受講者の表情が明るく、いきいきと輝く──ライフプラン研修との出会い

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大学卒業後、株式会社リクルートに入社した梅本。HR領域の部署に配属となり、主に人事研修や採用アセスメントの仕事に携わります。

梅本 「私は法人営業を担当し、企業の人事部向けに新人研修や管理職研修などを提案していました。そんなとき、『ライフプラン研修』というものに出会って衝撃を受けたんです。

一般的な研修は、会社が社員に対し、仕事に必要なスキルなどを身につけてもらうために受けさせるもの。受講する方も、研修は仕事の一環としてとらえます。それに対してライフプラン研修は、おもにミドルシニア社員に向けて、定年後や再雇用時、プライベートで起こりうる課題に対応するための研修。仕事以外の面でもサポートするという、ほかの研修とは一線を画すものでした」

ライフプラン研修を受けた受講生たちの表情が明るく、いきいきとしていたことにも、梅本は感銘を受けます。

梅本 「ライフプラン研修は仕事に直結する研修ではないですが、社員のパフォーマンスも上がるだろうと確信しました。当時はワークライフバランスという言葉も一般的ではなく、社員個人のライフプランに関する研修というのは今ほど多くはなかったんです」

リクルートに約14年務め、ライフプラン研修を中心にキャリア領域に携わってきた梅本は、2000年に退社を決意。ちょうどその頃、収益性や売上規模などの理由から、リクルートはライフプラン研修の販売を終了することを発表します。

梅本 「根強いファンとも言える一定数のお客様がいるなかで、この研修がなくなってしまうことはすごく残念で……。このまま失くしたくない、と強く思いました。

そこで、いわばOGとなった私が会社に対して『この研修を続けるにはどうすればいいか』と交渉しました。紆余曲折はありましたが、最終的には『法人として提供するなら、事業移管という形で研修の販売を許可する』という条件を提示されたんです。

そこで慌てて受け皿となる会社を作ることに。ただライフプラン研修を失くしたくないという一心で、会社をどう経営していくかまでは考えていませんでした。今振り返ると、すごく無謀ですよね(笑)」

ミドルシニア、女性、若手……さまざまな世代のキャリアを支援したい

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ライフプラン研修の提供を続けるため、2000年に株式会社ライフワークスを設立した梅本。当初は、事業移管されたライフプラン研修を切れ目なく提供することだけで、精一杯だったと語ります。

梅本 「リクルート時代の元上司や同僚の4人で会社を設立し、4人分の机と応接スペースがあるだけの小さな事務所からスタートしました。最初はお客様にご挨拶をして回り、ライフプラン研修を新会社で継続することを説明し、クオリティを保った研修を実施することに専念しました」

創業当時は、小学生と保育園児の2人の子育て期だったという梅本。子どもから「お母さんはいつも起きているね」と言われるほどに、仕事と家庭の境目がない日々が続きました。それでも「できないことはできない」と割り切ることと、周囲のたくさんの人たちの助けを得て、多忙な時期を乗り切ったといいます。

そんな自身の経験から、もっと幅広い対象に向けてさまざまな形の研修を提供したいと考えるようになりました。

梅本 「子育てをきっかけに、自分も一人の女性として、望む働き方やキャリアを実現することの難しさを痛感しました。さらにシニアに限らず、若い人も働くことに悩んでいるという社会課題があったので、働くすべての人のキャリア支援をしていきたい、と考えるようになったんです」

研修や支援方法のバリエーションを広げ、より多くの人のキャリアをサポートするようになったライフワークス。創業当初から、顧客である企業や受講者からのたくさんのフィードバックを原動力としてきました。

梅本 「導入企業や受講者の方が抱える悩みに対して、私たちは絶対的な正解を提供することはできません。ただ、どんなことに悩んでいるか、どんなことに不安を感じているかを理解した上で、こういう考え方があるよ、とか、こういうところにヒントがあるんじゃないか、と寄り添う。そうすることで『一歩前に進めました』『社員が変わってきました』というお声をいただけるのが、やりがいを感じる瞬間ですね」

