デジタルの力で顧客接点を革新。お客さま目線のDX実現に向けて
横浜銀行のデジタル戦略部は、非対面サービスの個人顧客向けアプリ「はまぎん365」をはじめとして、デジタル化やデータ利活用を通してお客さまへの利便性向上や体験価値の向上、行内業務改革を先導する部門。デジタル時代の変化に対応し、顧客ニーズに合わせたサービスを提供する役割を担っています。
「デジタル戦略部は、お客さまにより便利に当行を使っていただきたいという想いから2019年に新設されました。戦略企画グループ、マーケティング戦略室、決済ビジネス戦略室3グループで構成され、現在は100名程度が在籍しています。
そのうち、キャリア採用者数は3割強。他部に比べ多様なバックグラウンドを持つ行員同士が業界の常識にとらわれない取り組みを通じて先進的な雰囲気を作り出しています。
また全体の約7割が20~30代の行員で構成されており、若手も柔軟な発想と感性を活かして自由に意見を交換し合い、一丸となって常に新しい挑戦を続けています」
中でもマーケティング戦略室には40名以上が所属。デジタルマーケティング、リテール戦略企画、そして冨田が所属するダイレクトチャネル企画のグループに分かれて活動しています。
「ダイレクトチャネル企画グループは、当行アプリ『はまぎん365』の企画・開発・運用をはじめ、インターネットバンキングやウェブサイト関連の企画・運用、さらにはメルマガやSNSの運用など多岐にわたる業務を担っています」
所属するメンバーは、専門性の高い多様な人財が集まっていると冨田は話します。
「チーム構成としては、20代後半の若手メンバーも多く、高度な専門スキルを持つ人財としてキャリア採用も強化しています。現在はキャリア採用者の割合が半数程度、男女比は6:4と、多様な人財が活躍するバランスのいい組織になっています。
部内には困ったことがあればすぐに相談できる雰囲気があり、非常に仕事がしやすい環境です。
ただ、規模感のある組織の中でグループに分かれて専門性の高い仕事をしているため、これまでは隣のグループがどんな業務を行っているのか見えにくい部分もありました。グループ単位だけではなく、部全体として相乗効果が発揮できるよう、最近フリーアドレス制が導入され、業務の垣根を越えたコミュニケーションがいっそう活発になり、アイデア交換の促進や生産性が向上したように感じます」
内製化で理想のUXを実現。インハウスだからこその顧客理解と専門性で切り拓く新領域
ダイレクトチャネル企画グループの中でも、新たに結成されたUI/UXチーム(ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス)に参画している冨田。チームの成り立ちについてこう話します。
「大きな契機となったのが、個人のお客さま向け当行アプリである『はまぎん365』のリリースです。以前は、複数の銀行が共同で利用するアプリを使用していたのですが、当行のお客さまに特化したカスタマイズが難しい状況でした。
そこで、お客さまのニーズに応えるために『はまぎん365』を開発することになったのですが、当時は業務要件を具体的な画面要件に落とし込む能力が不足していたため、私たちが描く『当行のお客さまに最適なアプリ』のイメージを開発ベンダーに伝えることが難しく、アプリ開発に苦戦しました。
この経験から、当行のルールや文化、そしてお客さまを深く理解している行員がデザインを行うことで、よりお客さまにフィットしたサービスをスムーズに作り出せると考え、インハウスデザイナーを育成するためにUI/UXチームが結成されたのです」
冨田はチームの初期のメンバーとして、お客さまに最適なサービスを提供するために奮闘しています。
「UIデザインの部分では、たとえば『はまぎん365』に新しい機能を追加する際、開発チームのメンバーやプロダクトオーナーから業務要件をヒアリングし、デザイン制作ツールを使って画面デザインを作成しています。デザインの内製化を進めることで、イメージの齟齬を減らし、フィードバックを迅速に対応することで、開発にかかる時間を大幅に短縮できています。
また、UXデザインにも力を入れています。単に機能を追加するのではなく、『誰に・なにを・なんのために』といった目的を明確にし、本来のあるべき姿を業務要件や画面デザインに反映させているんです。これにより、お客さまにとって使い心地の良いアプリの実現をめざしています」
入行時は、デザイン未経験だったという冨田。業務の魅力についてこう語ります。
「デザインというと、絵を描くことをイメージされがちです。確かに、パワーポイントを装飾したり、バナーを作成したりする仕事もありますが、私たちに求められているのはそれだけではありません。
