常に問い続ける「いまの私ができることは?」
2023年2月現在、Uvance本部Salesforce&iAMS事業部に所属する伊藤。「声」を起点としたDXフレームワーク「Fujitsu VOICE」(以下、VOICE)のオファリングビジネスを担当している彼女ですが、そのキャリアの始まりは「想定外」であったと言います。
伊藤 「学生時代に、要求工学という要件定義工程の方法論を学んできたこともあり、SE志望で富士通に入社しました。大学院で学んだことを活かしながら経験を積み重ね、ゆくゆくはプロジェクトマネージャーになる。そんなキャリアを思い描いていました。
でも、新入社員研修後に配属されたのは販推部門。配属先の仕事はとてもやりがいがあり楽しかったのですが、思い描いていたキャリアのスタートとは違いましたね」
それ以来、伊藤は常に自身のキャリアと向き合ってきたと言います。
伊藤 「希望通りの配属ではなかったものの、いい経験はたくさんさせてもらいました。ただ、当時は『だまっていると他人任せのキャリアになってしまうかもしれない』という危機感は持ちました。
その後、組織改編等で異動する機会が何度かありまして。異動を重ねるたびに、危機感はますます強くなっていきました。今の私ができることは何か、次は何を身につけたいのかを、よく考えるようになっていきました」
その後、ジョブローテーション制度*¹ も活用し、自らキャリアを切り開いていった伊藤。販推部門から始まったキャリアは、技術営業、SE部門を経て、現部署へと至ります。そんな伊藤が意識していることとは。
伊藤 「自ら、そして早く情報を集めることです。たとえばジョブローテーション制度。私ができるのは、異動希望先をいくつか選ぶだけです。しかも、異動先の候補が公開され、応募するまでの期間は長くはない。数多くある部署から自分が最も行きたい部署を探し、選ぶことはなかなか難しいんです。
でも私が知らないだけで、どんな部署があり、各部署は何をやっているのかを先輩や上司は知っているかもしれない。実際にその部署に行けるかはさておき、早く情報を入手できれば、それだけ選択肢が広がるわけです」
情報を得るためなら、相手の役職はあまり気にしなかったと言う伊藤。そんな彼女がいまでも欠かさず行っていることがあると言います。
伊藤 「新入社員のころから挨拶は欠かさないようにしています。本当に『おはようございます!』って言うだけだったりしますけど(笑)。たとえば、同じフロアで久しぶりに見かけた人がいれば、積極的に声をかけに行きます。それが、上の役職の方だったとしてもです」
*¹ ジョブローテーション制度:複数の異なる職場を経験させることで若手社員の成長を促す人事制度。現在は、社員自らの意志で別の仕事(ジョブ)にチャレンジできるポスティング制度に統合。
自身の「幅」を拡げたい。新しい出会いや挑戦を求めて
これまで複数回の異動を通して、キャリアとしての「幅」を拡げてきた伊藤。しかし、拡げてきたのはそれだけではないと語ります。
伊藤 「部署の数だけではなく、人脈や自分自身の幅も拡げたいという想いはずっとあって。本業とは違った人のつながりや、普段なかなか経験できないことへの挑戦に魅力を感じて、社内外のさまざまな活動に参加しています。
たとえば社内で言うと、毎回5人のゲストから話を聞き、ゲストが100人に達したら解散する100人カイギ。これの富士通版である『富士通100人カイギ』や、自分らしいプロフィール写真を撮影する社内有志活動『ワタシブランディング』にも参画しています。それ以外にもいろいろとあるのですが、あっちこっちに首を突っ込み過ぎたせいか、初めて会った人に『あの伊藤さんですよね?』と言われることが多くなりました(笑)」
さまざまな活動に顔を出す伊藤。その原動力について、こう語ります。
伊藤 「ひとつは、先ほどお話しした『幅を拡げたい』という想い。もうひとつは、物事の裏側が知りたいからですね。煌びやかなイベントの裏側では、どんな人が関わり、どのように作り上げているのかにとても興味があるんです。学生時代はイベントスタッフのアルバイトをしていたくらい」
あるとき、全社DXプロジェクト「フジトラ」で、その活動を支えるFUJITRA Crew(フジトラ クルー)が募集されているのを目にします。
伊藤 「部門横断型のプロジェクトはこれまでもよくありましたが、全社で展開される活動は珍しいなと。活動内容もそうだったのですが、こんな大きなプロジェクトをどうやって推進しているんだろう、そもそもどんな人たちが集まるんだろうと。まさに、その裏側を知りたいと思い、Crewに応募しました。まず、私が関わったのは富士通グループ全体のDX活動を共有するオンラインイベントの運営でした」
3カ月ごとに開催されているというこのイベントでは、毎回、参加者にアンケートを実施。「参加者の声を収集・分析することも大事な要素」だと言う伊藤。
