三つの新規事業、数十億の投資を動かす最前線
私が今参画しているのは、会社の未来を左右する三つの大きなプロジェクトです。一つ目は、全国30店舗を目指すウェディング施設の新規出店。二つ目は、フォト事業の新規展開。そして三つ目は、2020年からスタートしたリゾートホテル事業です。これらすべてが同時進行で動いています。
ウェディング施設のプロジェクトでは、まず土地探しから始まります。土地が見つからなければ、新規出店はありません。新規出店がないということは、採用した人が輝く場所も、成長する場所もなくなってしまう。売り上げが横ばいとなり、企業の成長が止まっていく。いつもそういう危機感を持って取り組んでいます。土地を見つけ、持ち主と交渉し、その土地にどんな施設を作るのか。設計チーム、施工チームを全国から集めて、配置プランや基本計画を一つひとつ形にしていきます。建物の概要が決まれば、内装の色味から家具の形、配置、壁や床の素材、材質に至るまで、すべてを決めていきます。期間は早くて三年、長いものでは八年。土地との出会いから建物完成まで、会社として数十億を超える投資を行っています。
フォト事業では、新しく建物を建てるのではなく、既存のビルを借りてフォトスタジオを作り上げています。設計チーム、建築チーム、施工チームを集め、地域最大のフォトブースを目指します。内装業者や舞台装置業者と壁を一枚一枚、テーマに沿って作り込んでいく作業には、現場のプロカメラマンやメイクスタッフの意見も取り入れます。物件と出会ってから約一年から二年で新規出店を実現させていきます。リゾートホテル事業は、日本に眠っている山や川、滝、温泉地といった、誰もが憧れる場所に、心が癒される優雅な空間を創りたいという想いから始まりました。道も水も電気も通っていないような場所に建物を建てるプロジェクトですから、いきなり設計ではなく、まずは開発からです。どのような建物が建てられるのか、条例や法律の内容を一つひとつ確認しながら行政と向き合い、進めています。
これらすべてが新規出店のプロジェクトです。プロジェクトメンバーは、各部門長を中心に五名から八名程度の少数精鋭で構成されています。社内のプロジェクトリーダー、営業、厨房、衣装といった各部署から選抜されたメンバーに加えて、金額が大きいプロジェクトですので会長や社長も入り、内容を決定していきます。さらに外部の設計チーム、施工チーム、内装デザインチーム、造園チームなど、数十名のスタッフが入れ替わりながら関わっています。『真っ白なキャンバスに地図を描くような仕事』何もなかった場所に新たな価値を生み出す、想像力と創造力をふんだんに発揮する仕事です。一人では絶対にできないからこそ、社内外からメンバーを集めて、一つひとつゴールに向かって取り組んでいます。
福岡支店での感動から新規開発の道へ──ゼロからの挑戦が始まった
新規事業開発室のプロジェクトに参画するきっかけは、鳥栖店のオープニングメンバーに選ばれたことでした。そこで社長賞をいただき、福岡支店の立ち上げメンバーにも選ばれました。そこで初めて設計会議というものに参加したんです。一緒に打ち合わせをして、自分の意見が通ったり、通らなかったり。でも、その打ち合わせをした内容が図面に書き写されて、最終的に建物ができたときの感動は、今でも忘れません。このカーテンがいい、この壁の色がいい、この素材がいい、階段はこうしよう。そんなことを考えて、とても楽しかったんです。その後は現場でずっとウェディングプロデューサー、ウェディングプランナーをやっていました。そんなある日、機会が訪れました。前任の開発メンバーの皆さんが会社を辞めることになり、誰かやらないかという話になったんです。前任の方から私を、ということで抜擢をいただきました。本当に何も分からないことばっかりでしたが、でもやるしかない。福岡の立ち上げの時のあの時の気持ちがこみあげてきたんです。福岡支店の次は金沢支店の立ち上げ、いわき支店の立ち上げも行っていきました。約半数ぐらいの店舗の配置計画、平面図の設計会議はずっと入っていたので、やっぱりやれるなと思いました。大好きなウェディングはいったん現場に任せて、もう全集中で、このウェディングの新規出店に参画することを決めました。
参画していく上で、まず本を読みました。建物を建てるためのルール、土地のルール、容積率、都市計画条例、法律、建築基準法など多岐にわたりますが、そういう勉強をしながら、顧客リストに毎日毎日、電話をしました。私たちはこんな物件を探しているので、まずは情報交換ができないか、知識を増やしながらも、足りない知識の中で、まずお会いしましょう、まずお話ししましょうと、不動産関係者さんと打ち合わせをしていきました。民間の不動産屋さん、設計士さん、建築会社さんに土地を探してもらいましたが、なかなか社内の稟議が通らず苦戦しました。この土地ではダメ、この条件ではダメと、年間約1,000件ぐらいの情報が集まって、承認されるのは1件ぐらいです。そんな状況の中で、このプロジェクトに参画して1年が経っていない頃、広島支店の土地と出会いました。振り返ってみても、ただ運が良かったと思います。上場企業の不動産会社さんが非常に知識も知見も持っていらっしゃって、いろんなことを教えてもらいました。その分、私のミスで賃料を多く払うようなこともあり、本当に毎日が分からないことだらけの連続でした。とくに、法律や条例などの今まで全く触れなかったものに触れることはとても苦労しましたし、涙を流したことを思い出します。
