お客様の真のパートナーとなるために。共に社会や事業の変革に挑み、新たな価値を創出
2023年から2025年7月までエレクトロニクス事業部に在籍していた服部(現在は、グローバルディフェンス室に所属)。三菱電機グループ様全体のアカウントセールスを担当してきました。
服部:お客様の事業成長に向けて、IT・DXを軸とするさまざまな価値をご提案しています。具体的には、空調家電やビル、電力、社会システム、防衛宇宙、半導体、ファクトリーオートメーションといった三菱電機様の多岐にわたる事業や、経営基盤のDXをご支援するのが私の役割です。
DXは変化が激しい現在のビジネス環境において不可欠となっていますが、「根本的な変革」ですので、その実現はなかなか容易ではないと感じています。机上で綺麗な構想を描き、それに沿ってツールや仕組みを導入するだけでは実現できず、従業員一人ひとりがDXや変革の必要性を腹落ちし、マインドや行動様式を変えてはじめて、実現し得るものと考えます。
その意味でカルチャー変革は非常に重要な要素であり、三菱電機様へは、富士通の全社DXプロジェクト「フジトラ」の実践知を活かしたご提案をさせていただいています。
また、カルチャー変革は富士通自身のDXにとっても重要な要素であるため、共に企業変革を進める日系大企業同士として変革を共に支え合うような活動も、あわせて取り組ませていただいています。
服部のお客様である小野田様は、サステナビリティ・イノベーション本部に所属。2025年度に新設されたカルチャー変革室にて、企画グループマネージャーを務めています。
小野田様:カルチャー変革室は、三菱電機グループの持続的な成長に向けて、イノベーションの創出を促すカルチャーを醸成することを目的として新設されました。
その中で私は、全社的な施策・方針の策定や、各事業本部や製作所の現場組織との連携を通して、当社グループ全体がカルチャー変革に向けて主体的に取り組める環境を整える役割を担っています。
服部と小野田様が最初に接点を持ったのは、三菱電機様の全社イベントに富士通が参加したことがきっかけでした。
服部:組織風土改革のこれまでの取り組みなどを振り返る三菱電機様の全社イベント「ME's Culture Day(エムイーズ・カルチャー・デイ)」に、富士通をご招待いただきました。
その中で行われた役員対談や社長対談のセッションにおいて、当社のデザイナーがグラフィックレコーディング(グラレコ)をご提供させていただいたのがファーストコンタクトでした。
IT以外の価値も提供する富士通のアカウントセールスとして、服部が大切にしている姿勢があります。
服部:私が大切にしているのは、セールスという立場を超え、お客様の活動の一員として真のパートナーになることです。従来は、お客様のご要望にいかに応えられるかを追求していました。しかし、それではお客様の本質的な課題の解決にはつながらないと考えるようになりました。
VUCAの時代、企業は新たな価値創出やビジネスモデルの根本的な変革の必要に迫られ、DXを進めています。その取り組みは今まで前例や経験のない事が多く、お客様も舵切に悩まれることがあります。
そこに対して、「お客様に期待されたことを真摯に受け止めやり切る」という富士通の伝統的な価値を大切にしつつ「ITやデータ、AIのプロフェッショナルとして正しい道先へ案内をさせていただく」ことが、提供できる価値の一つだと考えるようになりました。
現在は、示された要件に応えるベンダーの視点ではなく、共にお客様の変革に挑む仲間の一員の視点で、何をすべきか・どう進めるべきかのご提案やコミュニケーションを取らせていただくことを心がけています。
服部と共にプロジェクトを推進する中で、小野田様は富士通に対する印象をこう語ります。
小野田様:富士通様は、DXを活かした事業や組織の変革に関して、非常に先進的な取り組みをされている企業だと感じています。三菱電機は製造業として長年培った高い技術力を誇る一方で、旧来の価値観が変化の妨げになっている一面もありました。
今後も当社がイノベーティブカンパニーとして持続的に発展していくためには、新たな価値を創出する、そのために積極的に挑戦できる組織カルチャーを築いていかなければなりません。
その点、富士通様は、意思決定のプロセスや仕事の枠組みそのものを変革するDXを果敢に実践されていて、多くの示唆をいただいています。DX企業としてソリューションを提供するだけでなく、DXを活かした組織変革の機運を醸成する場づくりも含めて先進的な取り組みに挑戦する姿勢に、大きな刺激を受けています。
出向で経験した、組織文化の違いによる困難。培った知見をカルチャー変革に活かす
2015年に富士通へ新卒入社した服部。就職活動ではグローバルに事業を展開しているIT企業を志望していました。
服部:インターンにも積極的に参加していろいろな企業を受けましたが、最終的に選んだのは富士通です。面接や内定後のコミュニケーションを通じ、自分に合う企業だと感じたことが決め手となりました。
自分に合うと感じたのは、チャレンジを積極的に受け入れる気風と、活気に満ちた組織風土です。当時はまだDX企業への転換は始まっていませんでしたが、その頃から挑戦に対して前向きな姿勢がありました。
