NECPCが展開するNECブランドの法人事業を担う、大規模組織
私は現在、レノボ・グループの一員であるNECパーソナルコンピュータ(以下、NECPC)において、法人向けNECブランド事業の責任者を務めています。 NECPCが展開するNECブランドの法人市場において、売上拡大と事業運営を担い、営業、製品、マーケティング、企画まで、いわゆるセールス&マーケット領域全般を統括する立場です。サプライチェーンやITなどのバックエンド部門とも密に連携しながら、事業全体のP&Lの責任を担っています。
私たちのミッションは、短期的にはNECPCが展開するNECブランド法人事業の売上や利益を最大化することです。 ただ、それだけではありません。日本市場で長年にわたり信頼されてきたNECブランドを、レノボ・グループの技術力やグローバルな強みと掛け合わせることで、日本のお客様にとって本当に価値のある製品やサービス、コンピューティングを届け続けること。これこそが、私たちの本質的なミッションだと考えています。
私たちのチームは、正社員に加え、業務委託や派遣の方々とも連携しながら、大規模な体制で運営。構成としては、6割が営業系、残りが商品や企画系のメンバーという体制で事業を支えています。
レノボ由来の外資的なカルチャーを持つメンバーと、日本企業で培われた文化や価値観を大切にするメンバーが共存しており、外資系でありながらも日本的な雰囲気を併せ持つ、ユニークなチームであることが私たちの大きな特徴です。
「これでやっと法人事業が強くなる」確信を持って迎えた新体制への移行
私がNECPCにおいて法人事業の責任者を務めていたのは、2018年からです。途中、一度大学院に戻る期間がありましたが、2024年に再びNECPCに戻り、2025年の体制変更に向けた準備、そしてその後の新体制の運営に携わってきました。
2025年4月からの体制変更は、私にとって非常に感慨深い出来事でした。というのも、2011年のジョイントベンチャー発足以降、NECブランドの法人事業自体は存在していたものの、その運営体制は少し特殊だったからです。具体的には、営業機能はNEC側にあり、企画や製造はNECPCというレノボ・グループの中にある、という分業体制でした。同じ事業を担ってはいるものの、組織としては別会社で運営されていたのです。
今回の体制変更は、NEC側にあった営業機能をNECPCへ移管し、レノボ・グループの中で法人向けの営業体制を再構築するというものでした。私は以前から、この変更は法人事業を強化するために「絶対に必要な取り組み」だと考え、周囲にも伝え続けてきました。だからこそ、それが実現したときは、ようやく本来あるべき形で事業を前に進められる、という確信とともに、大きな喜びを感じました。
2024年からの約1年間は、新体制の発足に向けたプロジェクトの企画と実行が主な役割でした。そして2025年4月以降は、新しい体制を安定的に機能させながら、法人事業をどのように再び成長軌道に乗せていくかに注力してきました。
もちろん、この体制変更が良い結果につながるのかどうかは、当初は誰にも分かりませんでした。実際、新体制がスタートした直後の4月、5月は、見積もりのレスポンスが遅いといったご指摘や厳しいフィードバックをお客様やパートナーの皆さまからいただくことも少なくありませんでした。それでも一つ一つ改善を積み重ねていく中で、徐々に状況は変わっていきました。「ずいぶん変わったね」「前より良くなったね」といった声をいただけるようになったのが、10月頃からです。そこまでたどり着いたとき、本当にやってきて良かったと心から感じました。
「翻訳機」に徹し、誠実なメンバーと挑む日本ブランド立て直しの日々
メンバーの成長を後押しするために、私が特に力を入れている取り組みの一つが、毎週行っている営業トレーニングです。最初は手探りだった部分も多かったのですが、営業一人ひとりの知識や考え方、行動の質が、週を追うごとに確実に変わってきているのを感じています。「あ、今週もちゃんと進化しているな」と実感できる瞬間が毎週あります。
