西日本営業所を支える唯一の事務担当。「縁の下の力持ち」の役割
前田製作所 産業機械本部 西日本営業所で営業事務を務める矢島は、請求業務や経理、庶務、来客対応など、営業所内のあらゆる業務を担当。営業4名、サービス3名が在籍する営業所で、唯一の営業事務として重要な役割を果たしています。
「一番多い業務は、部品の売上処理です。営業グループとサービスグループの売上をシステムに入力して処理します。その際、金額や支払い日が間違っていないかなど、最終チェックするのも私の役割。見落としがあってはならないので、神経を使う部分ですね」
営業所では、営業メンバーはほとんどが外出していることが多く、普段は矢島とサービス担当2名の、3名体制で業務を回しています。
「毎日多くのお客さまからお電話をいただきます。商品のお問い合わせや部品注文のほか、機械のお困りごとで急なヘルプを求めていらっしゃるケースもありますし、時には厳しいご意見をいただくことも。一つ電話を切ると次の電話が鳴るような状態で、請求処理と並行しながら日々対応しています」
決められた期日での請求書発行は必須業務です。
「とくに請求は必ず私がやる必要のある業務なので、電話対応をしながら売上処理をするなど、常に複数の業務を同時進行で行っています。とくに請求業務は絶対に期日までに終わらせる必要があるので、先を見越しての日々のスケジュール管理は徹底し行っています」
前職での販売業務の経験から、チームワークを何より大切にしている矢島。部署の垣根を作らず、営業所全体のためにできることはなんでもする姿勢で仕事に取り組んでいます。
「電話がかかってきた時、誰が出たとしても、お客さまにとっては同じ会社の人間。だからこそ、私が請求担当だからといって線引きすることなく、お客さまに失礼のないよう心がけています」
多忙な日々の中、現在はフレックスタイム制度を活用して子育てとの両立も図っています。
「小学生の娘の集団登校に付き添ったり、学校で役員の仕事をしたりするため、フレックスタイムを活用しています。子どもが熱を出した時は看護休暇を使うなど、会社の制度をありがたく利用しています。上司や所員の方々も子育ての理解があり、有給休暇も取りやすい環境です」
母となり、キャリアを見直す──ラグジュアリーブランドから営業事務への転身
矢島が前職で携わっていたのは、ラグジュアリーブランドの販売でした。管理職として店舗の売上管理や他エリアの担当も任され、キャリアを積み重ねていました。
「ラグジュアリーブランドでの仕事は私の夢であり目標でした。とくに外資系ブランドは実力主義で、自身の日々の売上げや全国順位が常に確認できる環境。その中で人への接し方や言葉遣いなど、人間としての在り方を学びました」
しかし、妊娠を機に大きな転機が訪れます。体調を崩して緊急入院することもあり、シフト制の販売職では周囲への負担が避けられない状況となりました。
「出張にも行けなくなり、自分の仕事に責任が持てなくなったと感じました。子どもが未熟児で生まれ、毎日病院通いが必要な状況でした。ベビーシッターを雇って仕事を続けることも検討しましたが、海外出張などの制約も出てきて……」
結果として、子育てに専念する道を選択。その背景には、販売職時代の人材育成の経験が影響していました。
「人材育成を担当する中で、コンプレックスや悩みなどを耳にする機会もあり、その多くが家庭環境や親との関わり方に起因していることに気づき、この先、自分が一から人を育てるとどんな子どもから大人へと育つのか、挑戦したくなりました。子育ても夢のひとつだったので、2つあった夢のうち子育てを選びました。
約2年間の育児期間を経て、両親の介護が必要になったことから再就職を考えることに派遣社員として不動産会社で働き始めましたが、人員削減により契約終了。そんな中、紹介されたのが前田製作所でした。ものづくりに関わりたいという熱い想いがあったわけではなかったんです」
実は矢島のキャリアには、もう一つ重要な転機がありました。20代後半、販売職一筋だった経験を広げるため、司法書士事務所でオフィスワークを経験したことです。
