採用の可能性を広げるために──企業と求職者、双方に寄り添う
私はゼネラルパートナーズ(以下、GP)のキャリア部門に所属し、クライアントパートナー(CP)として、企業向けの法人営業を担当しています。障害のある方の採用を検討している企業さまへの人材紹介や採用決定までの伴走が主な業務となります。
その他にも、求人作成やご入社後のフォローなど業務範囲は多岐にわたります。また、2024年11月からは中途で入社した新しいメンバーのメンターも任されており、初めての育成業務で戸惑うこともありますが、後輩の成長をサポートしながら自分自身も学びなおすきっかけになっています。
企業さまと求職者さまのミスマッチのない採用を実現するために、双方に対してとくに気を配っている点があります。入社という「点」の視点ではなく、求職者さまが長く自分らしく働いていただけるように「線」の視点をもってサポートすることです。
企業さまに対しては、障害者雇用を取り巻く市況の情報提供や、各ご障害の説明、求職者さまがどんな配慮を希望されているかなどを丁寧に説明するように意識しています。受け入れ準備が整っていない状態や、適した人材の見極めができないままでの採用は、短期離職につながる可能性があるためです。
各企業さまに合った人材を提案するため、求人作成時のヒアリングでは必要条件だけでなく、職場環境や働いている方の雰囲気、会社の強みなどを重点的に確認し、私自身が働くイメージを具体的につかめるようにしています。
また、求人をお預かりする際には、活躍の可能性を狭めないためにできるだけさまざまな職種・働き方の求人をいただくことを心がけています。既存の企業さまに対しても「こういう経歴の方がいるのですが、検討いただけないでしょうか」と、求職者さまベースで新しい職種の相談をすることもあります。求職者さまが「新しいことに挑戦したい」「本当はこんな仕事がしたい」と思ったときにGPが頼れる存在であるといいなと考えています。
求職者さまについては、複数の企業さまを並行して検討されることが多いため、その方の就活の軸と企業のマッチング度を見極めることを重視しています。給与や働き方などの条件面だけでなく、社風やフォロー体制、キャリアパスなどさまざまな角度から比較検討ができるよう情報を収集、キャリアプランナーと密に連携を取りながら、その方にとっていちばん良い就職先を模索し、入社後の長期就業も見据えた提案をめざします。
手話カフェでの体験が導いた新たな道──良き認知を広げる仕事へ
福祉やソーシャルビジネスに興味を抱いたのは学生時代の経験が大きいと思います。
学生時代にカフェで4年間アルバイトをしていた際、たまたま聴覚障害の方や車椅子の方、視覚障害の方など、障害のある常連のお客さまがいらっしゃり触れ合う機会がありました。
また、大学のゼミでは非言語的コミュニケーションを学んでいたのですが活動の一環で地域の福祉施設の方と連携したり、イベントに一緒に参加したりということがありました。
当事者の方とお話してみると、とてもパワフルで活動的な方がいたり、ご自身の障害と向き合って工夫して生活されている方がいたりと、なんとなく私が持っていた「障がい」へのイメージや先入観と異なることが多く、自分自身の価値観が変わる発見や出会いが多かったです。そうした経験から「自分以外の人々の認識も変えていきたい」といった漠然とした思いがありました。
新卒時の就職活動では、福祉業界やソーシャルビジネスなども見ていたのですが、具体的に何をしたいかが定まっていなかったため、最終的にたまたまご縁があった販促支援を行っている会社に入社を決めました。カフェやアパレルでアルバイトをしていた経験から、商品のディスプレイやセールスプロモーションにも親和性があると感じていたのです。
前職での主な業務は、スーパーマーケットなどの小売店舗の売り場作りでした。新店舗開設時に、商品の配置や見せ方、POPの設置などに対する企画、提案、販売を担当していました。とくに重要なお客さまに対しては週3、4回訪問したり、店舗を回ったりして、日々のニーズを細かく拾い上げることを重視していました。
この経験は現在の仕事にも活かされています。とくに顧客対応の面で、まずはお互いの信頼関係を構築することの重要性を学びました。障害者雇用に慎重な企業さまに対しては、定期的な情報交換の機会を設けるなど、相談していただける関係性作りを意識しています。
4、5年ほど働く中で一定の成果も出せるようになり、やりきったなと感じていた中、休日に参加した手話カフェでの1日インターンがGPへの入社のターニングポイントとなりました。
このカフェは手話が公用語で、口話でのコミュニケーションはNGという場所。挨拶程度の手話しか知らない私にとっては、周りの方が何を話しているのかさっぱりで初めて自分がマイノリティを感じる体験でした。(例えるとすると、外国に来たような感じでした)
店内と一歩外では感じ方が全然違うという衝撃と、口話が難しい方々が日常的に感じている不便さのようなものを少しだけ感じ取れることができた気がします。
また、そのカフェのオーナーの方がたまたま元GPの社員さんだったことで、GPの存在を知り、障害者雇用の支援を通じて、「良き認知を広める」「誰もが自分らしくワクワクする人生をめざす」といったビジョンに共感を覚え、応募することを決意しました。
