入社2年目で担った官公庁の案件。神経を使うも、メンバーとの綿密な対話で乗り切る
──初めに、オンサイト運用サービス本部 システム運用設計部 第一課の役割を教えてください。
川村:グループ会社の日立システムズと共に、主に公共系の入札案件に携わっています。サーバーやネットワーク機器、端末などのシステムについて、エンドユーザーへの導入を日立システムズが受注し、私たちは運用者の運用を支えるための設計構築を担います。安定かつ安全に運用できるように設計し、運用テストを経て、運用者に引き継ぐのが仕事です。加えて、エンドユーザーが利用するPCやスマートフォン、タブレット端末の設計構築も行っています。
一方、「ITコンシェルジュ」というサービスも立ち上げています。デジタルにまつわる困り事をお客さまから聞き取り、課題を提起した上で、当社や他社のサービスを組み合わせて解決していく形です。
──自身は現在、どんな仕事に携わっていますか。
川村:私自身はお客さまから直接受注した案件に関わっています。現在のお客さまである放送局には、クラウドバックアップサービスを導入させていただきました。
デジタル課題をお聞きする中で、ご使用のSaaSサービスについてマルウェア(デバイスに不利益をもたらす、悪意のあるソフトウェア)感染を気にされていました。データのバックアップを取りたいとのことでしたので、当社がサービスをご提案し、導入となりました。データを1日4回、自動でバックアップすることで、マルウェア感染によるデータの削除、改変や、ヒューマンエラーによるデータ誤削除などの不測の事態に備えています。
松尾:私は最近まで、官公庁の仕事をしていました。職員が使うクライアントPCの調達と、それに関わるシステム構築を日立システムズが受注し、当社は運用設計の部分を担当しました。
要件定義の一環である要件確認から私も加わりましたが、入社2年目ですべてが初めての経験だったので、先輩社員に教わりながらの作業でした。そんな中、エンドユーザーとの間に認識のずれがあり、運用設計のやり直しを余儀なくされたこともありました。
かなり神経を使うプロジェクトでしたが、「私がやれば他のメンバーが助かるはず」と考え、自分を奮い立たせていました。いつもチームメンバーが気にかけてくれて、互いにコミュニケーションを密に取れていたのが心の支えでしたね。職場の雰囲気に救われたと実感しています。
──川村さんは職場の雰囲気についてどう感じていますか。
川村:普段から極力コミュニケーションを取り、職場のムードを良くしていこうという意識が社員たちに浸透していると思います。私はとくに、PM(プロジェクトマネージャー)を孤立させないように意識しています。PMは現場の仕事やチームの状況に関してひとりで悩んでしまうことが時としてあるので、こちらから積極的に声をかけたり、表情や言動に変わりはないかと目配りしたりしています。
公共の業務に使われるのは「税金」。無駄にしないよう、お客さまの満足度向上を誓う
──運用設計ならではの大変なことや、やりがいを教えてください。
川村:型にはめることができないのが、もっとも大変かもしれません。お客さまの要望に沿って進める中で、PCなどのハードウェア側の仕様が固まり、使いたい機能も決まっていきますが、その組み合わせにひとつとして同じものはありません。運用マニュアルや手順書もお客さまによってフローが異なります。結局、毎回ゼロから積み上げていく形ですね。
私たちがエンドユーザーにヒアリングをして承認を取り、テストを経て問題なし、いよいよ引き継ぎというタイミングで、運用者から「これでは運用に耐えられません」と言われた場合は、作業をやり直さなければなりません。常に緊張感があります。
やりがいは、実際にシステムの運用が始まって、安定稼働した時にようやく実感できるのではないでしょうか。運用面でしっかり回るし、エンドユーザーとしてもシステムを落ち着いて使えるようになった段階で、初めてお客さまから「ありがとう」と言われます。そんな時には「苦労して設計、構築、テスト、引き継ぎをしたのがやっと実った。運用設計をしてきてよかった」と感じますね。
松尾:何か問題が起きれば、お客さまが「とりあえず運用設計の担当者に伝えてみよう」と私たちに声をかけてこられることが多く、その場合は、お客さまと当社の別チームとの間で解決に向けて動かなければなりません。そのため、さまざまな立場の人たちと一緒になって物事を進める調整力が、欠かせないと思っています。
そして、苦労して作ったドキュメントでも、円滑に運用が進んだり、システムが問題なく動いたりという事実がないと、いい設計だったとは言えません。なので、うまく回った時には大きな達成感が得られます。
──仕事をする上で、大切にしていることはありますか。
松尾:エンドユーザーの満足度を大事にする一方で、やはり運用がうまく回る設計にしなければなりません。お客さまそれぞれの「ここは譲れない」という部分をかなえつつ、すべての立場の人たちが納得できる「ほどよいポイント」を探ることを心がけてきました。めざすのは、「みんながうれしい運用設計」です。
厳しい案件であればあるほど、細部を突き詰めすぎるとキリがありません。業務の方針を決める場合も際限なく話し合うのではなく、「この部分が決まればOK」といい意味で冷静に対処し、合格点を求めることを意識しています。
川村:公共系の案件対応をするにあたって感じるのですが、お客さまのお金の出どころは私たちの税金です。なので、お客さまに満足していただけるようなシステムをきちんと構築しなければ、そのツケは最終的に自分たちにはね返ってくるということです。運用者が困らないような運用設計を丁寧に行うことで、満足度を高めていかなければならないと肝に銘じています。
