不具合ゼロへの挑戦。事象と背景を正確に捉えることが早期解決の鍵に
島本が所属するのは、TCSXの市場品質改善部。製品から発生した不具合に対して、他部署と連携を取りながら解決策を講じ、品質改善につなげていくことが主な使命です。
「工業製品において不具合が完全にゼロになることはなかなかありませんが、それを限りなくゼロに近づけること、そして不具合でお客さまにご迷惑をおかけしないことをめざしています。日産社内では品質に対して議論が交わされる場面が多く、品質向上に対する意識がとても高いです」
市場品質改善部の業務として、品質改善のベースとなる、メーカー保証の条件設定や、修理を行った販売会社からの補償請求の査定や費用の管理、また取引先への求償業務などもあります。その保証に関わる部分を主に担当してきた島本には、入社以来ずっと心がけてきたことがあります。
「起きている事象と、それが起きた背景を正しく理解することを大切にしています。どんな問題であれ、まずはそこを正確に把握することが、早期解決と再発を防止するための第一歩だと考えているからです」
保証に関わるチームのメンバーは島本を含めて16人ほど。ベテラン社員が多く在籍しており、島本と同じ中途入社のメンバーも多数。
「過去に産休育休を3回取得しているためブランクがありますが、年次からすると私もベテランの部類。時短勤務制度を活用し、子育てと仕事を両立しながら働いています」
入社して広がった世界観。多様な価値観に触れられることは日産自動車の魅力
理系の大学を卒業した島本が新卒で入社したのは、長野県内に本社を置く部品メーカーでした。
「出身は埼玉ですが長野で学生時代を過ごし、そのままそこで就職することに。ときどきサルやシカが姿を見せるような自然豊かな場所で、品質管理業務に携わっていました」
一方で将来に漠然と不安を抱えていたと言う島本は、都市に出てキャリアを積み上げたい気持ちもあったと振り返ります。
「当時から日産で働いていたパートナーにその気持ちを打ち明けたところ、『品質保証関連の部署が中途採用を募集しているから』と選考を受けることを勧めてくれたのです。それを機に、世界を代表する自動車メーカーの品質保証という大きな舞台に挑戦してみたいと、現実的に考えるようになりました。また、過去にパートナーの同僚らとプライベートで交流した経験があり、職場の雰囲気の良さを感じていたことも選考を受けることへ前向きになれた理由のひとつでした」
そうして島本が日産に入社したのは2004年のこと。目の前の世界が大きく広がるのを感じたと言います。
「社内にさまざまな考え方や価値観を持つ人がいることに驚きました。いまも日々、新しい学びや気づきがあって、自分が成長できている実感があります。多様性に富む環境で働けるところに、日産の魅力を感じています」
入社以来、島本は一貫して品質保証に関する業務に携わってきました。すぐに対応しなければならない課題が立て続けに出てきたり、なかなか解決できない事象があったりと追い込まれる場面もありますが、そのたびに周囲に支えられてきたと話します。
「上司やチームメンバーの誰もが協力的。『とにかく楽しくやりましょう』と励ましてもらったおかげで、切羽詰まった状況でも落ち着いた気持ちを保ち、難しい局面を乗り越えることができました」
その後、島本は入社4年目の2007年度に第一子を出産。同年12月から産休育休を取得しました。
「私が就職したころは就職氷河期でした。そのため当時は職場には同世代の女性が少ない上、女性の多くは出産を機に退職している方も過去は多かったと聞いていました。そんな状況でも、出産後も働き続けたいとの意思を伝えたところ、上司や職場の方々からは『必ず戻って来てね』と快く送り出してもらえたことがとても印象的でした」
3度の育休と時短勤務を取得。両立できたのは互いに助け合える職場環境があったから
職場復帰を間近に控えていた2009年の始めに、第二子の妊娠が発覚。上司とも相談した結果、島本は一時的な復帰を決意します。
