「一番自分を見てくれている」と感じた面接。化学の研究からITの道へ
中島 尚吾の原点は、幼い頃の好奇心にあります。
「小さい頃から理科や実験が大好きでした。『なんでこうなるんだろう』『これとこれを混ぜたら何ができるんだろう』と考えたり、実際に試したりすることがとても楽しくて。その気持ちは高校でも大学でも変わらず、より専門的で先端的なことを学びたいという思いから、化学専攻の大学・大学院へと進学しました」
大学院で取り組んだのは、機械学習(データからパターンを学習してタスクをこなすAI技術の一種)を使って分子のエネルギー状態を効率的に求める研究でした。
「分子の状態を正確に知るには本来、非常に時間のかかる計算が必要で、分子が大きくなるほどその計算量はさらに膨らんでいきます。実際に合成する前に状態を知りたいケースや、不安定ですぐ別の状態に変わってしまうために実験では捉えづらいケースもあって、分子エネルギーを素早く効率的に求める手法は、計算科学において重要なテーマになっていました」
研究の面白さは、機械学習と化学の知見が交わる地点にありました。
「一見『何でも学習できるブラックボックス』のように見える機械学習に、分子構造や物理法則といった化学の専門知識を組み込んでいく部分がとくに面白かったです。ただデータを学習させるのではなく、科学的に意味のある形でモデルに知識を反映させることで、精度や効率を高められる。そこにこの研究ならではの面白さを感じていました」
そして計算科学の研究を続けるうちに、中島の関心は少しずつ移っていきます。
「研究を重ねるうちに、『ITの力で課題解決をすること』そのものに強く魅力を感じるようになっていきました。これが就職活動の軸にもなっていて、化学系への就職という選択肢もある中で、ITの道へ進むことを決めました」
数ある企業のなかからフレクトを選んだ決め手は、面接の場での実感でした。
「一番の理由は、『面接で一番自分を見てくれている感じがした』ということです。用意した回答をそのまま話すのではなく、自分が本当に思っていること、話したいことがすっと前に出てくるような感覚がありました。
面接官の方にもそれがうまく伝わって、良い共感を得られているような雰囲気があって、とても話しやすかったのを今でもよく覚えています。『人を大事にする文化があるんだな』と自然に感じられた瞬間でした。その印象は、入社してからも変わっていません」
「できませんと言う前に、まず手を挙げる」約1年でつかんだPLと昇格
入社後の研修は、技術研修とビジネス研修の2つで構成されていました。
「技術研修では、JavaやRDB(リレーショナルデータベース:データを表形式で管理する仕組み)といった、現在のクラウド技術の根幹を支える知識を学びました。ビジネス研修では、社会人としての基本的なマナーや仕事への向き合い方、マインドセットといったことを学びます。どちらも、社会人としての土台をつくるうえでとても重要な時間でした」
大学院では化学専攻だった中島にとって、技術研修の内容はほぼ未経験のものばかりでした。そこで意識したのが、確かな情報源にあたることと、一人で抱え込まないことでした。
「最初はわからないことも多かったので、参考書や公式のヘルプページをしっかり読み込むことを意識しました。そのうえで、同期の仲間たちと疑問点を積極的に共有し、みんなで一緒に解決していくスタイルをとりました。
『自分だけが詰まっているのではなく、みんな同じところで悩んでいるんだ』という気づきが、前に進む力になったように思います」
研修を終えて実務に入ると、プロジェクトリーダー(PL)のもとで開発メンバーとしてプロジェクトに参画します。そこで待っていたのは、学んだ知識が現場で動いている姿でした。
「システム開発の現場は、研修で学んだこととリンクする部分もありながら、実際の業務のスピード感やお客さまとのやりとりの奥行きには驚かされました。研修であれほど丁寧に学んだことが、現場ではもっとダイナミックに動いている。そのギャップを体感しながら、少しずつ自分なりの仕事の進め方を模索していきました」
経験を積むなかで、中島は早い段階からある思いを抱くようになります。
「『より高いレイヤーの仕事をしてみたい』と考えるようになりました。目の前の担当をこなすだけでなく、プロジェクト全体を見渡して判断する立場に挑戦したい。その気持ちが、行動につながっていきました」
その思いは、入社からおよそ1年という早い時期に、PL(プロジェクトリーダー:開発チームをまとめ、進行管理やメンバーへの業務割り振りを担う役割)への挑戦というかたちで結実します。
そしてもう一つ、節目が訪れます。入社からわずか1年3ヶ月での昇格でした。ただし、その道は一度で通ったものではありません。
「すんなりと昇格できたわけではなく、見送りを経て、3回目の挑戦での昇格でした。だからこそ『やっと上がったか』という思いと、込み上げてくる嬉しさがありました。多くの方からお祝いの言葉をいただけて、とても嬉しかったです。
ただ、ポテンシャルを見ていただいた『挑戦枠』としての昇格であることは十分に理解しています。これからも自分の価値を磨くことを怠らないようにしていきたいと思います」
何が評価されたのか。中島が挙げるのは、結果そのものよりも、そこへ至る姿勢でした。
「粘り強さと積極性だと思います。再現性のある結果を出しつつ、指示を待つのではなく、自分から手を挙げて担当範囲を広げていくことを1年目から意識していました。
難しそうな業務や、まだ手がついていない業務でも、『できません』と言う前にまず自分から手を挙げるようにしていました。そして、その経験を次の業務でも同じ品質で再現できるように、やり方を振り返って改善するというサイクルを回してきました。
