お客さまの真の物流課題を見極め、何を提供すべきかを考える
中橋が率いるロジスティクスSE部が担うのは、社内のほかの3つの事業本部(ソリューション事業本部、ICT事業本部、メディカル事業本部)のアカウント(顧客)に対し、各種システムを提供すること。中でもメインとして扱うのは、物流に不可欠な倉庫管理システム(以下、WMS)です。
「ひと口にWMSと言っても、お客さまの業界によって必要な機能は異なります。たとえば雑貨系の商品を取り扱うお客さまのシステムは、量を効率的にさばくことに注力したしくみになっていたり、医療系の場合はシリアルナンバーで徹底した商品管理が可能であったり。それぞれのお客さまが抱える課題に対し、どのようなシステムなら解決できるのか、どういう形なら使いやすいのかを考え、提供しています。
また、ひとつのシステムをほかの事業部にも展開できるように標準化したり、すでにあるシステムに+αで市販のツールやソフトウェアを組み合わせたりし、お客さまの課題に対してソリューションを提供するのも私たちの役割です」
各業界、各社において抱える物流課題はさまざま。そのため中橋は、お客さまの真の「目的」を見極めること、それに対してエヌ・ティ・ティ・ロジスコは何ができるのかを考えることを大切にしています。
「物流コストをどう抑えるか、またトレンドであるECサービスをどう立ち上げて運用するかなど、多くのお客さまに共通する時流的な課題はあります。SE部門としては、そうした課題に技術面からアプローチすることも重要なのですが、より大切なのはお客さまがどういう目的でこのシステムを導入したいのかを考えること。
その目的が明確になれば、本当に提供すべきシステムやサービスが見えますし、本質的な課題解決につながります。システムありきではなく、目的が何かを意識することを大事にしています」
入社2年目にしてプロジェクトリーダーを経験したことが大きな糧に
学生時代からモノづくりに興味があり、大学はプログラミングを学べる情報システム系の学部に進学した中橋。倉庫作業や工程の分析を行うロジスティックス工学の研究室に入ったことで、物流業界を志すようになりました。
「しかし、私が就職活動をしていた当時は、物流業界でSEを募集している企業はほとんどありませんでした。そんな中でもエヌ・ティ・ティ・ロジスコはシステム系の専門職を求めており、かつ当時最先端だった自動倉庫システムを導入していたことにも惹かれ、入社を決めました」
入社後は数カ月の現場研修を経て、SEとしてのキャリアをスタート。システム部門に7年ほど在籍したのち、東北支社で営業を3年ほど経験した中橋は、再度システム部門に戻り、現在までのキャリアを歩んできました。
「ひとつの大きな転機となったのは、入社2年目でシステム開発のプロジェクトリーダー(以下、PL)を任されたこと。それまで外部に任せていたエヌ・ティ・ティグループの大規模物流を当社に任せていただくことになり、システムでは当社の全国11倉庫で使用するWMSシステムとお客さまが使用する生産管理システムと資材管理システムを構築するというプロジェクトでした。私はそのうち資材管理システムのPLを務めたのですが、お客さまとの仕様調整やベンダーとのやりとりにはとても苦労しましたね。
プログラミングやソフトウェア開発の経験がまだまだ足りない若手の自分が、経験豊富な方たちと対等に話し合い、PLとして存在感を出すにはどうすればいいか──必死に考えながら懸命に勉強し、なんとかお客さまとベンダーをつなぐ役割を果たすことができました。入社2年目にして大きな責任のあるポジションを任せてもらえたのは、その後のキャリアに大いに役立ったと思います」
自分の担当範囲を区切るのはもったいない。事業部を超えた新たな挑戦をもっと
2023年で入社から25年。長年物流システムに携わってきた中橋が、とくに印象的だと語るのが、平和島物流センターを立ち上げたときの案件です。
「大手商社系のSIer企業さまが物流センターを利用してくださることになり、倉庫で使うシステム開発も当社が手掛けることになりました。取り扱うのはサーバの中にメモリなどさまざまな部品が入った精密機器で、入庫の時点ですでに中身が構成されているもの・出荷前に組込みするものが混在している状態。それら一つひとつを管理し、最後に仕上げをする現場の方たちにもわかりやすいシステムをつくることにとても苦労したのを覚えています。
