ダンプトラックやシールドマシンの溶接・組み立てを担当
2014年に新卒で入社し、産業機械本部 製造事業部 製造課 第3生産グループに所属する百瀬。現在、個別受注品の組み立てや溶接作業を担当しています。
「お客様の構想を設計者の方が図面に起こし、それをもとに組み立てを行うことが私たちの仕事です。主力製品としてダンプトラックやトンネルを掘削する際に使うシールドマシンなどを組み立てています。
ダンプトラックの場合は、エンジンや運転席、タイヤなど多数の部品を組み立てて走行できるまでにします。その後、検査員と共に検査も行い、出荷まで責任を持って担当しています。
1案件当たりに要する期間は約1カ月。最近では、トンネル施工にかかわる開発案件など、さまざまな製品の組み立てに携わることもあります。私は現在、建設現場で発生する建設残土などを分別する小型自走式スクリーン『BM545M-3』のフレームの溶接作業を担当しています」
第3生産グループには10数名のメンバーがいますが、百瀬と同じ役割を担っているのはもうひとりの先輩だけです。
「その先輩は第3生産グループ内で一番溶接が得意で、私が入社したときにトレーナーとしてさまざまなことを教えてくれた方です。2023年から新入社員がひとり加わったので、2人で協力し溶接の教育も担当しています」
百瀬が現在所属する第3生産グループに異動したのは、入社3年目の2016年。入社1~2年目は、製造課加工グループ(現在の第4生産グループ)にて溶接・仕上げ作業を担当していました。
「入社1年目の冬に、第3生産グループでダンプトラックの組み立てを手伝いました。それまでは溶接ひと筋でしたが、初めて機械の組み立てを経験してみておもしろいと感じていたところ、偶然にもその1年後に異動が決まりました。先輩には入社当時からお世話になっていますが、第3生産グループでの業務歴は私のほうが長いので、私から業務を教えることもありました」
ベテラン社員に見守られつつ、自分に適した仕事の進め方を模索
高校では機械の切削加工を主に学んでいましたが、授業でたまたま体験した溶接作業に自身の適性を感じた百瀬。溶接の仕事を探す中で出会ったのが、前田製作所でした。
「前田製作所の近所に実家があり、近くの小学校に通っていたことから、幼いころから馴染みがある会社でしたし、そのような親近感があったことが最終的な入社の決め手になりました。面接の場では役員の皆様がフランクに話してくださって、緊張が解れたのを覚えています」
入社前、百瀬が想像していたのは、職人気質のメンバーが多い厳しい職場。ところが、実際に入社してみてそのイメージは180度変わりました。
「ベテランの職人さんに教えていただくことも多かったのですが、皆さん本当に優しく接してくださって。温かい雰囲気に驚きましたし、気負わず頑張ろうと思うことができました」
40年以上のキャリアを誇り、長野県の「信州の名工」(卓越技能者知事表彰)の称号を授かるようなベテラン社員に教わる中で、百瀬は溶接の奥深さに気づきます。
「入社して間もないころは、鉄と鉄を結合させることが溶接だと簡単に考えていたのですが、見よう見まねでやってみても先輩のようにうまくはできず、難しさを思い知らされました。そこからは、とにかく数をこなすこと、そして作業を始める位置を変えたり、電流や電圧を調整したりと、自分に合ったやり方を見つけていくことを意識しました」
そんな百瀬に対して、周りの先輩社員は自身のやり方を押し付けることなく、温かい目で見守ってくれたと言います。
「何度挑戦してもうまくいかないときは落ち込みましたが、行き詰まったときにベテランの先輩方に相談すると、とても参考になる意見をくれたおかげで、うまくいったこともありました。熟練した技術を持っている方から直接教われたことは、とても貴重な経験でした」
第3生産グループに異動して間もないころ、百瀬にとって忘れられない失敗体験がありました。シールドマシンなどの機械を、接続し直して動作確認をするために、工事現場に足を運んだときのことです。
「無事につなぎ直してひと通り動作確認をする中で、動かしてはいけない箇所を動かしてしまったんです。初めてひとりで現場に行ったこともあり、その部分を動かしてはいけないことを知らなかったのが理由。完全な事前確認ミスでした」
これを機に、同じ失敗を繰り返して現場に迷惑をかけることがないよう、百瀬は念入りに確認した上で現場に足を運ぶように。現在では現場に向かうメンバーに、「この操作はしてはいけない」と可能な限り事前に必要な注意事項を洗い出して共有するようにもなりました。
男性社員として初めて1年間の長期育児休暇を取得
第3生産グループに異動して個別受注品の組み立てに携わるようになり、新たなやりがいを実感するようになったと言う百瀬。
