営業職として社内で前例のない挑戦。宣伝戦略を練り、「興味を持つ人との接点」を探る
営業本部 第一営業部 第一課に所属する中村。託されたミッションは、新規のお客様の開拓や販売数の拡大です。
「当社は日立グループ内の業務が全体の9割を占めるのですが、私たちの仕事は残りの10%である外販、つまりグループ以外の新規のお客さまとの取引を増やすことがミッションです。お客さまに対してはデジタルマーケティングを駆使しながら、当社でできることをまとめた『ソリューションブック』内のソリューションを提案しています」
当社が目標として掲げるのは、外販比率を10%から20%へ引き上げること。ハードルは高いですが、中村は「学ぶことも多い」と実感を込めて語ります。
「資本関係などがない中、お客さまに、さまざまなベンダー(販売業者)から純粋に一番いい会社を選んでいただく形なので、難関です。お客さまとの信頼関係を築くために大切にしているのは、スピード感ですね。お問い合わせに対していち早く回答するだけでなく、10を聞かれたら想像力を働かせて11や12の答えをお渡しするなど、期待を少し上回るような取り組みを心がけています。
最初はお客さまになかなか相手にされず、話ができる段階に持ち込むのが難しいです。しかし、壁を乗り越えると深く、長い付き合いができるのがこの仕事の面白さだと思っています」
新規開拓に向けて、今や欠かせないのがデジタルマーケティングです。中村は営業職である一方、その役目も担っています。
「メディア露出を増やす方策を考えたり、リスティング広告(検索連動型広告)を進めたりするほか、ウェビナー(Webセミナー)も開催しています。ウェビナーは四半期に1度催し、お客さまにお勧めしたいソリューションも発信しています。メールマガジンも始めました。過去にお問い合わせいただいたお客さまを含め、週2回送信する仕組みを作りました。
また、当社HPでコラムも発信しています。例えばPPAP対策(メールでパスワード付きのZIPファイルを送った後、別のメールでファイル開封パスワードを送るというセキュリティー対策)や、端末のセキュリティーで注意すべき点などをテーマに執筆し、読者を当社のサービスや製品に誘導します。興味のある人といかに接点を持つか、に力を注いでいます」
決まったことをこなす業務とは、対極にある仕事。苦労は付きものですが、一方でやりがいも感じています。
「何をやるかはある程度一任してもらっていますが、逆にいえば決まっていないものが多く、どういうやり方なら一番効果的なのかを考えることに腐心しています。チャレンジを促すような当社の雰囲気は好きですね。前例がない中、分からないことがあれば社内の有識者やパートナー企業に聞きながら進めるなど、挑戦し続けられていることがうれしいです」
モットーは「愛と真心の営業」。お客さまと信頼関係を築き、人間同士の付き合いを
前向きな姿勢を貫く中村も、「過去には失敗を重ねてきた」と率直に明かします。
「中間目標といえるKPI(重要業績評価指標)として、業績への貢献、お取引ができるお客さまの増加、デジタルマーケティングによるリード(見込み客)の増加などを自ら掲げ、達成をめざしています。
ただ、2022年は思うようにいかず、挫折しかけました。いろいろな仕事をやらせてもらっている一方で、本当に業績につながるのかと悩むこともありました」
仕事で分岐点を迎えるたびに、先輩社員とやりとりしながら自分を奮い立たせてきたと言います。
「よく相談に乗ってくれる上司がいるのですが、とにかくポジティブな人なんです。『できるかできないかを考えるよりも、まずはやってみたらどう?』と背中を押してくれたり、アドバイスをくれたりして、そのたびに励まされましたね。
また、私はチームのリーダーを務めているので『自分が迷ったら、3人のメンバーたちも困るはず』と思い、迷いを断ち切ってきました」
リーダーとしての覚悟を胸に秘めつつ、新人社員のOJT(実際の業務に携わりながら行う教育訓練)も実施。工夫を凝らし、育成を進めています。
「教える際、3つ以上のことを同時に言わないようにしているほか、本人の得意分野を伸ばすように心がけています。今の部下は資料作成が上手で、難しい課題をこなした場合はなるべく褒めるようにしています。
現在は在宅勤務が週3日程度に増え、コミュニケーションの機会が減っているので、5~10分の短時間でも業務の進み具合を確認したり、困り事がないかを聞いたりと、密なやりとりを意識していますね」
入社15年目を迎えた中村。仕事をする上で掲げているモットーは、実にストレートです。
「口にすると少し恥ずかしいのですが、『愛と真心の営業』です。お客さまとは最終的には人間同士の付き合いになってくるので信頼関係の構築が大事ですが、私はお客さま自身に興味を持つようにしています。業務のお話などをいろいろと聞いていると、とてもおもしろく、学ぶ部分が多いと感じます。
