アジア航測グループの測量技術の粋を集め、お城ファンを唸らせる展示を作る
「お城EXPO」は、城郭文化の振興と発展、そして城郭愛好家の交流を目的に毎年開催されている、日本最大級のお城のイベントです。
國友:一言で言えば「お城ファンが集まるお城のお祭り」です。小さなお子さまからご年配の方まで、幅広い層の方が訪れ、各地域の城郭ブースを巡って楽しんでいます。
福岡:来場する方の熱量や知識量がものすごいんです。展示する側の私たちも、プロとして負けられないという良い緊張感がありますね。
アジア航測グループは、各社が全国各地で石垣の修復工事や自治体にあるお城の調査業務を行っています。中でも今回集まった3社は、文化財関係の測量技術に長けているんです。それぞれの得意分野や強みを活かして、昨年初めて、アジア航測と共に共同出展しました。
2024年は、アジア航測の山城の「赤色立体地図」の模型展示をはじめ、各社の強みを活かしてお城計測・可視化技術の魅力を紹介。2025年はさらにブラッシュアップした企画を投入します。
國友:ジオテクノ関西では昨年、洲本城の点群データを使ったVR展示を行い、お城散歩を楽しんでもらいました。今年はさらに進化させ、3Dプリンターで出力した地形模型に、プロジェクションマッピングのような演出を加える計画を練っています。
当社の強みは「取得したデータをどう活用するか」という提案の幅広さ。計測データが持つ可能性や多様な活用例を感じてほしいですね。
福岡:タックエンジニアリングは、赤と青の眼鏡で立体視できる「CVESmap」という特許技術を持っています。昨年は、盛岡城の石垣が飛び出して見える3D立体地図を展示しました。
今年は、微地形まで鮮明に表現できるCVESmapの強みを活かし、地形から当時の軍の配置や戦況の流れを読み解ける古戦場マップを制作中です。
岡川:四航コンサルタントは、長年培ってきた測量技術を活かし、主に西日本の自治体と協力してお城を守る仕事を行っています。昨年は「石垣カルテ」という業務をテーマに、石垣を守るためにどのような測量技術が使われているのか、ポスター形式で展示を行いました。
今年も石垣カルテの展示をはじめ、私たちの実績や技術を知ってもらえる内容にしたいと考えています。
歴史愛に都市デザイン。三者三様の背景を持つプロが、お城EXPOにかける情熱
それぞれの会社を代表して、お城EXPOの出展業務を担う3人。普段の仕事にも、プロフェッショナルとしての誇りと情熱を持って向き合っています。
國友:幼い頃、父の影響で歴史のおもしろさに目覚め、大学でも専攻しました。前職は別業界でしたが、やはり歴史の知識を活かした仕事がしたいとジオテクノ関西に転職しました。現在は営業として、大阪府・兵庫県の自治体のお客さまに対して、文化財の遺跡調査などの課題を当社の技術でどう解決できるかを提案しています。
福岡:学生時代は工業デザインや3Dモデルを学び、都市デザインや街づくりへの興味からタックエンジニアリングに入社しました。以来ずっとドローンや3次元測量をメインで担当しています。広いデザイン領域の中で、私は、ゼロから何かを生み出すよりも、今あるものをより良くすることに魅力を感じるタイプ。地図を更新する仕事はまさにその典型で、日々おもしろさを実感しています。
岡川:戦国武将への憧れから、私も國友さんと同じように歴史好きになりました。さらに、高校の恩師が発掘調査の専門家だった影響で大学は文化財学科に進学。卒業後は県外で就職しましたが、地元・四国で働きたいと四航コンサルタントに転職し、文化財の石垣調査やレーザー計測などに従事しています。
そんな中で、2024年にお城EXPOを担当することになった経緯もさまざまです。
國友:昨年展示したVRは私が営業として受注した案件だったことから、担当に任命されました。私自身もお城が好きなので嬉しかったですね。通常業務との両立には工夫が必要でしたが、もう1人の担当者と連携しながら準備を進め、形になった時は大きな達成感がありました。
今年も担当することになり、せっかくなら新しい技術を見せたいと、準備に熱を入れているところです。
福岡:もともと盛岡城の修復工事に伴う調査を7~8年ほど担当していたため、現場について語れる上司と私の2人が担当することになりました。ただ実は、盛岡を含め東北地方は現存するお城があまり多くありません。参加するからにはおもしろい展示を、と悩んだ末、私が一番熱量を持って語れる「石垣」をテーマに決めました。
東北の12月は雪が降る直前で現場作業も佳境を迎える時期ですが、社内の仲間の協力のもと、今年も準備を進めています。岡川さんはどうですか?