デザインの背景、ユーザー体験、そしてどのようなお客さまがどんな目的で使うのかといった前提条件をしっかり設定した上で、発注者と認識をすり合わせながらUXやUIを設計し、つくり上げていくことが大切なのです。
外注すれば美しいデザインや最新技術を簡単に取り入れることができますが、お客さまのニーズや行内ルールを深く理解した上でデザインできるのは、私たちだからこそ。そこにインハウスで取り組む価値があると考えています」
常識をくつがえす銀行アプリを。地域への恩返しの想いを込めて、全面内製化に挑む
冨田は現在、『はまぎん365』アプリにおける新機能の開発に携わっています。このプロジェクトは、体験設計から要件定義、画面デザイン、開発まで、すべてを内製化した初の取り組みです。
「すでにインターネットバンキングで提供している機能の一部であるため、基本的な導線は決まっていました。しかし、『本当にその導線がお客さまにとって使い心地が良いのか?』という点から再度整理を行い、最終的にアプリとして作り上げました。
初めての試みだったため手探りな部分も多く、開発が難航しましたが、関係者全員がおのおのの知識や経験を持ち寄り、開発に力を入れて取り組みました。
開発の終盤で考慮不足な点が見つかり、デザインを全面的に再考しなければならないというアクシデントが発生し、肝を冷やした瞬間もありました。しかし、関係者全員の尽力により、現在は開発と試験が無事進められています。
まもなくお客さまに新機能をお届けできる予定で、お客さまからの反応が今から非常に楽しみです」
行内で唯一画面デザインができる人財として、必然的にこのプロジェクトに関わることになった冨田。自身にとっても貴重な成長機会となりました。
「1年前は、プレゼンテーションソフトで画面のボタン配置を考える程度しかできませんでしたが、このプロジェクトを通じて多くを学び、業務の幅が広がりました。お客さまに提供するものなので、細部まで気を配るようになり、仕事の質も向上したと実感しています。
これまで『銀行がやる業務ではない』と考えられていたデザインの内製化に取り組んでいることは、当行にとっても大きな進歩だと感じています」
横浜銀行がめざすのは、従来の銀行アプリの常識を変えること。その一端を担う醍醐味について、冨田はこう話します。
「銀行アプリは通常、取引が必要なときにだけ開くものですが、その常識を変えようとする取り組みに強く共感しています。たとえば、地域の天気予報やクーポン情報なども提供することで、毎日利用されるようなアプリにしていきたいですね。
私たちが大切にしているのは、“地銀らしさ”。神奈川、東京という恵まれた環境で、当行をご利用くださっているお客さまへの恩返しとなるようなサービスや機能の開発に貢献していきたいです」
デザインの力で拓く銀行の新時代。より良い顧客体験をめざして
たしかな信念をもとに仕事に向き合う冨田。個人としての展望を、こう話します。
「当行では、女性が非常に働きやすい環境が整っていると感じています。産育休を取得する方も多く、復職後にはフレックスタイム制を上手に活用して活躍している先輩行員も数多くいらっしゃいます。
キャリアと家庭を両立するロールモデルとなるような先輩方に囲まれて日々仕事ができ、今後自身のプライベートに変化があってもキャリアの選択肢を狭めずに長くここで働けるという安心感があります」
また、インハウスデザイナーとして、描いている夢もあります。
「横浜銀行が提供するすべてのサービスにおいて、顧客体験を向上させ、お客さまに選ばれる銀行をめざしていきたいです。
現在は『はまぎん365』を中心に体験設計とデザインを担当していますが、今後はアプリにとどまらず、横浜銀行が提供するさまざまなサービスの体験とデザインを手がけ、銀行全体で一貫した体験を提供していきたいと考えています。
『横浜銀行といえば、これ』といったブランドイメージを確立することが、大きな目標です」
最後に、UI/UXチームが求める資質について語ります。
「当行におけるUI/UX業務は、前例のない取り組みであり、多くの施策実現に向けてチャレンジを重ねている真っ只中のため、携わる行員には成長意欲や自己研鑽が求められます。新しい取り組みだからこそ、先入観にとらわれることなく無限の可能性を自由に追求でき、非常にやりがいがある業務です。
必要なのは、探究心を持つこと。『なぜだろう?』と疑問を持つことができれば、そこから新たな発見や可能性が広がっていくはずです。共に当行のUI/UX業務の深化に挑戦していただける仲間との出会いを心待ちにしています」
デザインの力で、新たな価値を生み出すために、これからも冨田は顧客体験を軸にした変革に挑み続けます。
※ 記載内容は2025年1月時点のものです
