社会の変化にともない、さらに高まる「キャリア自律」の重要性
少子高齢化による労働人口の減少、グローバル化にともなう国際競争の激化、終身雇用を前提とした働き方の見直しなど、社会情勢の変化に応じ、企業は社員との向き合い方への意識改革を避けては通れない時代。そして、先の見えない時代だからこそ、働く個々人には、自分に必要なスキルや役割を考え、自律的にキャリアを築いていくこと(キャリア自律)が求められます。
「環境変化が非常に激しい昨今、キャリア自律の重要性は年々増しています。社会における消費行動が、モノ(商品やサービス)からコト(一連の体験)に変化していく中で、旧来の人材マネジメントシステムでは価値を創出していくことが難しくなってきているのが実情。
つまり、同じような価値観を持つ人たちが、中央集権的なガバナンスの中で働くことによって生産性を高めていける時代ではなくなりつつあるということです。多様な価値観を持つ人材を社内に集め、役割や各プロジェクトに応じた最適な人材を配置・活用していくあり方に、転換していくことが必要なのです」
ライフワークス自体がそうした変化に対応するため、2022年10月に新たなパーパスを策定。そして現在、「個人のキャリア自律と組織の変革を支援し、自分らしく人生を歩む人であふれる社会を作る」というパーパスを実効性あるものにするため、社内でさまざまな取り組みを始めています。
「キャリア自律を推進するには、個人の努力も必要です。あわせて、企業側が人事制度を変革することや、現場と経営をつなぐ上司が役割を発揮することが重要です。上司には、部下がキャリアについてどのように考えているのかを理解し、仕事の機会や役割を与えながら、現場の力を活かすことが求められています。
社会の急激な変化に応じて変革を迫られている顧客のキャリア課題を解決するために、私たちに何ができるのか──そう考えたとき、まずは私たちライフワークスとその社員が、一丸となって自社組織のアップデートに取り組むべきだと。キャリアテーマの専門企業である私たちが個々に、自律的にキャリアを築く社員の集まりであり続け、キャリア自律した従業員の力を活かすことができる組織になることが必要だと考えます。
その先に、同じような課題を持つ顧客企業に、さらに深い理解のもとに向き合い支援することができるのではないか──こうした背景から、パーパス体現に向けた全社での取り組みをスタートしました」
組織の成長に欠かせないのは「多様性」、そして「役割」を超えた取り組み
キャリアテーマの専門企業であるライフワークスは、キャリアに関する資格取得に励むなど、意識を高く持って研鑽を積む社員が多いと佐々木は話します。しかしながら、個人が学んだ情報を社内で共有したり、議論したりする仕組みを、会社として構築することはできてはいなかったと振り返ります。
「これまでの時代においては、各自で能力開発を行い、知識を吸収することでお客様の期待に応えられていたと思います。しかし最近では、自社をキャリアテーマの専門企業と謳うならば、多様化・複雑化する顧客の課題に、十分には対応しきれていないところがあるのではないか、と感じることが増えてきました。
個人の自己研鑽では知識に偏りが生まれることもあります。一人ひとりが研鑽しているからこそ、社内で共有し合いながら、『オールライフワークス』として価値を創出していきたいと考えています」
どんなキャリア課題でも解決できる組織へと成長するために欠かせないのは「多様性を歓迎すること」、そして「役割という枠組みを超えて取り組むこと」だと語る佐々木。
「たとえば、商品開発と営業の関係性で考えてみましょう。これまでも、お互いが協働して各顧客へのサービス提供を遂行していくプロセスはありました。しかし、今後はさらにそれを進化させ、活発な議論を通してすり合わせながら、お客様への提案を皆で考えていくことが重要です。
また、与えられた役割や果たすべき機能だけを遂行するのではなく、顧客の本質的な課題に向き合い解決策に知恵を絞る。その中では、今までを疑うことも必要になるでしょう。
最近注目されている『人的資本経営』には『動的な人材ポートフォリオ』という考え方があります。一人ひとりが今の所属部門や役職、職種の枠の中のみで仕事をしていると、環境変化に弱い組織になってしまうことがあると思うのです。
めざすのは、営業部から『今回の顧客には、このような支援のあり方がいいのではないか』とか、商品部から『この顧客の従業員には、こういう向き合い方を大切にしたい』とか、顧客課題解決に向けて多様な意見が出て、皆の視点を掛け合わせてサービスを提供していける組織。
『決めたことについて、社内で着実に受け渡し合い形にしていく』のではなく、仲間を認め合い、従来の視点を飛び越えて意見し、認め合い、協働する──そんな組織であってこそ真の課題解決ができ、顧客や社会に頼られる存在になれるのだと思っています」
組織のアップデートに向け、ライフワークスが取り組むふたつのプロジェクト
