学生時代に思い描いたものとは違う世界へ。ふたりが富士通に来た理由とは
現在、グローバルカスタマーサクセスビジネスグループ Finance & Service Industry 事業本部に所属し、大手保険会社のAGM(アカウントゼネラルマネージャー)を務める角。2001年の入社時はSE部門に配属され、主にクレジットやローン関連のシステム開発に従事してきました。そんな角ですが、学生時代に想像していたキャリアとはまったく別物になったと振り返ります。
角:高校生の時に漠然と思い描いたのは、薬学部に進学し、薬剤師になることだったんですね。「女性が理系で就職する」ということを考えた時に、高校生として想像しやすいものだったのと、そういったキャリアを選ぶ方は当時たくさんいました。ただ、強い想いがあったわけではないので、本当にそれでいいのかと悩んでいました。
そんな悶々とする日々を過ごす中、大学のオープンキャンパスに出かけたという角。そこでの出合いが、後の富士通への就職につながります。
角:情報系の研究室を覗いてみた時に、一瞬でコンピューターの世界に心ひかれまして。すでに高3の夏だったのですが、情報系に行こうと決めたんです。進路変更にはやや遅い時期だったので、周りにはすごく反対されましたが(笑)。
私は、何かにハマったらのめり込むタイプ。たとえば子どもの時、鉄棒や一輪車をやってみて、「あ、これおもしろいな」と思うと、完璧にできるようになるまで、毎日毎日飽きずにやり続けていました。コンピューターとの出合いは、漠然とした進路に光が差しこんだ瞬間で。勉強にも力が入り、そこから猛勉強しました。
一方、Japanリージョン Financial Services事業本部に所属する田代。営業として2009年に入社し、北陸の地からキャリアをスタート。北陸、関西地区の地域金融機関を複数担当し、現在は大手金融機関を担当するアカウント責任者としてAGMを務める一方、部長としてメンバーを牽引しています。
田代:実は、学生のころはまったく別の業界を志していて、大学4年の春先には希望する業界の企業から内定をいただいていました。しかし、いわゆる内定ブルーになってしまい、夏から就職活動し直すことにしたんです。そんな中で出会ったのが富士通でした。
いまでも鮮明に記憶に残っていますが、最終面接の終わりに、面接官の方から「入社までに富士通のことをもっと勉強するように」と声をかけられたんです。志望度が高くないことを見透かされたことに恥ずかしさを感じつつも、そんな私を評価し、内定を出してくれたことに心をつかまれまして。ここなら納得感を持って働けるかも、と思い、入社を決めました。
ある出合いがなければ、まったく違う業界で働いていたふたり。同じ金融業界を担当する富士通社員として働く中で、ターニングポイントとなる出来事が訪れます。
転機となった大規模プロジェクト。困難を乗り越えた先にあったものとは
田代:2015年ごろ、前任からあるお客様のインフラプロジェクトを引き継いだのですが、残念ながら当社として採算が取れていないものでした。プロジェクトを進めることについて会社の承認はもらっていたものの、ある役員から「このままの状態でプロジェクトを続けるのは難しい。今後も続けるのであれば、黒字化できるようビジネスを転換させるべきだ」と言われたんですね。
言われたことに対しては、確かにそうだなとは思いつつも、どうしたらよいかは私だけではわかりませんでしたので、一緒に考えてくれる仲間を見つけることから始めました。社内でプロジェクトを再構築するチームを編成し、お客様に提供しているインフラもそうですし、お客様との契約やスキームについても、一から見直すことに。とにかくできることは全部、ありとあらゆる角度からこのプロジェクトを変えていったんです。
3年経ったころ、お客様とのお付き合いは変わらず、採算の取れるプロジェクトへと変革することができました。私としても達成感があったのと、周りからの目が変わってきたなと実感する思い出深い経験でした。
角:田代さんの話を聞いていて思い出したのですが、私が入社してはじめて参加したプロジェクトで大きなトラブルが発生したんですね。最終的にはなんとか解消できたものの、入社間もない私にとってもインパクトのある出来事で、苦い思い出となりました。
その後、部署を異動し、しばらくそのお客様から離れていたのですが、2012年に再びそのお客様を担当することになりまして。今度は、同じお客様の再構築プロジェクトに携わることになったんです。
さまざまなベンダーが競合する中で行われたコンペでしたが、当社を選定いただき、私はそのプロジェクトリーダーとして無事、安定稼働させることができました。
これまでにない大きな達成感を抱いた一方で、燃え尽き症候群に陥ったという角。
角:その後も、大きなプロジェクトをいくつか担当しましたが、仕事を通して新たな感動を得ることができない日々を過ごしていました。ではどうするかを考えた時に、たとえば、お客様のビジネス成長に貢献できるような仕事を手掛けるなど、いまとは違ったステージに自分自身を持っていかないといけないと思ったんですね。
そんな時に目が留まったのが、富士通の全社変革プロジェクト「フジトラ(Fujitsu Transformation)」でした。ひとりで悩んでいても先には進めない。それであれば、富士通自身の変革をリードする部門に行き、体験することで、自分自身やお客様への提案の仕方も変容させることができるんじゃないかと思い、2021年にポスティングに応募しました。
BPの現場で実感。実践者としての富士通だからこそ提供できる価値とは
2023年3月までの2年間、「フジトラ」をリードするCDXO Division(現在はDX Divisionに改称)に在籍していた角。2年前の想いを実現するため、以前と同じ本部のビジネスプロデューサー(BP)部門に戻ってきます。
角:BPに求められているのは、いかにお客様との新しいビジネスを生み出すか、だと思っています。そこに対し、2年間で見たこと、体験したこと、考えたことをどう活かすか。いまAGMという役割を担っていることもありますが、そこは日々意識しています。
