電動車市場と蓄電池市場。2つの側面からPPESを語る
現在、電動車にはハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(BEV)など多様なタイプがあります。2030年には新車販売台数の多くを電動車が占めるという予測もあり、カーボンニュートラルの実現をめざす世界の潮流の中、電動化率は確実に増加していく見通しです。乗用車はもちろん、バスやトラックに至るまで、あらゆるモビリティの電動化がますます進むでしょう。
これら電動車の発展に不可欠なのが蓄電池技術です。蓄電池はこれまで社会の発展とともに進化し、私たちの生活にとって欠かせない存在となってきました。
たとえば、かつて電話は有線でしか使えませんでしたが、蓄電池の発達によりコンパクトにエネルギーを持ち運ぶことが可能になり、「どこでも使いたい」という人々のニーズに応え、現在では1人に一台、スマートフォンを持つ時代となっています。今後、その可能性はもっと広がり、より多くの社会課題へのソリューションに蓄電技術の活用が期待されています。
当社は「かけがえのない地球 クリーンで豊かな社会を未来へ」というビジョンのもと、電動車を主軸としながら、蓄電池を用いた幅広いエネルギーソリューションの提供をめざしています。このメガトレンドの中、単に市場の成長を追うだけではなく、常にお客さまや社会のニーズにお応えできるよう、確固たるプレゼンスを発揮することに注力しています。
市場と顧客のニーズに応えるために。フルラインナップで提供する電動車用電池
電動車に搭載される電池は、車の性能や利便性を左右するきわめて重要な役割を担っています。その重要性から、私たちは電動車用電池を車の「心臓」と考えています。
なぜ心臓なのか。それは、車載用電池が持つ特別な使命にあります。エネルギーを貯める「タンク」としての役割と、加速時に電力を一気に取り出す「エンジンの一部」としての役割。この2つの機能を同時に担うことで、電動車の価値を決定づける重要なアイテムとなっているのです。
前述の通り、電動車にはHEV・PHEV・BEVなど、さまざまなタイプが存在します。それぞれの車両には独自のメリットや特性があり、求められる電池性能も大きく異なります。
たとえば、HEVは、走行中に発電された電力を瞬時に充電し、すぐさまアシスト動力として放出する「充放電の速さ」が求められます。一方、BEVは外部から充電した電力を効率的に使いながら長距離を走行するため、「蓄電容量の大きさ」が重要です。
PPESの特徴は、HEV、PHEV、BEVまで、各車両の特性に合わせた電池の開発・製造・販売を行っていること。すべてのお客さまと技術的に高いレベルでの対話ができ、フルラインナップで提案ができるのは、当社のバックグラウンドを含む歴史と知見があってこそ実現できることです。
また私たちは、どの種類の電動車が市場の主流になるかは、市場とお客さまが選択するものだと考えています。HEVが求められても、BEVが主流になっても、あるいはPHEVが支持されても、それぞれに適した性能と品質を持つ電池を提供できるよう、幅広い開発・量産体制を整えています。
グローバル市場での電動車戦略──地域の特性に合わせた製品提供と開発の進化
グローバルで見る電動車の市場は、エリアによって異なる特徴を持っています。国や地域によって道路事情や充電インフラ、生活スタイルが異なることから、求められる電動車のタイプもそれぞれ違います。各地域で最適な電動車が選ばれて、市場が成長しているのです。
私たちの住む日本では、コンパクトな国土という特性から、短距離移動にはBEVが適している一方で、長距離ドライブも楽しみたい方にはHEVが選ばれています。多様なニーズが共存している市場です。
中国では充電インフラが急速に整備され、都市部を中心にBEVが走りやすい環境が整っています。そのため、BEVの普及が他国に比べて著しく進んでいます。
広大な国土を持つアメリカは、長距離ドライブにも対応するPHEVやHEVの需要が根強く、BEVと並んで幅広い車種が求められています。
このようにグローバルな市場を見ると、どの地域でも現地に最適な電動車が選ばれています。PPESでは、カーメーカーさまとのパートナーシップのもと、各地域の特性に応じた商品の提供と、求められる性能、品質、供給力を確保できる体制の構築を進めています。
市場変化を見極めながら、最適な電池ソリューションを提供し続けること。それが、グローバルな電動車市場で電池メーカーが果たすべき役割だと考えています。
電池の持つ無限の可能性──産業の成長と社会貢献をめざして
私が経営企画の職務に就いて3年が経ちましたが、それ以前は20年間にわたり電池の品質管理に携わってきました。デスクトップパソコンからノートパソコンへの移行期、折りたたみ携帯電話の時代など、さまざまなリチウムイオン電池の量産立ち上げから品質向上までを一貫して担当し、この経験が現在の電動車向け電池の経営にも生きています。
技術者として見てきた過去数十年の中で、リチウムイオン電池は小さい電池から始まり、スマホから電動車まで幅広く活用されるようになり、その世界的な生産規模は年々増加の一途をたどっています。
現在は経営企画という立場でリチウムイオン電池の事業に携わっていますが、仕事へのモチベーションは今もなお非常に高いです。リチウムイオン電池は社会から必要とされ、このような右肩上がりで成長する事業環境は世界規模で見ても稀です。こうした分野でメガトレンドの中心に立ち、当社が大きな役割を担えていることに、大きな誇りとやりがいを感じています。これからさらに用途が広がり、社会への貢献の幅も増していく中で、自分自身もますますチャレンジしていけることにワクワクしています。
私たちは現在、電池を通じて自動車の電動化を広げることで、CO2排出量の削減に貢献するソリューションを提供しています。地球温暖化対策は待ったなしの課題であり、PPESの技術がその解決に貢献できることに大きな意義を感じているのです。
今後5年、10年という中長期的な視点で見れば、解決すべき社会課題はまだ数多く存在します。車載用電池事業で蓄積した技術力と知見を活かし、新たな事業領域への展開も含めて、持続可能な社会の実現に向けた価値創造を推進してまいります。
※ 記載内容は2025年6月時点のものです

