部下とともに成長する──挑戦しているのは効率と信頼のバランス
北陸支店新潟営業所で工事課係長を務める池崎。年間約15億円の売上規模を誇る同営業所で、見積もりから予算作成、施工管理、精算まで一連の業務を担当しています。また、同じチームとして働く部下の指導では、技術的な部分から現場での実践的な内容まで幅広くカバーしています。
「現在、5名ほどの部下がいて、日々の業務教育やメンバーのケアが主な私の仕事です。部下から提出される日報を確認し、原価管理や実行予算の作成についてチェックを行います。
また、実際に現場に同行して直接指導することもあります。ある程度の金額までは私自身で決裁する権限も持っているので、やりがいがあります」
現在は平均すると常に約10件の現場案件を並行して管理しているため、重要なポイントでの立ち会いが中心となっています。
「以前は現場にいる時間が長かったのですが、今は重要な場面だけ確認し、メンバーがメインで担当しています。私自身は事務所での業務も増え、見積もりや書類確認などの業務を行っています」
池崎が仕事を進める上で最も大切にしているのは、感謝の気持ちを持ち続けること。
「お客さまや現場で作業してくれる協力会社さんがいてこそ、私たちの仕事が成り立っていますから。相手の目線に立って物事を見ることを心がけています。お客さまから『きれいなものを作ってくれてありがとう』と言っていただけると、自分も嬉しくなります」
建設業界の働き方も大きく変化しています。以前は月60時間まで可能だった残業時間は、現在では45時間に制限されました。
「業務量は増えているのに、時間は限られています。他のメンバーや取引先の方々に協力をお願いしながら、効率よく進めていく必要があります。社員だけでなく、取引先の方々にも助けていただくことが多いので、そういった関係性も大切にしています」
震災をきっかけに芽生えたインフラへの想い。業務の幅広さに驚いた施工管理という仕事
池崎は地元・北陸の高専に在籍中から、学んできたことを活かせる仕事を探していました。インフラ整備の重要性を強く意識したのは、就職活動直前に起きた東日本大震災がきっかけだったと言います。
「道路が壊れると生活ができなくなるということを、震災を通じて肌身で実感しました。見渡せば、なくてはならないインフラは日常生活の身近にたくさんあって、そういったことに携わっていければと考えるようになりました」
前田道路への入社は、意外にもシンプルな理由からでした。
「前田道路の存在は、就職活動を始めるまでは知りませんでした。求人票の一番上にあったことがきっかけです。私のいた高専からは私1人だけの入社でしたし、先輩からの情報もゼロでしたが、もしも本当に合わなかったとしたら転職もできるし、まずはこの会社で頑張ってみたい、という気持ちで入社しました」
入社後、最初の1年間は北陸支店の工務・製品部工務課で、国交省の工事現場に携わりました。現場での施工管理を通じて、建設業界特有の人間関係を学んでいきます。
「最初は建設現場の作業員さんはちょっと威圧感があるといいますか、自分のような若手ではかなわない人が多いのではないか、というイメージを持っていました。
けれども、実際に接していくと楽しく仕事ができたのです。プライベートの話を交えながら、技術的なことも教えてもらいながら、学ばせていただくことばかりでした」
入社2年目の2013年からは富山営業所に異動となり、施工管理だけでなく、積算や予算作成など幅広い業務を任されるようになります。
「土木職が営業から見積もりをして、予算を作って、施工を管理して、請求書チェックまで一連の流れを担当するとは思っていなかったので、最初はギャップを感じ、これを土木職が全部やるんだ、と驚きました。今となってはそのほうが自由度もありますしやりがいを感じられています」
初めての現場代理人としての工事で得た自信を礎に。後輩を育成する側の立場で思うこと
入社から12年間、池崎はさまざまな現場で経験を積み重ねてきました。そんな中、2017年の石川県野々市図書館の外構工事は、とくに印象深い経験となっています。
「入社5年目の時、野々市図書館の外構工事で現場代理人を任されました。ほぼ1人で、責任者として1年間プロジェクトを担当することになり、失敗は許されない状況。かなりプレッシャーは感じましたが、約1年かけて無事完工できた時には自分の成長を感じられたかなと思います」