一方、角と同じくAGMとして活動する田代が意識することとは。
田代:経営目線で考える、でしょうか。年に一度、お客様と当社それぞれの社長や役員が参加するトップミーティングがあるのですが、当社からは新しい技術や取り組みを紹介するんですね。もちろん、ただ話をすればいいということではなく、お客様が今どんなことに関心があり、それに対し、どういう話をわれわれからご紹介するとよいかを考えなければなりません。
そのためには、お客様のことも富士通のことも知らないといけない。なぜ、いまその事業に取り組むのか、経営目標はどうなっているかなど、公開されている情報はもとより、日々の会話の端々から常に考える癖が身につきました。
角:CDXO Divisionにいたころに、私も経営目線を意識するきっかけがありました。経済産業省が定めるDX認定制度への申請を担当していたのですが、その申請に際し、富士通のビジョンや戦略が、施策とどのようにつながっているのか。それらを正しく理解し、咀嚼し、第三者に伝わるよう記述する必要がありました。
20年以上働いてきて、初めて知ることもたくさんありましたし、経営目線で考えるということがどういうことかが初めてわかった気がします。
お客様の経営層や経営管理部門との接点も増えてきたと言うふたり。富士通の社内実践は、お客様との会話のネタであり、富士通だからこそ提供できる価値だと言います。
角:たとえば、富士通では非財務指標を設定し、非財務の取り組みがどのように財務面に影響するのかを分析していますが、これはお客様の経営層に強い関心を持っていただけますね。また、お客様とのワークショップを数多く開催していますが、そこには社内で多く活用されているデザイン思考のアプローチを取り入れています。
また、ジョブ型人材マネジメントやPurpose Carvingといった人事面での取り組みを、お客様に参考にしていただくこともあります。
田代:私が担当するお客様も、昨年パーパスを制定され、当社が伴走支援しながらPurpose Carvingを全社に展開していく予定です。先日、本格展開に向けて体験会を行ったのですが、参加された方は終始笑顔で、楽しみながら、マイパーパスを言語化していただきました。この話が実現したのも、まさに富士通が実践してきたからに他なりません。
お客様と担当BPをどう変えていくかが鍵。AGMが果たすべき役割とは
あらためてAGMの役割について、ふたりに聞きました。
田代:それは、お客様にとっての富士通のポジションを変えるということだと思います。これまでは、富士通=SIerであり、既存ITシステムの更新や保守は任せられるが、それ以外はあまり期待していない、というのが正直なところでした。AGMとして、当社に対するお客様の認識や期待を変えていかなければなりません。
角:お客様もそうですが、お客様を担当するメンバーの行動やマインドをどう変えるかも重要です。以前と同じことを続けていても状況は変わりません。
では何から始めたかと言いますと、お客様と一緒になって作りたい世界観をチームで定義したんですね。その次に、これを実現するために各自何をやるのかをメンバーの一人ひとりに考えてもらい、共有し合いました。
田代:それはいい取り組みですね。私も、一部の人だけが考えたり、行動したりするのではなく、チームのミッションに対し、全員が同じ理解のもと行動できるよう気をつけています。
角:加えて、これまでお客様は何を言っていたかを理解するために過去の議事録を見返し、デジタルツールを活用しながら整理しました。するとお客様の関心がどう変わってきたか、一貫しているものは何かが見えてきて、お客様に対する理解をチームで合わせることができました。
これまでAGMとして活動してきた成果と今後の課題とは。
角:先ほども少し触れましたが、情報システム部門以外の方との接点が生まれたことですね。なんとか伝手を見つけては、いろんな部門の方に会いに行き、富士通の取り組みを説明し、お客様の課題や関心事を聞いてまわりました。まいた種から芽が出たではないですが、これまで接点のなかった部門の方からご相談をいただくようになったのは、これまでにない成果だと思います。
この新しい接点に“価値”を創造し、ビジネスとしてステージアップしていくことが今年の課題であり、活動テーマでもあります。
田代:私も同じ感覚です。これまでやってこなかったことに取り組んでいるので、その成果がわかりやすく出てくるのはこれからだと思っています。ただ、いい傾向は出てきていて。アプローチする部門が変わってきたということもありますが、お客様に「他社さんは?」と聞いた時に出てくる会社名が以前とは違ってきています。
最後に、これからのBPに求められることについて語ります。
田代:お客様から依頼や要件が下りてくるのを待つのではなく、自分で考え、自分からアクションを取ることが大事です。もちろん失敗もあるでしょうが、実践したからこそ得られたものがきっとあるはず。自分の意思を大事にしなさい、と一緒に活動するメンバーには伝えています。
角:自ら情報を集める、考える、動くは、私も大切だと思います。
また、私がSEとBPの両方を経験したからというのもありますが、これまでは“ここまではBPの仕事で、ここからはSEの仕事”みたいな慣習があったのですが、「その時代はもう終わったよ」とBPには伝えています。プロジェクトを推進する上で必要なことは、BPの口からお客様に説明できなければならないと思うんです。反対にSEには、お客様とのビジネスはBPが考えるものではなく、どうしていきたいかを自分たちでも考えるようにしてもらっています。
今後も、またこれまで以上にお客様に富士通を選んでもらうためにわれわれ一人ひとりは何をすべきか。それは、BPもSEも、どの部署にいても考え、行動していかないといけないですし、まずはAGMとして体現していきたいです。
※ 記載内容は2024年7月時点のものです