入社後は、外資系製造業のアカウントセールスを担当。欧州の大手製造業企業を中心にITサービスの提案に従事しました。
服部:富士通の欧州拠点メンバーと連携しながら、グローバルITマネジメントサービスやスマートファクトリー化支援を中心に活動をしていました。その後、2018年からは日系大手エレクトロニクス企業のアカウントセールスに従事し、情報システム部門から事業部門まで、幅広い領域において新規ビジネス開拓に取り組みました。
アカウントセールスとして活躍する一方、服部は所属本部の働き方改革プロジェクトにも参画。2018年から2021年の3年間にわたり、600人規模の本部の改革推進に取り組みました。そして2021年の下期からは、東京センチュリーのグループ会社へ出向します。
服部:富士通と東京センチュリーは、2021年10月よりデジタル領域における新たな協業体制を構築しています。そのプロジェクトに組織長が参画することになったのですが、一緒にやってみないかと声を掛けていただき、営業企画としてリース事業を手がけるFLCS(旧富士通リース)へ出向することになりました。
当時は世の製造業がこぞって、商品やサービスを中心とした「モノ売り」から、得られる価値や体験に焦点を当てる「コト売り」へと、事業の転換を図りはじめた時期です。従来のハードウェアやサーバーといったプロダクトの提供ではなく、新たな価値の創出を経験したい。
また、お客様の事業や経営をしっかりと理解し、お客様の経営層に対しても提案を行いたい。そのために、ファイナンスの知識を習得する必要があると考え、出向を決めました。
約1年半にわたり、協業体制の立ち上げからファイナンススキームの発足、そしてスキームを活用したビジネスの提案・提供に従事した服部。出向における大きな学びのひとつに、企業文化の違いによる困難を経験したことがあると話します。
服部:プロジェクトにおいては、東京センチュリー、富士通、そして両社が出資するFLCSの3社からメンバーが集い、組織が立ち上がりました。ファイナンススキームの活用検討においては、ファイナンスの知見を持つ東京センチュリー社とFLCS社、ITや富士通のビジネス知見を持つ富士通メンバーがいたからこそうまく進んだと考えていますが、一方で、立ち上げまでの過程では非常に困難をきたしました。
「あたりまえ」だとイメージする組織や働き方、目標に対する捉え方やアプローチの考え方が三者三様だったためです。その中でもメンバーで対話を重ね、互いに理解とマインドチェンジを重ねることでベクトルのすり合わせができてきて、帰任の頃にはプロジェクト組織は一致団結したOneTeamとなり無事協業体制やサービスも立ち上けることができました。
この出向で、その良し悪しでプロジェクトや事業の結果も左右されるという意味で組織カルチャーの重要性、人や組織の変革の難しさとその過程の苦しさ、それを乗り越えたときにわかる「組織が変わった!」という感触を、身をもって学ばせていただくことができました。その体験が、お客様のカルチャー変革をご支援する際の体験知とモチベーションになっています。
危機を好機に変えた三菱電機の挑戦。イノベーション創出企業への進化をめざして
三菱電機様が組織風土改革に本格的に取り組むようになったのは、2021年のことでした。
小野田様:品質不適切行為の問題を機に、徹底的な社内調査を実施しました。なぜこのような問題が生じたのか。さまざまな視点から分析した結果、縦割りでサイロ化した組織体系や意見が言いづらい上下関係など、組織風土に関する課題が明らかになりました。
そこで強い危機感のもと会社を根本から立て直すべく、組織風土改革に着手したのが今から約3年半前(2021年秋)です。心理的安全性が高く風通しの良い職場風土の醸成を目標として、まずはコミュニケーションを活性化すべく、さまざまな施策に取り組みました。
当時小野田様は資材調達部門に所属していましたが、自ら手を挙げて組織風土を改革するプロジェクトに参画しました。
小野田様:まず従来の「〇〇部長」といった役職による呼び方を廃止し、役職に関わらず「さん付け」で呼び合う文化に変えたことで過度な上下意識を取り払い、上司・部下間のコミュニケーションに対する心理的ハードルを低くしました。
また、心理的安全性について社内セミナーを開催したり当社独自のガイドラインを策定したりして、その概念の理解・普及促進と実践に努めたほか、上司が部下のキャリア自律を支援できるよう、1on1ミーティングを全社的に導入するなど、数多くの施策を実施しました。
そうした地道な取り組みにより、組織は着実に変化しています。
小野田様:わかりやすく変化を実感してもらうために、職場環境の改善にも取り組んできました。たとえば、オフィスの壁をなくしてオープンな空間を増やし、フリーアドレス化を進めました。職場環境が変われば、当然コミュニケーションの在り方も変わります。部門間での連携が増え、上司との距離が近くなったという声をよく聞くようになりました。
