患者さまが本当に必要としていることは何か?一人ひとりに向き合う薬局薬剤師の仕事
なの花薬局根城店で薬剤師として勤務している法岡さん。その業務は、処方箋にもとづいて薬を調剤するほか、飲み合わせの問題や処方内容の適切性を最終確認する「監査」、患者さまに薬の効果や注意点を説明する「服薬指導」など多岐にわたります。
「根城店は小児科の処方が多いのが特徴です。お子さま向けの薬は、錠剤ではなく粉薬が主流。さらに、体重によって薬の量が細かく変わるため、患者さま一人ひとりに合わせてその場で調剤する必要があります。処方箋をもとに、数種類の粉薬を正確に量って混ぜ合わせ、袋に詰める作業は、とくに神経を使いますね。
また、薬を用意して提供するだけでなく、お渡しする時の説明や、その後の対応なども行っています。たとえば『錠剤の粒が大きくて飲めなかった』とご相談があった場合は、粉砕していい薬かどうかを確認した上で、錠剤を粉砕して再度ご提供することもあります」
こうした業務を通して、法岡さんが大切にしているのは、患者さまが何を必要としているのかを常に考えることだと語ります。
「たとえば、毎月同じ血圧の薬を受け取りに来られる働き盛りの方と、今回初めて糖尿病の薬を飲み始める方とでは、お伝えすべき内容も、かけるべき時間もまったく違います。
また、新しい薬を飲み始めた方には、1週間後くらいにお電話して体調の変化がないか、何か困ったことはないかを確認する『フォローアップ』も行っています。すべての患者さまに行うわけではなく、お電話することがかえってご負担にならないかなど、患者さまの性格や生活スタイルを考慮し、必要だと判断した場合に、許可をいただいてから連絡するようにしています」
最近では、LINEを活用した「つながる薬局」サービスも、患者さまとの大切なコミュニケーションツールになっています。
「『つながる薬局』サービスは、なの花薬局と患者さまがLINEでつながれるサービスで、処方箋の画像を事前に送ることで薬局での待ち時間を短縮できるほか、服薬後の相談や、市販薬との飲み合わせに関する質問など、電話よりも気軽にやりとりできるのが利点です。
日々の隙間時間に返信をくださる方もいますし、こちらからの問いかけに返信がなくても既読マークにより『見てくださっている』とわかるだけでも安心につながります。何かあった時に対面やお電話だけでなく、LINEという手段があるのは便利ですよね」
入社4年目を迎えた法岡さんは、チームの中での役割も変化してきました。後輩の薬剤師のOJTを担当し、業務の指導や相談への対応など、中堅としての活躍も期待されています。
「東京を出て働いてみたい」と全国広域勤務として入社。手厚い制度が自己研鑽を後押し
好きだった化学を人のために活かせる仕事に就きたいと、薬学部へ進学した法岡さん。祖父が薬剤師で、曾祖父も薬局を営んでいたと家族から聞いていたことも、薬学を身近に感じた遠因だったのかもしれないと語ります。
就職活動で軸にしていたのは「一度実家のある東京を出て、全国規模で働いてみたい」という想いでした。
「薬局のほか、製薬メーカーなども視野に入れて就活を進めました。その中で、患者さまのために新薬を開発したり臨床試験を計画したりという仕事も非常に重要ながら、私は、目の前にいる患者さまと触れ合い、その方々のために仕事ができる薬局の薬剤師に魅力を感じました。
なの花薬局に決めた一番の理由は、地域薬局としての志がある会社であり、毎月ご利用いただいたり地域の方からご相談を受けたりなど、“患者さまのそばで働く”ことが実現できると感じたからです。
また、全国広域勤務のサポートが非常に手厚かったことも理由の1つ。とくに社宅制度は魅力でした。会社が借り上げたアパートに住む形で、家賃は7万円まで会社が全額負担してくれます。また、広域勤務手当がお給料に上乗せされる点もありがたいですね」
こうして2022年、法岡さんは全国広域勤務として、なの花薬局へ入社することに。東北エリアへの配属について、こう振り返ります。
「雪国に行ってみたいと思っていましたし、最初の配属は青森県の十和田店で、東京の実家からも新幹線で3時間ぐらいの距離。当初は初めての一人暮らしに心細さも感じていましたが、住んでみると本当に良いところで、同じ全国広域勤務の同僚も多く、不便を感じることなく楽しく過ごせました」
会社のサポートは、日々の業務や自己研鑽においても大きな力になっています。東北エリアでは、全国広域勤務の社員を対象に、年に1回、学会参加のための費用を補助する制度があります。
「2年目の時にこの制度を利用して、名古屋で開催された日本薬局学会に参加しました。ゆくゆくは自分でも研究や学会発表に挑戦してみたいという思いがあったので、まずは雰囲気を知るために行ってみようと思いました。
当社には『なの花フォーラム』という社内学会もあって、研究や学術的な活動がとても身近に感じられる環境です。他の社員の発表を見ると、『自分でも何かできるんじゃないか』と良い刺激をもらえますね。
実際に入社1~2年目ごろから、生成AIなどを活用しながら自主的に研究を行ってきました。その時は発表には至りませんでしたが、今後はより力を入れていきたいと思っています」