また、物流作業も当社が担当するので、単なる管理システムをお客さまから言われた通りにつくるだけでなく、どういう業務設計なら作業しやすいか、そのためにはどういうシステムにすべきかを、業務設計にも参画しながら一から検討していきました。
苦労の甲斐があり、完成した際には物流センターの責任者の方から『ほしい機能がしっかり揃ったシステムができたおかげで助かった』と言ってもらえました。自分たちが開発したシステムがうまく動いた瞬間をその目で確かめられて、現場の方たちから『作業が楽になったよ』などの声を直接いただけるのは、この仕事のやりがいでもありますね」
エヌ・ティ・ティ・ロジスコでは現在、事業本部を横断した人材の活用を積極的に進めています。中橋が率いるロジスティクスSE部は、まさにその「横串」となるべく、さまざまな案件にチャレンジしています。
「これまでは基本的に事業部内でプロジェクトメンバーをアサインしたり、それぞれ部署ごとに協力会社と契約したりと、閉じたやり取りが多かったんです。でも今後は、『○○のスキルを持ったSEがいないか』『○○の経験がある人を探している』などの情報を共有し、部署を跨いでプロジェクトに参加できるようにしていきます。
メンバーたちにとっては活躍の場が広がる一方で、『これまでは自分の担当領域の仕事だけやっていれば良かったのに……』と、ネガティブに捉える人もいるかもしれません。でも、『自分のテリトリーはここまで』と自ら区切ってしまうのは実にもったいないこと。
自分を例に挙げれば、私は過去に隣の部署の炎上案件にも首を突っ込み(笑)、火消しに関わってことで経験値を積み上げてきました。さまざまな業界のさまざまな案件に関わることで、柔軟な対応力が身につき、新たな人脈を築くこともできます。SEとしての成長をめざす上では、事業部を越えた挑戦はとても重要だと考えています」
物流業界の未来のために──現場で働く人が楽になるソリューションを
ほかの業界と比べ、物流業界はまだまだDXやシステム化が遅れていると話す中橋。だからこそ、SEとして今後の伸びしろにチャレンジするおもしろさがあると言います。
「たとえば大手EC企業のように、ほとんど完成されたシステムの中でSEをやるとなると、あまり活躍の場はないかもしれません。でも当社が支援しているのは、さまざまな課題をシステム化などで改善したいと考えるお客さま。お客さまが実現したいことを理解し、システムで解決できる部分と人の手が必要な部分を見極め、単にシステムを提供するのではなく、物流ソリューションを提案することにおもしろさややりがいがあると思っています。
一方で、有効な解決策を見つけるには、他部署のプロジェクトにも挑戦するなどして経験や知見を積み重ねることが重要。エヌ・ティ・ティ・ロジスコでは、当事業本部だけでなく全社的に新しいチャレンジを進めているところですし、挑戦する人をあたたかく見守りフォローする風土も根づいています。
部長としては、今後メンバーをさまざまな案件にアサインして経験を積んでもらいたいですし、私自身も新しいことにチャレンジする姿を皆に見せていきたいですね」
最後に、長く物流業界を見てきた中橋は、めざすべき未来を次のように語ります。
「現在のように、希望した物が希望した日時に当たり前に届く状況を将来も維持するには、物流センターを単にデジタル化するだけでは足りないと思っています。お客さまのニーズに応えるにはすべてをシステム化・自動化するのは難しく、どうしても人の手が必要な作業があるからです。
だからこそ、現場で働く人が楽になるようなサポート──たとえば重いものを持つときや長時間動くときの補助など──が必要であり、少ない人数でも物流が滞らないしくみづくりが求められるようになるでしょう。
当社は今後、これまでの物流システムだけでなく、コンサルティングやAIなどの最新技術を取り入れたソリューション提供にも力を入れていく予定です。これまでの実績と新たなチャレンジを組み合わせ、これからも物流業界の発展に貢献していきたいですね」
※ 記載内容は2023年12月時点のものです
