システム開発を通して現場を楽にする
──業務内容を教えてください。
私は、アルパインマニュファクチャリングのシステム開発課に所属しています。われわれの業務としては、工場内で生産時に使用するトレーサビリティシステムや間接業務の効率化を支援するシステムの作成を行っています。
また、スマートファクトリーの実現に向けてRFID(Radio Frequency Identification)の導入や、無人搬送車AGV(Automated Guided Vehicle)のシステム設計などの作成導入も担当しています。その中でも私の業務としては、システム開発の要件定義から設計プログラミング、テスト、運用、保守などを担当しています。
──仕事をする上で大切にしている価値観はありますか?
大きく二つあり、一つめは志を持つことです。われわれの会社は、製品を作って納めることで売上を上げていますが、実際にものを作っているのは生産現場の方々です。現場のスタッフが楽に生産できるようサポートすることが、私のミッションだと考えています。
二つめは、生産現場ということもあり現場・現物・現実という三現主義の考え方を大切にしています。昨今は、リモートでも業務ができる環境が整っている仕事も増えてきたと思いますが、現場で起こっている問題や、現場で作業する従業員の表情や動作など、現場に行ってみないとわからないこともあると思っています。なるべく足を運び、現場の様子を見て、人と触れ合うという価値を大切にしています。
地元に貢献する思いと海外へのあこがれ
──プライベートの過ごし方は?
サッカーJ2リーグのいわきFCを家族で応援しています。ホームゲームはもちろん、今のところ一番遠くでは山梨県まで応援にいきました。いわき市では、いわき踊りというイベントが夏に開催されるのですが、試合に勝利すると選手のみなさんとスタジアムのお客さんが一体になっていわき踊りを踊ります。それが、格別な時間でまた見たい・踊りたいと思い足を運んでいます。
今では、家族の会話も半分くらいがいわきFCについてです。会社内でも、いわきFC を応援している方が結構いるので、コミュニケーションのきっかけになっています。
──入社までのプロセスは?
大学では機械工学の専攻だったので、就職先として考えたのは工場の設備設計ができる生産技術職。そして、地元に貢献したいと思い、福島県に本社がある電気メーカーを探していました。
また、海外へのあこがれがあり、夢は渡米することでした。アルパインは海外にも工場を持っており、サウンド製品やカーナビの評判が良かったので応募しました。
──入社してから仕事の変遷は?
実習後、システム開発の部門を経てSMT(表面実装)の部門に入り、その後にチャンスがあったので自ら手を上げ、トレーニーとしてメキシコの工場に赴任しました。帰国後には、またSMT部門で係長を経験した後に今のシステム開発に所属しています。
現場で多くの経験を積むことができたので、それらの経験をベースに今の業務で改善策を考えています。
自分ひとりの仕事ではなく、一歩引いて見渡すこと
──忘れられない業務のエピソードはありますか?
トレーニーとして一年間海外勤務をしたことが一番印象に残っています。メキシコの工場では、日本人がいない部署の所属になったのですが、なかなかローカルメンバーに入り込めず、苦労しました。海外への憧れだけはあったのですが、やはり言語の壁を超えるところが大変でした。
幸いにも、現地の皆さんは良い方ばかりだったので、こちらの話すたどたどしい英語を、こんなことを言いたいのだろうと理解してくれていました。一緒に現地の料理や日本食のお弁当を食べる機会を作ったり、アニメの話をしたりして接点をつくるように心がけました。翻訳アプリも活用していましたが、言葉には苦労したので帰国した今も英語の勉強を続けています。
また、品質問題が発生した際には早急に解決する必要があったのですが、私が直接の上司ではない中でどのように現地メンバーに動いてもらうか苦労しました。なんとか解決することはできたのですが、そこには多くの学びがありました。もともとはエンジニアなので、自分のことだけに集中して視野が狭くなりがちだったのですが、一歩引いてチームやライン全体を見渡すことを意識できるようになりました。
──過去の経験から得た価値観はありますか?
何が正しいかを判断するためには、現場に行って確かめることが大事だと、経験を通してあらためて学びました。三現主義は進化を遂げ、今は基本的な規則や法則である原理、原則という二つの要素が追加された5ゲン主義という考え方が大切になっています。
問題が発生した際に、電話での確認だけでは推測の領域です。現地に行って現物を見て、物事の原理原則まで正しく理解しないと、本当の解決策にはつながらないと思っています。
現場の方からすると、よくわからないけどラインが動かないということがありますが、そこには必ず要因があります。再発を防ぐためには、動かなくなった原因と直ったきっかけそれぞれに対して正しい対処をする必要があり、わからないという状態をいかに減らすかにかかっています。
──システム設計の仕事の魅力、やりがいは何ですか?
現場に寄り添った改善と、工場の全部門に関連する改善をそれぞれ行っているので、生産現場はもちろん管理部門など他部門ともつながりをもって仕事をできることが魅力だと思っています。また、日々の業務の中で新たな知識を身につけていく必要があるため、自分の成長にもつながります。
試行錯誤しながらも成果を生み出すことができ、「ありがとう」と感謝の言葉をもらえることが一番のやりがいですね。
自ら考えて行動し、次につなげるということ
──今後のビジョンはありますか?
今は、まだ技術に限られたところがあるので、今後は領域を広げ、より現場に寄り添ったシステムを提供していきたいです。そのために、スマートファクトリーという領域をカバーできるところまでスキルを身につけていきたいと考えています。
また、ゆくゆくはマネジメントを経験したいと思っています。自分だけで解決しようと思わず、一歩引くこともマネジメントとして必要なスキルだと思い意識しています。突き詰めていくと、マネジメントはメンバーとのコミュニケーションに尽きると思うので、対話を大事にしつつ業績につなげていきたいです。
──読者へのメッセージはありますか?
まずは、何事も行動に移すことが重要だと考えています。われわれは、事業活動をしているので成果を出していく必要がありますが、行動に移さなければ何も始まりません。
「百聞は一見にしかず」という言葉がありますが、「百見は一考にしかず、百考は一行にしかず」という続きがあります。じつは、さらに続きがあるのですが、これから働き始める若い皆さんには、少なくともまずは自ら考えて動いて次につなげるということを意識してほしいと思います。
※ 記載内容は2024年4月時点のものです