一度うまくいったことを運や勢いで終わらせず、継続的に安定した成果につなげられたこと。そこを評価いただけた部分なのかなと思っています」
「正しさと伝わり方は別物」トレーナー経験が深めた、技術と人への理解
現在の中島は、大手通信事業者のサービスオペレーション部へ技術支援として参画しています。基地局などのネットワークに障害が発生した際に、総務省への報告やホームページへの掲載、メディア対応、故障対応などを行う部署です。協力会社の一員として、内部から業務を理解しながら開発を支援する役割を担っています。
「災害時に発生する故障対応なども含め、1分1秒を争うタイミングで正確な挙動が求められるシステムの開発に関わっているため、非常に大きな責任を感じながら日々の業務に取り組んでいます」
この案件に自ら手を挙げた背景には、開発者としての明確な狙いがありました。
「これまではSalesforce(セールスフォース、顧客管理や業務効率化などに使われるクラウドプラットフォーム)の標準機能を活用した、いわば『型の中での開発』が中心でした。今の案件に挑戦したのは、そこから一歩踏み出して、カスタム開発を含むSalesforceのより深い部分の知見を身につけたいと思ったからです。
それに加えて、お客さまと膝を突き合わせて業務そのものを深く理解し、伴走できるような経験を積みたいという思いもありました」
2026年4月からは、新卒トレーナーも兼任することになりました。
「人を教え導く経験をしたかったこと、そして単純に面白そうだと思ったことが理由です。誰かの成長に関わる経験は、自分がプレイヤーとして手を動かしているだけでは得られないもの。早いうちにやっておきたいという気持ちがありました」
教える側に立って、もっとも大きな実感を得たのが「伝わり方」の重要性でした。
「トレーナーになって一番実感したのは、『正しいことを言うだけでは伝わらない』ということです。コードレビューでの指摘が技術的に間違っていなくても、伝え方や言葉選び一つで相手の受け取り方が全く変わります。『なぜそう考えるのか』という背景まで添えるだけで、相手の納得感も成長のスピードも違ってくる。教える側に回って初めて、正しさと伝わり方は別物だと身をもって実感しました」
気づきは、それだけではありませんでした。教えることは、自分の理解を確かめる時間でもあったと言います。
「逆に学ぶことも多くありました。自分の中で当たり前になっていた書き方や判断基準に対して、『なぜこうするんですか?』という素朴な疑問をもらったとき、自分でもその理由を言葉にしきれていないことに気づかされる場面があったんです。教えるという行為は知識を渡す一方通行ではなく、自分の理解を問いただす機会でもあるのだと思います」
トレーナーとしての中島は、担当の枠を越えて動くこともありました。
「研修全体で課題の進みに遅れの兆しが見えたとき、自分の担当範囲かどうかで線を引くより、成果につながるなら先に動いてみようと考え、自作のヒント集を担当チーム以外にも展開しました。
自分のチームさえうまく回ればいいというより、研修全体としてどれだけ多くの人が同じところでつまずかずに進めるかにこだわりたかったんです。結果的に、それが自分にとっても教えることの解像度を上げる機会になったと感じています」
「専門性に縛られすぎず」多様性が生む成長の先へ
中島が描いているのは、組織に働きかけられる立場へ進んでいく道です。
「今後数年のうちに、まずPM(プロジェクトマネージャー:プロジェクト全体の進行や品質・コストを管理し、チームをリードする役割)として経験を積み、その先ではマネージャー(管理職)にも挑戦していきたいと考えています。
個人として成果を出すことはもちろん大切ですが、組織全体に直接インパクトを与えられるレイヤーに進み、会社の成長にもっと大きく貢献できる存在になっていきたい。それが今の自分の正直な目標です」
そのために必要なものは何か。中島は常に自問しながら日々の業務に向き合っています。
「技術的なスキルだけでなく、プロジェクトを俯瞰して舵を取る力や、メンバーそれぞれの強みを引き出すような人との関わり方など、伸ばしていきたいことはまだたくさんあります。一歩一歩着実に経験を積み重ねながら、その理想の姿に近づいていきたいです」
その挑戦を支えているのが、会社の環境です。
「この会社は、挑戦を受け入れてもらえる環境であり、そのサポートもしっかりしてもらえる環境だと感じています。入社してまだ間もない若手の自分であっても、やりたいことや挑戦したい気持ちをきちんと受け止めてもらえる。それがこの会社で働く上での大きな魅力だと思っています。会社はこれからどんどん成長していく段階にあるので、自分自身も成長し続けながら、その成長の波に乗っていきたいと思っています」
最後に、就職活動中の方へ。とりわけ、自分と同じように理系の専門分野からIT業界への転換を考えている人へのメッセージを聞きました。
「色々な専門性を持った人が集まっているということは、それだけ多様な考え方があるということです。多様な考え方があるから、社会も会社も面白くなる。今の仕事では直接使わない知識もあるかもしれませんが、必ずその専門性が生きる瞬間は来ます。思いがけないところで役に立つものだと、実際に働く中で感じています。
だからこそ、専門性に縛られすぎず、選択肢を広げて自分の道を考えてみてください。
そして、自己成長の意識が強い方はもちろん、自分が得たものを周囲にもシェアして、みんなで一緒に成長していこうという気持ちを持っている方に、ぜひジョインしてほしいと思っています。そういう人たちと一緒に働くことで、この会社はもっと面白くなると、私は信じています」
化学で培った探究心を、ITの現場へ。中島の挑戦は、これからも続いていきます。
※ 記載内容は2026年8月時点のものです
