お客さまの生の声が次世代の車種で形になる喜び
乗用車の品質管理を担う、トータルカスタマーサティスファクション本部(以下、TCSX)プロダクトクオリティマネジメントオフィス。ここで現在石川は、お客さまからお寄せいただいたご意見に対して講じた改善策の新型車への適用および製品品質管理業務を担当しています。
「主に2つの大きな軸があります。1つめは市場のお客さまの声の分析、特にお客さまの不満に真摯に向き合い、それを解消する対策を講じること。2つめは、量産移行判断や出荷判断を品質面から行うことです」
チームで国内2車種を担当し、海外生産車は現地スタッフと連携しながら最終判断。石川自身は、チームリーダーとしてお客さまの声を反映する業務の舵取りを任されています。
「例えば『収納が狭い』といった現行車の不満を拾い上げ、改善を盛り込んでいく活動です。一方で、納期が近づいた車両の品質を確認し、要求性能を満たしているかを見極める移行判断も大切な役目。お客さま目線で課題を洗い出し、それを解決したクルマを世に送り出す。その両輪を担っているのが我々の仕事ですね」
少数精鋭のチームだけに、メンバー間の密なコミュニケーションが欠かせません。
「何かあればすぐ話し合える環境づくりを心がけています。社内の関連部署ともパイプを築き、部署の垣根を越えて連携することが大切になりますから」
業務の性質上、実際の車両に触れる機会も多い部門で、新型車の立ち上げ時期となると、月の約3分の1は工場に出向き、チームで現物を確認することも。
「自分が担当しているクルマが、どのように仕上がっていくのか。その過程を間近で見られるのはやはりとても面白いですね。お客さまに喜んでいただける品質のクルマを製造するには、当然ですが机上の空論ではダメ。現場の声に真摯に耳を傾けることが何より大切だと、改めて感じています」
若手を率いる立場となり、現場の声に寄り添いながら、次世代の日産車の品質向上に尽力する石川。クルマづくりへの情熱が、次世代のクルマを支えています。
幼い頃からの憧れだった日産車への情熱や思いを胸に、設計職へ
石川が日産自動車に入社したのは2006年のこと。それ以前は別の会社で7年間キャリアを積んできました。
「前職は自動車の部品メーカーで生産技術部に所属していました。もともとクルマが好きで自動車メーカーで働きたいという希望があったのですが、新卒の時には希望が叶わず。それでもいつかは完成社メーカーで自動車を作りたいという思いがあり、転職を決意しました」
子どもの頃から日産車への憧れを抱いていたと振り返る石川。特に刑事ドラマに登場する日産車の姿に心を奪われていたのだとか。
「幼い頃に見ていたドラマ、例えば『西部警察』や『あぶない刑事』に出てくる日産車がとてもかっこよくて。細かいところまでは分からなかったけれど、漠然とした憧れを抱いていましたね」
日産自動車に入社後、石川が最初に就いたのは設計職。前職とは違った環境での新たなスタートでした。
「前職の生産技術部では主に樹脂技術を担当してきて、日産自動車に入社後は内装設計を任されることになったのですが、内装部品の大半が樹脂製品だったので、前職での経験が活きました」
設計職として内装技術開発部や製品開発部で経験を積んだ後、2018年から2020年にかけては、日産自動車の子会社に出向。そこでもクルマの開発業務に携わりました。
「出向先での仕事内容は、基本的に日産本体での仕事と変わりませんでした。担当していたのが子会社開発の車種だったので、その車種のために子会社に出向していたという形ですね」
新卒では叶わなかった日産自動車への入社と、そこから新たなキャリアを歩み始めた石川。クルマづくりに携われる喜びを胸に、日々の仕事に邁進してきました。
「幼い頃から大好きだった日産車を、実際に自分の手で作る側に立てたことは本当にうれしかったですね。設計の仕事は大変なこともありましたが、やりがいを感じながら働くことができていました」
現場で実車に触れる臨場感と責任、そして開発との連携強化
石川がTCSXに異動して感じた大きな変化の一つが、実車に触れる機会の増加でした。
「設計、開発にいた時代は主にCADを使ったデジタル開発がメインでした。今は立ち上がり直前のクルマを実際に触って評価できるので、クルマに触れる機会が増えています」
設計する喜びと同時に、できあがったクルマを間近で見ながら仕事ができる現在の環境を、石川は理想的だと感じていると言います。ただ、その分責任も重大。チームの判断一つで、クルマの運命が変わることもあるわけです。
「量産移行や出荷の判断を下す際は、製品のクオリティが要求レベルに達しているかどうかが重要なポイントになります。もしも課題があると判断した場合は、問題がどこにあるのかをしっかり見極める必要があるのです。
自分の設計経験を活かして、そういった点にも目を向けられるようになりました。設計部門から相談を受けることも増えてきたので、お客さま目線を大切にしながら他部門と連携していきたいです。
現在私が担当している車種は、お客さまが日常生活の中で特に利便性を求めて乗っていただく車種なので、お客さまの声をしっかりと反映し、競合車に負けない魅力的な製品にしなければなりません。開発の初期段階から品質保証の立場で関わり、設計部門と連携しながら、お客さまのご要望を一つひとつ改善に結び付けています」
現在手がけているこの車種が、品質と開発で連携を強化するという新しい取り組み方の先頭を走る存在だと石川は話します。実際の工程に最前線で触れながら、理想のクルマを作り上げていく。石川の情熱が日産車の品質向上を支えています。
開発部門での専門性をバックグラウンドに持つ身として貢献していく
TCSXには、石川のような開発部門出身者はまだ少ないと言います。
「私は2022年に異動してきましたが、開発経験のある私としては、苦手意識なくその役割を担えていると思います。開発部門との密な連携が、私の貴重なミッションであり、得意とするところでもあると思っています」
お客さま目線でのクルマづくりをさらに進めるためにも、石川のようなバックグラウンドを持つ存在が品質管理部門に加わることは重要になってくるはずです。
「お客さまの声を基に、開発の初期段階から改善提案を行っていく方向性は正しいと改めて感じているので、その体制をさらに強化していければと考えています。
現在私が担当している車種で、新しい取り組みを先行して進めているので、ここでの経験を活かして今後の新型車開発につなげていければいい流れになるはずです。開発部門との連携を密にするためにも、設計経験者が品質管理に加わる流れが加速したら、とても心強いです」
石川の言葉からは、お客さまの声を形にするやりがいや熱い思いが伝わってきます。では改めて、日産自動車の魅力とは何なのでしょう。
「日産自動車はお客さま目線に立って真摯にクルマづくりをしている会社だと感じています。お客さまが何を求めているのかを常に考え、“安心安全な良いクルマ”、最終的にお客さまに長く喜んで乗っていただけるクルマを作ることにこだわっています。自分自身、日産車が大好きだからこそ、そういった姿勢に強く共感を覚えていますし、この会社で働くことに大きなやりがいを感じています」
クルマへの愛情を原動力に。一つひとつの意見に耳を傾け、分析し、理想の形を探り、時代が求める一台を生み出す。その矜持と情熱こそが、日産車の進化を支えているのです。
※ 記載内容は2024年6月時点のものです
