信頼性評価をなくして製品はお客様に届けられない
──現在の業務を教えてください。
部署名の変更はあるものの、入社以来、信頼性保証部に所属しています。当社には品質関連の部門がいくつかありますが、私が所属している部門では主に量産される前段階の製品を対象に信頼性試験と言われる製品の耐久性や性能の検証を計画的に実施しながら当社製品の品質を担保していくことが求められています。
私はその中で必要となってくる比較的大型の試験設備の導入と保守管理を行うチームでチームリーダーを務めており、メンバーのそれぞれの業務について調整や方向性を示しながら業務にあたっています。
私のチームで現在とくに力を入れていることは、扱っている試験設備に対する故障予防のためのメンテナンスガイドラインの構築です。
製品の種類によりますが、車載系の製品の場合、高温の環境下で数千時間置いておいたときに問題が発生しないか、振動を継続的に加えた後でも機能に影響がないかといったさまざまな試験項目をクリアしない限り、お客様に提供できないことになっています。その試験で使用する高温槽、振動試験機といった設備は非常に高額かつ、一点ものであることが多いです。
そのため仮に故障した場合は、大きなコストと再び試験ができる状態まで復旧させることに長いリードタイムが必要になってしまいます。もちろん試験設備は一つだけではありません。
本当に不測の事態が発生するようなことがあれば外部の評価施設を使用するため、お客様へご迷惑がかかる事態は避けられる体制にはなっていますが、異常費用が発生することで会社の経営に悪影響を及ぼします。それから、試験設備も機械ですから、経年劣化によって故障する可能性はどうしても出てきてしまいますね。
そういったことに対していかに長く試験設備を使っていけるようにするか、故障するタイミングを予期して計画的に修理保全ができないかの観点から設備運用マニュアルを定めています。また、「設備にこういう状態が発生した場合は該当部品を取り換える」というように、壊れてから対応するのではなく、壊れる前にアクションを取り、異常費用を抑制しようと取り組んでいます。
自身の気持ちを大事にし、車載製品に携わる道へ
──入社前から現在に至るまでをお聞かせください。
学生時代は情報工学を専攻しており、ひたすらコードを書いてプログラムを作るような日々でした。また車が好きだったので、日常的に車いじりをしながら友人とドライブしていましたね。
私が入社したきっかけは、車が好きだったという部分が大きい一方で、当時はアルパインについて詳しく知っていたわけではなかったんです。たまにカーオーディオで見て名前をなんとなく知っているくらいの状態でした。
大学では情報工学を専攻していましたが、途中でプログラミングの世界への熱が冷めてしまって専攻と直結するIT企業には進まず、自身の好きな車に関われることを優先して応募した結果、統合前のアルパインへの入社を決めました。
入社後は現在の部署に配属され、国内自動車会社向けオーディオ製品の信頼性評価担当を8年ほど担当し、その後同様に、欧州系自動車会社向けディスプレイ製品の担当を5年ほど経験しました。
自動車会社向けのモデルに携われたことは車載関連ビジネスを知る上で非常に良い勉強になったと思います。一担当として担当製品の信頼性を担保する試験を毎日繰り返している日々でした。それまで何気なく使っているような製品も、厳しい試験を乗り越えないとそもそも車に搭載してもらえないのだなと身に染みて感じましたね。
環境へ貢献する活動がしたい、入社してから芽生えた想い
──入社してから、とくに印象深い経験はありましたか?
品質関連の業務からは少し離れますが、2019年から2022年まで業務と並行して労働委員会という従業員の代表組織の担当地区執行役員を務めていました。そのポジションに就任したきっかけは上長からの声掛けでした。その活動の中で一番強く印象に残っているのが、私が企画した海岸清掃活動のことです。
入社した当時は、品質部門が主管となって環境ISOという企業としての環境関連マネジメントシステムの構築を行っていました。入社後に聞いた部署の業務説明で強く興味が湧いたんです。
そこで環境関連の仕事に携わりたくなった私は、希望通りに品質部門へ配属されました。そこで信頼性評価に関連する業務としての経験は積めたものの、環境関連の仕事に関わりたいという願いが叶っていなかったんです。
プライベートで地域の清掃やゴミ拾いをするボランティア団体に参加して、環境に関連する活動に関わっていましたが、やはり会社の中でも何かできる機会はないかなと思い続けていたんです。
上長からの声掛けもあり、品質部門としての仕事の枠からは離れたものではありましたが、労働委員会の活動に加わりました。具体的には、清掃候補地の決定から始まり、清掃活動への参加者の募集、清掃先となった福島県いわき市の新舞子海岸の下見や自治体への必要書類の提出などです。それまでまったく経験していなかった分、苦労が多くあったものの、ずっと長い間やりたいと思っていた願いが叶ったこともあり、かなりの達成感を得られました。
大きな課題だとしてもコツコツと。いつか良い方向へ
──今後は、どのような存在になっていきたいかをお聞かせください。
私自身は今のチームリーダーとしての立場による考えもありますが、何かにつまずいているメンバーや同僚がいた際にアドバイスできるような存在でいられるように努めていきたいと思っています。
私自身、担当業務をこなせるようになるまでとても時間がかかりましたし、社会人としてきちんとやっていけているなという感覚が出てきたのも入社して10年以上経ってからです。
人それぞれ状況は違うとは思いますが、会社で仕事をする以上はプレッシャーが少し大きい案件を担当する機会のある方もかなりいらっしゃると思います。私もそういう時代を経てきましたが、その当時を思い返すと解決しなくてはいけない課題が多く、先を考えると本当に物事が解決しきれるのかと不安に押しつぶされそうになったときもありました。それでも優先順位を決めた上で、毎日の短期目標を定めて取り組んでいたら、なんとかここまで無事たどり着くことができました。
私のような者でもなんとかやってこれるものだよと感じていただければ幸いです。この記事を読んで何か課題に行き詰っている方に少しでも勇気を与えられればうれしいですね。
今後も自身の経験や価値観を踏まえて、周りで悩んでいる社員がいたら助けていけたらと思っています。ただしその中でも、相手にとって意味のあるサポートにはしたいと思っています。何かの課題や問題に対して困っていたとして私が改善や解決策を考える事は出来ると思うのですが、誰かから与えられた改善は続かないと思っているので、その点は留意しながら周りを助けていきたいですね。
これまでを振り返ると、毎日頑張って壁を越えていたら、いつの間にか自身のやりたいことにも携わらせてもらえていましたし、それらの経験を通して大事な人間関係のつながりも作る事が出来ました。実はそこでのつながりから、私の大好きなダーツをする同好会を立ち上げて活動もできたりしています。仕事をコツコツとやって、プライベートも充実して人生が豊かになっていると感じますね。
頑張り続けることが、自分の道をつくっていくんだと思います。だからこそどんな課題にも誠心誠意向き合って、これからも歩んでいきたいですね。
※ 記載内容は2023年7月時点のものです
