現場の声にも耳を傾け、経営戦略や組織風土に合わせたキャリア施策を提案
企業のキャリア課題解決を支援している株式会社ライフワークスにおいて、福井は2016年の入社以来、営業担当としてキャリア開発施策の提案を行ってきました。現在は、主に大手企業の営業を担当しながら、研修の講師やキャリアコンサルタントなどの、パートナーのマネジメントも兼務しています。
企業向けのキャリア支援の営業については、年代別や転機別といった特定のニーズに応える研修だけではなく、事業環境の変化に合わせて社員のキャリア自律を促す施策を幅広く提案しています。
「最近の傾向として、“人的資本経営”や“リスキリング”をテーマに掲げる企業が増えています。この背景には、平均寿命が延びたことで働く期間が長くなっていたり、コロナ禍を機に働き方が変化したりといったことがあります。これまでのビジネスモデルやキャリア観の延長線上では成り立たなくなってきたんですね。
私たちにご相談いただく内容も多様化しているため、中期経営計画などからお客様がどんな成長曲線を描こうとしているのかを把握し、そこに貢献できるキャリア支援を提案することを心がけています」
クライアントのニーズに的確に応えるためには、全体的かつ中長期的な視点で経営戦略を把握することはもちろん、打ち合わせの中でふと出てくる人事担当者の本音や、研修に参加した社員の反応にも耳を傾けることがポイントだと言います。
「年齢や役職などに関係なくフラットな組織もあれば、異動が少なく部署ごとの特色が強い組織もあります。お客様それぞれの風土があり、大事にしていることも異なりますから、キャリア施策を通して従業員に伝えたいメッセージは、顧客によってさまざまです。
企業ごとの特徴を知るためには、まずは担当者の話をよく聞くこと。そして、研修のときに現場からどんな声が出てくるのかを知ることが大事だと感じています」
クライアントが成長するためのロードマップを共に描き、寄り添いながら支援する。キャリア支援は一足飛びにはいかないからこそ、一歩ずつありたい姿をめざしていくことが必要です。
「キャリア支援には、ビジネスモデルや各種人事制度、組織風土など、いろいろな要素が絡んでいます。社員一人ひとりへの期待と、意識や行動をきちんとつなげることが必要で、そのためには、お客様側でしかできないこともあります。だからこそ、一緒に成長のイメージを描くことが大切だと思っています」
自分の価値とは?産休・育休を経て復帰するも、もやもやが止まらない……
営業一筋でキャリアを積んできた福井。リーダーとして営業部全体の進捗把握などの役割も担っていましたが、2021年に約1年間の産休・育休を取得します。
休んでいる間も、「早く仕事がしたい!」「営業として、またバリバリ働きたい!」と意気込んでいた福井ですが、復職後は営業と講師マネジメントを兼任することに。これがきっかけで、二度の“もやもや期”を経験することになります。一度目は、復職直後のことでした。
「新しいことに挑戦するのは好きなので、パートナーマネジメントの仕事も楽しめると思っていました。でも任された業務は、研修の実施件数の確認や日程調整、資料の印刷など事務作業が中心。自分がイメージしていたものとは違いました。
一つひとつの業務の大切さは理解していますし、会社は復職したばかりの私に負担がかからないように配慮してくれたのだと思います。けれど、『自分の価値を発揮できるのだろうか?』『会社は私に何を期待しているのだろう?』と、もやもやが止まらなくなってしまって……」
子どもの体調の変化などで、時間が限られることもある。でも、大切な子どもを預けて働くからこそ、仕事のやりがいに妥協はしたくない──そこで福井は、もやもやを打破するために前任者に話を聞きに行ったり、周囲に相談しに行ったりと、自ら行動を起こします。
「周りの人たちは、私の想いややりたいことをじっくり聞いて、受け止めてくれました。その気持ちがとても嬉しかったです。だからこそ『もっと自分自身の価値を発揮するとはどういうことか』 を考えました。そして、事務作業の効率化により時間を創出できるような状態を創ると決め、実行しました」
誰かに話すことで、もやもやを解消する方法を自ら考え、行動することで変えていく。キャリア自律をめざすライフワークスの想いを、福井自身が体現した経験でもあります。
「キャリアをテーマにしている会社だからこそ、変わりたいと思ったら、きちんと意見を言える環境があることが当社の魅力。自分のスタイルが後に続く社員の、ロールモデルのひとつになるであろうということも、『今ここで我慢するべきじゃない』と思えた理由です。
ライフワークスという会社は、社員がキャリア自律し、一人ひとりがやりがいを持って働くことを望んでいます。そこで働く私たち個人も、自らでキャリア構築をしていく意識を大切にしたい。
もやもやの真っ只なかは大変でしたが、今思い返すと、自律した個人と組織の双方の歩み寄りや努力があって、良好な関係性や信頼が構築されていくのだとあらためて思います」
周りの評価が気になり、二度目のもやもや期に……。だからこそ気づけた仕事の原点
