企業理念に惹かれHPEへ。ミッションクリティカルシステムの業務に従事
2008年に新卒で日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)に入社した杉山。学生時代は理学部で解析系の数学を専攻し、将来はコンピュータに関わる仕事がしたいと就職活動を進めていました。HPEへの入社を決めたのは、企業理念に共感したことが大きな要因だったと話します。
「HPEには独自の企業理念があります。これは尊敬と信頼をベースにした企業理念で、従業員一人ひとりが活躍するための適切な環境を用意することの重要性や、主体性を尊重することの大切さを示すものです。私自身、面接で自分の意見を尊重してくれる企業だと感じたことが、入社の決め手になりました」
入社後、杉山はノンストップサーバーを取り扱うミッションクリティカルシステムの部署に配属され、通常の研修にプラスして半年間ほどの技術研修をグループ内で受けました。
「業務で扱うのは非常に大規模な基幹システムで、サーバーが停止すれば甚大な影響を及ぼしかねません。研修ではインフラの基礎から徹底的に学んでいきました」
元々情報系の知識は一般常識程度だったことから学ぶことが想像以上に多く、苦労することもありましたが、次第におもしろさも見出していったと言います。
「Linuxのコマンドラインの操作が非常に難しく感じましたが、このようなシステムによって世の中の仕組みが動いているのだと実感し、さらに勉強していきたいと思うようになりました。同僚と協力して自主的にタワー型サーバーを自宅に用意し、ファンの音の大きさに驚きながらLinuxのシステム管理を実践したのもいい思い出です」
7年間のミッションクリティカルスシテムの業務を通して、杉山はノンストップサーバーやネットワーク、セキュリティなど、インフラシステムを支える幅広い知識と技術を獲得。さらに、オープンソースのソフトウェアについて発信する社内のコミュニティに参加したことで、キャリアの転機を感じます。
「最初は、情報系の出身ではないのでプロジェクトマネジメントの道に進むのかな、と漠然と思っていました。けれど業務で技術の基礎を磨き、コミュニティで最新技術の勉強や発信をする中で、『技術を追求していきたい』という気持ちが強くなっていきました」
データ&AI活用を推進する部署にてAI領域におけるHPEのビジネス拡大に貢献する
自身の技術者としての方向性が見え始めた杉山。顧客に対し、積極的に自動化の技術を提案・導入しました。
「担当していたお客様が、あるビッグデータシステムを使用するため、50台ほどのサーバーを構築する必要がありました。当時は手作業が多い時代で、時間も人手もかかっていました。
そこで、自動化ツールを研究し、動作確認などを経て導入に問題ないと判断。お客様に自動化ツールを提案し、システムを一括で構築できるようにしました。最先端のシステムを導入し、効果的にプロジェクトを遂行できたときにはやりがいを感じましたね」
充実感を覚える一方、歯痒さも感じるようになったと杉山は振り返ります。
「一般的に、インフラシステムは一度導入するとメンテナンス期間に入ります。実現した新しい技術を他のお客様にも活用してほしい、日進月歩で進化する最先端のIT技術を積極的に使っていきたいという想いが強くなっていきました」
その想いを実現できる場所として辿り着いたのが、杉山が現在所属するサービスデリバリー統括本部テクノロジーアーキテクト部。コミュニティに所属していた同部の部長とのつながりで2019年に異動が叶いました。
同部にはデータマネジメント、パブリッククラウド、DevOpsコンテナなどそれぞれの領域を熟知した精鋭が揃っており、互いに最新の情報を共有し、刺激し合いながら技術を磨いています。杉山が担っているのは、データ&AI活用を推進する役割です。
「データ&AIに関するプロジェクトに我々が参画し、実績を積み重ねています。同時に、現場メンバーに技術を共有していくことで、HPE組織全体のAI分野の強化を図っています。また、実績をもとに新たなお客様へ直接提案に行き案件化するなど、ビジネス拡大にも取り組んでいます」
杉山は現在の業務のやりがいをいきいきと語ります。
