事業創出は「ひらめき」だけに依存しない──お客さまの声から事業を生み出し広げてゆく
多胡が所属する事業創生本部 事業推進部では、建設会社として建物を作るという従来の枠組みを超え、新たな事業を創出・推進しています。
「事業の起案から実際の事業化、その後の推進までワンストップで行う部署です。0から1を生み出すだけでなく、1を10にも100にもすることができます。正解がない難しさもありますが、一連の流れの中で幅広い経験ができることを楽しく感じています。
これまでに事業化したもので言うと、太陽光パネルをフロートで水上に浮かせる『水上太陽光』や上下水道を使用しない災害用トイレ『バイオトイレ』などが挙げられます。現在もさまざまな事業が、企画段階からもうすぐ事業化できそうなところまであらゆるフェーズで進んでいます。
部署のメンバーは30人ほどでバックグラウンドが非常に多様です。外国籍のメンバーもいれば、新卒採用・中途採用のメンバーもバランスよく在籍しています。多様な人材が集まっているからこそ新しい発想が生まれるなど、うれしいシナジーがあります」
多胡は現在、自身が起案した「tree AI(ツリーアイ)」は2026年度に事業化を開始します。
「tree AIはAIの画像解析によって倒木などのリスクを自動で判定し、樹木管理業務の効率化を図るシステムです。
事業を起案すると言うと『ひらめき』が必要で、誰にでもできるものではないと思われる方もいますが、実はそんなことはありません。起案にはさまざまな手法があって、中でも私は日常の困りごとやお客さまの困りごとから課題を探すことでアイデアを考えています。
tree AIも国土交通省や自治体、道路管理者からの木の管理に困っているという声をきっかけに、具体的にどんなことに困っているのかの調査から始め、彼らからヒアリングを重ねることで起案に結びつきました。ひらめきに頼って考えるわけではないので、どんな人にでも思いつくチャンスはあると思います」
この仕事において多胡がもっとも大切にしていることは「楽しむこと」だと言います。
「正直なところ仕事の80〜90%は大変なことばかりです。でも残りの10〜20%に何かを達成した時の喜びやお客さまから『こんなものが欲しかった!』といっていただける瞬間の喜びがあります。その瞬間を思い浮かべて、頭を悩ませている時間も楽しむことがこの仕事においては一番大切だと思っています」
現場で積んだ経験がゼロから生み出す力になる。異業種からの挑戦と新規事業への思い
学生時代はプロジェクトマネジメントについて学んできた多胡。新卒でIT企業に入社します。
「IT業界へ飛び込んだ理由は、手に職をつけたいと思ったからです。今やITを使っていない業界なんてほとんどありませんよね。最終的にどの業界にもつながってくると思い、SIerへ就職しました。仕事をしていて感じたのは、プロジェクトを進めていくために周囲とのコミュニケーションが欠かせないこと。チームメンバーやお客さまとしっかり認識合わせをして、信頼関係を築いていくことが大切だと痛感しました」
さまざまなお客さまとの案件を重ねる中で、多胡の中にある思いが芽生えます。
「SIerはお客さまの事業をITでサポートするような立場です。お客さまの事業を支援する中で、『自社の事業そのものをつくる側にも挑戦したい』と思うようになり、
転職活動を始めました。当時、正直建設会社はまったく馴染みのないものでしたが、新しい業界に挑戦してみるのもおもしろいと思い、三井住友建設の門を叩きました」
選考を通じて、会社の方向性や採用候補者に向き合う姿勢に感銘を受けたと言います。
「今ある技術に固執せず、新しいことに挑戦する姿勢に心を打たれました。たとえば、ITを使ってより効率化を図るための部署もあると聞き、自身の経験が活かせそうだと感じましたね。
また、面接を通じて本当に私のことを知ろうとしてくれている感じがして。一緒に働く仲間を真剣に探している姿に惹かれて入社を決めました」
こうして2019年に入社。当初は技術本部で建築DXを担当しました。
「人や機械の動きを分析し、効率化を図る仕組みの検討に従事し、作業状況のデータ可視化による出来高の自動把握や、BIMデータを活用した建機の自動制御など、省人化と安全性を両立するプロジェクトを推進しました。現場への継続的な関与を通じて、建設業への理解を深めてきました」
その経験を活かし、2023年には現在の事業創生本部へ異動。そこにはこんな思いがありました。
「もともと『自社の事業に携わりたい』という思いがあったので、建設業を経験して行く中で新規事業に興味を持ち、自身で希望を出しました。前の部署で建設業界のことを学び、現場で働く人の顔を見て仕事できたことが今の仕事にも活かされていると感じます」
社会を動かす仕事がここにある──建設会社で新規事業に挑む魅力とやりがい
事業創生本部での仕事は、その性質上非常に多岐にわたります。
