システムの導入と新規事業創出を兼務。顧客ファーストの価値観が軸に
ソーシャルソリューション事業本部 HL)Life Science事業部 開発部に所属する日下。現在は「MasterControl」の導入業務を主に担当しています。
「MasterControlは製薬業界向けに開発された品質管理システムで、グローバルスタンダードのSaaSパッケージです。国内の製薬、医療機器、食品、化学などメーカーのお客様を相手に商談や導入、保守を行っています」
MasterControl関連の業務に携わるかたわら、日下は2021年よりUvanceのHealthy Living分野の新規事業創出にも関わっています。
「Healthy Livingに関する新規事業創出に向け、まず実施したのがアイデア出しのためのワークショップでした。生成AI技術と富士通のシステムを掛け合わせることで製薬企業に新しい価値提供をめざすという方針が固められたため、現在は他チームと協働しながら企画を進めている段階です」
システムの導入と新規事業創出という、まったく異なるふたつの業務に取り組む日下。どちらの業務でも意識していることとは。
「お客様の話に耳を傾け、お客様が抱える課題をよく理解する。その上でお客様と共に一歩一歩前進していくというのが私の仕事のスタンスです。
新しいシステムを導入する際は、お客様が専門用語を完全に把握していないことや、新システムの業務への適用について具体的にイメージできていないことが珍しくありません。そのような場合、お客様の声を聴き、不明点を一つひとつ丁寧に確認し、繰り返し説明するようにしています。プロジェクトのスムーズな進行とシステム導入後の効果的な運用のためには、システムについてお客様に正しく理解いただくことが不可欠だと考えているからです」
学生時代に薬剤師の資格を取得。医療×ITの可能性を信じ、富士通へ
大学では薬学を専攻し、薬剤師を志して資格も取得した日下。IT企業に勤める友人の話を聞いたことが、進む道を変えるきっかけになりました。
「それまでは薬剤師になって目の前にいる患者様を救いたいと考えていましたが、医療とITの橋渡し的な存在として新しい価値創出に貢献できる道があることを知りました。
また、薬剤師の実習を受ける中で、病院や薬局の業務の電子化がなかなか進んでいない現状に課題を感じていたこともあり、電子カルテのトップシェアを誇るなどヘルスケア分野において実績のあった富士通で働きたいと考えたんです」
入社後、日下が配属されたのはSE部門。現在も従事しているMasterControlの導入業務に取り組み、ITの基礎を身につけました。そして入社3年目、日下にふたたび転機が訪れます。
「薬剤師のワークライフシフトについて新規事業を企画しようとしている方から、社内SNSを通じて参加を呼びかけるメッセージが届いたんです。それをきっかけに社内の社内起業家創出プログラム『Fujitsu Innovation Circuit』の存在と、そこで新しい挑戦に取り組んでいる社員がたくさんいることを知りました」
Fujitsu Innovation Circuitは、アントラプレナーとしての素養を身につける「Academyステージ」、自らの事業アイデアに基づいて6カ月間専任で事業創造を実践する「Challengeステージ」、そして実際の事業化に臨む「Growthステージ」の3つの段階から構成されます。
「さっそくChallengeステージに応募し、薬剤師のワークライフシフトについてプレゼンを実施しました。選考の結果、審査には通りませんでしたが、その失敗を糧に、Academyステージに再挑戦し、アントラプレナーとしての基礎力の習得に励みました。
同ステージでは、アントレプレナーシップ教育の世界的な権威と言われるバブソン大学 山川先生を講師に迎えた受講型の講義だけでなく、新規事業ピッチをチームで行う参加型の講義も。事業創出の基本が学べたことはもちろん、熱い想いを持つ仲間とたくさん出会えたことも財産になりました」
論文執筆に挑戦して広がった視野。業務外の経験が成長のきっかけに
3カ月間にわたるAcademyステージを受講し終えた日下。次なるチャレンジを模索していたときに出会ったのが、Fujitsu Conventionでした。
これは社員が論文を執筆し、技術やノウハウの形式知化や共有を行うことで、顧客への価値提供や富士通グループのビジネス拡大につなげることを目的とした取り組みです。
「きっかけは、上司から『Fujitsu Conventionで論文を執筆してみないか?』と声をかけてもらったこと。Fujitsu Innovation Circuitでもテーマとした『薬剤師のワークライフシフト』についての提言をかたちにしたいと考え、挑戦してみることにしました」
