製品戦略と販売戦略を4Pで統合し、市場成長を牽引する“事業戦略の中枢”へ
現在は、レノボはデバイスカンパニーからAIを起点としたソリューションカンパニーへとトランスフォーメーションの真っただ中にあります。 また、PC市場におけるリーディングカンパニーとしての地位を確立する一方で、レノボはAI対応デバイス、インフラ、ソフトウェア、サービスなど、非PC領域への事業拡大も加速させています。その中で本部門は、PCおよびスマートデバイス領域において、製品(Product)、価格(Pricing)、プロモーション(Promotion)、販売チャネル(Place)といったいわゆるマーケティングの「4P」を統合し、全社方針に基づいた売上最大化のための戦略立案から実行、さらには、レノボ、NEC製品の製品企画も開発組織と連携しながら担っています。外資系企業では、グローバル主導のもとローカル各国はオペレーションに特化するケースが一般的ですが、当部門はローカルが戦略立案まで担う、非常に稀有な組織です。日本市場における“事業戦略部門”として、製品と販売の両面から市場成長をデザインしています。
■ 内部向けミッション:会社の方針を「勝てる戦略」に変える
AIをはじめとする新技術を、どの製品に、どのチャネルで、どのような手法で展開するのか。
市場性・競争優位性・収益性を多面的に見極めながら、最大のシェアと利益を生み出す仕組みを設計します。
売上成長、マーケットシェア拡大、利益率改善を、日本市場において牽引することが私たちのミッションです。
■ 顧客向けミッション:レノボの価値を「伝わる体験」に変換する
レノボのテクノロジーや機能を、どのように伝え、どうポジショニングし、購買行動へつなげるか。 顧客の価値体験を高めながら、認知と満足度を継続的に成長させていくことも、重要な役割の一つです。
カテゴリ戦略本部は、3つの専門領域で構成されています。 事業本部長である私は、これらの組織運営と事業戦略全体の統括を担っています。
① 製品企画チーム
市場の変化や新たなニーズを捉え、既存製品の進化だけでなく、 AI対応や長時間バッテリーなど、求められる機能・仕様を定義します。
② 4P戦略チーム
市場分析を起点に、価格戦略、製品マーケティング、販売チャネル設計まで、 事業全体の4Pを統合的に設計します。
③ スマートデバイス横断戦略チーム
タブレットやPC周辺機器など、PC以外のカテゴリーを横断的にカバーし、 収益性の最大化やナレッジ共有、連携強化を推進します。
カテゴリ戦略本部には、私たちが大切にしている3つのマインドセットがあります。 これは単なるスローガンではなく、日々の意思決定やチームの動き方を支える“文化そのもの”です。
① クロスファンクショナルで動くこと
市場機会の発掘や新しいアプローチは、部門を越えた連携から生まれます。 企画・営業・マーケティングが壁をつくらず動くことで、スピードと精度が格段に上がります。
② 挑戦と失敗を許容すること
イノベーションに失敗はつきものです。 だからこそ、挑戦を“Big Welcome”する空気をつくることを大切にしています。 小さなトライが積み重なって、大きな変化につながると信じています。
③ 変化を前向きに受け止め、ワンチームで乗り越えること
市場環境は常に変わり続けます。 その変化を恐れるのではなく、チーム全員で受け止め、前に進む。 この姿勢が、組織の強さとしなやかさを生み出しています。
この3つのマインドセットこそが、カテゴリ戦略本部の成長力を支える土台になっています。
可能性を広げる挑戦 —— APACビジネスから日本市場の“成長エンジン”へ
2025年1月1日、私は現在の部署へジョインしました。 それ以前はレノボのAPACチームで、アジア太平洋地域の法人向けビジネスを統括するヘッドとして複数の国と地域を束ねていました。日本への異動が決まったときは、“楽しみで仕方がない”という気持ちでした。 どちらも責任の重いポジションですが、求められるミッションの性質が大きく異なるからです。APACヘッド時代は、各リージョンに対して方向性を示し、地域ごとの特性を踏まえてインフルエンスすることが主な役割でした。 一方、日本市場に戻ってからは、自ら描いた戦略を実行し、その結果を自分で引き受ける立場になりました。“手触りのある責任”を持てることに、強いワクワクを感じていました。
着任時に感じた、組織の伸びしろ
組織には大きな可能性がある一方で、さらに成長できるポイントが二つあると感じました。
① 市場変化に即応する意思決定と実行スピード
一つひとつの施策を丁寧に設計し、着実に進める文化は大きな強みです。
その一方で、変化の激しい市場環境においては、完成度を高めながらも、一定のリスクを受け入れてスピーディーに実行する柔軟さは、さらに高められる余地があると感じました。
② 新しい挑戦への後押し
これまでの成果を支えてきたやり方を大切にする風土がある一方で、新しい仕組みやアプローチへの挑戦を、より後押しできる環境をつくれると感じました。
市場シェア拡大、売上成長、利益率改善という“三本柱”を担う戦略部門だからこそ、既存の強みを活かしながら、もう一段ギアを上げる。その先に、より大きな成果があると考えています。
成長を加速させるために取り組んだ三つの改革
① 仕事の優先度を“本質から”見直す
戦略部門の価値は、“考える時間”にこそ宿ります。ルーティンに埋もれてしまえば、未来をつくる仕事は生まれません。 そのため、まず行ったのは、メンバー全員で業務を棚卸しし、「やるべきこと」と「やめるべきこと」 を明確にすることでした。戦略部門が本来注力すべき領域に時間を集中させ、新しいアイデアに取り組む余白をつくれるようにしました。