キャリアの自律が求められる時代──働く人をどうサポートしていくか

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2020年、新型コロナの感染拡大は、多くの企業に多大な影響を与えました。ライフワークスも例外ではなく、深刻なダメージを受けたといいます。

梅本 「私たちが提供する研修は、受講者が集まってグループディスカッションをするワークショップ形式がほとんど。集まれない、対話できない、密を避けるとなると、研修自体が成り立たなくなってしまいます。

このような事態に直面して、私たちの事業自体がなくなってしまうかもしれない、この先も社会に求められる存在であり続けられるのか、という考えがよぎりました。

しかし、多くの人が今後どう働いていけばいいのかという不安を抱えている今だからこそ、私たちが提供するキャリア研修が必要ではないかと思ったんです。そこで、激変した環境下でも提供できる研修の形を、社員みんなで必死に模索しました」

そして取り組んだのが、研修のオンライン化。ITに関する知識が乏しいながらも、社員全員が自主的に情報を集め、学び、共有しながらオンライン研修を実現していきました。

梅本 「私の一方的な指示ではなく、みんながそれぞれにこの事業を続けたい、という思いで自発的に動いてくれたからこそ、短期間で形にできたと思っています」

人々の働き方が一変した今、そして未来を予測しにくい状況では、ライフワークスが提供するキャリア支援の在り方も変わっていくと、梅本は語ります。

梅本 「コロナ禍においては、『キャリア自律』という考えがますます重要になっています。会社の先行きが不透明、働く個人も将来を描きにくい状況のなか、自分のキャリアをどう築くかを自分で考えていく必要があります。

キャリア形成という意味では、今後会社だけに頼るのは難しい。自分はどうしたいのか、向かいたい方向を明確にした上で、自ら仕事に意義を見出すという考え方を、研修を含むキャリア支援を通じて伝えていきたいと思っています」

求めるのは、「人が働くこと」に課題を持ち、改善のために自ら動ける人材

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今後、ライフワークスが目指すのは、キャリア領域における包括的な支援、研修1回限りで終わらない継続支援だと考えている梅本。

梅本 「たとえば、eラーニングやキャリアカウンセリングなど、キャリア支援のバリエーションを拡げていきたいですね。また、研修の受講者がキャリアを考えた後に行動に移すための支援、企業が体系的・継続的に個人を支援する仕組みを作ることへのアドバイスなど、新しいサービスを展開していきたいと考えています」

事業の成長を目指すなか、社内で実施しているユニークな取り組みがあります。

梅本 「社員の意見を吸い上げる新しい施策として、2022年から『起案会』というものを始めました。社員たちのアイデアを、実施のための予算も含めて起案してもらっています。

これまで起案された内容は、大きなものは全社システムの改修、小さなものならオフラインのランチ会など、さまざま。それぞれが考えを出し合うことで、社員同士のコミュニケーションの場にもなっていますね。

自分で起案し、承認を得て実行するという経験は、確実に自信につながると思います。もちろん、社員はみんなキャリア領域の専門性を磨く努力をしています。働き方が変化しても、コミュニケーションのあり方を工夫することでチーム連携を高め、お客様により良いものを提供していく組織でありたいです」

最後に、今後一緒に働く仲間に求めるものについて、こう語ります。

梅本「『一人ひとりがいきいきとキャリアを歩む社会を実現する』ことに向けて自分なりの課題感を持ってアンテナを張り、そこに向けて自ら動ける人にジョインしてほしいと思っています。当社の目指す方向性に、個人として目指したい方向性が少なからず重なるのであれば、強みを活かし活躍できる場がここにはある、そんな会社にしていきたいと考えています」

人がいきいきと働けることの意味、人生の充実感をなによりも大切に考える梅本。社会環境が目まぐるしく変わる時代にあっても、その原点はぶれることなく、社員とともにより良いキャリア支援を提供し続けます。