ライフワークスが組織のアップデートをめざす上で、まず取り組み始めたプロジェクトはふたつ。ひとつめは、「全社員が社会における環境変化を捉え、現場に活かす」こと。
「一人ひとりが思考し、議論しながら価値を生み出せる組織になりたい。そのためには、社会で発生している事象やその背景を知る必要があります。いわゆる『PEST』ですね。Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)、それぞれのテーマでどのような変化が起きていて、その中でライフワークスが果たすべき役割や使命は何か。その視点を持ちながら、各現場としても、会社としても考える組織でありたいと考えています」
PESTについて、社内でブレストするようになって間もないものの、すでにメリットを享受できていると佐々木は話します。
「ひとつのテーマに対して多くの人が意見を出し合う場があることで、さまざまな視点があるという『気づき』が得られます。たとえば、『リスキリング』をテーマに考えてみても、政策としての側面を想像する人もいるし、テクノロジー分野におけるDXを思い浮かべる人もいるかもしれない。また、その他にも学び直しという社会的な背景が見えるかもしれません。
一つの切り口を取り上げても、個人で考えるだけでなく、人と議論を行う中で新たな気づきが生まれることがわかります。そうした気づきを大切に、その先の価値を見出していく──これは、どの部門でも活きるはずです」
ふたつめの取り組みは、「研修講師やキャリアカウンセラーとのディスカッションを通して、個人と組織の課題を深くとらえ、ソリューションに活かす」こと。その重要性について、佐々木は次のように語ります。
「キャリア観というのは時代によって大きく変わるもの。たとえばコロナ禍以前・以後の数年で切り取っても違いがあるようです。また、現代における50代のキャリアの特徴・課題・傾向も、10年後の50代の特徴・課題・傾向とはまた別のものになる可能性が高い。
『個人のキャリア自律を支援する』と謳っているわれわれが、そのような変化をタイムリーに正しくキャッチアップできていないとしたら、それは大問題であり、つかんでいくべきだと考えました。
そこで協力を仰いだのが、ライフワークスのキャリア研修で講師やカウンセラーを務めるパートナーの方々。彼ら彼女らは日々顧客企業の従業員のキャリアと向き合い、研修やキャリアカウンセリングを実施しています。こうしたキャリア支援の第一線で活躍する方たちと定期的にディスカッションをすることを通して、変化をいち早く捉えていく。
それと同時に、私達の直接の顧客である人事の方々からどういった声が出てきているかという情報をシェアしながら、個人と組織の変革を、キャリアというテーマで支援する組織として、ともによりよきを目指していく関係でありたいと思っています」
同じ目的を持った同志と一緒に、キャリアについて語り合うことを楽しんでほしい
パーパスを体現できる組織であるために、動き始めたライフワークス。佐々木は、ともに働く仲間たちに向けて、こんなメッセージを送ります。
「通常業務が忙しい中で、新たな取り組みのための時間を作るのはとても難しいことかもしれません。しかし、社会が変化し、われわれが果たすべき役割も変わっていく世の中では、私たち自身が変わることが、持続的に価値発揮をしていくための唯一の方法です。取り組み始めたふたつのプロジェクトは、新しい価値を生み出し続けることに向けた土台作りでもあり、組織が進化するために重要なものなんです。
環境変化や個人のキャリア観の変遷についてみんなで議論することを『マスト』とは捉えないでほしい。ライフワークスに集まっているメンバーを、『日本のキャリアのあり方を変えていく』という想いに少なからず賛同した同志だと思っています。
だからこそ、同じ目的を持った同志たちと一緒に、キャリアについて語り合うことを、やりがいや喜びに感じてほしいなと願います。その結果として個々や組織が成長して生み出した価値を、社会に返していける──ぜひそんな観点を持ってもらえたら嬉しいですね」
ライフワークスが進化した先にめざすのは、キャリア支援の第一人者として多くのお客様、ひいては社会から頼られる存在であり続けること。それを実現するためには、私たちの存在意義を常に認識し、個々が持つ考えや経験、スキルを活かせる「ワンライフワークス」になることが必要だと佐々木は語ります。
「たとえば社会変化について議論するとき、年齢が若い人やライフワークスでの経験が短い人は『こんな意見を言ったらレベルが低いと思われないかな?』と躊躇してしまうことがあるかもしれません。しかし、若い方にしかない視点は、貴重なひとつの意見です。どんな意見もその人の個性であり、不確実な社会においては多様な意見こそが重要なので、遠慮せずに議論できる場を作っていきたいですね。
役割や思考の枠を超えるチャレンジを通して、個々も組織も成長しながら、キャリアテーマの専門企業として、社会に価値を提供し続けたいと思っています」
※ 記載内容は2023年9月時点のものです
