「意図通りに動いた瞬間が好き」、社風との共鳴が導いた入社の決断
学生時代のティムが力を注いでいたのは、宇宙ロボットのプログラミングコンテスト「Kibo-RPC」でした。コンピューターシミュレーション上のロボットにプログラムを組み込み、与えられたミッションをいかに効率よくクリアするかを競う大会です。
「画像処理を使ってレーザーをどの角度で発射すれば的に当たるか、どう進めば最短でゴールに辿り着けるかといった問題に、チームで真剣に取り組みました。大学4年生のときは9人のチームで参加し、国内予選で4位という結果を残しました。
1位を取れば国際宇宙ステーション(ISS)上で実際に動くロボットを操作できる決勝に進めます。夢のあるプロジェクトで、完全に没頭していましたね」
大学院に進学してからは、立場が変わります。1学年下の後輩チームのメンターとして、コードレビューやアドバイスを担当。伝える側の難しさを知ったのも、この頃のことでした。
修士課程で選んだ研究テーマは、画像処理でした。
「CMC(セラミックス基複合材料)という複数の層で構成される先進材料に負荷をかけた際の亀裂の進展を、X線画像から推定する研究に取り組みました。将来性の高い素材の実用化に向けた研究を通じて、社会に貢献したいという思いが、このテーマを選んだ理由です。
亀裂箇所を機械学習モデルに学習させるための教師データを作る必要があり、そのために専用のマスキングツールを自分で開発したのも良い経験でした」
就職活動で見ていたのは、コンサルティング会社やSI(システムインテグレーション:顧客の要件をもとにシステムを設計・構築する)系の企業。軸として据えていたのは、仕事の関わり方でした。
「大切にしていたのは、『お客さまの困りごとを聞いて、提案して、実際に自分でつくる』という一連の流れをすべて手がけられるかどうかです。
大学時代から『このシステム、使いづらいな』『こうしたらもっと喜んでもらえるのに』と感じることが多くて、その想いを仕事として形にしたいと考えていました。提案だけ、開発だけではなく、要件定義からテストまで全部を一気通貫でやり遂げたい。それが就職活動の出発点でした」
フレクトとの出会いは、スカウト経由での会社説明でした。
「説明を聞いた瞬間に、社風や雰囲気が自分の研究室に似ていると感じて、自然と興味が湧いたんです。
その後の一次から三次面接を通じて、面接官の方々が自分の研究内容に対して的確で深い質問をしてくださることに驚きました。一問一答ではなく、こちらの回答を踏まえて次の質問が深まっていく感覚があり、思考のレベルの高さを肌で感じました。自分と近いものを持っている人たちだという印象を受けました」
面接を重ねるなかで、環境と仕事内容についての理解も深まっていきます。
「風通しの良さや挑戦できる環境についても皆さんがポジティブに語ってくださり、自分のやりたかった一気通貫のシステム開発ができる環境でもあると知りました。最終的に入社を決めたのは、こうした社風・人・仕事内容のすべてが自分の軸と一致していたからです。
もちろん、新卒としての給与水準が高かったことも正直な決め手の一つでした(笑)」
「マルチタスク」で駆け抜けた怒涛の1年目。主体性が実らせた入社1年での昇格
入社後の3ヶ月間の研修では、技術・ビジネス・社会人マナーと、多方面から学ぶ機会がありました。
「大学時代からプログラミングをやっていたので、最初の2ヶ月はそれほど苦労しませんでした。それでも、先輩がしてくれたコードレビューの観点が非常に現場に近いもので、『プロジェクトの中でコードを書くとはどういうことか』を体系的に理解できました」
研修の最後の1ヶ月で出会ったのが、入社前は名前しか知らなかったSalesforce(セールスフォース:企業向けのクラウド型業務管理プラットフォーム)でした。
「自分が作ったものが画面にすぐ反映されるので、『もっと使いやすくできないか』と試行錯誤しながら取り組めて、とても楽しい時間でした」
ビジネス研修では、PBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング:実際の課題解決を通じて学ぶ体験型学習)として、チームで一つのサービスを考え、提案から最終発表までを行いました。
「大学でもグループワークの経験はありましたが、社会人としてのそれはレベルが違いました。期限内に完成させるには全員の協力が不可欠で、互いの得意分野を活かした役割分担が求められます。意見が分かれる場面もありましたが、そのたびに『どうすれば同じ目標に向かって進めるか』を話し合い、ソフトスキル(コミュニケーションや問題解決など対人関係に関わる能力)を磨くことができました」
研修を終えると、大学院でAI・画像処理を専攻していたティムは、Salesforceという全く異なる技術領域へのキャッチアップに向き合うことになります。
「コンピューターサイエンスの知識があったので概念の理解は早かったのですが、プラットフォーム特有の制約を身につけるには時間が必要でした。