一人で大きな責任を担うことになった池崎。地元の協力会社さんからアドバイスを受けながら、それまでに培ったコミュニケーションスキルを活かして業務を進めていきました。
「通常、営業所内では複数の案件を同時に担当していきますが、この時の現場は単独案件。正直なところ、失敗したら私自身も取り返しがつかないため、個人的にプレッシャーは相当に大きかったです。そんな中、このプロジェクトを完遂できたことは、大きな自信になりました」
入社から2年目当時から見積り業務など広範囲に渡る業務を担当してきた池崎。当時を振り返ると、上司への態度にも反省が残ると振り返ります。
「21歳の時から見積り作業を任されていました。当時は、自分がわからないことへの不安から、正直、しつこいと思われるくらい質問していたと思います(笑)。
今振り返ると生意気ですし、態度は良くなかったですが、やっていたことは間違っていなかったと思います」
そんな池崎が、上司から受けた言葉の中で最も印象に残っているのは「ピンチはチャンス」という言葉です。
「若い頃にこの考え方を学んだことで、逆境に強くなり、ピンチが来ても冷静に対応できるようになりました。たとえば、現場での施工で求められているものと異なるメーカーの製品を使用してしまったというような失敗もありましたが、そういった経験を通じて、まずお客さまなど相手の気持ちを考えて行動することの大切さを学びました。
周りで関わってくれる方々についてきてもらい協力してもらってこそ、会社が成り立つということを実感しています」
現在は後輩の育成にも携わる立場となり、新たな課題に向き合っています。
「後輩が自ら気づいて報告してくれるような関係性を作ることが重要だと思っています。たとえば、失敗があった場合、私が先に発見するのではなく、後輩自身が気づいて報告できるようになってほしい。そのための環境づくりが現在の課題です」
日々の仕事の中で、池崎が最もやりがいを感じるのは、人との関わりの中での感謝の言葉です。
「小規模な現場が多い中で、見積りから施工まで携わり、最初は難しいと思われた仕事でも完遂して感謝される瞬間に、やはり大きなやりがいを感じます。その感謝される経験を重ねることが好きで、それをめざして仕事に取り組んでいますね」
部下を育て、自らも成長する。試行錯誤の日々の中であらためて思う責任感と誠実さの重要性
池崎は、これまでの経験を通じて培った自信と課題を踏まえ、将来の目標を語ります。
「営業所の所長になることは入社当時からの目標です。その目標のために、まずはチームメンバーである部下をちゃんと指導できる人間に自分がなることが必要だと考えています」
入社以来、配属された各営業所で尊敬できる営業所長との出会いがあり、自身もそのようは存在になりたいという思いは一貫して持ち続けています。また、理想の所長像について、池崎は具体的な考えを持っています。
「部下の面倒をしっかりと見られる所長になりたいです。人を育てることができる人間をめざしています。現在、その第一歩として部下の指導を始めて約1年になりますが、まだまだ自分も発展途上なので難しさを感じています。
まだ私自身も年齢は若いので、若手との距離感において、友好的な関係を築くべきか、それとも適度な距離を保つべきか、などなど。あまり友好的になりすぎると今度は私自身が失敗することもありますし。バランスの取り方はまだまだ試行錯誤の真っ只中です」
今後、一緒に働きたい人についても、これまでの経験から明確な価値観を持つ池崎。その背景には、現場での具体的な経験があります。
「一番は、責任感のある人です。これは部下に限らず上司に対しても同じです。また、信頼できる人、嘘をつかない人と働きたいと考えています。これは実際の現場で、安全面や品質面で『しっかりやっています』と言われていても、実際に確認すると適切に対応されていないケースを経験したことがあるからです。
この仕事では少しでも嘘をついたり物事を隠したりすると、仕事が進まなくなってしまうので。ミスも隠したりせず、相談をしていくこと自体が責任や信頼につながっていきますから。正直に、責任を持って仕事に取り組める方とともに働いていきたいです」
仕事に対する誠実な姿勢と人材育成への思いを持ち、さらなる成長をめざす池崎。理想の営業所長像を思案しながら、これからも若手メンバーとともに工事の現場を作り、歩みを進めていきます。
※ 記載内容は2025年2月時点のものです
