従業員の自律的なリーガルマインドを醸成し、企業の持続可能な成長を支える
法務部 コンプライアンスグループに所属する永田。全社的なコンプライアンス啓発活動の推進と、プロモーション資材審査の実務責任者として審査業務などに携わっています。
「私たちコンプライアンスグループの主な業務は、各部署に向けたコンプライアンス啓発活動や各部署からの相談対応、MR(医薬情報担当者)が使用するプロモーション用資材の審査、さらには日報や講演内容のチェックを通じた販売情報提供活動のモニタリング業務など、幅広い責務を担っています」
従業員の自律的なリーガルマインドを醸成し、ステークホルダーからの信頼を築くことで、企業の継続的な発展に貢献することがコンプライアンスグループの役割の一つです。その中核的存在として、永田は全社のコンプライアンス意識の向上に尽力してきました。
「製薬業界にはほかの業界にはない、独自の厳格なルールが存在します。たとえば、不適切な情報提供を医療関係者に行い、それによって誤った薬の使用法が広まれば、患者さんが不利益を受けるおそれがあるため、コード・オブ・プラクティスやプロモーションコードといったルールが制定されています。
社内でコンプライアンスに関わっているとときに、警察官と言われることもありますが、私自身は厳しく取締まりしているつもりはまったくありません。むしろ、ルール違反を未然に防ぐために積極的に社内の各部署とコミュニケーションをとることが私の本質的な役割だと思っています。
私自身、コンプライアンスグループ設立時から在籍していることから、グループ内で意見や見解を求められる立場になったということも自覚しています。後輩の育成や上司のサポート役を務めると同時に、グループの将来像や発展の方向性を上司と共に検討する役割も担っています」
従業員の自律的なリーガルマインドの醸成を担うコンプライアンスグループの一員として、永田はグループ内でもオープンで協力的な雰囲気づくりに取り組んできました。
「現在、コンプライアンスグループは従業員7名で構成されています。メンバーの約半数が入社20年以上のベテランであり、残りの半数も入社10年前後の中堅社員です。
日常業務において互いの意見を自由に交換できる関係性が築かれ、和やかな雰囲気の中で各自が働きやすさを感じられる職場環境が整っています」
MRからコンプライアンスのエキスパートへ。丁寧なコミュニケーションが育む信頼関係
コンプライアンスグループが立ち上がったのは2016年3月のこと。背景には、法規制の厳格化や、業界内での不祥事の発覚にともなう社会意識の変化がありました。
「データの改ざんや不適切な情報提供といった不祥事が相次ぎ、2015年ごろに製薬業界各社にガバナンスの強化が求められました。資材審査を例にとると、それ以前は、営業部門が作成した資材を同じ部門内で審査する自己完結型の社内審査体制が一般的でしたが、同一部門内での資材審査を禁止する通知が出され、独立した部門による社内審査体制の確立が要請されました。
当社ではその翌年に法務部内にコンプライアンスグループが新設され、営業部門から独立するかたちでプロモーション用資材の審査業務が移管されました。この組織改編により、より客観的かつ公正な審査プロセスが確立され、コンプライアンス体制の強化につながっています」
永田はMRとして約9年間の経験を積んだ後、2012年に営業推進部営業業務グループ(現 営業戦略部営業管理グループ)へ。新たな環境に当初は戸惑いを感じながらも、各部署との信頼関係の構築に努めてきました。
「最初は、部署の役割を十分に理解しないままに着任しました。早く業務に精通して、自部署はもとより関連部署からも信頼される存在になりたいと考えていたのを覚えています。そのために、日々知識の吸収に励みながら、業務を着実に丁寧にこなすとともに、関連部署の関係者と積極的にコミュニケーションをとることに注力していました」
営業推進部時代から、営業部内での業界自主規範の啓発やプロモーション資材の審査業務に携わってきた永田。コンプライアンスグループへの異動以後、その活動範囲が大きく広がりました。
「営業推進部では、啓発活動やプロモーション資材の審査の対象が営業部門に限定されていましたが、現在は全社的なコンプライアンスを担当しています。
コンプライアンスは非常に広範な概念です。『コンプライアンスの観点でいかがでしょうか?』といった問い合わせを受けることがありますが、たとえば当社において、ハラスメントは主に人事部、個人情報や情報セキュリティは総務部というように、扱う部署や求められる専門性も異なります。そのため、幅広い領域・分野について一定の知識を持っておかなくてはなりません。
また、法務部への配属後は、営業推進部と比べて関わる部署の範囲が格段に増えました。会社全体の動きがより明確に見えるようになり、人脈も大きく広がっています。
コンプライアンスという言葉に堅苦しいイメージを抱く人もいると思いますが、そういった認識自体を変えたいという思いから、どの部署の方に対しても公平かつ丁寧な対応を心がけて、信頼関係を築くようにしています」
