走行中の車両のナンバープレートを認識。最新モデルを全国に向けて出荷予定
小澤の所属する社会・公共ソリューション事業部は、自動車ナンバープレート認識技術を利用した車両管理システム開発・保守を担っています。これは通過する車両の通過時刻とナンバーを自動的に撮影・記録し、あらかじめ登録したナンバーと照合することで、車両を効率的に管理できる技術です。
「チームは約10名で、機械そのものを作る人と、機械の中で動かすアプリケーションを作る人がいます。私は後者のソフト開発の担当。最新モデルでは、プロジェクトリーダーを務めています」
お客さまは、さまざまな業種に亘ります。業務効率化、安全・安心が求められる昨今、本システムは欠かせないものとなりつつあります。
「走行中の車両のナンバープレートを認識するわけですが、スピードだったり、天候であったり、明るさであったり、読み取り時に注意すべき障壁が多々あります。例えば、明るさが足りないところだったらフィルターで明るさが出るようにしたり、雨や雪に対しては『これはナンバーではない』と認識できるよう処理したり。
お客さまが最も求めるのは、走行中の車両のナンバーを全て正確に読み込むこと。天候や時間帯など関係なく、どのような状況でも認識することが求められます。そこで春夏秋冬1年分のテストデータを取ってインプットさせることで認識技術を高めています」
今回の最新モデルでは、カメラの解像度、ソフトウェア・ハードの性能、処理速度などがアップグレード。今年度、全国に向けて出荷予定です。
「大変だったのは、システム自体が長年継ぎ足しを繰り返していて、そもそもの設計理論が見えにくかったこと。なぜ現状のかたちになったのかを汲み取った上で作業を進める必要がありました。それに言語は、C言語という古いものを使っていたので、最新のPython(※1)を使ったコードで置き換えました。開発には1年ほどの時間をかけています」
※1「Python」は、Python Software Foundationの登録商標です
試作品が完成したらさっそく道路に持っていって、テストを実行しました。テストデータを評価して、問題があれば改善を繰り返し、最良のかたちへと作り変えるフェーズです。
「トライアンドエラーを繰り返しながら、お客さまが求める機能をいかに作れるかを追求しました。ものづくりをする側が自分の好みで作ってしまうと、自分本位のものが完成してしまいます。それだとお客さまのためになりません。だから『こういうのがあると使いやすい』などの声を、出張に行った際などに直接ヒアリングし、反映させてきました」
仕事は1人ではできない。信頼できる社内メンバーを頼りながら調整を重ねる
大学では、知能システム工学科で情報系の技術を広く浅く学びました。日立産業制御ソリューションズを選んだ理由は、自宅近くにあり通うのに便利だったのと、大学の先生から勧められたからです。
「当社は、地元の大学出身者が多いんです。その関係で先生は当社に知り合いが何人かいて、『いい会社だから君も行ってみたら?』という感じで勧めてもらいました。無事に内定をもらい、入社後はまず3カ月の研修を受講。どこの部署に行ってもいいように一般的な基礎知識を網羅して学習し、そこから配属が決まりました」
小澤は入社以来、現在の部署に所属してます。
「最初は認識率の集計など、上司に依頼された作業を行いました。システム内部のロジックがわかってきたら、少しずつ改修にも着手。プログラマーとして処理をやってきて、今回初めてプロジェクトリーダーという立場になりました。同じシステムにずっと従事していますが、関わる立場が変わってきています」
プロジェクトリーダーとして、チームメンバーをまとめ、開発の工程を管理する小澤。試作開発がようやく完了し、これから設置に入ります。現地での導入作業が必要になるため、わかりやすい手順書を作成しているところです。
「ソフトウェアの処理仕様書なら、決まった処理フローがあるので簡単なんです。でも今回の手順書では、現地のお客さまが自分で設定を行えるように、いかに工程を噛み砕いて表記するかが重要です。誰が使ってもわかるように、また、どの環境でも動くようにしないといけません。
