データを整え、活用し業務を効率化。お客さまと向き合う時間を増やすための静かな革命
2022年に発足したITソリューション部データマネジメントグループでは、データの整備と活用を担っています。グループ長を務める吉田が業務の概要を語ります。
吉田:当グループはデータウェアハウス(DWH)を企画・運営するデータマネジメントチームとそのデータの活用をサポートするデータ活用チームの2つに分かれています。データマネジメントチームではお客さま情報が自由に検索・閲覧できるシステムのインフラ整備を担当しており、データ活用チームではこれまで手作業などの非効率な業務や属人化していた作業を、データを用いて仕組み化・効率化しています。
グループメンバーは12人で、バックグラウンドもさまざまです。チームメンバーは5名で多くはキャリア採用者です。そのほか、システム的な知見を持つ外部ベンダーの方にも参画いただいています。
データマネジメントグループ発足の背景には、横浜銀行全体のデータ活用の歴史があります。
吉田:当行では2000年代より、入出金の履歴からお客さまに適したサービスをご提案するなど、データを活用したマーケティングに取り組んできました。一方でマーケティング以外の側面ではデータの活用があまり進んでいなかったので、より広い範囲で活用するためにデータマネジメントグループが発足しました。
また、2025年度からスタートした中期経営計画においては、重点戦略として「生産性向上」を掲げています。これまで紙や表計算ソフトで加工・集計している業務を効率化することで生産性を向上し、創出した時間を営業店の業務へ振り分け、お客さまと向き合う時間を増やすことが目的です。具体的には年間15万時間の業務量を削減しようと取り組みを進めています。
グループ長として吉田は、組織の運営やメンバー育成に従事しています。
吉田:私の役割は当グループの運営・管理です。私自身、システムベンダーを経てキャリア採用で入行し、当行で20年近く業務に携わってきた経験がありますので、ノウハウや知見をメンバーに伝えながらチームづくりに励んでいるところです。
異なる経歴のメンバーが抱える1つの使命。データで銀行の「当たり前」を塗り替える
次に各チームの取り組みについて、データマネジメントチームの芋川と鈴木に話を聞きました。
芋川:私は前職でデータアナリストとしてデータ分析に従事した後、2024年にキャリア採用で入行しました。前職でデータ整備の重要性を実感したことから、横浜銀行ではDWHにデータを収集する業務を主に担当しています。
現在DWHには、いわゆる「勘定系」と呼ばれる銀行の基幹業務システムのデータが入っていますが、スマートフォンアプリ「はまぎん365」などの非対面取引に関するデータなど、新たなデータを集約し、一元管理する業務に従事しています。そのため、セルフETLツールを導入し、データ提供までのリードタイムを90日から1日へと短縮したほか、開発を内製化することによりコスト削減を実現させました。
鈴木:私も2025年にキャリア採用で入行しました。前職も金融機関で、融資に関する業務に従事していましたが、その後システム部門に異動になり、そこでDWHの開発・保守・運用に携わってきました。
横浜銀行に入行後もDWHの更改・保守・運用を担ってきました。2026年1月にはDWHをクラウド化し、データ保存の無期限化や一部データのリアルタイム化などを実現しました。
また保守・運用としてデータを活用しているユーザーから「このデータってどういう意味ですか?」といった質問があった際には、調査をおこない迅速に回答することを心掛けています。おかしなデータが見つかった場合には、なぜそうなってしまったのか、上流システムに遡って原因を突き詰めていきます。
データ活用チームの鷲見は横浜銀行に新卒で入行しています。
鷲見:私は2021年に新卒入行し、支店で個人渉外や債務管理業務を経験してきました。2023年にデータマネジメントグループに異動し、まったく新しい業務に戸惑いながら、積極的に業務を理解できるよう努めました。
現在はデータ活用チームでデータの活用を通じて、さまざまな部署の業務効率化や生産性向上を推進しています。各部署から「こういった形で効率化したい」とご相談をいただいた場合、現場の業務を理解し、すり合わせしながら効率化の方法を検討していきます。目的やゴールを理解し、現場で働く担当者がより効率的な業務に取り組むためにはどうしたらいいか?を常に考え、支店での経験も活かしながら日々奮闘しています。