そこで工夫したのが、情報量の多い公式ドキュメントをAIに要約させて必要な部分だけ吸収すること、そして『実際の案件ではこの技術はどう使われるのか』という実務との紐づけを意識しながら学ぶことです。社内には先輩たちが残した資格取得のナレッジ(受験レポートなど)も豊富に蓄積されていて、それを参考にしながら1年目に2つの認定資格を取得できました」
最初の案件は、すでに開発が4割ほど進んだ状態からの途中参画でした。
「これまでの設計や機能をキャッチアップしながら、技術知識も同時に補いつつ、『今この瞬間に何を期待されているか』を考え続ける、文字通りマルチタスクな日々でした。
歯ごたえのある環境でしたが、大学院時代にティーチングアシスタント(TA)を務めていた経験が、画面設計書や要件を読み込む際に生きました。『ここは考慮が足りていないのでは』という視点をもってPMやお客さまに提案し、それが採用されたときは本当に嬉しかったです」
走り抜けた1年目の終わりに、ティムは昇格という節目を迎えます。
「率直に、とても嬉しかったですね。半年以上、自分のことを育ててくれた上司たちが期待をしてくれていると感じていて、その期待に応えたくて日々努力していたので、それに応えるための一歩目ができたんじゃないかなと思いました。
上司も喜んでくれたのですが、『これで終わりではなく、今後もっともっと成長していこう。もっと上を目指して視野を広げていこう』と言ってくださり、今後も期待に応え続けたいなと思いました」
何が評価されたのか。ティムが最初に挙げたのは、主体性でした。
「常に視野を広く持って、必要だと感じたことはもちろん、『今は必要ないけれど、もしかしたら必要になるかもしれない』と思ったことまで、なるべくすべて拾い上げるようにしていました。特に指示がなくても主体的に動くことができていたのが良かったんじゃないかなと思います。
それと、プロジェクトワークだけではなく、社内のサービス品質分科会の活動にも携わっていました。案件だけでなく、会社全体に貢献する動きをしていたところも評価されたのではないかと思っています」
評価の理由に挙げた「サービス品質分科会(サービス品質向上を目指して立ち上げた社内施策)」は、自ら手を挙げて参加した活動です。ただ、最初から自信があったわけではありませんでした。
「もともとは自分に勤まるとは思っていなかったので、手を挙げるつもりはなかったんです。でも身近な先輩が『あなたならできるよ、やったらいいんじゃない』と勧めてくれて。それを聞いて、私も会社のために何か貢献したい、もっと大きなことがしたいと思うようになりました。サービスサイエンスのことはその時まだ全然知らなかったのですが、しっかりキャッチアップしていけばいい経験になるんじゃないかと思い、手を挙げました」
分科会では案件と並行して、施策の推進や全社向けの発表、勉強会の開催に取り組んできました。
「社内に生まれた変化は、具体的な数値ではまだ測れていません。それでも、皆さんのサービス品質・プロセス品質に対する意識が変わって、その結果プロジェクト内の満足度も、お客さまの満足度も上がっていたらいい。そう日々思いながらこの活動をしています。
あとはやっぱり、全社会などで前に立って発表する機会や、勉強会で話す機会もあったので、多少は社内での私の認知度も上がったんじゃないかなと思っています(笑)」
「不安よりもワクワク」1年目でPMを任され、見えてきた景色
ティムが現在所属しているのは、大学をはじめとした教育機関のDX化(デジタルトランスフォーメーション。アナログな業務をデジタル技術で刷新すること)を支援する部署です。クラウドインテグレーション(クラウドサービスを活用してシステムを構築・統合すること)を通じて、教育の現場を支えています。
「公立の教育機関ではDXがこれから進んでいく段階のところも多く、教員や職員の方々は日々の業務で大きな負担を抱えています。そうした負担を少しでも軽減することが、私たちのチームが果たすべき一番のミッションだと思っています」
2026年1月からは、有名私立大学向けの学生支援システムの保守案件でPM(プロジェクトマネージャー:プロジェクト全体の進行や品質、スケジュールを管理する役割)を務めています。
「システムに不具合が発生したときや、利用しているSalesforceのアップデートがあったときなどに対応し、システムの安定稼働を維持することが主な目的です。場合によっては追加機能の開発(エンハンス)も行います。
チームはPMである私とエンジニア1名という小さな体制ですが、私は一次調査やお客さまへの報告、今後の計画策定、機能提案など、プロジェクト全体を動かす役割を担っています」
入社1年目でのPM就任。その打診を受けたときの心境を、ティムはこう振り返ります。
