数十年先の「ありたき姿」を構想する。大企業の事業変革に挑むコンサルタント
ストラテジーコンサルティング部 大企業戦略共創チームに所属する小見山は、大企業のお客さま向けにSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)、DX関連の調査を含む経営戦略コンサルティングに従事しています。
「私たちは業種を問わず、さまざまな大企業のお客さまを支援しています。最近携わった主なプロジェクトとしては、人口減少などの影響により長期的な事業縮小が見込まれるお客さまへのご支援が挙げられます。
『資源循環をテーマとした事業転換を検討したい』というご意向を受け、サステナビリティコンサルティング部と連携し、プラスチックや金属を取り巻く外部環境を調査し整理しました。その上で、2040年、2050年を見据えたお客さまの『ありたい姿』を構想し、中期経営計画へ落とし込むためのディスカッションを重ねました。このプロジェクトは〈みずほ〉がグループ一体となり取り組んだものとなります」
このような基本業務に加え、小見山はコンサルティング部署におけるAI利活用を現場主導で考える「AICON」にも座長として参画しています。AIの活用が当たり前になった今でも、小見山が仕事をする上で大切にしている信念は変わりません。
「学生時代に計量経済学を専攻し、データ分析を行ってきたからこそ、そのデータをもとに世の中をどう動かすかという『実践』を重視しています。実際の社会やお客さまと向き合うと、数値の羅列にストーリーと示唆の肉付けをすることの重要性を強く感じます。だからこそ、泥臭く現場を見る姿勢を忘れたくないのです」
この姿勢の原点には、若手時代に取り組んだOsaka Metro Groupのオンデマンドバスプロジェクトがあります。
「運行エリアの検討の際には、人流データを分析するだけでなく、実際に大阪の街を自転車で走り回りました。オンデマンドバスの乗降場所にふさわしいかを目で確認するとともに、データからは見えない街の雰囲気や人々の移動の様子を肌で感じました。データの背後にある現実の動きを知ることの重要性を学んだこの経験が、今の私の価値観を作っています」
AIにどこまで「ハンドル」を握らせるか。客観的データの先にあるコンサルタントの腕
どの職業でもAI活用が活発化している今、みずほ総合研究所で働くコンサルタントたちもAIをうまく活用し、成果を出しています。小見山に具体的な活用方法を聞きました。
「たとえば私の業務において、LLM(大規模言語モデル)の登場により仕事の進め方が大きく変わりつつあります。朝一番のメール対応では、返信内容を音声でインプットし、LLMによってテキスト化されたメール案を編集して活用しています。
また、初期的な調査においても、多角的な視点から並行して情報収集を行えるようになり、業務スピードが格段に向上しました」
このようにAIの登場に小見山はポジティブな印象を持っています。しかし同時に新たな課題も認識しています。
「客観的な情報収集や整理は、AIの方が圧倒的に素早くほぼ正確です。しかし、それはお客さま自身もAIで同じ情報にアクセスできる世界になったことを意味します 。その上で私たちコンサルタントにしかできないことは何か。これこそが今、私が感じている課題です。
しかし、〈みずほ〉にはさまざまな知見を持つ部署があります。グループが持つ知見とコンサルタント自身の信念に基づく確固たるスタンスを持ち、世の中の動きを的確に捉えながら、お客さまの決断をいかにご支援するかが重要だと考えています。とくに2026年4月にはみずほ銀行と統合したので、より幅広いご支援ができるようになったと感じます」
また人材育成の観点でもAI登場による変化を感じると言います。
「AIの活用は『どこまでハンドルをAIに委ねるか』が肝心です。私の専門領域であるデータ分析は、AIに真っ先に置き換わると考えています。しかし、戦略的な観点から『何を実現したいか』によって、AIから引き出したい示唆の内容は変わってきます。
さらに、統計的な経験から、データから読み取れる事実とその限界を見極めることも可能です。自らの知見を土台にしてこそ、AIとの協働の質は深く変化します。この差こそが、コンサルティングにおいて非常に重要だと考えています。
だからこそ、AIネイティブである若い世代の柔軟な視点からも、私たちは多くのことを学びたいと考えています。当社には入社年次に関わらず、個人のバックグラウンドや専門性を尊重し、広い裁量を任せる文化があります。若手であっても恐れずに、自身の強みをいかんなく発揮してほしいですね」
AIをただ使うのではなく、業務に変革をもたらす。他部署と連携する視点で考える活用