システムが動き続けることこそ私たちの成果。縁の下の力持ちとして銀行を支える
横浜銀行のデータ活用を陰で支えるメンバーたちが、今回の取り組みでとくに印象深かったことを語ります。
芋川:自ら企画したETLツールを導入したことがもっとも記憶に焼きついています。ETLツールを触るのは初めてでしたので、公式ドキュメントやWebで自ら調べ、試しては失敗し原因を追究する……というサイクルの繰り返しでした。しかし、周囲のメンバーのサポートもあり、無事に成し遂げられてホッとしています。
私たちは直接ユーザーと会話をする機会が少ないので、直接反響をいただくことはありません。しかし今回の取り組みによってかなり効率化が進んだという話を聞き、「やってよかった」と感じています。
鈴木:私はやはり2026年1月に完了したDWHの更改プロジェクトが印象深いですね。DWHは多くのシステムに利用されており、各システムとのデータ連携や各部署での集計業務の基盤となっています。そのため関連部署も多く、クラウド化において100人以上の関係者と議論を重ね、調整を進めてきました。入行して数か月で取り組んだプロジェクトなので、当行のことについてまだわからないこともありましたが、このプロジェクトを通じてさまざまな人と出会い、コネクションも広がったので、とても貴重な経験になったと思います。
私たちの仕事は決して表に出るものではありませんが、自分の関わったシステムが問題なく動いてユーザーの役に立っていることにやりがいを感じています。
鷲見:私は四半期に1度算定するLTV算出業務の効率化に取り組みました。LTVとは担保に対する貸出金額の割合を算出したもので、従来は完全に手作業で計算していました。これまで表計算ソフトや目検で判定していた情報をDWHに集約し、ETLツールを用いて自動で判定する仕組みなどを作り、効率化をはかりました。
このプロジェクトでとくに苦労したことは、専門性の高い業務を理解し、要件定義することです。マニュアル化されていないプロフェッショナルの知見を深掘りし、図式化しながら認識を合わせていきました。およそ1年かけて取り組み、最終的には年間で8割を超える業務量削減に至ったことが、私にとってもうれしい結果となりました。
データを活用できる人財を増やしていく。「エバンジェリスト」が広げる新しい文化
さまざまな取り組みを通じて、横浜銀行の生産性向上を推進してきたデータマネジメントグループ。さらなる躍進に向けて、吉田が意気込みを語ります。
吉田:今後力を入れていきたいのは、データを活用できる人財の育成です。一般の行員にもデータを活用して効率化できる手段を学習してもらいたいという思いから、「データエバンジェリスト認定制度」を開始しました。
この制度はデータの加工や集計、分析など、データを扱う基本的なスキルを習得し、データを活用した業務効率化や高度化できる人財を認定するものです。グループ会社である浜銀総合研究所の研究員が講師となり分析ツールの使い方などを教えています。認定を受けるためには実技検定に合格する必要があり、現在10人の行員がデータエバンジェリストとして認定されています。
今年度始めたばかりの取り組みですが、当初の想定よりも多くの部署から問い合わせを受けているため、より多くの行員に受講してもらい、認定者を増やしていきたいですね。
メンバーそれぞれも、明確な展望を持っています。
芋川:これからはよりユーザーから必要とされる存在を目指していきたいです。データの収集をおこなうだけでなく、「こんなデータを集めたら、効率化や分析に役立つのではないか?」とユーザーに提案するような関係性や文化を構築していきたいですね。
鈴木:私は前職での経験を踏まえ、お客さまと向き合う時間を増やすことの重要性をよく理解しています。そのため、これからもどんどん生産性の向上に取り組んでいきたいですね。来年度にも大きなシステムの更改が控えているので、引き続き大きなトラブルなく更改できるように頑張ります。
鷲見:私はキャリア採用で入行したメンバーと比較するとスキルが足りていない部分もありますが、今まで以上に研鑽を積んでより高い価値を出せるようにしていきたいです。またデータ活用チームはデータマネジメントチームと連携しながら各部署の方と活用を推進していける恵まれた立場にいるので、ITと業務部門の橋渡しを担っていきたいです。
「私たちは黒子のような存在だ」と笑いながらも、データ活用推進を力強く推し進めるデータマネジメントグループのメンバー。それぞれが描く未来に向けて、着実に歩みを進めています。
※ 記載内容は2026年3月時点のものです

