経営を支えるBPOへ。オートリースの真の価値とは
社会の価値観の変化や企業の業務効率化の流れを背景に、国内のオートリース市場は拡大を続けています。その中でも安定した成長を遂げているNCS。2026年から代表取締役社長を務める永田は、オートリースという事業の本質についてこう語ります。
「オートリースと聞くと、『車両代金を分割して月額で貸し出す金融サービス』というイメージを持たれる方が少なくありません。しかし、それはあくまで一側面です。オートリースの本質はお客さまの車両管理に関わる煩雑な業務を丸ごと引き受けるサービス事業であり、企業経営を支えるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスなのです」
一般的なリースであれば、顧客が選んだ物をリース会社が購入し、賃貸する契約で完結することが少なくありません。しかし、オートリースは異なります。
「企業が自社で車両を保有すると、車検や点検の手配、税金の納付、保険の手続き、事故対応など、多くの管理業務が発生します。私たちは『車のプロフェッショナル』として、お客さまの事業内容や用途に応じた最適な車両をご提案することから始まり、契約後も車両の保有・運行に伴う各種手続きや期日管理、メンテナンスまでを一貫してサポートしています。
つまり、お客さまの管理負担を軽減し、本来注力すべきコア事業に集中できる環境を提供すること。それがオートリースの価値なのです」
現在、NCSが管理する車両は約70万台、取引先企業は約3万7,000社にのぼり、国内トップクラスの規模を誇ります。確固たる経営基盤のもとで持続的な成長を続けており、その背景には多様な人材が活躍する組織文化があります。
「当社は東京センチュリーをはじめ、NTTグループ、みずほフィナンシャルグループ、りそなホールディングス、伊藤忠商事、東京ガスといった日本を代表する企業と強固なネットワークを持ち、その歴史の中で多様な企業の文化や人材が融合してきました。
また、新卒入社はもちろん、自動車業界や金融業界をはじめ、さまざまな経歴を持った経験者入社の社員も数多く活躍しています。多様なバックグラウンドを持つ人材が集まっているからこそ、新しい仲間を自然体で受け入れる風土ができあがっているのです。多彩な個性がチームワークよく交ざり合い、お互いを尊重しながらイキイキと働いています」
多様な人材が集う組織において、永田が何よりも大切にする資質があります。それが「素直な心」です。
「新卒採用の面接などで『どんな人が必要ですか』と聞かれたら、私は迷わず『素直な人です』と答えます。当社の社員はときに素直すぎるくらいに感じてしまうのですが(笑)、それでも周囲のアドバイスやお客さまの声を素直に受け止められる人は、誰からも愛されますし、吸収力が格段に違います。素直さこそが、プロフェッショナルとして信頼関係を構築し、自分自身を成長させる最大の素養だと思います」
強みを結集し、新たな価値を創る。NCS進化の軌跡
1987年に東京リース(現・東京センチュリー)に入社し、長年にわたり営業の最前線でキャリアを重ねてきた永田。NCS誕生の背景には、業界を代表する企業同士の統合という大きな転機がありました。永田は当時をこう振り返ります。
「2005年、センチュリーオートリースとNTTオートリースが統合してNCSが誕生した時は大きなインパクトがありました。当時両社は業界を牽引する存在である一方、東京リースグループにとっては競合相手でもありました。正直、『強大なライバルが出現したな』と感じました。
その後、東京センチュリーの発足やグループ内の再編を経て、2013年には各社の強みが結集した現在のNCSへと進化を遂げました。統合が決まった際には、不安は一切ありませんでした。それぞれが持つ強みやお客さま基盤がひとつになることで、これまでにない価値を生み出し、どこよりも素晴らしいサービスを提供できる会社になれる、と胸が高鳴ったことを覚えています」
統合によってNCSは規模を拡大しただけではありません。顧客課題を解決する力そのものが大きく進化していったと永田は語ります。
「実際に、統合後のNCSは営業力とソリューション力をさらに高めていきました。単に会社が大きくなったのでなく、お客さまの課題を発見し解決する力が飛躍的に向上したのです。多様なバックグラウンドを持つ人材が力を合わせることで、NCSならではの競争力が生まれたのだと思います」
さらに、オートリースを取り巻く社会環境も大きく変化していきました。企業の意識が車の「所有」から「利用」へ、そして管理業務の効率化へと向かう中、その流れを加速させたのが、2020年のコロナ禍でした。永田がNCSへ赴任した時期とも重なります。
「2020年、社会全体が未曾有の混乱に直面しました。多くの企業で総務・管理部門の皆さまが在宅勤務の体制構築や感染症対策に追われ、車両管理に十分な時間を割けなくなりました。そうした中で、『煩雑な車両管理は専門家であるNCSに任せたい』というアウトソーシングのご相談が急増しました」
顧客が危機に直面する現場へいち早く駆けつけ、手厚くサポートする──。NCSの社員たちが示した寄り添う姿勢は、多くの企業からの高い評価と厚い信頼につながりました。
「お客さまが真に困っている時に、プロとして力になる。その結果、『NCSに任せて本当によかった』とおっしゃっていただける。社員たちが自身の仕事に誇りとやりがいを感じ、自信を深めていった素晴らしい瞬間でした。社会インフラを支える存在としての役割をあらためて実感した時期だったと思います」
最先端技術と循環型ビジネスで挑む──「Your Mobility Partner」
「自動車業界は今、100年に一度の大変革期を迎えています。EVやコネクテッド、AI技術の進化によって、モビリティのあり方そのものが変わろうとしています」