「300人規模の事務所でした。女性の課長から『女性でも役職者になれる』と言われたことをきっかけに奮起。3年という目標を立てて達成することができたんです。その後、再び販売職に戻りましたが、その成功体験は今でも私の財産ですね」
目標に対する強い意識は、矢島の中核を成す価値観となっています。
「矢島さんならできます」所長の言葉に支えられた成長の日々
販売職のキャリアが長かった矢島は、前田製作所に入社した当初、業務知識の不足から残業する日々が続きました。
「最初の1カ月は引き継ぎのメモを取ることに必死でした。経験したことのない仕事も、とにかくメモを取ってファイリング。その後、前任者が退社して一人になってから、本当の意味での学びが始まったんです。教えてくれる人が近くにいないので、わからないことは本社に電話して確認する日々でした。
正直辞めたいと思うことが何度もありました。現在も応援してくださる事務所の所長に泣き言を漏らしていましたが、『矢島さんならできます』といつも励ましてくれましたね」
矢島が10年以上携わってきた接客経験は、現在の仕事で存分に活かされています。
「さまざまなお客さまがいらっしゃいますが、中には強い口調の方も。でも、これまでの接客経験のおかげで、あらゆる方々への対応には慣れています。むしろ、お客さまから『姉ちゃん、ありがとう』って言っていただいたり、時にはお菓子を持ってきてくださったり。電話越しでも、人とのつながりを実感できるんです」
女性がほとんどいない職場環境で、矢島ならではの気づきも活かしています。
「店舗にいた時代は当たり前にしていたことだったので、日々の掃除の時間を設けることを提案するなど、営業所の環境整備にも気を配るようになりました。最近では『オカン的な存在』と言われています(笑)。
効率化や改善提案を積極的に行う姿勢は、時に『前のめり』と言われることもありますが、それも含めて自分らしさだと思っています」
所長からのアドバイスも、矢島の成長を支えています。
「所長から『周りとの連携や業務の流れを考え、視野広げること。困難な状況下でも不満を言うのではなく、その状況で自分に何ができるか建設的に考えて行動すること』を学びました。そのおかげで、より広い視点で物事を考えられるようになりました」
「やり切った」と思える時間を作りたい。正社員になったことで見えた新たな目標
派遣社員として働いて1年半が経過し、2022年には正規雇用となった矢島。正社員になったことで新しい目標が見えてきました。
「正直、自分のキャリアは諦めていたんです。子育てで社会を離れてから派遣社員になり、この先はずっと平社員でいいんじゃないかと思っていたんですが、正社員になれたことで、新しいキャリアアップの目標を持てるようになりました。
40代に差し掛かった今、定年までの時間を逆算するとそう長くはありません。退職時に『やり切った』と思える時間を作りたいんです。結果を残したいという思いは今も変わりません」
未経験から事務職にキャリアチェンジした矢島が大切にしているのは「経験すること」です。
「私の座右の銘は『経験は宝』です。娘にもいつも言っているのですが、できるかどうかわからなくても、とりあえずやってみる。失敗しても経験値になりますし、成功すれば自信になる。どちらに転んでもマイナスはないと思っています」
現在は簿記の勉強にも励みながら、新たなキャリアステップをめざしています。
「前田製作所にはいなかったタイプだ、とよく言われます。時間は有限なので、同じ時間を使うなら、昨日より今日、生きている限りは成長し続けたい。ステップアップしてプラスアルファを得たい。そんな思いで日々の業務に取り組んでいます」
矢島は、一緒に働く仲間についても柔軟な考えを持っています。
「一緒に働く人は、家族よりも長い時間を過ごすので、大事に思っています。人と関わることで価値観や視野も広がりますし、スキルやタイプにこだわらず、興味を持って挑戦する姿勢がある人と一緒に働きたいですね」
※ 記載内容は2025年2月時点のものです