これを乗り越えるために、日々の中で知らない言葉、分からない言葉が出てきたら、その場で聞くようにしていました。大事なのは、人脈のリストの整理と、知見、知識。この知見と知識がなければ知恵が生まれないので、これをずっとしたためながら覚えていきました。そのおかげで、人脈と知識、これが非常に支えになったと思います。加えて、社内のトップである会長の金子との会議で一問一答形式で質問をしました。そういった厳しい叱咤激励を受けながら乗り越えてきたなと感じています。
チームで掴んだ成長と、精度の高い情報がもたらした確かな成果
現在、有明・西公園という2つのプロジェクトが同時に進行しています。有明は2027年2月のオープンを目指しています。西公園は建築会社も決まり、3月から着工予定です。さらに「みんなで作る結婚式」プロジェクトでは、毎月の会議で新しい演出やサービスのトライアルを約6つ始めました。グッドウェディングアワードという外部のコンテストにも全員でエントリーし、上位を狙っています。
今、一番の成果だと感じているのは、開発チームの3人が主体となって動き、一生懸命業務に取り組み、成長している姿です。「任せられる」という言葉が、今の一番の成果かもしれません。以前は一人でやってきましたが、今はチームで動きながら、フォトは誰、リゾートは誰、この情報は誰が調べるという形で、役割を分担できるようになりました。人が成長し、チームが成長している。それが何よりの成果です。設計チームとの出会い、建築会社との縁。そこからまた新たな情報がつながっていく。人脈が成長し、一緒に働く仲間が成長し、会社も成長する。今、その一歩一歩、成長の階段が上がっている現実が、とても大きな成果だと考えています。できなかったことができるようになり、情報収集の精度が上がる。1,000億という大きな目標がありますので、まだまだ足りない部分もありますが、この成果を積み上げていきます。
また、チームで動けるようになったことで、圧倒的に情報の分析力が変わりました。同時にプロジェクトを3件、4件も進めることができるのは、正確さとスピードを持って、チームで動けているからですし、そのチームを支えようとしてくれる仲間がいるからです。以前は5時間かかったことが2時間でできるようになれば、残りの3時間を新たな情報収集や自分自身の成長への学びの時間に使えるようになりますし、情報収集の精度が上がるということは、根拠のある情報を扱えるようになるということです。これによって、計画がより精度の高い計画となり、売上が目標を超えて着地したり、利益が目標を超えて着地したりと、そういう成果が見えるようになってきました。アイデアはぶつけ合ってこそ輝く。それを実感する日々です。
祝い合う文化を未来へ、目指すは350億の成長と社会の幸せ
今後もリゾートホテルのプロジェクトに全力で取り組んでいきます。まだ実績がないからこそ、必ず土地を見つけて、建物を建てて成功させる。その覚悟を持って前に進んでいます。同時に「みんなで作る、もっと良い結婚式」というプロジェクトも継続していきます。このプロジェクトはメンバーを増やし、スピードと正確さを上げながら、グッドウェディングアワードのサービス大賞受賞を目指しています。まだまだやることは山積みですが、その一つひとつが会社の未来につながっていると信じています。
このプロジェクトを通じて目指すのは、結婚式という文化が必要とされる社会です。互いに祝い合う、同じ空間で感情や表情をさらけ出して祝い合う文化を大切にする社会にしていきたい。同じ空間で時間を過ごし、言葉や行動で感謝を伝えることができ、自分の人生を振り返り、間違っていなかったと感じることができる結婚式。そこで生まれる思い出はかけがえのないもので、その思い出の先にある素晴らしい未来につながっていくと信じています。だから、結婚式という文化を通して、目に見えない感情を感じることができる瞬間を体験してほしいのです。
私たちが目指す未来に向かって、われわれの理念に共感し、自律創造できる人と一緒に働きたいと思っています。夢を持ち、夢に向かって実践実行している人。また、夢がなくても、夢を持って行動し成果を出している人に敬意を払い、そのビジョンを自分のこととして捉え、貢献できる人と働きたいと思っています。私たちが目指すのは、当事者意識を持ち、自己実現や自己成長欲求が高い組織です。目標が一緒であれば、それに向かって情報を集め、分析し、提案し、企画し、何が何でもやり抜く、そんな会社にしていきたいと考えています。『結婚式の文化をなくしたくない』そのためにIKKホールディングスは存在しています。ウェディングで350億、ホテルリゾート事業で300億、介護で150億、さらにホテルリゾート観光事業で300億、グローバル人財派遣事業で300億。この目標をゆうゆうとワクワクしながら達成していける会社を作っていきたいです。そのためには人財の力が必要です。「会社は人なり」と教えていただいていますが、私自身もそう感じています。
最後に、皆さんに質問したいことがあります。「愛しているって言葉、誰に伝えていますか?」この問いかけが、必ず日本という国を豊かにする一つのきっかけになると信じています。土地を探し、その土地の歴史の価値を後世に遺していくことができる新規事業開発は、私の人生の生き甲斐であり、醍醐味の一つです。これらのことを成して、一所懸命に働き、必要とされること。それが最終的にご先祖さまに喜んでもらえることだと信じています。