「お客さま先を訪れたり、実証実験をしたりすることも多く、時期によっては月の半分以上外出しています。一方で事業戦略や収支計画を考える期間はひたすらオフィスで資料作りをしていますし、社内のメンバーと新たなアイデアを創出するワークショップを行うこともあります。そのため、時期によって業務内容は大きく異なりますね」
そんな中で多胡にとってもっとも印象深いプロジェクトについて聞くと、現在携わっているtree AIを挙げます。
「2025年7月には国土交通省の『令和7年度 民間提案型官民連携モデリング事業』に選定されたんです。提案活動にあたっては、自治体のニーズを把握・解決策を検討し、国土交通省が求めるコンセプトに則り、独りよがりにならないように内容を作り上げて行くことに苦労しましたね。
自治体にコンタクトを取り、実際のお困り事を何度もヒアリングしながら、課題解決につながるような提案を心がけました。専門家の方々にもお声がけして協力していただくことができ、本当に心強かったです。
結果、選んでいただけて事業化のさらなる弾みになる大きな実績となったことを光栄に思っています。また選定後も半年以上かけて、自治体や国土交通省の方と密に連携をとりながら報告書を仕上げてきました。2026年1月には関係者を集めて最終報告会を行い、高評価をいただけました。この経験は一生の財産になると思います」
入社から7年。当社で働く魅力についてこう語ります。
「1つは会社の規模が大きく、社会に影響を与えるような仕事ができることです。2025年にはインフロニア・ホールディングスの傘下に入ったことで、よりいっそう規模が大きくなりました。売上や予算の規模はもちろん、できることの幅も広いのでやりがいがあります。
また事業創生本部としては、会社が新規事業を重要視してくれていることに魅力を感じます。これは建設会社としての事業が利益を出してくれているからこそ取り組めることなので、日々感謝しながら私たちの事業が新たな収入源として機能するようにしっかり仕事をしていきたいと思っています。
責任も感じますが、新規事業においてはワクワクしながら仕事に取り組むことが大切だと思っているので、いかに楽しむかという観点で業務に向き合っています」
どんな人にもリスペクトを。新規事業担当者が大切にする、人との向き合い方
一方で企業としての魅力についても多胡が意見を述べます。
「建設会社として橋梁や高層マンション、商業施設など、社会の役に立つような大きな建物を高品質で作れることは当社の大きな魅力ですね。また、働き方の面も非常に柔軟です。私が所属する事業創生本部では、自分で自由に計画を立てて働くことができるので、プライベートとのバランスをとりながら働けます。
加えて、職場の人間関係も非常に良好だと感じています。新規事業に関わる上では、正解がない分フラットに議論できる環境が欠かせません。その点、事業創生本部は部長や本部長などの役職者とも気軽にコミュニケーションを取りやすく、とても議論が進めやすいです。社内メンバーとのワークショップでも立場に関係なく、お互いが率直に意見を言い合えるので実りのある話し合いができます」
困難も楽しみながら乗り越える多胡に今後の展望を聞きました。
「まずはtree AIをしっかり事業化し、収支計画を達成することが大きな目標です。短期的な目線だけでなく中長期的な計画も立てているので、事業化の先をしっかり見据えて活動していきたいです。もちろん、並行して別の新規事業にも取り組んで行くので、両輪をしっかり回せるように頑張ります」
事業創生本部で活躍できる人について、多胡は以下のように話します。
「本部長はよく『熱量を持っていて、ずっとそのことを考えてしまうような人』に向いている仕事だと言っていて、私もまさにそうだと思います。加えて私が大切だと思うのは『多くの人に愛される人』であることです。
新規事業は決して1人では創出できません。お客さまへのヒアリングはもちろん、社内外の方々から協力を得る必要があるため、『この人の話なら聞いてみようかな』『何か協力してあげようかな』と思ってもらえることが大切なのです。
そのために私はどんな人にもリスペクトを持って接することを心がけています。先輩はもちろん、自分より年下の方でも自分にはないスキルや経験を持っていることがあります。相手にリスペクトを示し、常に相手から学ぶ姿勢で接することで、自然と相手も心を開いてくれるので、素直に教えてもらう姿勢を意識しています」
最後に、採用候補者の方へメッセージを送ります。
「複数の選択肢で迷っている時、迷っている時点でどの選択肢もそこまで悪くないアイデアであることがほとんどです。では成功の要因は何かというと、選んだ選択肢を信じて最後までやり切ること。
新規事業においてもまったく同じで、悩んだ上で決めたことを信じてやり切ることこそ成功の秘訣だと思っています。これから就職する方にも、自分が選んだ選択肢を信じてやり切ってほしいですね」
※ 記載内容は2026年3月時点のものです