企業の「意識が変わる」瞬間の喜び──役割を越え、求職者の内定まで伴走
前職とはまったく異なる業界に飛び込んで、もっとも苦労したのは業務のスピードの速さと量でした。前職は、大きな1つの案件に向かって小さい歯車をいくつか回すようなイメージでした。人材紹介業界では求職者さま一人ひとりに対しての行動量と鮮度が重要で、1日にたくさんのメールやアポイントの対応をする必要があります。この課題に対しては、先輩方からタスク管理の方法を丁寧に教わることで乗り越えることができました。
そうして徐々に業務に慣れていく中で、とくに印象に残っている企業での採用支援があります。この案件では、社内のコンサルティングチームと協力して、具体的な採用計画を考える段階から関わることができました。業務の切り出しから求人作成、面接官教育、採用、受け入れ~定着までを包括的にサポートした案件で、部署の垣根を超えた総力でGPがお客さまに貢献できた事例だと思います。
5つの異なる部署それぞれに適したターゲット設定を行い、募集開始から約3月という短期間で全部署の採用を実現できました。とくに印象深かったのは、障害者雇用に対する現場の方の意識の変化です。当初、受け入れ部署の方からは「どんなお仕事をお任せできるかわからない」「障害についても知識がなくて不安」といった声もありました。
そこで、コンサルティングチームを中心に障害のある方の得意分野や、どのような配慮があれば問題なく働けるかなどを丁寧に説明していきました。面接官研修や初期段階からの商談にも一部同席し、全体感を把握しながらサポートを行いました。
選考の中でも「実際に面接でお会いしてみたらすごくいい方で一緒に働きたいと思った」など、障害者雇用に対する認識が前向きに変わっていく様子を目の当たりにすることができました。また、実際にご入社された方のアンケートでも「周りのメンバーの方が優しく相談しやすい」などポジティブな回答があると良いご縁が作れたのかなと嬉しく思います。
営業として顧客のニーズや目標に対してコミットできることだけでなく、関わる方の認知や意識が変わっていく瞬間を見られることがGPでの仕事の大きなやりがいです。
最近では、直接求職者さまの面接対策を行うこともあります。私自身が求職者についてより深く知ることや、応募企業の魅力をお伝えすることが目的です。面接対策のサポートを通じて内定を獲得できた時や、採用が決まった際にいただくお礼のメッセージは、GPの介在価値を強く実感します。
このように、企業さまと求職者さまの双方に関わりながら、障害者雇用における良き認知を広められることが、私にとって大きなモチベーションとなっています。
「大変そう」を「おもしろそう」へ──CPとしての挑戦と未来への想い
今後の目標について、当面はCPとしてもっと成長していきたいと考えています。とくに注力したい分野が新卒サービスです。現在、障害のある方の新卒就職率は健常者に比べて低く、求人の数やポジション創出もまだまだ伸びしろがある状態です。法定雇用率に対するアプローチだけでなく、会社全体のD&Iの意識醸成や多様な部署での活躍可能性の広がりなど、雇用を推進する意義なども企業さまと一緒に考えています。
また、中途採用でも就職へのハードルが高い方々の可能性を広げていきたいと考えています。たとえば、就労未経験の方や、重度のご障害をお持ちの方などです。
GPの強みは長年培ってきた障害者雇用のノウハウがあることや、自社が運営している「atGPジョブトレ(就労移行支援)」があることです。そういった強みを生かしながら、提案力も磨いて、企業さまと協力して雇用の可能性を模索していきたいと思います。
ゼネラルパートナーズにはさまざまな経歴、個性をもつメンバーがいますが、働くにあたって福祉業界の経験や人材業界の経験など、特別なバックグラウンドは必要ないと考えています。私自身のように、アルバイト先や街の中での出来事、テレビ番組や本から感じたことなど、日常の中の小さなきっかけからこの仕事への関心が芽生える方もいるのではと思います。
また、これまでどんな業界・職種で働いていたとしても、人材紹介ではさまざまな分野の方と接する機会があるので、これまでの経験を活かせる部分が必ずあります。大切なのは、自分なりのモチベーションを見つけることです。障害者雇用への思いが原動力になる方もいれば、お客さまから感謝をいただくことがモチベーションになる方もいらっしゃいます。そういった自分なりの原動力を見つけられれば、きっと楽しく仕事ができると思います。
障害のある方と関わる仕事をしているというと、周囲からは「大変そう」という反応を受けることもありますが、私はそのイメージを変えたいと思っています。私自身が求職者さまと関わる中で、良い意味で裏切られることが多かったからです。
ご自身の強みを生かして職場で活躍されている時、活躍を通じて周囲の方の認識が変わった時、障害者雇用の新たな可能性を感じ、この仕事のおもしろさを実感します。
GPで働く人やサービスを通して、これまで触れてこなかったことに少しでも興味を持って、そこから意識や行動が変わる方が1人でも増えていったらいいなと思います。
※ 記載内容は2025年7月時点のものです
