プログラミング好きが仕事に。「ビジネスの視点」を求めて選んだ社会人のスタート
道用 悠太朗は、学部から博士課程まで、一貫して数学を学んできました。専攻は代数幾何学。代数の問題を幾何の知識を使って解いたり、反対に幾何の問題を代数の知識で解いたりして、それらをつなぎ合わせて考えるような分野です。
研究と並行して没頭していたのが、自分の手で何かをつくることでした。計算を行うためのPythonパッケージを自ら開発し、趣味でアプリケーションをつくる勉強も重ねました。その積み重ねが、進路を決める軸になりました。
「研究を進める中で、Pythonのパッケージを自作したりすることがあって、プログラミングや何かを作ること自体がすごく好きだということに気づいたんです。『それを仕事にできたら、きっと楽しいだろうな』という気持ちが、就職活動の一番の軸になっていました」
IT業界と一口に言っても幅は広く、当初から領域を絞り込んでいたわけではありませんでした。自分の興味を整理していくうちに、フレクトとの出会いにつながっていきます。
「プログラミングや技術を使って何かを作ること、課題を解決することに興味があると整理していくうちに、自然と今の会社との出会いにつながっていきました。
実際に働き始めてみると、技術を使ってお客さまの課題に向き合う仕事のスタイルが、自分には合っていると感じています。学生時代に培ったプログラミングへの関心を、そのまま業務で活かせる環境でした」
振り返れば、条件を絞り込みすぎず、自分がワクワクできるかどうかを大切にしたことが、結果的に良かったと道用は語ります。
「就活のときに『好きなことを仕事にしたい』という比較的シンプルな軸を持っていたことが、自分には良かったのかもしれません。そのときの感覚を信じて飛び込んだ選択が、今の自分のキャリアにつながっていると感じています。
入社してからの日々には、力を試されるような場面もありました。それでも、プログラミングが好きで、ものを作ることが好きで、という気持ちがベースにあったからこそ、仕事に向き合い続けられたのだと思います。学生時代に自分の興味に正直に向き合っておいたことは、社会人になってからも大きな財産になっています」
「抽象化」の力が土台に。1年目で学んだことが、PMになって腑に落ちた瞬間
入社後の研修は、技術とビジネスの両面で用意されていました。技術研修で扱われたのは、かなりプリミティブな内容。物事を抽象化して捉えるという営みは、道用が数学の研究で日常的に行ってきたことでもあります。
「技術研修ではかなり基礎的な内容が扱われていて、物事を抽象化して考えるという観点で非常に役立ちました。概念的なものをしっかりと習得できる機会だったので、エンジニアとしての土台を築く意味で良い経験でした」
一方、ビジネス研修で扱われたプロジェクトマネジメントの基礎が本当に活きてきたのは、少し後になってからでした。
「研修の時点では、まだ実感を伴って受け取れていなくて、『こういうものがあるんだ』くらいの感覚だったんです。ところが実際にPM(プロジェクトマネージャー)を担当するようになってから、『あの研修で勉強したことって、こういうことだったんだ』と後になって腑に落ちる場面が何度もありました。体験して初めて意味がわかる、そういう研修だったんだと今は思っています」
最初に配属されたのは、大手アパレル企業のポイントシステム刷新プロジェクト。Salesforce(セールスフォース/顧客管理や営業支援に広く使われるクラウドサービス)のパッケージを活用してシステムを導入する案件でした。担当したのは、アプリケーションからインフラまでの縦断的な範囲です。
「Salesforce側の機能設計・実装から、外部システムとの連携ツールの設計・実装、さらにはその連携ツールを動かすAWS(Amazon Web Services/クラウドインフラ基盤)の設定まで、幅広く担当しました。
チームの人数もリソースも限られていたため、一人ひとりの担当範囲が自然と広くなり、インフラから細かい実装・設計まで、本当にいろんな領域を学びながら走り続けた日々でした。担当の幅は広かったですが、エンジニアとして確実に強くなれたと感じています」