「AIという最先端技術に関わりながら、お客様のビジネスに貢献できることが私の大きなやりがいです。今でこそAIは注目を集めていますが、この部署に異動した当初は、AIが普及する初期段階でした。将来のニーズを予測し、自主的に学習を重ね、周囲から信頼される技術力を培ってきたこと。この努力が、好きなこと・得意なことを仕事にできている現在の状況につながったと考えています」
プロジェクトを進める上で大切なのは、目的を意識した適切なヒアリング
幅広い視点からデータ&AI活用を推進する杉山。業務を行う中で印象的な事例があったと語ります。
「2021年、ある国立大学が情報学部を新設することになり、私たちはデータ分析基盤構築に取り組むことになりました。そこで、当時最先端だったコンテナを複数のサーバー上で効率的に管理するプラットフォームと、最新のGPUを用いて構築を試みました」
大学では、研究者や、情報系の学問を初めて勉強する学生が同じプラットフォーム上でデータ分析やAIの研究を行うことから、設計は難航しました。
「研究者の方には機密性が高く複数のGPUを利用できるようにする必要がある一方で、学生には処理負荷が少ないGPUでよいなど、幅広いユーザーを受け入れながら利便性の高い環境を実現することに苦慮しました」
その状況を打開したのが、丁寧なヒアリングです。
「お客様が求めていることを突き詰めていくと、研究者の方が真に求めているものや、必要ないものが見えてきます。すると検討の幅が広がり、着地点が見極められるようになるんです。ヒアリングを徹底したことで、お客様にも満足いただき、他の案件への活用にもつながりました」
成功に導くことができた背景には、目的意識があったからだと杉山は考えています。
「私は学生時代にトライアスロンをしていました。より上位をめざすためには何が必要か、目的達成に向けて効率よくトレーニングを行うにはどうすればいいのかを常に考えていました。これは、IT技術者として働く現在にも通じるマインドです。何のためにやるのか、なぜやるのか、誰のためにやるのか。それを忘れないよう日々意識して業務に取り組んでいます」
グローバルな知見を得ながらキャリアを築くことができる環境
HPEは世界で事業を展開するグローバル企業です。世界中に存在する関連機関と連携した業務に携われる点が、杉山にとっても働く魅力になっていると話します。
「全世界で発展する最先端技術をキャッチアップできることが刺激になっています。当社には、アメリカを拠点とするHewlett Packard Labsという産業研究所があります。ここで開発された『ブロックチェーンを用いた分散機械学習のソリューション』を日本で展開するプロジェクトがあり、その際に私もテクニカルリードとして参加しました」
技術者としての活躍をめざす学生に向けて、杉山は就職活動のアドバイスを送ります。
「IT技術は急速に進化していくものです。例えばHPEの特定の技術を気に入って入社したとしても、その技術が淘汰されてしまったときに、自分の目標もなくなってしまうかもしれません。そのため、企業理念がフィットしているか、最先端技術を追求していける環境かなど、自分の軸をもって将来をイメージするのがいいのではないでしょうか。
私にとって、入社時に惹かれたHPEの企業理念は今でも変わらず社内に根付いていると感じていて、お互いに尊重し合うコミュニケーションが取れていると感じます。また、技術を追求していきたいと思った時にキャッチアップしてくれる会社だと思います。上司がキャリアを決めるのではなく、社員がキャリアを考え上司がサポートする風土であることを実感していますね。
また、技術者としては、システムのブラックボックスな部分に対する理解度を自分なりに深めていける人が向いているのではないかと個人的に思っています。そして、それが技術者として働く上での楽しい部分でもあります」
最後に、杉山は未来の展望を次のように語ります。
「今後はさらにAI事業を拡大していきたいですね。さまざまなお客様を支援することが、日本のAI活用を促進し、経済が発展していくことにつながると思っています。
技術的な観点から言えば、AIの技術はは無限の可能性を秘めています。倫理的に使うには何が必要か、セキュリティはどうするべきか──システムとして求められることを考えていくのも、我々の役割だと考えています」
AIが秘める大きな可能性に、これからも杉山は向き合い続けます。HPEの環境が、杉山の探究心を刺激し、技術の進化を加速させていきます。
※ 記載内容は2024年7月時点のものです