「仕事をすることで生活にメリハリをつけたいとの考えが強かったのですが、短期間の復職で会社に迷惑をかけることになるため、はばかられる気持ちもありました。しかし、上司が私の想いを尊重し、背中を押してくれ、復職を決意しました」
実家とは距離があったことから、両家の親のサポートは期待できません。独力で臨む覚悟でしたが、仕事と育児の両立は想像以上に大変だったと振り返ります。
「当時は通勤に1時間ほどかかっていたので、18時半に退勤して20時にお迎えに行くという毎日。出産以前と同じように働きたいと考えていたことから、お迎えを待ってもらえる限界まで仕事するなど、ぎりぎりのところで踏ん張っていました。
しかも、またすぐに産休に入ることが決まっていたので、仕事の幅を制限していてこの始末。当時、どれほど周囲に迷惑をかけたかわかりません。けれど、短期間でも職場復帰し、子育てしながら仕事を続ける感覚がつかめたことは大きな収穫でしたし、ありがたいことでした」
第二子に続き、島本はしばらくした後に第三子を出産。計3回の育休を経て本格的に職場復帰を果たし、現在は時短勤務制度を活用しながら仕事と育児と両立する日々を送っています。
「子どもが何人もいると、立て続けに体調を崩して1週間連続で仕事を休まなければいけないことも少なくありません。パートナーと休みを調整したり、有給休暇や社員が各自の事情に合わせて柔軟に休暇を取得できる『ファミリーサポート休暇』などの制度も活用したりしながら、なんとか現在に至っています」
仕事と育児を両立する上で、もっとも大切なのが心身の健康を維持することだと話す島本。いまも大切にしていることがあります。
「身体や心のバランスが崩れてしまうと仕事は続けられません。仕事と私生活のバランスを崩さないよう細心の注意を払ってきました。今はまだ子どもに手がかかる時期。子どもを中心に考えたい旨を上司に伝えるなど、業務量の調整も含め、周囲の理解と協力が得られるようにも努めています」
それができるのは、風通しの良い組織文化があるからこそ。今の職場環境の魅力を島本はこんな言葉で表現します。
「第二子の出産後は、とくに両立に苦しみましたが、当時と現在とでは時代が変わり、職場環境も大きく変化しました。また、これは子どもを持つ人に限った話ではありません。どんな方でも体調やそのほかの都合で休むことはありますし、休みを取ることや休んでいる人の仕事をフォローすることが当たり前という環境になってきていると感じます。そのためには日々の業務をお互いに把握しておくことが大切です」
誰もが互いに助け合い、ポジティブに働ける職場をめざして
仕事と子育てを両立しようとする人に限らず、社内の誰もが互いに働きやすいと感じる職場づくりに貢献していきたいと言う島本。
「誰かが無理をしたり我慢したりしなければいけないのは、組織にとって良くない状態だと思います。互いに手を差し伸べ合い、それぞれの考えを尊重しながら、ありたい姿、あるべき姿をめざすのが理想的です。そのための相談や発言が気軽にできるような環境をつくっていきたいと思っています。
自分がこれまで周囲にしていただいたことを、今度は自分が返していく番。私は物事を率先して決めて先頭で主導していくより、人の話に耳を傾け、誰かがやりたいことをサポートしたいという気持ちが強いので、これまで経験してきた【子育てと仕事の両立の仕方】、【女性の働き方】について、後輩にもっと知ってもらい女性が働きやすい環境づくりの手助けをしていきたいですね」
日産では男性が育児休暇を取ることも珍しくはなくなり、コロナ禍を経てリモート勤務も気軽にできるようになってきたと島本も話します。自分の思い描くキャリアを実現できる環境づくりをめざして、誰もが互いに助け合うことを当たり前に──独自のキャリアを歩んできた自分だからこそできることがあると信じて島本の挑戦は続きます。
※ 記載内容は2023年12月時点のものです

