測量業界へのきっかけと1年目の活動事例
私が測量業界を知ったのは、土木科の高校で土木測量を学んだ際に、日々歩いている道路や橋梁などの計測や設計を知る中で、測量が私たちの生活を支えており、身近な存在であると感じたことがきっかけである。橋梁や土木施工などを中心に学び、多くの人が卒業後は民間の土木会社に就職する中で、私は土木測量を通じてGNSS(全地球測位システム)やドローンなどの最新のリモートセンシングを用いた測量に興味を持ち、測量の専門学校へ進学を決めた。測量の専門学校である中央工学校の測量科、地理空間情報科にそれぞれ1年ずつ通い、測量士の資格を取得するために学業に励んだ。そして就職活動を通じて、航空機を使用して画像や点群データを取得する測量があることを知り、測量業界の最先端の技術を扱うことができるのではと思い、アジア航測株式会社の撮影部に就職を決意した。
2024年にアジア航測株式会社に新卒入社し、現在撮影部で航空測量業務に従事している。入社1年目は、TerrainMapper-2という航空レーザ機材のオペレーションを担当し、業務を進める中で多くの学びを得ることができた。1年間のフライト時間は284時間に及び、47件の撮影作業を担当し、合計で73フライトを実施した。数多くのフライトにより、実践的な経験を積むことができ、測量業務の流れや注意点を理解することができた。また、様々な撮影作業に対応する中で、各現場の特性に応じた柔軟な対応力も身につけることができた。
特に成長を感じたのは、コミュニケーション能力と作業計画能力、状況判断能力である。上空ではパイロットと撮影士の二名で作業を進めるため、安全に業務を遂行するためのコミュニケーションへの意識が向上した。例えば、フライト前の打ち合わせでは、作業地区の障害物や撮影作業ごとの注意事項を共有することが安全上不可欠であり、円滑なコミュニケーションが安全な作業につながることを実感した。また、繁忙期には同時に複数の撮影作業を担当することもあり、事前に天候や撮影条件、空域などを考慮して綿密な作業計画を立案した。綿密な準備をすることで、急遽予定が変更された場合でも冷静に対応することができた。具体的には、繁忙期に10件ほどの撮影作業を同時に対応することがあったが、あらかじめ立てた計画に基づき、天候判断を行い、複数の候補から最適な作業を選んで実施することができた。繁忙期の経験を糧に、これからも積極的に挑戦を続け、新たな糧を築きたい。
災害対応による意識変化
はじめて対応した災害対応は、2024年9月21日から23日にかけて発生した能登豪雨による土砂崩れなどの状況を取得するレーザ計測であった。この豪雨災害は9月20日頃から停滞した前線、その後発生した低気圧や前線、熱帯低気圧による影響で大気の状態が非常に不安定となり、22日頃にかけて全国的に広い範囲で大雨が発生した。記録的な豪雨により、河川の増水や氾濫、土砂災害、暴風、冠水などによる甚大な被害が発生したため、発注者からの依頼を受け、計測を実施することになった。独り立ちをした直後であったため、焦りや不安を抱えながらではあったが、上司・先輩のサポートを受けて円滑に作業を進めることができた。フライトを進める中で実際の被害現場を直接見ることで業務の重要性や、自分の仕事が多くの人のためになると意識するようになり、求められる成果の精度に、より一層着目した作業を心がけ、自身のモチベーション向上に繋がった。
2年目の目標
撮影士は、天候に大きく左右される特殊な労働環境である。全国各地での撮影業務を遂行するため、休日でも天候に応じて出勤し、前日移動や深夜帰宅といった過酷な業務である。現在、環境改善に向けて、若手社員を中心に、休日出勤や深夜移動の軽減を目的とした意見交換が行われており、効率化と業務環境改善に取り組んでいる。
私自身は撮影士として2年目を迎え、新たな機材の習得や後輩の育成といった取り組みに挑戦している。機材の習得には、1年目の経験が活かされており、順調に進んでいるが、後輩の育成には戸惑いを感じている。初めての後輩を育成する中で、どのように育成すればわかりやすく、記憶に残りやすいかを模索している。私自身の成長とともに、後輩が自信を持って業務に取り組めるようサポートすることが、今後の大きな課題と感じている。これらの経験を通じて、より良い働き方を実現し、チーム全体の意識の向上に貢献したい。
(2025年6月寄稿)
略歴
望月 優希 (Mochizuki Yuuki)
アジア航測株式会社 空間情報技術センター 撮影部 八尾撮影課
中央工学校測量科卒業後、地理空間情報科に内部進学。
2024年アジア航測株式会社入社し、撮影部に配属。航空機を使用した航空測量に従事し、現在に至る。