岡川:私は、社内で担当者を決めている場に偶然通りかかり、「やってみる?」と声をかけられたのがきっかけです(笑)。当時はまだ入社1年ほどでしたが、「全国のお城を担当している企業や自治体の方と知り合えるチャンスだ」と挑戦することに。石垣カルテやレーザー測量などの専門的な内容について、来場者の方にきちんと説明できるよう、必死に勉強しましたね。
今年は、私が担当しているお城の自治体も出展します。せっかくなので、実際の現地の写真を展示するなど、お互い相乗効果を生むようなアピールをしたいと企画中です。
距離を超えて、現場の悩みを共有し生まれる絆が、グループのシナジーを生む
兵庫県、岩手県、香川県と遠く離れた場所で働く3人にとって、お城EXPOは距離を超えて結束を深める貴重な機会となっています。グループ会社が協力して共同出展する醍醐味をこう語ります。
國友:普段はオンラインでのコミュニケーションが中心なので、直接顔を合わせてお互いの仕事や技術について情報交換できるのは嬉しいですよね。
福岡:そうですね。私はとくに、お城の事例が豊富な西日本の皆さんに「こういう時、どうしていますか?」と現場の悩みを相談できるのがありがたいです。質問をたくさん用意してイベントに臨み、答え合わせをするのが楽しみの1つになっています。
逆に、当社のCVESmapを見たアジア航測の営業担当の方が「お客さまに提案したいから持ち帰っていい?」と声をかけてくれたことも。グループ内に自社の技術を宣伝でき、営業ツールとして活用してもらえるのは、共同出展ならではの成果だと思います。
岡川:仕事の連携はもちろんですが、私はグループの皆さんと交流できるオフの時間も大きな楽しみです。食事に行く時は、あえて仕事の話は2割くらいに抑え、残りはたわいもない話で盛り上がります。
福岡:毎年6月に、グループ会社各社の技術を発表する「アジア航測グループ会社技術・営業交流会」が開催されるのですが、ちょうど昨年、3人とも参加していたんですよね。「あの会社のあの発表、おもしろかったな」と密かにリスペクトし合っていたので、お城EXPO担当として会った時も「やっぱり来たか!」という感じで(笑)。すぐに意気投合しましたね。
國友:同じような仕事をしているからこそ、「この業務のここが難しいよね」と苦労や悩みがわかるんですよね。
福岡:同志として、お互い惹かれ合いましたね(笑)。私は、昨年のイベント会場で、私がおすすめしたTシャツを、岡川さんと、國友さんの同僚の方が着てくれたことも記憶に残っています。
岡川:あれは楽しかったですね。お祭り気分を盛り上げようと着たら、2人でおそろいになりました(笑)。
こうしてイベントの現場で築いたグループ間の絆は、業務上のシナジーも生み出しています。
國友:タックエンジニアリングさんのCVESmapの見やすさには感動しました。「博物館の展示で悩んでいるお客さまに提案できる!」と営業のヒントをもらいましたね。四航コンサルタントさんの石垣カルテの展示も、当社で担当する業務の先行事例として勉強になりました。
福岡:お客さまに3Dモデルを納品する時、コストと精度のバランスに悩むことも多くて……。イベントでアジア航測さんが依頼している模型製作会社の方を紹介してもらったことで、提案の幅が広がりました。
会場でしか得られない熱気と交流が未来につながる。測量技術のさらなる高みをめざして
他社の展示や来場者の声から学びを得て、自社の技術開発や提案にフィードバックするという、新たな成長のサイクルが生まれているお城EXPO。2025年の出展に向けて、3人は意気込みを語ります。
國友:今年も、皆さんが持ち寄る新しい技術をすべて吸収して帰りたいですね。それを自身の営業活動の糧にできたら嬉しいです。
福岡:会場には熱心な来場者が多く、こちらが勉強させてもらうことも多くあります。今年はいっそう知識を深めて臨み、グループや当社の知見を積極的にアピールしたいですね。
岡川:他社のグッズや展示を参考に、石垣の測量データのさらなる活用方法を考えたいと思っています。最近はVRやARの仕事も増えてきているので、そこにも活かしていきたいです。
最後に、アジア航測グループの未来のお城EXPO担当者へ向けて、3人はそろって前向きなエールを送ります。
國友:イベントをみんなで作り上げる過程には文化祭のような楽しさがあります。準備は大変ですが、大人になってもこういうワクワク感を味わえるのは貴重な経験です。さらに学びも得られ、交流もできる。ぜひポジティブに楽しんでほしいですね。
福岡:会場でしか得られない熱量や、そこで生まれる交流の輪は何物にも代えがたい財産になります。さまざまな人とつながる醍醐味を感じられるので、積極的に手を挙げてほしいなと思います。
岡川:グループの皆さんと仲良くなれたり、横浜という普段訪れる機会のない場所に行けたりと魅力はたくさんあります。何より、ほら貝が鳴り響いてイベントが開幕する瞬間の熱気を味わえば、お城や文化財がもっと好きになるはずです。この非日常感をぜひ体験してください。
技術と熱意、そして仲間との絆。お城EXPOの出展を通して、アジア航測グループはこれからも測量技術の可能性を広げていきます。
※ 記載内容は2025年12月時点のものです
