当たり前を疑うことが、物流最適化への近道
現在、ICT事業本部に籍を置く鈴木。ICT業界に特化した物流設計や構築に携わっています。
「営業担当が獲得してきた案件に対して、具体的な改善提案の検討を行っています。新規に物流を立ち上げることは稀で、お客さまが他社に運営を委託している業務を当社に移管するケースがほとんどです。入出荷に関わる条件をもとに、時間や人件費の削減などによる、より効率的な運営の仕組みを模索しています。
物流の設計や構築は、引越しの作業にたとえると理解しやすいかもしれません。空っぽの部屋を生活しやすい空間に変えていくように、倉庫内での効率的な業務進行のため、人、物、ツールなどを適切に配置していく仕事です。
また、これまで手がけてきたプロジェクトの中から標準的に売り出せそうなサービスを洗い出し、当社にとって新たな武器としていくことも私たち設計構築担当の業務のひとつです。
事業本部制を採っていることから、現場で迅速に意思決定しアイデアをかたちにすることができ、過去の実績をもとにシナジー効果を高められることが当社の強みだと思っています」
顧客の数だけ仕組みづくりに正解がある物流の世界。方程式がないところに難しさがあり、またおもしろさがあると鈴木は言います。
「すべてのお客さまに適用できる模範解答はありません。お客さまごとの物流特性や傾向をよく理解した上での提案が求められますが、その結果、『うちのことをわかってくれているね』と感謝の言葉をいただけることがやりがいにつながっています」
顧客に最適な提案をする上で、鈴木が大切にしてきたのが、「当たり前を疑うこと」です。
「業界の常識を無批判に受け入れないよう心がけてきました。物流の現場では、長くそうやってきたからという理由で、正しいかどうかが問われないまま、非効率な作業が繰り返されていることが少なくありません。
ところが、物の置き方をほんの少し変えるだけで、作業の流れがスムーズになり無駄な手戻りがなくなることも。些細な疑問、小さな気づきをおろそかにしないよう意識しています」
安定した経営基盤とベンチャー精神を兼ね備えた環境に導かれ、NTTロジスコへ
学生時代に東日本大震災を経験し、人や社会に貢献できる仕事への意欲を高めた鈴木。所属したゼミで物流が果たす役割について理解を深めたことが、物流業界を志すきっかけとなりました。入社までの経緯をこう振り返ります。
「物流は商品やサービスを効率的に流通させるための基盤となるものです。この業界が陰で社会を支えていることを知り、自分もその一翼を担いたいと思うようになりました。
さまざまな物流の形態が存在する中で私がとくに興味を持ったのが、3PL。自分の行動次第で業界に大きなインパクトを与えられる可能性があるところに魅力を感じました。
中でもNTTロジスコを選んだのは、安定した経営基盤を持ちながら、NTTグループ外の企業とも積極的に協働する前向きな姿勢に惹かれたからです。また、社内の環境について率直に話してくださるなど、入社前にお会いした先輩社員は親しみやすい方ばかり。こんな人たちと一緒に働きたいと思ったことも入社の決め手になりました」
入社後、研修を終えて鈴木が配属されたのは品質管理を担う部署。約3年にわたって現場を広く知れたことが糧になるなど、多くの学びがあったと言います。
「発生事象を集計してその原因を分析・調査し、特定の配送センター固有の問題でないとわかれば他センターにも展開して再発防止策を講じたり、センターの抜き打ち検査を実施して業務改善を提案したりしていました。
入社して間もない若手が物流センターの熟練メンバーに対してあれこれ指示することに最初は戸惑いもありましたが、さまざまなセンターのさまざまな事象に触れる中で、現場業務についての豊富な知識が身につきました。
『あのセンターではこんな業務をしていた』という具合に引き出しを増やせたことは、物流設計や構築をする上でとても役に立っていると思います」
その後、鈴木は現在の部署へ。自ら志願しての異動でした。
「既存案件をサポートしながら、新規提案も担当させてもらいました。安易に答えを教えず、質問を投げかけて私に考えさせる先輩の手厚いマンツーマンの指導のもとで2年ほど学んで独立し、現在に至っています」
初めて挑んだリユース企業案件で刻んだ確かな一歩。集約案件では調整役としても奮闘
ICT事業本部で鈴木が初めてひとりで担当したのが、リユース企業。EC向けカタログのための「ささげ業務」に携わりました。