マネジメントでは「自分は後回し、部下を大切に」という考えを貫いています。部下が悩みを相談してきた時、「ちょっと待って」と置いておくのではなく、「今、聞くよ」と。関わるすべての人に気持ちよく仕事をしてもらいたい。それが、私の変わらぬ願いです。
各方面との連携が求められるポジション。必要なのはコミュニケーション力と状況判断力
──関わったプロジェクトについて、感じた成果や手応えを教えてください。
川村:放送局に対して、AvePointというクラウドバックアップサービス(サービス詳細)を導入したことで、まずはマルウェア感染対策を実現しました。容量無制限、定額課金、設備購入不要のサービスなので、少ない手間と低コストで大容量のバックアップが可能となり、また、当社がその運用業務を担うことでお客さまの負荷が大幅に軽減。感謝の言葉をいただきました。現在、当社はこのサービスの拡販をめざしているところです。
松尾:設計工程やテストが終わり、実際に運用するため、従来のシステムから私たちの手がけたシステムへと引き継ぐ際、お客さまから「運用設計は大丈夫だね」と言われたことがありました。ほんのひと言でしたが、いったん私たちの仕事に対して安心していただけたのかなと思うと、うれしかったですね。
──仕事から、学びや教訓を得ることはありますか。
川村:かつて、お客さまに対して迅速に対応できず、「もういいよ」と言われたことがあります。当社としては受注を逃しているし、お客さまをがっかりさせてしまいました。それを教訓として、スピード感を重視しています。お客さまは今まさに困っているということを強く意識した上で、ご要望にジャストフィットする提案をいち早く行うことを心がけています。
松尾:業務に関わる人たちとは、早い段階から認識を合わせておくのが大事ですね。過去の体験からも、お客さまとの調整事項を後回しにすると、後々大きい問題になりかねないということを痛感しています。今後は少しでも気になる点があれば、先を見据えて、早いうちから少しずつお客さまの合意を取っていくよう気をつけたいと思います。
──運用設計に携わる上で、必要なスキルや心構えは何でしょうか。
川村:契約主やエンドユーザー、他チームなど、さまざまな立場の人たちに対応できるようなコミュニケーション力がまず重要です。そして、運用設計部門は他の全チームと連携をとらなければならず、システム全体に横串を通して見るような立場なので、私は「知識はあればあるほどいいが、最初は広く浅く持て」と教えられました。サーバーやネットワーク、端末やアプリケーションに関する最新の知識、さらにはお客さまの業務内容など、幅広く理解する必要があります。
松尾:私も同じ考えですね。加えて、状況判断力も求められると思います。「この人はAと言っていて、別の人はBと言っている。では、どうする?」という際、判断を運用設計側に求められることが多いので、スピーディーに、臨機応変に対応できる力が必要かもしれません。
めざすのはサービスのパッケージ化。外販比率の拡大に向け、ワンチームで前進を
──現在の仕事を通して、部署や会社の成長にどう貢献していきたいですか。
川村:現在はマネジメント側、つまり運用者に向けた設計をしているのですが、これからは各機能チームが手がけているシステムの部分も見据え、そちらの要件定義や基本設計にも随時指摘をしていかなければならないと思っています。そうしなければきちんとした運用設計ができないし、実際の運用も回っていきません。
そして中期的には、システム運用設計を行った上で、さらに日立システムズエンジニアリングサービスとして運用もしていくというように、サービスをパッケージ化することも必要だと思います。
当社は、日立グループ外に向けた外販の比率を引き上げようとしており、私たちの課も注力しなければなりません。このままずっと日立グループメインの仕事を続けるだけではなく、現在展開するITコンシェルジュサービスなども含め、どう貢献していくのかが課題です。マネージャー職である私自身も、考案やお客さまへの説明などの「実践」で背中を見せながら、一体となって進めていきたいと考えています。
松尾:お客さまのシステムが更改を迎える際、引き続き当社で担当する「自社リプレース」の案件については、まず継続して受注できるようにしたいです。そのためには私たちが運用設計を抜かりなく行い、お客さまの満足度が高いまま4年間運用できる状況にもっていくのが重要だと思います。
私個人としては、何でもできるオールラウンダーになりたいです。どこででも、何でもできて「この人がいれば助かるからチームメンバーに入れよう」と思ってもらえたらと。足りない部分を補えるような存在になることで、会社の発展に貢献できればうれしいですね。
──就職活動中の人たちに伝えたいことは。
川村:当社でいえば、オールラウンダーが求められていると思います。アプリケーションやAIなどのシステム開発もしているし、サーバーやネットワーク機器、端末といったプラットフォーム、そして私たちがやっている運用設計に加え、運用や保守……と、ITに関する部分を網羅しているのが、会社としての最大の強みです。
中でも運用、保守といったSO(システムオペレーション)業務は、日立グループ内で当社が最も得意とする分野。このような仕事に触れてみたいという強い気持ちがある人と、ぜひ一緒に働きたいですね。
松尾:私は文系出身です。入社当初は「無理して頑張らないといけないのでは」と覚悟していたのですが、それまでに蓄えてきた文章力やコミュニケーション力、判断力こそが求められているように感じます。「自分は文系だから」とITに抵抗がある人がいるかもしれませんが、恐れることなく当社の門をたたいてみてほしいです。
※ 記載内容は2024年1月時点のものです