「個別受注品は、参考になる完成品があるわけではないので、設計図だけが頼りです。図面とにらめっこして組み立てを行う作業がいつもうまくいくとは限りませんが、設計担当の方と意思疎通を取りながら組み立て、最終的に動いたときは大きな達成感があります」
組み立てを担当するようになって7年目。現在は担当領域の幅も大きく広がりました。
「ここ数年は、林業に用いる新製品フォワーダーなども手がけるようになりました。また、私がメインで携わっているわけではないのですが、グループメンバーは、関係会社がかかわる空飛ぶクルマの離着陸場の試作なども担当しています。仕事を通じて社会の大きな技術革新を感じられることは誇りでもありますね」
構造物鉄工1級の国家資格を取得し、2022年には社内溶接コンクールで最優秀賞を受賞。2023年に長野県の溶接コンクールにも出場する予定があるなど、スキル向上に余念のない百瀬ですが、ワークライフバランスを重視する一面も。4年前には1年間の育児休暇を取得しました。
「当時は、まだ男性の育児休暇取得がいまほど一般的ではありませんでした。社内でも、男性社員が1年間育児休暇を取得した前例はありませんでしたが、子どもの成長をそばで見守りたい気持ちがあって。取得の意向を伝えたところ、上司や周りの方はとても協力的でした」
育休中、最初は夜泣き等で四苦八苦していたという百瀬。ベビーカーや抱っこ紐を使って近所を散歩して過ごしたり、検診や予防接種に連れて行ったりしたことも。また、栄養士に相談して栄養バランスやアレルギーに配慮した離乳食を与えたり、保育園の入園に向けて食事や生活リズムを合わせて準備を進めたりと、妻と共に育児に臨んだ百瀬。当時を振り返りながら、あらためて職場への感謝の気持ちを示します。
「育児は想像の何倍も大変でしたが、それ以上に子どもの成長をすぐ近くで見られるうれしさや感動があり、育休を取得してよかったと思っています。取得前は、1年間のあいだに知らないことが増える不安もありましたが、近所に住んでいたこともあって、定期的に会社に顔を出す機会もつくっていただいたんです。
顔を出すと、いつも優しく『頑張ってるか?』と声をかけてもらえたので、職場復帰もスムーズでした。あらためて、恵まれた職場にいるのだと実感しました」
互いの長所でカバーし合う環境ゆえ、誰もが活躍できる
まだ20代でありながら、中堅社員としての自覚と責任感を持って仕事に臨んでいる百瀬。今後も一歩ずつ着実に、期待通りのものを届けられるよう全力を尽くしていきます。
「私たちが組み立てる機械を必要として発注していただいているので、納品後にお客様から『使いやすい』と言っていただけるような機械を納品し続けたいと思っています。それが信頼関係の構築につながり、追加発注いただいたり、次回また頼んでいただけたりすればいいですね。
ときどき子どもにダンプトラックを見せると喜んでくれるのがうれしいので、今後もものづくりに携わっていきたいと考えています」
ものづくりをする上で欠かせないのが、営業担当者や設計担当者、そして同じグループの仲間との連携。これからも、周囲との丁寧なコミュニケーションに努めるつもりです。
「意見が異なったり、トラブルが起こったりすることもありますが、頭ごなしに否定したり感情的になったりするのではなく、まずは相手の意見にしっかり耳を傾け、より良い改善方法を一緒に見出していくことを意識しています。こうした姿勢は、前田製作所全体に浸透しているように思います」
一方、手がける領域が広がり、組織自体もますます拡大しようとする中、自身が所属する製造課の魅力について百瀬はこう話します。
「多くの企業では溶接と組み立ての役割分担が進んでいるので、両方に携わることのできる点は、前田製作所の製造課ならでは。そのぶん大変ではありますが、同じ仕事ばかり担当するわけではないので仕事に飽きることがないですし、幅広い技術が身につきます」
とはいえ、失敗なくして技術を磨いていくことはできません。百瀬が新しい仲間に求めるのは、チャレンジ精神です。
「新しいことに挑戦する機会が多いので、失敗を恐れない気持ちを持っていてほしいです。私はもともと臆病で慎重派でしたが、仕事をする中で新しいことに踏み出す勇気が身についたように思います。
もちろん、フォロー体制が整備されているので心配はいりません。製造課は、互いの長所で互いの短所を補い合う組織。推進力に長けている方にも、私のようにコツコツ仕事を進めるタイプの方にも、活躍の場があります」
助け合う文化が根づく、安心感のある環境で。百瀬は今後も、向上心を持って仕事に取り組んでいきます。
※ 記載内容は2023年8月時点のものです