小見山は実際に日常業務でAIを活用しながら、コンサルティング部署全体のAI利活用について考える「AICON」でも座長を務めます。AICONは2025年12月に始動したばかりの社内プロジェクトで、各部署からAIに詳しいメンバーや関心の強いメンバーが2〜3人アサインされ、全部で20人ほどが集まっています。
「もともと『チャレンジ投資』で生成AI時代における戦略コンサルティングのあり方について調査が行われていたことをきっかけに、社内でもAIの重要性が強く認識されるようになり、AICON発足に至ったと聞いています。そんな中、私にデータ分析を中心とするAIの知見とDXに関する知見があったことから、『座長をやってくれないか』と声がかかったのです。私自身関心のあるテーマなのでいくらか勘所があったこと、また、私自身もAIに対する自分たちの業務変革に興味があったことから快く引き受けました。
AICONの目的は大きく分けて3つです。1つめは、現場でどのようにAIを活用するか考えること。2つめはAIをうまく活用している人からのノウハウを共有してもらえる環境を作ること。そして3つめがAIを効率よく安全に活用してもらうための旗振り役を担うことです」
AICONの活動は多岐にわたります。
「まずは各部署で業務内容に応じてAIをどう活用すべきか検討しております。その中ではもちろんセキュリティやお客さま情報の取り扱いについても慎重に議論しています。
また、全体会議では『こういうAIの使い方をしようとしているんですが、著作権上問題はないでしょうか?』など具体的な案件について議論を行うこともありました。最近では全体アンケートも実施し、AIが実際にどこまで使われているのか、本来使われるべきなのにあまり浸透していないところはないかを調査しました」
AICONを通じて、小見山はAIで業務そのものを変えていくことを重視しています。
「まずは、AIを用いて私たちコンサルタントの業務そのものを高度化し、お客さまへの提供価値をさらに高めたいと考えています。私が所属するストラテジーコンサルティング部では、他部署の多様な知見を掛け合わせ、お客さまの意思決定に資する情報提供と深いディスカッションを行うことが重要です。だからこそ、〈みずほ〉の総合力を結集するプロセスにおいて、どこまでAIにハンドルを委ねるべきかを見極め、最適化していく必要があります。
ゆくゆくは、個人の業務への活用にとどまらず、AIによる〈みずほ〉全体が提供する価値の変革に、コンサルティングの領域が深く組み込まれるようになるべきだと考えています」
どこまで行っても人にしかできないことがある。AI時代に問うコンサルタントの価値
生成AIが盛んに活用される時代、コンサルタントの価値はどこにあるのか。小見山は明確な考えを示します。
「私はどこまで行っても人にしかできないことがあると思います。たとえば、何らかのスタンスを持って物事を動かしたり、自分なりの意見を出したりすることは人にしかできません。AIによって世の中に公開されている情報を踏まえた整理は可能になりました。
しかし、重要なのはその情報を踏まえて、物事をどう動かしていくかです。コンサルタントは、お客さまの決断をどう支援していくのかというところに価値を見出すことになると思います」
その上でみずほ総合研究所のコンサルタントが大切にしていることについて、小見山は根底にある信念を語ります。
「当社のコンサルタントは皆『お客さま、あるいは社会のために』という思いを胸にお客さまを支援していることが特徴です。私が就職活動をしていた頃から当社の社員はそれを重視しており、その姿を見て私も『データ分析を通じてお客さまや社会の役に立ちたい』という思いで入社を決めました。
お客さまに声をかけていただいている以上、お客さまのためになるように客観的・中立的に物事を見極め、さまざまな情報を踏まえた上で『こうしたほうがいいのではないか』と提言することが大切だと考えています」
みずほ総合研究所のコンサルタントが今後めざす姿についても、小見山の思いを聞きました。
「〈みずほ〉の掲げる『ともに挑む。ともに実る。』を実現し、お客さまのやりたいことを支援しながら一緒に挑戦させていただいて、お客さまと共に社会に貢献していきたいと思っています。私たちコンサルタントと〈みずほ〉内にあるさまざまな知見、そしてAIをうまく掛け合わせて、お客さまのためになるご支援をしていきたいです」
AI時代においても、小見山は 戦略策定から資金調達まで一貫した支援を提供していきたいと語ります。その実現に向けて、人間とAI、そしてグループの知見を掛け合わせた新しいコンサルティングの形を追求していきます。
※ 記載内容は2026年5月時点のものです
