都会にいながら自然を感じる空間。地元に愛され続ける札幌パークホテルの魅力とは
1964年7月に開業し、昨年で開業60年を迎えた札幌パークホテル。札幌市の中心部の中島公園に隣接する立地を活かし、都会にいながら自然やリゾート感を味わえる施設として多くの方に愛されています。
「客室やレストランはもちろんですが、特に宴会施設が札幌パークホテルの強みです。ホテル1階に中庭を備えており、そこに面した宴会場では披露宴やガーデンパーティーが開催できます。これは、札幌のホテルでは珍しい設備だと思います。
また、キャストの接客スタイルは洗練されすぎることなくアットホームな雰囲気を大切にしており、これが地元の方々から支持される理由の一つとなっています」
宿泊、料飲、宴会で構成されたフルサービス型のシティホテルには、アルバイトを含めて300名弱のキャストが在籍し、各部門を支えています。
「宴会部門だけで50〜60名ほどのキャストが在籍しています。地元出身の方が多く、札幌パークホテルが好きで長年勤めるキャストも多いです。
施設の業務内容は多岐にわたり、オペレーションや調理といった部門以外では営業活動をするセールス部門や、これらの表方キャストを支える管理セクションとして、人事・総務・経理といった部門があります」
2024年4月から総支配人を務める須田。ES(従業員満足)、CS(顧客満足)、収益、ブランディングという4つの視点を重視しながらホテル運営に取り組んでいます。
「4つの視点のバランスが大事です。CSが高くても、ESが低ければ継続できません。特に重要なのはキャストの職場環境の整備で、キャストが満足して働ける環境作りが良いサービスの提供につながると考えています」
ホテル運営において、須田が特に大切にしているのが規律と自主性という2つの考え方です。
「サッカー競技の経験から、ホテルも団体競技の一つだと考えています。強いチームには規律の下に統制が必要です。ただし、人から言われたことだけをこなすのではなく、自分で考えて行動する自主性も大切です。
また、ホテルは個人プレイではなく、どんな仕事も次の担当者に引き継ぐ必要があり、それには横の情報伝達が非常に重要です。しっかりとした情報共有の仕組みを整えることが、お客様の満足度につながると感じています」
想定外の配属から始まったホテルキャリアの軌跡。積み重ねた経験は、やがて礎に
千葉県出身の須田。新卒で入社後、最初の赴任地が札幌となり、札幌グランドホテルの宴会サービスからキャリアをスタートしました。
「当初は札幌への配属をまったく想定していませんでした。もともと地元でゆっくり過ごせる仕事をしたいと思っており、自分が遠く離れた地でホテル業に携わるなんて想像もしていなかったので、とても驚いたのを覚えています(笑)」
約6年間の札幌での経験を経て、本社に転勤となります。
「本社では、インターネット予約システムの構築やレベニューマネジメントの仕組み作りなど、新しい取り組みに携わりました。現場への理解促進には時間を要しましたが、新しい仕組みを全社的に立ち上げる貴重な経験となりました」
その後、運営管理部門に異動となり、ホテル全体の収支や設備関係、アセット管理などを経験。テナント契約交渉や設備投資など、ホテルの裏側の実務を行う中で学んでいった須田。
「今まで、自分もホテルの表の仕事については理解できていましたが、裏方や現場の管理よりもっと深い部分があることを知りました。契約交渉では法律に沿って冷静に、論理的に進めていく必要があり、いろいろな面を見ることができました」
新規ホテル事業やセールス&マーケティング部門での経験を経て、札幌グランドホテルの副総支配人として再び現場に戻ることになります。
「本社でのキャリアを継続することも考えましたが、マネジメント職として現場を再度経験することは必要だと考えていました。今の立場で改めて現場を見ることで、新たな気づきがあったり、より働きやすい職場環境づくりに取り組めると思いました」
札幌グランドホテルと札幌パークホテルの副総支配人を経て、2024年4月から札幌パークホテルの総支配人として着任した須田はこれまでのキャリアを振り返ります。