働き始めて気づいたことは、技術面以外にもありました。
「働く前は、仕事というものをもう少しドライなものだと思っていました。お金を稼ぐためのツールというか、感情の入る余地があまりないイメージを持っていたんです。
でも実際に働いてみると、人と人との間に絆が生まれたり、本気でやりがいを感じながら取り組める瞬間があったり、想像以上に『生きている』感覚のある仕事だと気づきました。そこは本当に良い意味で想定外でした」
道用が当初描いていたのは、技術を深めていくキャリアでした。ところが、思いがけずプロジェクトマネジメントの役割が回ってきたことが転機になります。実際に担ってみると、そこには想像していなかった面白さがありました。
「やってみると、プロジェクト単位でもマネジメントには自分の色を出せる部分があって、すごく楽しいなと感じたんです。それに、自分が思っていることをお客さまに直接話していい立場でもあります。本当に自分が考えているやり方で仕事ができる。それはマネジメントの良い側面なのかなと思いました」
面白さは、二つの案件を通して「向いているかもしれない」という手応えに変わっていきます。
「一つ目の案件では、状況を正常化するところまで持っていくことができました。二つ目の案件でも、かなり主体性を持ってマネジメントを進められた。もしかしたら自分は、チームやプロジェクトを管理することがうまくできるタイプなのかもしれない。そう思えたので、だったらやってみようかな、と考えるようになりました」
「献身的なサポートをありがとうございました」という言葉。立て直しの現場で得た信頼
現在の仕事で印象に残っている出来事として、道用がまず挙げるのは、約半年をかけて準備を続けた調達案件の受注です。
「長い準備期間を経て結果が出たとき、『こういう風に頑張ったら、こういう結果が出せるんだ』という手応えを初めて実感しました。努力の方向性が正しかったと確信できた瞬間で、それ以来、仕事への取り組み方の軸のようなものができた気がしています」
もう一つ忘れられないのが、立て直しが必要な局面にあった案件に、途中から加わった経験です。
「進捗や品質の面で難しい状況にあったプロジェクトで、うまくいかないことが続き、お客さまから率直なご指摘をいただく場面もありました。それでもチームで粘り強く取り組んでいたある日、使用していた製品そのものに起因するエラーが発生する事態が起きたんです」
原因の切り分けから解決までを主導したのは、道用たちのチームでした。そこから、お客さまとの関係に変化が生まれます。
「お客さまから『献身的なサポートをありがとうございました』という言葉をいただけたんです。あの言葉は本当に嬉しかったです。それまでの積み重ねがお客さまとの関係性を少しずつ変えていて、だからこそ信頼してもらえる瞬間が生まれたんだと感じました。『今まで頑張ってきたことは無駄じゃなかった』と、心の底から思えた体験でした」
経験を重ねるなかで身についたのは、問題が起きそうな場所を先に見つける感覚です。道用はそれを、仕事の「勘所」と表現します。
「他の人が見落としがちなポイントに気づいて『ここは大丈夫ですか?』と先回りして確認できるようになりました。経験を積む中で、どこに注意を向けるべきかというセンサーが磨かれてきたのだと思います」
一方で、仕事への向き合い方そのものは、入社時から一貫していると言います。
「もともと仕事に対して真剣に向き合う姿勢は持っていたつもりなので、入社時から大切にしてきたものを、そのまま続けられているという感覚です。スキルと経験の積み重ねによって、その姿勢をより具体的な形で発揮できるようになってきた、というのが今の自分の状態だと思っています」
「手を挙げればいい」新卒3年で管理職になった今、伝えたいこと
入社3年目、道用はチームマネージャー(管理職)への昇進を果たしました。何が評価されたのか。本人が挙げるのは、技術力ではなく「調整する力」でした。
「お客さまと信頼関係を築いて調整するというのは、誰にでもできることではないんだろうな、というのは正直、見ていて思います。
