大事なのは顧客の真意を汲み取ること。“プロのサービス業”としての信条
テクノロジー推進本部 アドバンストテクノロジー部でシニアアーキテクトを務めるY.S.は、現在データ&アナリティクスの分野で活躍。顧客におけるデータレイクの構築やデータ分析、BIツール・AI・マシンラーニングの導入など幅広く支援している。
昨今、データレイクという言葉の流行と同時に、データ&アナリティクスの分野に関する顧客のニーズが急速に高まっていると言う。その理由を、Y.S.は次のように分析する。
「過去にもBIツールの導入やデータウェアハウスの構築などの取り組みがなされてきましたが、最近になって取り扱えるデータが急激に増えてきました。また、それらを分析するためのAIサービスが増えたことで、分析する価値があるデータも増えてきました。
それによって、データレイクの必要性が高まり、データ&アナリティクスが再びブームになってきていると感じます」
チームの中でY.S.が担う役割は、プリセールス兼プロジェクトマネージャー。顧客の「こんなITがほしい」という要望に対し、具体的に実現可能な形へ仕立てて提案している。
「お客様のご要望が漠然としていたり、コストや時間が見合わなかったりするケースが多々あります。そのため、現実的なお金と時間を考慮した上で、どのようにゴールを達成すべきかを提案します。お客様の希望を叶えるまでのシナリオと、その後の姿を描くのが私の仕事だと思っています」
Y.S.が仕事をする上で大事にしているのは、“プロのサービス業”として顧客の真意を汲み取り、要望を120%叶えてあげることだと言う。
「お客様は、ITに詳しくない人がほとんど。そのため、お客様自身がほしいものを正確に伝えきれなかったり、ITに過度な期待を抱いていたり、逆に『ITって、これくらいのことしかできないでしょ?』と間違った認識をしていたりします。
だからこそ、お客様のご要望のままに作るのではITのプロとして良くないと思います。お客様の真意を汲み取って、お客様が示した理想の姿よりも優れたものを提供し、ご要望を120%叶えてあげるのが私の信条です」
エンジニアから上流シフト。ビジネス系職種を経て再び現場に戻った理由
入社してから約20年間、さまざまなIT職種を経験してきたY.S.。入社当初は、システムエンジニアとして業務アプリケーションの個別設計開発に携わった。
当時は、Javaを利用したWebアプリケーション開発が流行していた時代。その基本技術とソフトウェアエンジニアリング(設計開発テストの技法)を身につけ、システムエンジニアとしてのスタートを切った。
「プロのエンジニアとして、ただアプリケーションプログラムを作ればいいというわけではなく、一連のシステムとして完成させる必要がある。そのためのテクニックを身につけました。
そうして、いくつかのJava Webアプリケーション開発プロジェクトを通じて、システムエンジニアからプロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーへとキャリアアップし、プロジェクトマネジメント手法を習得していきました」
入社7年目にプリセールスへ上流シフトし、ITコンサルタントの技や問題解決技法を身につけ、入社10年目には自社ソリューション企画(広義のマーケティング部門)にジョブチェンジしたY.S.。自社製品やサービスの企画開発などを行うと同時に、IoTコンサルタント、DXコンサルタントとしても活動していた。
そして、現在データ&アナリティクスのプリセールス兼プロジェクトマネージャーを務めている。システムエンジニアから始まり、着実にキャリアを積み重ね、上流シフトやビジネス系職種に転換後、再び開発現場へと戻ってきたY.S.。その理由を、次のように語る。
「ITの進化によって、開発技術が大きく変化した上に『作らない』という選択肢も増えてきました。『作らない開発』とは、パッケージの活用やノーコード開発などです。
そうすると、純粋に開発技術だけを磨いてきた人たちだけでは現場が立ち行かない。多角的な視点が必要になってきます。
ITの上流工程やITコンサルタントの世界にある『作らない技術』や、新しいものにはとにかく手を出してみるというスタイルがもう一度現場で必要になってきた流れを感じ、プリセールス兼プロジェクトマネージャーとして現場に戻ることを決めました」
工場のIT化「はじめの一歩」を支援。ITとアナログの合わせ技でゼロイチを実現
Y.S.がとくに印象に残っているのは、製造現場やフィールドワーク、訪問メンテナンスなどにおいてモバイルデバイスやIoT機器の導入を支援したIoTプロジェクトだと言う。
その内の一つに、大型車両などを製造している工場でのIoTプロジェクトが挙げられる。その工場では、鉄板やエンジンなどの大きな部品を取り扱っているが、なぜかそれらを工場内で失くしてしまうケースが発生していた。そのため、製造中の仕掛け品が工場内のどこにあるのか、各車両の製造作業がどこまで進んでいるのかを把握したいという課題があった。
これらの課題を解決すべくY.S.はさまざまな案を検討するが、技術面や環境面でいろいろな制約があり、難航することとなる。