永田がそう語る通り、現在のNCSは単なるオートリース会社ではありません。車両管理を起点に、最先端技術を活用したモビリティソリューションを提供する企業へと進化を続けています。
その代表例の一つが、同社独自のテレマティクスサービス「NCSドライブドクター」です。危険運転のリアルタイム検知や走行データの可視化を通じて、安全運転の促進や事故削減、保険料など各種コストの低減に貢献しています。
そして、NCSが描く未来のグランドデザインは、脱炭素社会に向けたEVの普及支援と循環型ビジネスの構築にあると永田は熱を込めます。
「EV導入を検討されるお客さまの多くが、バッテリー性能の低下に不安を感じています。そこで私たちは、自動車メーカーの保証期間を超えて、当社が独自にバッテリー性能を保証するサービスを開始しました。他社に先駆けた取り組みとして、お客さまからは『そこまでNCSが保証してくれるのか』と驚きと喜びの声をいただいています。
新車として活躍したEVを、次は中古車リースとしてセカンドユーザーに活用していただく。そして車としての役目を終えた後は、搭載されていたバッテリーを取り外し、定置型の蓄電池として再利用する。モビリティの価値を最大限に引き出しながら資源を循環させる仕組みづくりに挑んでいます。
車は製造時に多くのCO2を排出しますから、一台の車を最後の最後まで使い切ることが、環境に優しい循環型社会の実現につながるのです。私たちは『車を保有・管理する会社』から、『モビリティの価値を循環させる会社』へと進化していきます」
また、永田の視線はモビリティを支える社会基盤そのものにも向けられています。全国的な整備士不足が課題となる中、NCSは整備会社のグループ化や経営改善支援を進め、全国の提携整備ネットワークの維持・強化にも力を入れています。
「私たちの仕事は、お客さまや車両だけを見ていれば成り立つものではありません。地域の整備会社の皆さまをはじめ、多くのパートナーによってモビリティ社会は支えられています。そうした社会基盤を守り発展させることも、私たちの重要な使命だと考えています」
こうした新たな挑戦を支えているのが、社員一人ひとりの力を引き出す組織づくりです。永田は、経営と現場の距離を縮めることを大切にしてきました。
「もともと風通しの良い会社でしたが、さらに自由に意見を言い合える組織にしたいと考え、社内では役職名ではなく全員が『~さん』と呼び合うようにしました。新入社員も私を『永田さん』と呼びます。現場で起きていることやお客さまの声を、役職に関係なく経営へ届けてほしいと思っているからです」
さらに現在は、相互にフィードバックを送り合う文化づくりにも力を入れています。上司から部下だけでなく、部下から上司へ、そして同僚同士でも率直に良い点・改善点を伝え合い、お互いの成長につなげる風土の醸成を進めています。
「フィードバックは一方的な指導ではなく、成長を支援するコミュニケーションです。送り手は相手の成長を願って意見を伝え、受け手は感謝しながらそれを受け止めて次の成長につなげる。そうした対話が自然に行われる組織であれば、一人ひとりが力を伸ばし存分に発揮できるはずです。社員の成長こそが、会社の進化につながる。その考えはこれからも変わりません」
パーパスを胸に、持続可能な未来へ進んでいく。一人の人間として共に成長する仲間たち
2026年にNCSの代表取締役社長に就任した永田。経営者としての挑戦はこれからが本番だと語ります。
「現在、私自身が一つの大きな節目に立っていますが、まだ自分に満足はしていません。間違いなく言えるのは、これまでの人生の中で『最大にして最高のチャレンジ』の渦中にいるということです。
経営を取り巻く環境やテクノロジー、モビリティのあり方は日々変化しています。だからこそ、経営者自身が学び続け、視野を広げ、変化を先取りしていかなければなりません。常に新しい知見に触れ、多様な人との対話を重ねながら、自分自身も成長し続けたいと考えています」
トップ自らが自己研鑽を重ね、変化を恐れず挑戦し続ける。その姿勢こそが、NCSという組織全体にエネルギーを注いでいます。
「今後は、資本関係のある会社との連携をさらに深め、出向や人事交流を通じて、社員がより多様な経験を積める環境を広げていきたいと考えています。海外ビジネスへの挑戦や新たな領域での経験を通じて、一人ひとりがキャリアの可能性を広げられる会社にしていきたいですね。
『社会インフラとしてのモビリティを支えること』、そして『循環型社会を実現すること』。その実現に向けて、NCSの進化が止まることはありません」
最後に、永田は顧客やパートナー企業、そして未来の仲間たちへ向けて、メッセージを送ります。
「私たちNCSには、『モビリティサービスで人と社会を結び、持続可能な未来を支える』というパーパス、そして『Your Mobility Partner』というスローガンがあります。
私たちがめざしているのは、単に車両を提供する会社ではありません。企業活動を支え、安全で快適な移動を支え、環境負荷の低減にも貢献することで、社会に新たな価値を提供し続ける存在でありたいと考えています。これからも、お客さまや社会にとって信頼できるパートナーであり続けるために挑戦を重ねていきます」
そして、これからNCSをめざす学生や社会人に向けて、永田は温かい眼差しで語りかけます。
「仕事を通じて専門性を高めることはもちろん大切です。しかしそれ以上に一人の人間として成長し続けてほしいと願っています。NCSには、挑戦する人を後押しする制度があり、支え合う仲間がいます。自ら学び研鑽する素直な心を持ち、人に寄り添うことに喜びを感じられる方なら、大きなやりがいと成長を実感できるはずです。誇りを持てるフィールドで、私たちと一緒にモビリティの未来を創っていきましょう」
※ 記載内容は2026年7月時点のものです