もう一つ、大きな変化を感じているのがマインドセットです。これは成長というより、“変化”と言ったほうが近いかもしれません。これまで日本企業の文化の中で培われてきた考え方に、レノボ・グループのスピード感や変化を前提としたカルチャーが加わることで、「まずやってみる」「変えることを前向きに捉える」といった意識が、少しずつですが確実に広がってきています。変化への抵抗感が、気づけば以前ほど強くなくなっている。そんな感覚があります。
この文化の融合において、私自身が意識的に担っている役割があります。それは、「翻訳機」になることです。 外資的な考え方、日本企業的な考え方、それぞれにはそれぞれの背景や合理性があります。だからこそ、「こちらはこういう前提で話している」「この発言は、背景を整理するとこういう意図なんです」と、お互いの考え方を言葉にして橋渡しすることを意識しています。異なる文化で育ってきたメンバー同士が本当の意味で理解し合うためには、誰かが丁寧に“通訳”する役割を担うことがとても大切だと感じています。
この仕事のやりがいは、何よりもまず「人」です。本当に誠実で、嘘を付かず、真面目に仕事に向き合うメンバーばかりです。そうした人たちと同じチームで働けること自体が、人としてとても幸せなことだなと思います。
そしてもう一つのやりがいは、日本市場で長い歴史を持つNECブランドを、自分たちの手で次の時代へつないでいく挑戦ができることです。簡単に得られる経験ではありませんし、だからこそ、大きな意味と面白さがあります。誠実な仲間たちと共に、歴史あるブランドの未来を切り拓いていく。この経験は、私にとってかけがえのないものになっています。
新しいことに挑み続ける。変化を楽しむ仲間と創る次の世界
NECPCの法人事業として、今後挑戦していきたいことは大きく二つあります。 一つ目は、すでに挑戦の真っただ中ではありますが、NECPCが展開するNECブランドの法人事業を、もう一度成長軌道に乗せ、より強い事業へと再構築していくことです。これまで売上が落ち込んでしまった時期もありましたが、ここを立て直すことは、避けて通れないテーマだと考えています。
もう一つは、AI PCの時代において、日本市場ならではの価値を本気で形にしていくことです。外資系のグローバルベンダーでは対応が難しい、日本語環境に最適化された体験や、日本市場特有の要件に対するきめ細かな対応。こうした「小回りの効く取り組み」こそ、日本に根ざして事業を行うNECPCだからこそ実現できる領域だと思っています。ここには、ぜひ積極的に挑戦していきたいですね。
会社や社会への貢献という観点でも、日本市場ならではの課題を解決していく存在でありたいと考えています。医療や官公庁など、日本特有の制度や文化が色濃く残る分野には、グローバル標準だけでは解決できないニーズが確実に存在します。そうした課題に対して小回りを効かせながら向き合い、日本市場で鍛えた取り組みを、レノボ・グループの力を活かしてグローバルに展開していく。これはぜひ実現したいチャレンジの一つです。
私たちが目指している組織像は、「新しいことに遠慮なく挑戦し続けられる組織」です。これまでと同じことを続けているだけでは、これまでと同じ結果しか生まれません。極端な言い方をすれば、私たちの法人事業が存在しなくても、世界はすぐには困らないかもしれません。だからこそ、「私たちがいたからこそ、世の中が少し良くなった」と言ってもらえる存在にならなければ意味がない。そのために、新しい挑戦を続け、その価値を問い続ける組織でありたいと思っています。
そんな組織を一緒につくっていく仲間として、求めているのは大きく二つです。 一つは、誠実な人であること。お客様にも、仲間にも、真正面から向き合い、嘘を付かずに仕事ができる人です。そしてもう一つは、新しいことに対して躊躇せず、一歩踏み出せる人。新しい挑戦に「成功か失敗か」を最初から求めるのではなく、「まずはやってみよう」と軽やかに動ける人と、一緒に働きたいと思っています。
NECPCの法人事業は、事業の再構築や、PCの定義そのものが変わりつつある時代など、さまざまな変革の真っただ中にあります。その変化を「大変だ」と捉えるのではなく、「自分たちが次の形をつくるチャンスだ」と楽しめる人にとっては、これ以上に面白い環境はないと思います。変化の先にある新しい世界を、自分たちの手でつくっていく。そんな挑戦を、ぜひ一緒に楽しんでもらえたら嬉しいですね。