もう1つ、法岡さんが取り組んでいるのが「CP Step(コミュニティ ファーマシスト ステップ)制度」。これは、資格取得やフォローアップの実践件数など、さまざまな項目をクリアすることで地域医療を支える薬剤師としてステップアップしていく教育制度です。
「会社のスタンダードとして、全スタッフがStep3をめざすことが目標とされています。私は入社3年でStep3へ、最短期間で到達できました。
日々の業務と両立するのは大変な時もありますが、モチベーションを保てるのは応援してくれる会社の環境があるからこそ。ブロック長が相談に乗ってくれて、目標達成までの計画を一緒に考えてくれるので『頑張ろう』と前向きに取り組めました」
患者さまからの相談を受け、ご自宅まで。築き上げた信頼関係が健康被害から救った
入社から3年間、薬剤師として経験を積んできた法岡さん。青森での生活はとても楽しく、このまま働き続けたい気持ちもありましたが、結婚を機に「全国広域勤務」から「自宅通勤勤務」へと区分を変更し、地元である東京に戻ることを決断します。
「社員のライフスタイルに合わせて柔軟な働き方を認めてくれていて、広域勤務は入社から3年後に勤務区分を変更することができます。
それまでの勤務場所が気に入れば、そこを“自宅”として自宅通勤勤務に変えることも、私のように地元に戻ることもできます。この自由度の高さは、当社の大きな魅力だと思います」
法岡さんにとって、青森での3年間で忘れられない出来事があります。ある日、1本の電話が薬局にかかってきました。「いつも飲んでいる薬と見た目が違う気がする」という高齢の患者さまからの相談でした。
「お話を詳しく伺ったところ、当薬局で渡し間違えた可能性は考えにくい。これは何かあると感じ、『今からご自宅に伺いますので、そのままにしておいてください』と伝え、すぐに患者さまのご自宅へ向かいました。
確認すると、亡くなったご家族の薬を、ご自身のものと間違えて9日間も飲み続けてしまっていたことがわかりました。血圧や心臓に作用するリスクのある薬で、このままでは健康被害につながる危険性が高いと判断し、すぐにかかりつけの病院に連絡しました」
法岡さんは病院に対し、考えられる影響と、そのために必要な検査や対策を提案。提案は受け入れられ、患者さまは幸いにも健康被害を免れました。
「その後、同じ間違いが起こらないよう、薬を1回分ずつ袋にまとめて名前を印字する『一包化』という方法を提案したところ、ご本人からも了承が得られ、切り替えることにしました。それ以降、誤飲は防ぐことができ、患者さまは現在も当薬局をご利用されています。
日頃から相談しやすい雰囲気を作れていたからこそ、患者さまも『ちょっとおかしいな』と思った時に、すぐに私たちを頼ってくれたんだと思います。患者さまから直接『ありがとう』と言われると、この仕事を選んで本当に良かったと心から感じます。これは、薬局薬剤師ならではのやりがいですね」
地域に根ざし、より専門性を高める。会社の温かい支援を力に、理想の薬剤師へ
2025年6月から東京の馬込駅前店で勤務をスタートさせる法岡さん。新たな環境で、さらなる専門性を身につけたいと意気込んでいます。
「次の目標はCP Step制度のStep4をめざすことです。このStepからは、がんや糖尿病、心不全といった特定の疾患領域における専門的な資格の取得が条件になります。専門知識は、患者さまのニーズに応えるための、そして自分自身の自信にもつながる『強み』になるはず。
専門性を高めて、患者さまからより必要とされる薬剤師になりたいですね。将来的には、店舗をまとめる管理薬剤師といったキャリアにも挑戦してみたいです」
会社の魅力について、法岡さんは自身の経験も踏まえて次のように語ります。
「“まちのあかり”として地域薬局をめざし、患者さまとの距離を大切にしているところをはじめ、社員一人ひとりのライフスタイルに合わせた働き方を選べるところ、スキルアップ支援が充実しているところだと思います。
また、メディカルシステムネットワークグループは全国規模の大きな組織でありながら、エリアごとに薬局運営会社が分かれていることが特徴です。全国展開するスケール感も、会社ごとの仲間意識の強さも、どちらの良さも持ち合わせています。
私が今後のライフプランについて悩んでいた時期にも、何げなくブロック長に話したところ、すぐに本部の方も交えた飲み会をセッティングして、親身に相談に乗ってくれました。こんなに上層部との距離が近い会社は珍しいのではないでしょうか。本当に人に恵まれたと感じています。
青森を離れるにあたって送別会も開いてもらいましたし、知らない土地での暮らしも、たくさんの方にサポートしてもらい、楽しく過ごすことができました。この会社の温かい雰囲気が、社員一人ひとりの働きやすさにつながり、それが患者さまとの温かい関係づくりにも活きているのだと思います」
全国規模の充実したサポート体制と、地域に根ざした温かい人間関係。その両方を力に変え、法岡さんはこれからも理想の薬剤師像を追い求め続けます。
※ 記載内容は2025年5月時点のものです

