PPESとだから一緒に挑戦したい」と言ってもらえる。それが何よりのやりがいです。
さらに、クローズドループリサイクルを実現するためには、バッテリー業界、リサイクル業界などと一体となってエコシステムを作り上げることが必要です。そのためには、業界団体や官公庁などにも働きかけながら、全体で取り組んでいかなければいけません。
私は、バッテリー産業は今後の日本の成長になくてはならない産業になると思っています。PPESは、どこよりも高い目標を定めているからこそ、業界全体を引っ張っていけるはずです。先駆けて前例を作り、それをさらに広げていく。そんな存在をめざしたいと思います。
私たちは生産台数などの数値目標も立てていますが、本当に見ているのは、その数字の先にある風景です。私たちのバッテリーを載せたクルマが、クリーンなエネルギーで世界中を走り、青い空が守られていく。その壮大な未来に貢献できることこそ、私たちの最大の誇りです。
このビジョンは、決して私たちだけでは実現できません。
もしこの記事を読んで少しでも心が動いたなら、それは、あなたも私たちと同じ志を持っている証拠かもしれません。脱炭素社会に本気で貢献したいという情熱。次の世代のために、今、行動したいという強い意志。そして、前例のない挑戦を心から楽しめる好奇心。
そんなあなたと出会い、このまだ見ぬ景色を、共に創り上げていきたい。と思っています。
※ 記載内容は2025年6月時点のものです