「正直なところ、不安な気持ちもありました。でも、もともとマネジメントにも挑戦したいという思いを持っていたので、『自分が成長できる機会だ』とワクワクする気持ちの方が大きかったです」
PMを経験して一番変わったのは、お客さまと向き合う視点でした。
「『ソフトスキル』の重要性に気づいたことが大きいです。質問の背景にある意図を汲み取り、どこに悩んでいるのか、何に困っているのかを常に把握しようとすること。この共感する力は、エンジニアとして作業をしていたときには意識していなかった視点でした」
同時に、役割が求めるものの広さにも直面します。
「一番の壁は、PMという役割が求めるスキルの幅広さでした。納期・コスト・品質(QCD)すべてに責任を持ち、スコープ調整から計画立案まで複数の能力を同時に求められる。それらを一度に鍛えていくのは、歯ごたえのある挑戦でした。
頼りにしたのは、社内にいる経験豊富なPMの先輩の存在です。迷ったときは『どう進めるのがいいか』『どんなことを意識していたか』を積極的に聞いて吸収しました。ただ真似るだけでなく、『もっとよくするにはどうすればいいか』を自分なりに考えることを意識したおかげで、少しずつ自分のやり方を見つけられるようになってきたと感じています」
2年目には、新卒研修のトレーナーも務めました。これも、以前から温めていた希望でした。
「自分がトレーニーだった入社当時からずっとやりたいと思っていたので、手を挙げました。大学院の時もTAや学習支援センターのスタッフをやったりと、教える機会自体は多かったんです。ただ、会社に入ってトレーナーをやるのはかなり違いました。技術や知識だけを教えればいいわけではなくて、仕事におけるマインドや考え方、意識していることも伝える必要がある。そう思いながら日々取り組んでいました」
教える側に立つことは、自分の理解を鍛え直す時間でもありました。
「人に教えることで自分の意見や考えがまとまりますし、技術についても、もっと詳しく体系的に理解する必要が出てきます。自分が理解していないと、そもそも説明も解説もできませんから。より深く学ぶ機会になって、自分自身の成長にもつながりました。
トレーニーはそれぞれ特徴やキャリア像、やりたいこと、強みや特性があります。それをうまく引き出して、その人に合わせた指導をするのは難しかったですが、いい経験になりました」
難しさの先にあったのは、人を育てる仕事ならではの手応えでした。
「人を育てるというのは、責任の大きい仕事だと思っています。その人の理解が深まったとか、仕事をする上でいい変化があったと感じられると、教えていて本当に良かったなと思います。自分のおかげでその人が理解してくれると、それが一番のやりがいです」
「凄腕のPM」を目指して。提案から実行まで一気通貫で挑む未来
ティムが短期的に見据えているのは、担うプロジェクトの規模を広げていくことです。
「まず取り組みたいのは、より大規模なシステム開発のプロジェクトマネジメントです。これまでの経験を積み重ねてきた今、さらに複雑で難易度の高いプロジェクトを担えるようになりたいという気持ちが強くあります。
ただ、PMとして前に進むためには技術力もまだまだ必要だと感じています。マネジメントに集中するだけでなく、プレイングマネージャー、つまり自分自身でも機能の開発や設計に携わりながら、技術的な知識を身につけていきたい。現場の最前線に立ちながら全体を俯瞰できるPMになることが、今の自分にとっての理想像です」
その先に描くのが、「凄腕のPM」という姿です。
「どんなに大きくて複雑な案件であっても、ステークホルダー(プロジェクトの利害関係者)としっかり調整を重ねながら、プロジェクトを確実に成功へと導く。そういった実績を積み上げていきたいと思っています。
さらにPMだけにとどまらず、新規のお客さまへの提案書づくりにも挑戦したいと考えています。お客さまの要件や潜在的な悩みを深く理解し、それを解決するような提案を自ら作り上げる。そしてその提案を受注した後は、PMとして自分自身がプロジェクトを推進する。
提案から実行まで一気通貫で関わることで、お客さまの事業の成果や満足度を高めることが最終的な目標です。結果として、そうした取り組みが会社の利益や成長にもつながると信じています」
最後に、フレクトへの入社を検討している方へのメッセージを聞きました。
「ここは『挑戦したい人』『成長したい人』にとって、良い環境だと感じています。自分で考えて動くことが求められる場面も多いですが、それが自分自身を大きく育ててくれると感じています。風通しが良く、自分の意見や提案をちゃんと聞いてもらえる文化がありますし、先輩社員の中にはロールモデルにしたいと思える存在がたくさんいて、日々刺激をもらっています。
主体性を持って、自分から学ぼうとする姿勢がある方なら、きっと大きな成長とやりがいを感じられるはずです。ぜひ一緒に、大きな仕事に挑戦しましょう」
提案から実行まで、一気通貫で。ティムの挑戦は、これからも続いていきます。
※ 記載内容は2026年8月時点のものです