誠実さが紡ぐ組織の強み。強固な信念が支えた22年のキャリア
2024年でキャリア22年目。グループにおける看板的存在として永田は重要な役割を果たしてきました。
「コンプライアンスグループに異動してからも、誰からも信頼される存在をめざして日々の業務に取り組んできました。その結果、社内外での人脈も広がり、多くの方々と信頼関係を築けていると感じています」
立ち上げ当初から8年以上にわたってコンプライアンスグループに在籍。コンプライアンス業務に取り組む上で、永田には、ルールの遵守以上に大切にしてきたことがあります。
「私が常に意識している4つの信条があります。第一に、業務遂行においても対人関係においても誠実かつ丁寧な対応を心がけること。第二に、相手の真意や、質問・相談内容の本質を正確に把握すること。第三に、環境や規制に大きな変化がない限り、一貫性のある判断と意見を維持すること。そして第四に、個人的な主観ではなく、客観的な根拠に基づいた判断と意見を行うことです。
これらの価値観は、特定の誰かに教わったものではありません。従業員への啓発活動や規則の伝達、適切な行動指針を提示することがコンプライアンス業務を担う私の役割。責任ある立場を務める中で、自然とこういった自分の姿勢が醸成されました。
ルールの重要性は言うまでもありませんが、それにとらわれ過ぎると全体像を見失うことがあるもの。ルールの背景を十分に理解した上で、『このような方法であれば実現可能です』といった提案型のアプローチに基づいた建設的かつ柔軟な対応を心がけています。
グループの後輩たちにも、私たちにとっての顧客が従業員であるという認識を促し、曖昧な情報や不確実な回答を避けるよう指導してきました。一度でも信頼を失うことがあれば、その影響がグループ全体に波及しかねません。信頼の維持こそが、私たちの業務の根幹にあると信じています」
新卒入社以来これまで一度も転職を考えたことはなかったと語る永田。その背景には、マルホの健全な組織文化がありました。
「私が入社した2003年当時と比べて、取り扱う製品の種類も増加し、売上高や従業員数も2倍以上に拡大しています。また、多くのキャリア人材を迎え入れており、20年前と比べてもキャリア社員の比率はかなり高まっています。しかしながら、入社時の面接で感じた当社の誠実な印象は、今日に至るまで私の中では変わっておらず、100年以上続いている当社に根付いた強みだと感じています。
現在の自分があるのは、3カ月にわたる新入社員研修で寝食を共にしてきた同期の存在や、コンプライアンスグループに配属されて以来、長くお世話になっている上司の方々をはじめ、多くの同僚から支えられてきたからこそ。
当社のバリューのひとつに『誠実であれ』がありますが、私自身は常にこれを判断や行動の指針としてきました。このグループで、かつ、製薬企業で働く者として、誰が見ても恥ずかしくない行動をとることを日頃から心がけています。また、困難なチャレンジにも誠実に向き合い、地道に粘り強く業務に取り組む姿勢こそが、当社の従業員の強みだと確信しています」
今後も信頼される企業として。コンプライアンスエキスパートが描く組織の未来図
社内のコンプライアンス文化の醸成に一定の進展を感じつつも、依然として課題も多いと永田は言います。今後も引き続き企業活動の透明性と公正性の確保に尽力していくとのこと。
「全社的なコンプライアンス啓発活動を担当する立場にありますが、部署ごとに業務の特性が異なるので、部署特有のニーズに応じたコンプライアンス体制の構築や、私も含めグループ全体の更なる知識や専門性の向上が今後の課題だと感じています。
また、海外での活動では法規制はもちろん、商習慣の違いに直面することになります。当社では今年に入り中国に現地法人を設立するなど海外展開を進めていますが、今後はグローバルな視点でのコンプライアンス課題の把握や啓発についても、グループとして、より積極的に重点的に取り組む必要があると感じています」
健全性、信頼性、持続可能性の確保を通じて、マルホの未来を支える重要な役割を果たすコンプライアンスのエキスパートとして。永田には、かなえたい未来があります。
「製薬業界では、不祥事によって企業の信頼が失墜するケースが後を絶ちません。これを他人事として捉えるのではなく、当社においても起こり得ることとして真摯に受け止めています。当社が万一存続できなくなるようなことがあれば、患者さんをはじめさまざまなステークホルダーに甚大な影響を及ぼすことになってしまいます。
コンプライアンスの啓発活動等を通じて、従業員の自律的なリーガルマインドを醸成することが私の使命。従業員一人ひとりが笑顔で安心して業務に取り組み、マルホを通じて自身のキャリア目標を実現できるよう、少しでも貢献できたらと考えています」
今後も信頼される企業として。マルホの持続的な成長と社会的責任の遂行を、永田はこれからも陰で支え続けます。
※ 記載内容は2024年8月時点のものです