② 業務効率化を徹底し、挑戦する余白をつくる
日々のオペレーションを見直し、ムダを削り、短時間で同じ成果を出せる仕組みへと改善。そこで生まれた時間を、次の戦略立案や新規商品の検討に振り向けました。
③ 適材適所の再設計——同じチームなのに、別のチームのように強くなる
どれだけ優れた戦略を描いても、実行するのは「人」です。だからこそ、メンバー一人ひとりの強みを見極め、最も力を発揮できるポジションに配置し直すところから始めました。 同じ業務であっても、担う人が変わればアウトプットは変わる。適材適所が整えば、組織全体のスピードも質も劇的に上がります。
取り組みの成果:マージン率の改善と市場シェアの拡大
これらの改革により、マージン率は大幅に改善し、市場シェアも着実に成長を続けています。
組織のスピードと戦略の質が高まったことで、日本市場の成長曲線を明確に描ける状態へと進化してきました。
変化を生み出すマネジメント—チームで成果をつくる、本質的なやりがい
私がチーム運営で大切にしているのは、新しい挑戦を歓迎し、失敗を過度に恐れずに済む環境を整えることです。 そうした空気が自然と生まれたことで、いまではメンバー自身が「この施策に挑戦したい」「こうすればもっと良くなるのでは」と主体的に提案してくれるようになりました。 このような“行動や姿勢の変化”は、組織が次のステージへ進んでいることを実感できる象徴的な瞬間です。
個のヒーローより、チームで成果を最大化する組織へ
マネジメントの基本として意識しているのは、一人の突出した成果に依存しない、チーム全体で価値を最大化できる仕組みをつくることです。
個人が力を発揮しつつ、同時に周囲の成功も後押しできる人材が増えるほど、組織は安定し、変化にも強くなります。
この考えに至った背景には、約20年にわたるキャリア経験があります。
かつて、世界トップ大学出身者が多く集まるチームで働いた際、個々の能力は非常に高いものの、意見が衝突し、議論だけで多くの時間が消費され、目標達成が難しくなる場面がありました。
そこから、「個の優秀さ」と「チームで成果を生み出す力」は別物であり、後者こそ持続的な成長の鍵になると強く感じるようになりました。
現在のように、組織文化の刷新や体制再構築を進めている“変化期”においては、自分の力を発揮しながら、周囲の成果も支えられる方はきっと大きな価値を発揮できます。 まさに、ゲームチェンジの担い手として成長できるフェーズにあります。
やりがいの源泉:戦略・組織・人の“変化”をつくること
この仕事で最も大きなやりがいを感じるのは、変化が動き出す瞬間をリアルに見られることです。
まだ課題も多く、これから進化していく余地が大きい組織だからこそ、次の3つの変化は強い推進力になっています。
① 戦略の変化
慣習や固定観念に縛られて実行されてこなかった施策が前に進み、結果が伴う。
戦略が変わり、市場の反応や数字に反映される瞬間には、大きな手応えがあります。
② 組織の変化
以前は発信が少なく、慎重な姿勢が目立っていた組織が、
いまでは自ら課題を見つけ、より良い方法を模索し、挑戦するスタンスへと変わってきました。
こうした変化の積み重ねは、組織の成長そのものです。
③ 人の変化
メンバー一人ひとりが挑戦を繰り返し、思考と行動が変わり、成果に結びついていく。
この“人の成長”を近くで見られることは、マネジメントにおいて非常に大きな喜びです。
ゲームチェンジャーと共に切り拓く、多様性あふれる挑戦の未来
今、私たちが取り組んでいるのは、市場を見極めながら最適な製品を企画し、つくり、成功へ導くまでを一気通貫で設計することです。これまでは、レノボブランドで成果を上げ、そのノウハウをNECレノボ・ジャパングループ内の日本のナショナルブランドへ展開するモデルが中心でした。 今後はその流れを反転させ、ナショナルブランドを起点に成功をつくり、それをレノボブランドへ展開していく“逆転モデル”に挑戦しています。前例のない取り組みですが、新たな可能性を開く鍵になると考えています。
さらに現在、レノボは「デバイス企業」から「AI・ソリューション企業」への転換期にあります。私たちが社会に提供したいのは、中小企業や個人ユーザーの身近な課題をテクノロジーで確実に解決することです。 PCだけでなく、ネットワーク、サービス、AIソリューションなど、ユーザーが“改善を実感できる形”で価値を届けることを重視しています。 個人向けAIから法人向けエンタープライズAIまで、最適な選択肢を提案できる存在でありたいと考えています。
こうした挑戦を前に進めるためには、新しい取り組みを歓迎し、失敗から学べるカルチャーが不可欠です。その中心となるのが、変化を前向きに捉え、複雑な状況でも道を切り拓くゲームチェンジャーのマインドセットです。経験や業界知識以上に、変革期を楽しめる姿勢こそが、コア戦略チームに求められる最も重要な力だと考えています。
メンバーに伝えたいのは「私たちは常にワンチームである」ということ。ビジネスには順調な時も、挑戦の多い時期もあります。しかし、互いを支え合い、一体となって前へ進むことで、次の成長は確実に生まれます。
レノボのカテゴリ戦略本部の魅力は、
外資ならではのスピード感、国内企業としての強固な事業基盤、
そこにベンチャーのようなカオスさと、多様なバックグラウンドを持つメンバーが共存している点にあります。上流から下流まで、事業にエンド・ツー・エンドで関わりながら、自分のアイデアを実装し、組織や市場の変化を自らつくっていける。
そんな経験ができる環境です。
裁量を持って事業を動かしたい方、変化の真ん中に身を置きながら成長していきたい方には、ぜひ一緒につくりあげていただきたいと思っています。