自分では客観視できないので、社内のメンバーにヒアリングを重ね、わかりにくい部分を指摘してもらっています。仕事って、やはり1人ではできないんだなと強く感じていますね。プロジェクトのなかでも大変なフェーズですが、周囲を頼りながらなんとか乗り越えていこうと思います」
信頼できる上司の存在も、小澤を支えています。
「誰にでもわかるような資料作りや、説明の仕方がとても上手な上司がいるんです。すごく頼りになります。親身に仕事を教えてくれますし、逆に相談しないと『なんで相談しないの』って怒られるくらい(笑)。
いつも気にかけてくれて、ご飯や飲みにも連れていってくれて。恵まれているなと感じます」
新しい知識や技術を身につけ、製品に落とし込んでいく
小澤の胸に強い印象を残しているのは、1年目の経験です。入社早々、開発中のソフトをまかされました。
「上司が手厚くフォローしてくれたのでよかったのですが、最初は本当に何がなんだかわからず、焦りました。当社は社内ルールが厳しくて、リリースするのに、いろんな手順を踏む必要があります。作ったものの品質をいかに保証して出荷するのか。自分本位でやるとバグが出たりするので、とても神経を使いました。
無事にお客さま先に納品できたときは、ほっとしましたね。お客さまからも『ありがとうね』と言ってもらえて、初めて目に見えた成果を感じることができました」
苦労を乗り越えてきた小澤。車両管理システムを開発する醍醐味は、さまざまな技術に携われることだと言います。
「お客さまは、今あるものをそのまま売っているだけでは満足しません。新たな付加価値をつけ、より良いものを提供していく必要があります。そのためにどんどん開発を広げていくことに、やりがいを感じます。
これからはAI技術にも着手していく予定です。取得した膨大なデータからどんな情報を取り出し、お客さまにどう役立てていくかを考えます。AIは個人的に強い興味があった領域なので楽しみですね。自分の今まで学んでいなかった知識や技術を身につけ、新しい製品としてリプレースできるのは、大変おもしろいです」
画像処理は、技術としてこれからも伸びていくと小澤は考えています。
「今は車のナンバーに特化していますが、画像処理により車両に関するいろんな情報が取得できると思っています。今後マーケティングなど、いろんな使い方で広がっていくのかなと思います」
若手から、風通しのいい職場をつくる。メンバーとともに会社の雰囲気をアップデート
小澤が見据えている、今後のビジョンについて語ります。
「今はプロジェクトリーダーですが、プロジェクトマネージャーになりたいと思っています。ソフトだけではなく、ハードも含め、システム全体の工程や、お客さまに納めるまでの工程をマネジメントする立場。広い視野を持ち、プロジェクトのスムーズな進行に貢献できる存在になりたいです」
当社は、幅広い技術を身につけられる場所です。いっしょに挑戦してくれる仲間を心待ちにしています。
「いろんな技術をもとに、システムを作っています。特定の領域に興味があって入社するのも良いですし、ぼんやり『こんな感じのことがやりたい』という考えでも良いと思います。当社にはそれぞれの想いに合った仕事がきっとあるはずです。
配属の際は、希望をしっかり聞いてもらえます。私も自動車が好きだから車両管理システムに興味があると伝えていて、希望を汲んでいただきました。最近はAIに興味があると言っていたら、まさに今、開発に着手することに。自分の希望がかなって、やりたいことをやらせてもらえて幸せですね」
仕事内容だけでなく、職場の雰囲気も気に入っていると小澤は言います。
「情報系だけでなく、文系の学生でも馴染みやすい雰囲気だと思います。最近20代の人が増えてきたので、若い人同士、とても仲がいいですよ。定時後にご飯を食べに行ったり、遊びに行ったり。部署の垣根を取り払って、フロアを巻き込んでイベントを企画することも。
最近では、職場の仲間とテーマパークにも行きました。若手からいかに風通しいい職場をつくっていくか。みんなで楽しみながら会社の雰囲気をアップデートしています」
これからも気の合う仲間がいる環境で、新しい技術を積極的に取り入れ、お客さまが求める機能をつくり込み、より良い価値を提供していきます。
※ 記載内容は2023年12月時点のものです

