今日できる最善をつくす──法務パーソンとして研鑽を積む日々
──現在の仕事について教えてください。
法務部では、メンバーそれぞれが担当部署を抱えています。私は資材部や品質保証部、車載ディスプレイ、オーディオ製品の開発・設計部門などを担当しています。メインとなる業務は契約審査であり、また企業間のトラブルにも対応します。
たとえば、当社と取引先との売買契約や秘密保持契約などを審査しています。納入遅延が起きた場合には、契約に基づき取引先へ損害の請求など解決に向けて対応します。企業間のトラブルの事例として、取引先の工場が閉鎖した場合の対応があります。別工場から代替品を調達し、顧客の承認を得て、製品へ適用させるための費用を請求したりします。このように、ビジネスの随所に法務の役目があります。
法務のおもしろいところは、身につけたことが結果として如実に表れることです。とはいえ勉強する範囲が広く、終わりがないので大変です。製品の知識をつけたり、顧客について調査したり、関連する法律の勉強をしたりします。苦労も多いですが、揃えた材料を使い、顧客との交渉で契約を締結できたときには1番のやりがいを感じます。
法務部の雰囲気も良いと思います。上長も仕事に対してストイックですし、何よりメンバーみんなが仕事を好きなように感じます。メンバーには弁護士資格を持った従業員もおり、切磋琢磨しています。部のあるべき姿として「常にプロフェッショナルであること。そのために日々研鑽を積み、今日できる最善をつくすこと」があります。やはり少しでも自己研鑽を怠ると、結果に表れてしまいます。
日々の研鑽が結果に表れる例として、英文契約の審査があります。審査に必要な用語や法律知識を知っているかどうかで、正確さと速さが変わります。私も人なので、時にはサボりたくなる時もあります(笑)。ただ優秀な後輩が次々と入ってくるので、油断はできませんね。
他社の法務との関わりもあります。法務の勉強会で、小売りや建設、金融業界などの法務の方とお話する機会があります。業界がまったく違っても、ガバナンスなどの株主総会対応や法改正では勉強できることがあります。刺激を受けられる良い機会です。
幅広い業務に関わるために決意した転職。新天地でかなえた理想の働き方
──入社の経緯について教えてください。
もともと企業法務に興味があったので、私は大学と大学院で法律を勉強していました。当時熱心に勉強していた内容は今も活きています。
学生時代は中国企業の法務に興味を持っていました。当時の中国は2008年北京オリンピックが開催していた時で、経済的に勢いがあったからです。そのことを実感したのが中国の大学を訪れたときの経験です。
大学時代に、北京と山東省の大学にて開催された日中の法学交流シンポジウムに参加する機会がありました。そこで現地の学生らが熱心に法律や語学を勉強している姿に衝撃を覚えました。「これだけ勉強するからこそ、ビジネスでも成長するわけだ」と刺激を受けました。その経験もあって中国やアジアとのビジネスにさらに興味を持つようになりました。
大学院修了後に飼料メーカーの法務としてキャリアを始めました。しかし業務と地域の幅を広げたいと思い、転職を決意。そんな中で求人の募集を見つけたのが、旧アルプス電気です。当時から多種多様な製品を製造し、海外拠点を多く持っていました。私がやりたいことを果たせると思い、中途で入社しました。
──入社して感じたアルプスアルパインの魅力について教えてください。
今思っても、当社に入社して良かったと思います。部品・材料を買う、他社と共同開発をする、ライセンスを得る、製品を売る……などなど。これらのすべてに法務として関わることができるので、多くの経験を積むことができます。また法務部のメンバーは少数なので、幅広く業務を担当することができます。知らないこと・やったことのないことを経験できるので、やりがいを感じています。
海外との関わりも盛んで、担当する契約のおよそ半数は英文契約です。主に私はインドの現地法人や合弁会社を担当しています。それらが絡む契約では、インドの法制度についても押さえておく必要があります。自分たちだけでは難しい部分があるので、現地の法律事務所に力を借りることもあります。その法律事務所とは日本で食事に行ったりするほど、良い関係を築いていますね。
これまでの経験で得た自身のスキルとやりがい。素早さと正確さを掲げて臨む法務
──やりがいを感じたエピソードを教えてください。
私がやりがいを感じたのは、インドの現地法人が出資する合弁会社の設立に携わったことです。プロジェクトチームの一員として関係会社間の契約条件の取りまとめをしたり、技術援助をする見返りの報酬額を決めたり。交渉材料を用意して、策を講じました。
しかし、交渉は難航。現地で合弁契約を提示しても、相手方になかなか飲み込んでもらえませんでした。そのため、あの手この手を使い交渉しました。他社の事例を法律事務所に確認したり、当社のグループ会社の事例を提示してみたり。泥臭い仕事だっただけに、契約を締結できた時にはやりがいを感じました。
他社との共同事業を発足する場合、他部署とのチームを組むことが多いです。その中で例を挙げると、私は法務として、独占禁止法上事業を始めることに問題がないか確認したりします。もちろんプロジェクトが成功するだけでなく、途中でやむなくボツになることもありました。しかし、その過程で試行錯誤した経験は今に活きていると思いますね。
──仕事で大切にしていることを教えてください。
素早さと正確さを大切にしています。ある問題が起きたときに、必要な知識の整理、取るべきアクションの選択、結果の検証、そして結論を出し助言すること。これらをいかに素早く正確に澱みなく行えるかが、法務パーソンとして試されます。
そして相手の要望や事情を不足なく、ヒアリングすることも大切にしています。もちろん日々研鑽を積み、問題解決に必要な原理・原則を抑えるのは重要です。しかしそれだけでは不十分です。相手の状況も考えた上で提案することを心がけています。
またその上で相手にわかりやすく伝えることも重要です。法律の専門用語を嚙み砕いて、説明する力が必要とされます。これらのことから、聞く力と伝える力を大切にしています。
得意領域を伸ばして誰かに学んでもらえる存在に
──今後の目標について教えてください。
法務パーソンとしてのスキルを伸ばし、自分の売り物を作りたいと考えます。現在はインドの現地法人と購買に関わる法律問題が私の得意領域です。それらをより突き詰めていきたいですね。
そして、調整能力やマネジメント能力を身につけ、チームにも貢献したいです。現在後輩社員の指導員も担当しています。後輩は私の姿勢を見ていると思いますし、常に恥ずかしくない姿でいたいですね。私も他人から学びたいですし、また他人に学んでもらえるような人になれるよう尽力します。
また、今後も家庭と仕事をうまく両立していきたいと思います。毎日時間が限られているので、やはり大変に思うことは多々あります。泣き叫ぶ子どもをなんとか保育園に送って、急いで会社に駆け込んだりすることも……。子どもの送り迎えに間に合うよう当社のフレックス制度を活用するなど工夫しています。
休日は家族と自然を感じることができる場所へ遊びにいくことが多いです。山を求めて長野に行ったり、海を求めて神奈川の湘南まで行ったり。普段仕事ではオフィスで働くことが多いので、自然に触れることで気分転換になっています。ハイキングをしたりして、家族とも過ごせる貴重な時間になっています。子どもも体を動かして、楽しんでいます。
家庭と仕事の両立をめざすようになってから、効率を上げることをより意識するようになりましたね。引き続き業務の効率化を図りながら、両立に努めていきます。
※ 記載内容は2024年3月時点のものです