お客さまを大事にする姿勢を示すと、その思いはやはり相手にも通じるのではないでしょうか」
一方で、当社ならではの魅力は何かと考えた時、「日立グループという看板の大きさだけではない」と語ります。
「営業担当の人数が少ないこともあって、小回りが利き、自由度が高いです。さらに、当社は『ラストワンマイル(モノやサービスがお客さまに届く最後の接点)のその先へ』というスローガンを掲げています。
取引先に常駐しているシステムエンジニアの社員が多いので、お客さまに近い環境で情報やニーズを吸い上げ、活用できるのは当社の強みだと思います」
数年越しの受注成功から得た学び。「すぐに成果が出なくても、長期的な視点を大切に」
営業担当でありながら、デジタルマーケティングの分野でも実績を残している中村。過去に目を向けると、2020年まで携わったアカウント営業時代にも大きな手応えを得た案件がありました。
「大きなコンペティションがあって、一度は別のベンダーに決まりました。ただ、数年後にお客さまから『あの時に提案を頑張ってくれたから、もう一度調整してくれないか』と声を掛けていただき、受注に成功しました。
この時、すぐには成果が出なくても、お客さまと真摯に向き合い続けていると、いざという時に頼っていただけるのだと実感しました。長期的な視点を持って関係性を構築することの大切さを学びましたね」
中村はもちろん、恒常的に数字を残す必要性も、十分に認識しています。
「半期ごとに業績目標を掲げているので、やはりいち早い受注も必要になってきます。いかに種まきをして翌年のお客さま予算に見込み案件としていれてもらえるか、そして見込み案件を刈り取っていくかを常に意識しておかないと、コンスタントに数字を稼ぐのは難しいです。
そこで我々は、お客さまごとのリストを作り『このネットワークが5年後に交換になる』などの情報をたくさん持っておき、一つひとつをチェックしていこうと計画中です。最終的にはお客さまの生の情報も盛り込み、お役に立てていけたらと考えています」
さまざまな経験を重ね、中村自身、入社当初から価値観や行動が変わったと思う部分があると言います。
「かつては、自分がどうしていくかということしか考えていませんでしたが、会社に対して何ができるかという広い視野で捉えるようになりました。そして、部下ができてからは『理解すること』や『伝え方』についても考えが深まったように思います。指導する際には、自分がきちんと理解していないと言葉にできません。
あらためて自分がちゃんと分かっているのかということを突きつけられましたし、相手の心により響く言語化を意識するようになりましたね」
「やると決めたら、人間は迷わなくなる」。前向きな姿勢を貫き、チャレンジを続ける
営業職として、チームリーダーとして、成長を遂げてきた中村。自らの強みを「前向きな姿勢」だと語ります。
「難しい仕事を託された場合でも、まずは行動するようにしています。立ち止まって考えているだけでは、何も進みません。やると決めたら、人間って迷わなくなるんですよ。そして、いざ進み始めると、いろいろな選択肢が出てきます。その中から自分には何ができるかを考え、やれることに取りかかればいいと思っています。
中学、高校時代に陸上競技に取り組んでいたのですが、当時からルーティンワークよりも、どうやればいいか分からないものに挑む方が好きでしたね。速く走るための方法に正解がない中、思いついたことをいろいろと試していました。前向きなのは、子どものころからの性分なのかもしれません」
今後の自身のキャリアを思い描く上で、口にするのはインサイドセールス(内勤営業)の重要性です。
「かつては電話、飛び込み営業もしていましたが、これからは興味を持ってくださっているお客さまといかにつながるかという点を重視しなければならないと思っています。
さらに踏み込むと、お客さまも気づいていないような潜在的な課題がわりとあるんです。こういう業界にはこういう課題があるはずだと推測した上で、お客さまに提案し、業務変革をお手伝いするスタイルを磨いていきたいですね」
IT営業にはどのような人が向いているのか──。中村はこう捉えています。
「IT業界は日々、さまざまな情報がアップデートされていくので、その変化についていくことが大切です。新しい技術やトレンドを調べたり、知識を蓄えたりするのが好きな人がこの仕事に向いているのではないでしょうか。私も勉強したり、セミナーに参加したりして常に情報を仕入れ、トレンドを把握するようにしています。
いろいろな業種、役職の人たちとお話ができるという点も、仕事の妙味です。新人でも役員クラスのお客さまと対話することがあります。多様な経験を積みたいと思っている人には、ぜひ挑戦してみてほしいです。そのような人たちと一緒に仕事できる日が楽しみですね」
※ 記載内容は2023年12月時点のものです

