システム開発から実務導入まで一気通貫。社内のDX推進の最前線を担う
農林中央金庫のIT統括部DX企画班に所属する中村。入庫9年目ながら、全社のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の中心的な役割を担っています。
DX企画班は2024年4月に新設された部署。以前は別々だったIT部門のDX推進チーム、経営企画部門のDX推進セクション、デジタルイノベーション推進部の3つを統合し、全社的にDXを強く推進していくために作られました。
「新しいDX企画班では、システム部門の視点だけでなく、計画の観点や全社推進の視点も持ちつつ、PoC(概念実証)だけで終わらせずに実務への導入まで一貫して行うことをめざしています」
チームの規模は50人近くで、そのうち約半数はグループ会社である農中情報システムの出向メンバーです。
「開発者である農中情報システムのメンバーと、ビジネスよりの農林中央金庫のメンバーが、お互いのストロングポイントを活かし、気軽に相談し合える体制を構築しています。プロジェクトのアサインも柔軟で、上司や部下の関係に縛られずに案件ごとにメンバーが割り当てられています。この体制により、多くの案件に対して効率的に取り組めるようになりました」
中村自身は、プロジェクトリーダーとして主体的に業務を進めています。
「現在、2つの大きなプロジェクトに携わっています。1つめは、経費旅費精算システムの全面的な刷新で、今年度中の一次リリースをめざしています。2つめは、より長期的なプロジェクトで、社内の共通業務のプロセスを変更し、効率的なシステムやツールの導入を図るものです。
社内の共通業務には、備品等の各種申請、各種報告などが含まれます。これらの業務をデジタルツールで効率化することで、職員の負担を減らし、より重要な業務に集中できる環境を整えることが目標です」
現在のポジションでのやりがいについて、中村は次のように語ります。
「多様な意見を聞くことで視野が広がる点が魅力です。私自身、ITにルーツを持つ人間ではないため、システムについて学ぶ中で知識としても幅が広がっている感覚があります。
また、プロジェクトの成果が目に見える形で表れることも大きなやりがいになっています。明確なゴールがあるため、毎回達成感を味わえる喜びがあります。ただ、やって終わりとならないように心がけています」
第1次産業を支える金融インフラの使命を現場で経験。新たな課題と共にDXの道へ
中村が農林中央金庫に入庫したのは、2016年のこと。法学部で経済法を学んだ中村ですが、その進路選択には明確な理由がありました。
「もともとインフラ全般に関心があったんです。その中で、金融と第1次産業が関わる農林中央金庫に興味を持ちました。第1次産業の発展を使命とする点や、金融という社会インフラ機能を担っている点に魅力を感じたんです」
最初の配属先は営業第一部。化学メーカー向けの法人営業を担当することになります。
「先輩たちが築いてきた顧客との関係性を維持しつつ、新規取引の契約締結を経験するなどして、融資業務の多面性や金融業務について学ぶことができました。食農ビジネスの観点から地元の農協や農家と化学メーカーを引き合わせるビジネスマッチングにも携わり、農林中央金庫の当時の食農ビジネスを一通り経験できた貴重な時期でした。合わせて、社会人としてのいろはも教わりましたね」
営業第一部での3年間の経験を経て、中村は山口営業所へ赴任することに。この異動は、リテール業務全体に携わりたいという自身の希望が反映されたものでした。
「主な業務は、JAバンク推進業務全般でした。着任日に12あったJAが1JAに統合されました。発足したてのJA山口県の安定稼動のために、組織の体制、人材育成、新商品の導入などについて、さまざまな提案や支援を行うんです。もちろんすぐに結果が出る話ではないので、関係者の人たちと地道に信頼関係を深めることが重要になります。
約2年半をかけて提案した施策が、私の異動後に実現すると聞いた時は、長期的な視点で取り組むことの重要性と努力の成果を実感できました」
その後、中村は2022年にDX・CX推進を行う総合企画部へと異動。ちょうどDXへの関心が芽生えていた頃でした。
「JAの取り組みを続ける中で、事業部門ごとにデータ利用が分断され、業務の進め方が縦割りになってしまっている状況を改善したいという思うようになりました。統合を経て1つのJAになったことで、それぞれのデータの利活用に向けた話もしていたので、DXに対する関心が高まっていた時期でもあったんです」
こうして、中村は本格的にDX推進に携わることになります。
どう説明すれば伝わるか?現場の立場になって企画した、新システムの周知活動
