膨大な量のデータに基づいて学習させる生成AIや、ChatGPTのような基盤モデルは、すでにボッシュの研究開発や新たな技術開発、生産現場やオフィスでの業務効率化の場面で多くの恩恵をもたらしています。ボッシュは、多くのAI関連の特許を出願しており、欧州では主要なAI特許の出願企業のひとつになるなど、AI活用において業界をリードしています。
そうした場面で重要視しているのがデータサイエンスの知識です。データサイエンスは統計学、数学、AIなどの知識を組み合わせてデータの分析や解析を行い、価値ある情報や洞察を引き出す学問です。ボッシュ社内でも「データドリブン」に注目しており、AIとIoT(モノのインターネット化)を組み合わせることで、クルマの開発や製造現場やオフィスでの継続的な生産性の改善、安全で確実な運用などに活用しています。そうしたデータやAIの有効活用を促進するために、ボッシュ社内では研修や勉強会、有志によるコミュニティを通じて全社的に取り組んでいます。
日本のボッシュ・グループ内では、より多くの部門や従業員一人ひとりが活用できることをめざしています。全社でデータドリブンの戦略やAIによるDX推進に取り組むためには、広くデータサイエンスのコンピテンスを持った人材をできるだけ多く配置する必要があります。競合他社でも活用が進んでいる中、将来的に競争力を失うことなく前進し続けるために必要だと考えています。
有志によるAIデータサイエンスクラブの設立
そうした背景から2024年8月に「AIデータサイエンスクラブ」が有志の従業員による勉強会といった位置付けで設立されました。日本のボッシュ・グループの中のさまざまな事業部やグループ会社からの参加者が集まり、現在は28名構成となっています。
従業員が当クラブでデータサイエンスやAIのコンピテンスを習得し、得たノウハウや技術を自身の所属する組織で活用し、組織全体のデータサイエンスやAIのコンピテンスを底上げすることをめざしています。
実戦形式で学ぶ、データサイエンスクラブの活動内容
主な活動内容は、ボッシュ社内で企画されるデータサイエンス競技大会に参加し、実際のユースケースを通して実践形式で知識や経験を学ぶことです。また、Pythonでのコーディングやユースケースの共有など、データサイエンス分野に関連する自主学習セッションも開催しています。2024年には、ビークルモーション事業部/ビジネスデジタルオフィスが主催した競技大会「Bosch AI+ Competition」に参加し、大会内の2部門で1位、1部門で3位を獲得し、設立初年度より華々しい成果をあげることができました。
また、クラブ設立者の従業員はもともとプロのデータサイエンティストではありませんでした。パワーソリューション事業部の居合とモビリティアフターマーケット事業部の小林はクラブ設立以前より、業務と並行して独学でデータサイエンスを学び、同じように勉強している他の従業員とつながれるよう従業員有志でクラブを設立してからも日常的に熱心に得た知識を活用しています。
データ分析手法やアルゴリズムの活用方法などデータを効率的に活用できる方法を理解し、クラブの活動や社内の競技大会への参加を通すことで、本来の業務へ応用するための貴重な洞察を得ることができています。
さらなる実務への活用を促進する、今後の活動
当クラブは2025年以降も活動予定があり、従業員は誰でも参加できるように開かれています。今後もボッシュは、お客さまと従業員の双方のために、企業内のプロセスにとどまらず、社会のあらゆる分野に影響を与えるAIの活用を推進していきます。