伊藤 「アンケートは『VOICE』を使って行われていたのですが、イベント運営とは別にメンバー募集がありました。プロジェクトの裏側を知り、ほかの社員の想いを知ることができる。その好奇心から自然と手を挙げていました」
このときに出会った「VOICE」が、彼女の「幅」をまたひとつ拡げることになっていきます。
「VOICE」との出会いが、新たなキャリアへと踏み出すきっかけに
その後もCrewとして「VOICE」と関わってきた伊藤ですが、キャリアについてある悩みを抱えていたと言います。
伊藤 「それまでに経験した部署は、業務内容も自身の役割もさまざま。また、Crew活動を通して『VOICE』を覚えるなど、自身の横『幅』が拡がっている実感はありました。ただ、これからは自身を『縦』に伸ばしたいなと。次の異動先では、これまで身につけたスキルや経験を土台に、もう一段階大きく成長したいと考えていました」
ポスティングでの異動をぼんやりと考え始めていたころ、現部署の求人情報を見つけました。
伊藤 「なにげなく社内ポスティングサイトを見ていたときに、『VOICE』という文字を見つけて。詳細をみていくと、これまでの社内実践をもとにお客様に提案する、『VOICE』オファリングビジネスを担うと。それがとても新鮮に感じられて、好奇心がくすぐられました。それに、Crewとしてだけではなく、本業として『VOICE』と関わることができれば、『縦』に成長する機会を得られるではと思い、応募することにしました」
これまで何度も異動を経験してきた伊藤ですが、「不安がまったくなかったわけではない」と言います。
伊藤 「Crewとしての経験があるとは言え、当時の私が知っている『VOICE』は全体のほんの一部。ビジネスの場で必要となる知識や経験はきっと違うものであろうとは思っていました。では、これまでの何が活かせるのか。それはとても悩みました」
面接準備を進める中、伊藤の頭に浮かんだのは「技術営業の経験」でした。
伊藤 「以前いた部署では、ビジネスプロデューサーと一緒にお客様先に出向き、各種インフラサービスや製品の機能、技術的な優位性、それらがどうお客様の業務に役立つのか等を説明していました。
私の役回りとしては技術寄りの説明となるのですが、それがお客様に伝わらないと意味がないわけですね。どうしたらお客様がより理解でき、ぜひ採用したいと思えるか。そこは、意識して対応していました。その経験は、必ず『VOICE』のオファリングビジネスにも役立つはずだと、面接でアピールしたんです」
社内実践からオファリングビジネスへ。「VOICE」のこれから
面接には無事合格し、現在、チームメンバーとともに「VOICE」の紹介からお客様先への導入までを一貫して担当している伊藤。
伊藤 「たとえば最近対応した商談ですと、社内のDX浸透度を調査したいとのお話をあるお客様からいただきました。これまで社内変革を進めてきたが、会社として目標とする姿にどれくらい近づいているのかを、社員の声から評価したいとのこと。これはまさに、富士通が2020年から行っている取り組みそのものです。社内実践で得た経験をもとに、お客様に提案することにやりがいを感じています」
お客様に「VOICE」を紹介する上で、気をつけていることがあると言う伊藤。
伊藤 「社内実践をもとに提案するとは言いましたが、『VOICE』を活用する社内プロジェクトには、それぞれ主管する部門や専門的にサポートするチームがあります。私の役割は、その社内実践をどうお客様に伝え、共感してもらうか。
また、お客様のやりたいことや想いはさまざまです。それらに対し、適切な事例をピックアップし、その事例のどこに重点を置いて説明するかを考えながら提案しています」
インタビューの最後に、そんな伊藤が目指す今後について語ります。
伊藤 「社内における『VOICE』の認知や理解は高まってきていますが、私たちが進めるオファリングビジネスを知っている社員はまだまだ多くありません。チームとして、もっと情報発信をしていかないといけないですし、私自身の発信力も高めていく必要があると思っています。そのためにも、社内外のさまざまな活動にはこれからも積極的に参加するつもりです。
また、お客様に対しても私たちがやるべきことはたくさんあります。『VOICE』とは、変革のための手段のひとつ。一度導入すれば、会社が勝手に変革されるというものではありません。経営と現場が一体となり、社員やお客様から集めた『声』と向き合い、『声』を起点にアクションを起こし続けることが大切です。
そのことをご理解いただき、当社とともに『声』を起点とした変革に取り組まれるお客様が増えていくと嬉しいですね。これからも『VOICE』を通して、お客様が描く『ありたい姿の実現』をお手伝いしていきたいです」