「さまざまなホテルや各セクションでの経験はすべて楽しいものでした。入社時の宴会サービスでは直接お客様と接する機会があり、その後の営業職では直接のサービスは少なかったものの、お客様と重要な企画を作り上げる経験ができました。
また、リスクマネジメント室長と一緒に仕事をした経験は、現在の事業所責任者として重要な財産となっています」
組織改革で変える、変わる。パークホテルが仕掛ける新たな魅力と信頼づくり
須田は、総支配人就任後から札幌パークホテル全体の改革に取り組んでいます。
「ホテルとして横のつながりを意識しています。特に安全面や衛生面に関わることは、どんな小さなことでも必ず報告する体制を作りました。報告をためらうことで後々大きな問題になることを防ぐためです。
またホテル内の環境整備にも力を入れています。割れ窓理論に基づいて毎日ホテル内を巡回し、乱れている部分がないかをチェックする。机が無造作に置かれていたり、バックヤードが汚れていたりする状況を見過ごさないよう心がけています」
組織改革を進める上で重視しているのは、キャストとのコミュニケーションです。
「マネージャー以上のキャストとは一対一での面談の機会を設け、彼らの声に耳を傾けることを大切にしています。
面談で出た要望には、できる限り迅速に対応するよう心がけています。例えば、備品類の置き場所がないという声があれば、不要なものを整理して新しいスペースを確保したり、清掃業務の効率化を実現できるように労務環境の改善、タイムリーに情報が行き届かないという声にはブリーフィング内容の共有範囲を広げるなど、働くキャストの声が実際の改善につながることを実感してもらうことで、より積極的な提案が生まれるようになりました」
お客様に向けた新しい取り組みも積極的に行っています。
「札幌パークホテルをジャパンBBQカレッジのキャンパスとして認定してもらい、バーベキュー体験の場として提供しています。さっぽろ雪まつりの期間中には雪遊びとバーベキュー体験を組み合わせたイベントも実施しました。
そのほかサステナブル活動の一環として、当ホテルの屋上では『都市型養蜂』も行っており、採れた蜂蜜を使用した商品開発も行っています。また、傷が付いてお客様へ提供ができなくなった食器を蘇生し、『リペア皿』として活用することで廃棄による無駄やCO2削減といった環境配慮の取り組みなども行っています」
こうした取り組みの成果は、キャストの成長という形でも表れています。
「以前は躊躇していたキャストが、積極的に一歩前に出て行動するようになりました。自発的に清掃や整理整頓を行ったり、新しいアイデアを提案してきたりする姿を見るのが、私の大きなやりがいです。口コミ評価などの数値的な指標が向上していくことも、ホテル全体の成長として実感できる喜びになっています」
お客様とキャストのために──目指すは“親しみ”と“誇り”を持てるホテル
須田は札幌パークホテルの今後のビジョンを語ります。
「お客様はもちろんですが、働くキャストにも親しみを持っていただけるようなホテルにしていくことが一番大きな目標です。また、今後はキャストが成長できる機会をより多く作っていきたいと考えています」
須田は、札幌パークホテルのみではなく、外の世界にも目を向けることが大切だと言います。
「グランビスタは、他の施設での経験を通じて成長できる機会を積極的に設けています。出張などを通じて外の世界を見せ、自分のホテルを新たな視点で見つめ直す機会を作ることで、外から戻ってきた時により大きく成長できるというイメージを伝えることを心がけています」
本社での勤務経験も持つ須田は、現場と本社の双方の立場を理解する存在として、今後の自身の役割も見据えています。
「本社と現場では立場や仕事内容が異なりますが、サービス業としてお客様に喜んでいただき、企業として収益を確保するという目標は共通しています。両方の経験を持つ者として、相互理解を深めるための橋渡し役になり、本社と現場の間のより良いコミュニケーションを実現していきたいです。
より良い相互理解のもとで業務を進められる環境づくりを目指しています」
お客様への心配りはもちろん、キャスト一人ひとりが成長して誇りを持てる環境を築く──須田の挑戦は札幌パークホテルの未来とともに続いていきます。
※ 記載内容は2025年1月時点のものです