「ささげ業務のうち、当社が任されたのは主に商品の撮影と採寸でした。リユース品には同じものがないので、一点ずつ撮影と採寸が必要です。ところが、写真がぼやけていたり寸法が間違っていたりすると、ユーザーからの問い合わせ件数が増えてしまいます。そのため、撮り直しや計測し直しを何度も繰り返し、作業コストが単価を上回るケースが頻発していました。
そこで、お客さまの品質担当の方と擦り合わせを行い、写真や寸法の精度について許容範囲を設定。基準を現場に適用することで、問題が徐々に解消されていきました」
この案件は立ち上げ後に引き継いだものでしたが、要件の詰めに不備があり対応に追われたと言う鈴木。それだけに、案件が軌道に乗り始めたときの達成感は大きかったと言います。
「社内のメンバーの助けを得ながら、お客さまと入念なやりとりを重ねた結果、案件開始から約半年後に物流拠点の運用が健全化しました。お客さまから、『最初はどうなることかと思ったが、鈴木さんに担当してもらって良かった』と言葉をいただいたときは、それまでの苦労が思い出され感無量の思いでした」
また近年では、拠点を集約する案件を担当。3つの拠点を統合する作業は約1年半に及びました。
「お客さまと当社が担当する作業が複雑に絡み合っており、サービスを開始するためには、まずそれぞれの役割を明確にする必要がありました。もちろん、現場からの要求にも対応しなくてはなりません。互いに差し迫った事情がある中、各方面との話し合いを重ね、それぞれが譲歩できる範囲を見極めながら落とし所を探っていきました。
また、旧3拠点と集約先では空間構成がまったく異なります。そのため、以前の拠点と同等か、それ以上の効率性を維持するための新しいレイアウトの検討にも腐心しました」
現在、新拠点は無事に業務運営を開始していますが、物流拠点内の環境改善は継続的なプロセスです。決して終わりはありません。
「拠点をひとつに集約することで、異なる拠点間の人員交流が可能になりました。たとえば、A拠点で15時に業務が終了し、B拠点ではその後も業務が続く場合、15時以降にA拠点の人員をB拠点に移すことで、新たな雇用が必要なくなります。今後はこうした拠点間の連携をさらに強化していく計画です」
任せて放任せず。NTTロジスコならではの人材育成哲学の中で成長
2023年で鈴木は入社10年目。NTTロジスコで長く働き続けてこられた理由をこう説明します。
「社員の意見を否定せず、尊重するのが当社の長所であり強みのひとつです。部下がやりたいことをどうすれば実現できるかを上司が一緒になって考え、解決策を見つけ出そうとする風土が根づいていると思います。
また、若手が早くから裁量権を与えられ、大きな仕事に一人称で取り組める一方、放任せずに最後まできちんと支援するのが当社の人材育成の基本方針です。物流は多様な人々が協力し合って初めて成り立つもの。お客さまも含めた人と人とのつながりをとても大切にする考え方が社内に浸透しているところも、個人的はとても気に入っています」
片や、物流業界というと男性社会のイメージがありますが、女性が活躍できる環境があるのも同社の魅力のひとつだと言います。
「当社には職業のジェンダーギャップがなく、ほとんどの社員が出産後に職場復帰しています。中には時短勤務を取り入れている方もいれば、育休取得後も必要に応じて休みを取る方も。家庭と仕事を両立しやすい環境が整っているので、今後さまざまなライフイベントを迎えることに対する不安はまったくありません」
「2024年問題」をはじめ、多種多様な課題を抱える物流業界。NTTロジスコの一員として、鈴木はこれからも物流の最適化に取り組む覚悟です。
「トラックドライバーの長時間労働を抑制する動きが強まり、将来的には輸送能力不足がますます深刻化することが予想されます。こうした厳しい状況の中、物流業務を効率化するためには、人材配置を工夫するだけでは不十分です。マテリアルハンドリングや、お客さまの発注システムの改善など、大規模な変革が必要だと思っています。
現在取り組む物流拠点の設計や構築だけでなく、これからはより広い視野を持って、この会社に、そして業界に貢献できる存在になっていきたいです」
人や社会に役立つ存在になることをめざして。鈴木にとって、新たな10年がいま幕を開けようとしています。
※ 記載内容は2023年11月時点のものです