論文は、薬剤師の活躍の可能性について提案するもので、日下が抱く大きな希望と期待を込めた内容でした。
「電子カルテや薬剤服用歴など蓄積された情報を活用できれば、薬剤師が患者様に対してよりいっそう寄り添ったサポートができるようになると考えていました。論文では、富士通のITソリューションやデータを活用することで、薬剤師が提供しうる新たな価値創出について詳細にまとめています」
執筆した論文は、社内だけでなく薬剤師として現場で働く友人らにも共有。大きな学びがあったと言います。
「ある友人からは、『患者様にもっと寄り添うことが私たちの願い。論文にあるように薬剤師の仕事の幅が広がれば、テレワークが可能になるなど働き方も大きく変わるかもしれない』と共感してもらえ、うれしかったですね。一方で、『変化を望んでいない薬剤師もいるよ』という声もあり、すべての人に賛同してもらう難しさも感じました。
企画も論文も、考えたり書いたりすること自体が目的ではありません。現場の意見を聞けたことで、経験を深めながら知識をアップデートし続けることの大切さを思い知りました」
Fujitsu Innovation Circuit、Fujitsu Conventionへの参加を通して、本質的な課題解決に目を向けることの重要性が理解できたと話す日下。一連の活動を経て、強く実感したことがもうひとつあります。
「富士通というフィールドで挑戦できることの喜びを再認識しました。課題を解決しようと思ったとき、それを実現するためのソリューションや技術を備えた人が当社には必ずいます。
また、個人のチャレンジを後押ししてくれる環境があるのも当社の魅力のひとつです。『やりたいことにはどんどん挑戦してほしい』と上司はいつも背中を押してくれますし、周りの人たちも支援を惜しみません。私が本業以外のところで成果を収めてこられたのは、富士通のこうした環境があったからこそだと思っています」
誰もが自分に合った医療を受けられる社会の実現に向けて
Fujitsu Innovation CircuitのAcademyステージでの経験が、Fujitsu Conventionでの論文執筆につながり、その論文をきっかけに、Challengeステージの簡易版「PreChallengeステージ」への参加も果たした日下。現在は、Healthy Living分野で組織横断的に連携しながら新規事業創出に取り組んでいます。
「社会課題の解決に挑むグローバルソリューション『Uvance』を旗印に掲げ、病院向けに電子カルテシステムを提供している部門や製薬の専門組織など、さまざまなチームや人と共にプロジェクトを進めているところです。自分たちが実現したいことを提案したり、さまざまな人を巻き込んだり。これまでに培ってきた力が発揮できていると感じます」
キャリアの中で幾度となく挑戦を繰り返してきた日下。今後も自身のパーパス実現のために前進し続けるつもりです。
「『誰もが自分に合う医療を受けられる社会を実現する』という私自身のパーパスは、富士通に入社して5年が経とうとしている現在も変わっていません。これを成し遂げるための手段はひとつではないと思っているので、さまざまなアプローチの中から自分にできることを模索していこうと思います」
また、ひとりのビジネスパーソンとして日下がめざすのが、もっとお客様のもとに足を運び、共に課題解決につながるソリューションをつくり上げていくこと。さらに次のように続けます。
「たとえば、データを活用して製薬企業の創薬のサポートをしたり、患者様が薬を正しく使用することを助けて薬の効果を向上させたり。企業様や患者様、ひいては社会の課題を解決できるような仕組みづくりを富士通として提供していきたいです。
また、富士通があいだに立って製薬企業同士をつないだり、病院と製薬企業をつないだりする役割も果たせたらと考えています」
チャレンジすることの楽しさと喜びを誰よりも知る日下。挑戦意欲のある富士通の若手社員らに向けて、こんなエールを送ります。
「社内で発信されている情報に興味を持ったり、熱い想いを持って懸命にチャレンジしている人たちと話したり、イベントに参加してみたり──そうした小さな行動の先で興味を持てるものに出会えたなら、自然と次のステップが見えてくる。富士通にはそうした環境が整っていると感じます。
大切なのは、自分の意思や実績を積極的に伝えること。私がこうしていま新規事業創出に取り組めているのも、自ら発信を続けてきたからこそ。『やってみたい!』という声には必ず耳を傾けてもらえるはずなので、遠慮せずアピールしてください」
医療×ITによる新たな価値創出と社会貢献をめざして、日下は今後も臆せず新たな挑戦に臨みます。
※ 記載内容は2023年12月時点のものです