異動後は、社内コミュニケーションや会議の効率化、資料作成の効率化、ペーパーレス推進、総務業務の効率化など、職員の共通業務のDX推進を担当することになった中村。
立場や業務内容が大きく変わったものの、これまでの経験が役立ったと言います。
「新しいシステムの導入やルール作りの時に、『自分だったら、どんな説明を聞いたら理解ができるか、納得ができるか』『ただ導入するだけでなく、実際に活用してもらうためにはどうするべきか』現場の立場で考えることができました。また、一方的に進めるのではなく、実際に現場の声を聞いた上でルール作りに活かすなど、コミュニケーションを取りながら業務を進めていきました。
大切なのは客観的に状況を把握しつつ、意見を尊重すること。納得してもらえない場合は、代替の手段や案を持っていき、相手の納得を得られるまで丁寧にすり合わせをしていきました。こうしたコミュニケーションは、営業やJAでの経験の中で身につけられたものだと思っています」
中村がとくに印象に残っているのが、社内ワークフローシステムの刷新プロジェクトです。
「このプロジェクトでは、紙ベースの承認プロセスから電子化への移行、個人のタスク管理機能の追加など、大きな変革に挑みました。しかし、内部統制上の確認や法令遵守における調整、ユーザーへの周知と理解促進など、多くの課題がありました」
中村は、これらの課題に対して地道な活動を続けました。
「現場の職員の皆さんへのコミュニケーションにはとくに力を入れました。最初に案内をしたときは、『なぜ変わるの?』『わかりづらい』という声が出てきたんです。そういった不安や疑問をできるかぎり早く解消すべく、どんな資料を用意して、どう説明すれば伝わるだろうかと頭をひねりましたね。
そして、ただ資料を読んでもらうだけではなく、会場に来てもらって、実際にシステムを操作してもらい、その場で質問に答える形式の説明会を開催したんです」
デモ操作を交えた周知活動が功を奏し、中村の努力は徐々に実を結び始めます。
「最近では、職員から『便利になった』『もう慣れてきたよ』という声を聞くようになりました。また、外部にも評判が届き、『うちも同じような課題を抱えているんだよね』とルール作りや社内のマインドセットについて相談を受ける機会も出てきているそうで、プロジェクトの一端を担った身としては嬉しく感じています」
幅広い経験をもとに、スペシャリストの道を探る。何にでも挑戦する姿勢が築く未来
法人営業、JAバンク推進、そして現在のDX推進と、多様な経験を積んできた中村。今後のビジョンについてこう話します。
「システムの知識をさらに深めて、専門的な知見がある方含め、しっかりコミュニケーションを取れる人材になりたいなと思っています。プロジェクトの始まりから終わりまで、さらにリリース後もアップデートしながら改善していくなど、責任を持ってやり切れるようになることが目標です。
また、これまでの経験を活かして、現場の業務改善についてより踏み込んで考えるようなポジションにも興味があります。異動によってまた現場に戻ることがあってもこれまでの経験が活きるのではないかと思っています。その際は、本店からの発信や取り組みをしっかり浸透させる役割を担っていきたいですね」
社内のどのポジションに行っても前向きに仕事を楽しんでいる中村。農林中央金庫の魅力についてこう語ります。
「なんと言ってもチャレンジする機会の多さですね。やりたいことがあれば、『まずはやってみよう』とある程度の裁量と自由を与えてもらえるんです。また、組織の規模が大きすぎないため、コミュニケーションの取りやすさも感じます。
幅広い業務経験を積める点も良いところだと思います。社内のさまざまな部門や部署を経験した上で、自身の専門を見つけ、その分野のスペシャリストとして育っていくことができます。いろんな部署で培った経験や人とのつながりがあると、社内でのコミュニケーションもスムーズになりますし、自身のスキルアップにもなると思っています」
そんな農林中央金庫で活躍するには、どのような人材が向いているのでしょうか。
「大切なのは、前向きであること。とくに現在携わっているDX推進のような新しい分野では、挑戦しようとする姿勢が大切です。任された業務に対して積極的に取り組むことはもちろん、『これをやってみたい、あれもやってみたい』と好奇心旺盛な人材が求められます。私もそんな方と一緒に働けたらうれしいですね。
実際に、これまで取り組んだことのない、新たな取り組みにチームメンバーでチャレンジしているところです」
農林中央金庫は今、新しい時代の金融機関として進化を続けていく挑戦者たちを求めています。DX推進という最前線に立つ中村の言葉は、そんな農林中央金庫の未来を強く示しています。
※ 記載内容は2024年6月時点のものです