この3年半は健全で良質な風土を築くという組織の土台づくりに注力してきましたが、今年度からは、イノベーションを創出できる企業への変革をめざし、プラスアルファの組織風土改革へと歩みを進めています。従業員一人ひとりが主体的に考え、行動・挑戦する「自走」する組織になるべく、新しい施策にも積極的に挑戦しています。
その中で生まれた企画の一つが、三菱電機様、大手日系電機メーカー様、富士通の3社による共創イベントです。企画の背景を、服部はこう話します。
服部:カルチャー変革をテーマにした共創は、富士通の全社DXイベントである 「FujitsuTransformationNow(FXN)」に、三菱電機様をご招待させていただいたことがきっかけです。2023年度のFXNに三菱電機様のCIOをお招きして、当社の役員とDXをテーマにしたセッションを行いました。
そして今年3月に三菱電機様の全社カルチャー変革イベント「ME 's Culture Day」に招待いただいたことを受け、今度は当社にてカルチャー変革をテーマにしたセッションを企画。変革を推進している現場の方にご登壇いただきたいと考え、小野田様にお声がけしました。
さらによりオープンでフラットな企画とできればと考え、もう一社、大手日系電機メーカー様にもお声がけし、3社での開催に至りました。
この提案を受けた際の印象について、小野田様はこう振り返ります。
小野田様:おもしろい取り組みだと思ったと同時に、自社での施策に閉じずに他社とコラボレーションするという発想がオープンですばらしいと感じました。「ME's Culture Day」でグラレコをご提供いただいた際、社内でも非常に好評だったので、一緒に新しい取り組みに挑戦できることにワクワクしました。
「風土変革の共創」が開く新たな可能性。互いの取り組みをシェアし、共に発展し続ける
こうして今年6月17日に、三菱電機様、大手日系電機メーカー様、富士通という日本の大手企業3社によるセッションが実現。「GO!GO!カルチャー変革」と銘打ち、これまでの変革の取り組みと今後の展望について各社が想いを語りました。
服部:セッションコンセプトとして掲げたのは、社会を担う企業同士の「風土変革の共創」です。同じ日系大企業として互いにこれまでの取り組みをシェアし、変革を共創することをめざしました。
また、セッションをご覧いただく視聴者の皆さまにとって、行動のきっかけづくりになればという想いもありました。内容はグラレコで記録し、最後は振り返りを行ってセッションを締めくくりました。
今回のようなコラボレーション企画に参加するのは初めてだったという小野田様は、感想を次のように語ります。
小野田様:セッションを通じて実感したのは、3社それぞれが異なるアプローチで組織風土やカルチャーの変革に取り組んでいるものの、根本的な課題としては共通項が多いということです。共に課題と向き合い、みんなで気づきを得て新たな挑戦につなげようという機運の醸成ができたことは、大きな成果だと感じています。
セッションの企画を担当した服部も、開催後の手ごたえを感じています。
服部:これを機に、今後もさまざまなコラボレーションができる関係性を築けたことが、何よりの成果だと感じています。今回のような企画は私にとっても初めての経験でしたが、小野田様や大手日系電機メーカー様から多くのご意見をいただきながら企画を固めてく事ができ、真に3社が共創した企画にできたと感じています。
振り返ると、この準備プロセス自体も、互いの活動や意見を交換し合う観点で、価値のあるものになったと感じています。
今回のコラボレーションは、富士通の新たな一面を知る機会にもなったと小野田様は話します。
小野田様:イベントを通じて対話をする中で、先進的なDX企業に変わるまでの舞台裏を知ることができました。そこには、周囲の理解を得るための苦労があり、地道で泥臭い活動の積み重ねがあったのです。参考になる情報が多く、根気強く活動を続けていく勇気をもらいました。
富士通様がどのような課題を抱え、それをどう解決してきたかという実践知は、これから私たちがカルチャー変革を推進する上で大いに活かせると感じています。
今後も情報共有や意見交換の場を設け、共創を続けていきたいと展望を語る2人。
服部:同じ課題を持つ企業同士、組織を超えてカルチャー変革の課題や取り組みを継続的にシェアできればと考えています。今回のセッションは時間が限られていたので、じっくりとディスカッションできる場が持てるといいですね。
小野田様:そうですね。最初から共創のアクションプランやマイルストーンを設定して協働する、というのは難しいかと思いますが、まずは互いに壁打ち相手となり、刺激を与え合える関係性を築き、それぞれの組織文化に反映していければと思います。
あらためて、私たち三菱電機は、イノベーティブ・カンパニーへと成長しなければ生き残れないという強い危機感を持っています。私たち従業員一人ひとりがどういうマインドセットを持って日々の行動を変えていくべきなのか。DXを軸に先進的な取り組みを続けている富士通様の実践知を大いに参考とさせていただきながら、また対話を通してさまざまな刺激をいただきながら、私たちの「在りたい姿」に向けたカルチャー変革を加速させていきたいと思います。
※ 記載内容は2025年9月時点のものです