「お客様は、各部品や車両の追跡と作業状況の把握をITに期待していました。しかしながら、一つひとつの部品にセンサーを付けると、コストが高くつく。バーコードを貼ると、部品を積み重ねたときに読み込めない。作業状況をタブレットで入力すると、よそ見や手放しにつながって危険。そもそも工場内にネットワークがきていないなど、さまざまな壁に直面しました。
最終的に採用した解決策は、バーコードを貼ることでした。全部ではなく、貼って外観でわかるものだけにバーコードを貼ります(ダンボールなど)。貼れないものは指示書とセットにしてタブレットで写真を撮り、撮影データをサーバへ転送します。
その際、日付や位置情報を自動で付加することで、作業記録にもなります。そのために、ネットワーク環境も整えました。ただし、タブレットを持ち歩くのは危ないので、工場の出入り口やラインエンドなどに固定。そうすることで、紙で書いて事務所に戻ってPCに打ち込むという二度手間はなくなりました」
ITとアナログの合わせ技で、旧来はITを持ち込めないと思われていたところに少しずつIT化のきっかけを作ったY.S.。IT化に向けて、ゼロをイチにできたことは大きな成果だったと言う。
「ITが普及してない世界はまだまだあって、むしろそっちのほうが広かった。ネットワークすらないところも多々ある。これが、小さなカルチャーショックでした。
ITがまったくない現場で働いている人たちに、ITによってどのような変革を起こせるかを伝えることは難しい。ITのメリットを相手にきちんと理解してもらえるように伝えることの必要性と難しさを感じました。
また、業界全体でITを導入できない理由があって、今までやってこなかったところに対して同業種・同業務の事例を持ってこようとしても良い前例はありません。そのため、他業種・他業務での “IT使いこなし術”を参照してくることが大事になります。
そうすると、『一見違うかと思いきや、一部の要素だけを捉えれば似ている。自社でも取り入れられるかもしれない』と相手に実感してもらいやすくなります。
工場内にはまだまだ危険もあるし、多くが手動の世界ではありますが、このプロジェクトを通じてITによってお助けする余地ができたと思います。ここからは、アイデア勝負。ゼロをイチにできたことをきっかけに、IT活用は今後も広がっていくだろうと期待しています」
ナンバーワンであり続けるために──自身が何で突き抜けられるかを模索し続ける
Y.S.は、自身の強みを「論理的思考力」だと言う。
「多種多様なお客様を理解し、瞬時に答えの仮説を立てられることが私の強みです。これには、ITによって変革する未来を先読みできるという効果があります。
ITを活用したすてきな未来を先読みできるということは、長い期間をかけてプログラムを組んでみないとわからないという事態を回避でき、それは結果的にリスクの排除にもつながります。
論理的思考力を鍛えるために私がしているのは、必ず自分なりの答えを持って行動することです。そして、自分が思い描いた答えと実際とにギャップがあった場合は補正していきます。
自分が思い描く仮のゴールは、しばしば間違っています。しかし、仮でも嘘でも間違っていても、ゴールを設定することが大事なんです。そこから逆算していくと、ITの選択肢ってじつはそれほど多くありません。
ズレを補正し、ゴールもまた見直す。その繰り返しで自ずと答えを導き出すことができます。それが、答えの逆算と仮設から導く、私なりの論理的思考方法です」
今後のビジョンについて、特定の世界においてナンバーワンであり続けたいと意気込むY.S.。そのために、自分が何で尖れるかを模索し続けることが、この仕事における宿命だと語る。
「ITは、今後もどんどん進歩していくし、それは自分の成長よりもずっと早い。すべてにおいてナンバーワンは難しいが、自分の得意領域や好きな分野でナンバーワンであり続けたい。
その世界において、ナンバーワンであり続けるために、自分が何で尖れるかを常に模索していくことがこの仕事の宿命だと思っています。
ITを現実世界に適応していくわれわれの活動は程度の差はあれ、必ず世の中を便利にしています。私たちがITを駆使することが、そのまま世の中の発展につながるということにプライドを持ってこの仕事を続けていきたいと思います」
JMASはITの原理原則を熟知し、「実用に耐え得るIT」をしっかり作れる。それに加えて、新しいこと好きな「技術のJMAS」だからこそ、流行り廃りの激しいITの波をずっと渡っていけるだろうとY.S.は考えている。
「JMASは、日本におけるIT業界の黎明期からITで社会の発展に貢献してきた会社です。ただアプリケーションプログラムを作れるとか、便利なツールを使えるとかではなく、『実用に耐え得るIT』をずっと作り続けてきたことがJMASの1つの魅力だと思います。
また、『技術のJMAS』として流行には必ず乗っていくスタイルがあります。モバイル、クラウド、AI、IoT、そして、現在のデータ&アナリティクスなど。長年培ってきたベースの技術力があるからこそ、最新技術を活用したシステムもきちんと作れるし、ITの世界で生き残れる。
ややもすれば、二律背反で同居できないかもしれないものを、JMASは正しく同居させています。その両軸があるからこそ、さまざまなことに挑戦できるし、自分自身を成長させることができる環境であると考えます」
※ 記載内容は2023年9月時点のものです