そのために必要なのは、お客さまが言っていることをお客さまの側に立って受け止めて、文脈を共有すること。そして不安のような相手の感情まで汲み取ることです。『この人はこう考えているから、こういうことを言っているんだ』というところまで理解したうえで、『では、こうしましょう』と提案する。
この調整力は、お客さまに対してだけでなく、社内のメンバーやチームとのコミュニケーションにも必要なスキルです。そういったところを評価してもらえたのではないかと思っています」
マネージャーになって変わったのは、責任の質でした。
「数値目標を与えられていて、それに対してコミットする責任を持っている。だからこそ主体性を持って活動できるところが、この立場の魅力だと思います。
以前は、決められた方針に従ってプロジェクトにアサインされ、QCD(品質・コスト・納期)を担保しながら進めることが主でした。チームマネージャーになってからは、案件の進め方も、チームがこれからどう動いていくかも、自分で考えられるようになりました」
その一例が、評価の仕組みづくりです。道用はMBO(目標管理制度)の運用にAIを取り入れました。
「MBOの評価にあたって、Claude(クロード/対話型のAIアシスタント)を使って行動のログを取る方法を自分で決めて、チームメンバーに実践してもらっています。それによってメンバー一人ひとりの普段の頑張りが可視化されて、みんなで褒め合えるようになりました。
自分が決めた方法にみんなが動いてくれて、それによってチームがうまく回っている、楽しく仕事ができている。そこに自分がコミットできているのが、すごく楽しいなと思います」
チームマネージャーとなった道用が見据えているのは、担当領域そのものを事業として立ち上げることです。
「まず1年後には部長になりたいと思っています。そして3年後を見据えると、私が担当している文教領域(教育機関向けのITソリューション事業)を一つの独立した事業部として立ち上げることが、今の一番大きな目標です」
その構想を支えているのは、その構想を支えているのは、着実に積み上げてきた手応えです。そして直近1年のテーマは、事業化の道筋を投資判断に耐える形で描くことだと言います。
「担当領域はここ最近、着実に拡大してきている手応えがあります。だからこそ、『これは本当に事業にできる』という確信も生まれてきました。
事業を立ち上げるためにはまず投資が必要で、投資を引き出すためには『ちゃんと回収できますよ』というストーリーと、それを裏付ける具体的な数値目標が欠かせません。だから直近の1年では、まずそういった事業計画を自分でしっかり組み立ててみたいと思っています。
そのうえで、何を売り出すのか、どんな製品やサービスのテンプレートをつくるのか、そしてどういう売り方をすれば収益につながるのか。そこまで具体的に落とし込んで、方針として持っていけるところまでやりきりたいと考えています」
新卒3年でのマネージャー就任も、特別なことをした結果ではないと道用は語ります。
「フレクトへの入社を検討している方に伝えたいのは、『挑戦したい人には、本当に扉が開いている』ということです。私が新卒3年でチームマネージャーを任されたのも、何事にも『やりたいです』と手を挙げ続けたら、『じゃあやってみよう』と言ってもらえた、その結果だと思っています」
同時に、一人に無理を負わせるような進め方はしない環境だとも言います。
「『ゆっくり成長していきたい』という方がいれば、そのプランに全力でコミットします。焦って昇格させるようなことはしませんし、そのメンバーのペースに寄り添いながら一緒に進んでいける環境です。
フレクトにはワイワイやりたい人も、技術を極めたい人も、いろんなタイプの人がいます。みんなどこか協調性を持って働いていて、その土台がある中で多様な個性が共存できている。そんな職場だと感じています。だから『自分がここに合うかどうか』と不安に思いすぎなくて大丈夫です。
大切なのは、挑戦したいという気持ちを持っていること。それさえあれば、きっとウェルカムな場所です。一緒に、落ち着いて着実に成長していきましょう」
数学で培った思考を土台に、技術とビジネスの両輪でキャリアを描く。道用の挑戦は、これからも続いていきます。
※ 記載内容は2026年8月時点のものです