自らの力で仕事の仕方を変え、一度目のもやもや期を乗り越えた福井ですが、半年ほど経ったころ、今度は自らのキャリアの柱である営業で、もやもやを抱えることに。原因は、1年のブランクと、営業活動に割ける時間が減ったことでした。
「私が休んでいた時期はコロナ禍と重なっていたこともあり、顧客企業内での働き方や働く価値観、企業が人材に求めることなど、お客様の課題やテーマがすごく変わっていった時期でもありました。兼務していることで営業する時間が半分になったこともあり、この変化をキャッチアップするのにとても苦労しました。
さらに、社内も変革の時期で、パーパスやコアバリューの策定があったり、人事評価制度が変わったり。営業部で会議をしていても、私だけついていけていない感覚がありました。『会社や周りから、どう評価されているんだろう?』『私は何がしたいんだろう?』と、考えれば考えるほど苦しくて……」
リーダーとしても役割を担い価値発揮していた以前の自分と、有益な意見を出せているのかと不安に押しつぶされそうな今の自分。そのギャップに苦しむ福井を救ったのは、当時新規で担当した、あるクライアントでした。
社員のキャリア開発のために何から始めれば良いのか、社員が前向きに受講してくれるためには何が必要なのか。一から相談を受けるうちに、自分が大切にしたいことに気がついたと言います。
「初めの一歩から向き合っていく中で、お客様の役に立てていると思えたんです。実際に、お客様から『何からはじめたらよいかわからない状況に、真摯に向き合ってくれて、本当にありがとう』という言葉をいただいて、『私はやっぱり、お客様の役に立つことを大事にしたいんだ』ってわかったんですよね。
復職後、周りに認めてもらえるように頑張ろうとしていたんですが、それは一番大事なことじゃない。シンプルにお客様だけ見ればいいんだと気がついたとき、すごくスッキリしました」
お客様とまっすぐ向き合うという原点に立ち返ったことで、社内でのもやもやも解消できたと話します。
「お客様に提案する際に、経営戦略や人事戦略、IRなどから最適なキャリア施策の仮説を立てます。その視点を自分が所属しているこの組織にあてはめて考えてみたら、会社が今、どういう方針で社会に向き合っているのか、私たち社員についてどうあってほしいと考えているのかなど、全部がスーっとつながったんです。
もちろん、私ひとりでその答えに辿り着いたわけではありません。営業部のみんなのアドバイスやサポートがあったたからこそ、わかったことです」
子どもには、人生を楽しんでほしい。だから、私も仕事の楽しさを諦めない
キャリア支援の本質が見えたことで、クライアントへの向き合い方が変わりつつあり、仕事のおもしろさを再発見すると同時に、自らの存在価値を見出すことができた福井。兼務するパートナーマネジメントにおいても、挑戦したいことが出てきたと言います。
「当社では、パートナーとして活躍している方々が50名ほどいます。この1年、私は経理処理など実務フローの見直しや、パートナーの採用に携わってきました。接点が増える中で、次はパートナーとのコミュニケーション強化に取り組んでいきたいと思うようになりました。
というのも、組織が大きくなってきた中で、『どこをめざしているのかが見えづらい』『お互いの顔が見えない』といった課題が出てきたんです。パートナーも、得意なことや考え方は一人ひとり違います。その多様性を活かしてそれぞれの価値を最大化することも、パートナーマネジメントに関わる私たちに求められる役割です」
そして、営業部と兼務している自分がいるからこそ生み出せる、新たな価値も見え始めました。
「パートナーの力を借りて、受講者のリアルな声を私たちがもっと知ることで、お客様にさらに価値を提供できるのではないかという話が、営業部でも出ています。兼務をしているからこそ、営業側とパートナー側、双方の状況や課題を把握し、win-winの関係を築くための架け橋になれるのではないかと感じています」
苦しい時期も、自らの力で乗り越えてきた福井。振り返ると、その時期があったからこそ、新しい視点が得られたのだと話します。
「もし営業部でリーダーを続けていたら、パートナーも含めたひとつのチームとしてライフワークスを捉える視点は持ちにくかったかもしれません。大勢のパートナーを巻き込んで新しいものを作っていくことは、これまでとステージが違う難易度の高いことですが、これから楽しんで取り組みたいですね。一丸となってお客様の成長に貢献できれば、私自身もまた一つ成長できる気がします」
やりがいを諦めない──福井を突き動かす原動力は、「子どもに仕事を楽しんでいる自分を見せたい」という想いです。
「子どもには、人生を楽しんで生きてほしいんです。親である私も人生を楽しみたい。だから、仕事の楽しさを追求することも諦めないし、常に成長していると感じていたいんです。
もちろん、動いても何も好転しないこともあるかもしれません。でも、自分のペースで行動していけばいいんだと思います」
どうやったら価値を発揮できるのかと、全力で模索してきたから見つけられた自分の役割。ライフワークスが掲げる「自分らしく人生を歩む人であふれる社会をつくる」というパーパスを、まずは福井自身が体現していきます。
※記載内容は2023年7月時点のものです
