新たな価値を生み出すおもしろさ。地上と海で進む、ロボットの社会実装への道
アジア航測の新規事業創造本部には、既存事業とのシナジーを図りつつ、新しいプロジェクトを事業化するミッションを担う「ビジネス開発部」があります。現在、同部ロボットSI室では「ロボットSIサービス」の事業化に向けて、2人の社員が奮闘しています。
中野:ロボットSIとは、ロボットとさまざまな技術を組み合わせ、現場ニーズに合わせて導入する仕事です。アジア航測でロボットをやると言うと驚かれることもあるのですが、当社が計測のために培ってきた空間情報技術はロボットにとっても重要な技術であり、高度な空間情報技術とロボットを組み合わせたソリューションを提供するロボットSIサービスを目指して取り組んでいます。
鎌田:私と中野さんは担当が分かれていて、私が海に関するロボット、中野さんが地上のロボットを担当しています。
アジア航測は「海」の事業も手がけていて、既存事業とのつながりも深いと鎌田は言います。
鎌田:社内には環境調査や海地図の作成などで海に関わる部署があります。そこに水上ロボットを活用できないかと考えています。今はまだ、実際に事業になりそうか調査している段階で、需要がありそうな企業の方に「どんな課題がありますか?」とヒアリングを重ねたり、開発方法について外部の企業の方と話をしたりしています。
一方、中野が取り組むのは、より具体的な実装フェーズにある地上の点検ロボットです。
中野:私は主に、下水処理場などの施設を点検するロボットの開発と、それをソリューションとしてお客さまに提供していくための事業立ち上げを行っています。作業服とヘルメットを被って現場に入ることもあれば、自治体や民間企業のお客さまのもとへご提案に伺うこともあります。開発にご協力いただいている企業さまと、どんなロボットにするか要件を詰めることも重要な仕事です。
2人が取り組むのは、これまで人の力に頼ってきた現場の業務を、ロボットで革新する挑戦。その背景には、人口減少による深刻な人手不足という社会課題があります。前例のない挑戦を続ける2人にとって、モチベーションの源泉はどこにあるのでしょうか。
鎌田:私はもともと、転職活動の時から「新規事業がやりたい」という強い希望がありました。正解がない状態から、自分の頭で「ああでもない、こうでもない」と考え、少しずつ形にしていく過程が楽しいです。性格的にも、決まったことを繰り返すより、毎日違う壁にぶつかりながら進んでいく方が合っていると思います。
中野:私はシンプルに、仕事が大好きなんです(笑)。企画を構想して形にしていくプロセスがとくに好きですね。新規事業は、企画も営業も、本来なら別部署がやるような仕事を全部一気にやります。仕事好きな人間としては、全部できるので「お得だな」と思いながら、楽しんで取り組んでいます。
大学での研究、そして物流業界から。異色の2人がアジア航測にたどり着くまで
新規事業のおもしろさに魅了されている2人ですが、その経歴は個性に溢れています。
鎌田:高校は音楽コースでピアノを弾いていましたが、大学ではポルトガル語を専攻しました。卒業後は語学を活かしたいと思い、物流の会社に入社して、国際航空貨物の輸入通関の仕事をしていました。
定められた手順で正確さが求められる通関業務にやりがいを感じつつも、鎌田は自身の新たな可能性に気づきます。
鎌田:前職で若手中心のプロジェクトに参加し、「プチ新規事業」のような経験をしました。それがすごく楽しくて。「0から考えるのが得意で向いてるね」と周りから評価してもらえたこともあり、本格的に新規事業ができる会社へ転職しようと決意しました。
そんな中で受けたアジア航測の面接で、面接官を務めていたのが今の上長でした。「会社の事業にとらわれず、いろんなことに挑戦したい」という私の気持ちに、すごくポジティブな反応をしてくれたんです。私がイメージする新規事業と、この会社が考えていることが同じだと直感し、「ここでならやりたいことができる」と感じました。
一方の中野は、大学院の博士課程まで研究に没頭していたという経歴の持ち主です。
中野:大学から博士課程に進学し、在学中には日本学術振興会の特別研究員としても採用されました。ただ、1つの分野を探求する中で、しだいに「もっといろいろなことをやってみたい」と考えるようになりました。大学時代に塾を経営したり、財団法人の運営を任されたりした経験から、自分はビジネスの方が向いていると感じ、新卒として農業系のベンチャー企業に就職したんです。
ベンチャー企業ではマーケティングを担当。そこでの経験を通して、「今ある商品を売る」仕事よりも「商品そのものを企画したい」という想いが強くなったことから、転職を決意します。
中野:アジア航測に惹かれたきっかけは、代表取締役社長と取締役の対談記事を見たことです。写真の雰囲気がすごく楽しそうで「きっといい会社だ」と思ったんです。その上で、もともと地理が好きで地図を眺めるのが趣味だったので、アジア航測の空間情報という事業領域自体に親和性を感じました。
そして、アジア航測には中核技術として空間情報技術があります。この強固な技術的な「軸」があるからこそ、既存技術とのシナジーを活かした新規事業を立ち上げられそうだと感じたことも、入社を決めた大きな理由です。
技術は「まず触ってみる」。周りのサポートを受けながら挑戦できる温かい社風
測量や土木の専門知識を持たない状態から入社した2人。どのように知識をキャッチアップしていったのでしょうか。
中野:まだ専門知識を十分にキャッチアップできているとは思いません。ただ、勉強は好きなので、関連技術をよく調べています。何より、社内には専門家がたくさんいて、聞きに行くとみんな本当に親切に、こんなことまで?というくらい丁寧に教えてくれます。
鎌田:私は逆に、調べて頭に知識を入れるのが苦手です。なので、詳しい人に話を聞きに行くのはもちろんですが、実際に自分で「触ってみる」ことを大事にしています。3次元計測できる測量機を実際に持って計測に行かせてもらったり、取得したデータを自分で3次元化してみたり。自分で触れてみることで、少しずつどんなものかを理解できてきているのかなと感じます。
入社して約1年半。日々学びながら働く中で、アジア航測ならではの魅力を実感していると言います。
中野:社員が真面目で実直で、本当に人がいい会社だと感じます。そう感じる背景には、会社の強固な技術基盤があると思います。しっかりとしたコア技術を持っているという事実が、会社、そして社員一人ひとりの自信につながっている。だからこそ、自分を飾る必要がなく、みんな誠実にお客さまと向き合える。その実直な雰囲気が、私にとってはすごく心地いいです。
また、上司はいつも「困っていることはないか」と気にかけてくれます。労働環境を整えようという意思を感じますし、実際にとても働きやすいです。
鎌田:探究心の強い人が多いですよね。とくに技術職の人は、こだわりを持っていて、話しているとその視野の広さや思考の深さに驚かされます。
そして、事業そのものにも意外な発見がありました。入社前は、専門性が高く自分とは縁遠い事業内容だと思っていたのですが、利用していた千葉県のモノレールにアジア航測が関わっていることを知り、身近に当社の技術が活かされている点が興味深いと感じています。
こうした魅力的な「人」と「事業」に、「温かい社風」が合わさり、アジア航測の挑戦しやすい風土が形作られています。
中野:私はロボット事業以外に、興味のあるまちづくり関係のプロジェクトにも少し関わらせてもらっています。新しい事業の種を探していくような動きを、上司が応援してくれているのを感じますね。
鎌田:私はモータースポーツが趣味なのですが、その話を職場でしたら「うちの会社の技術を活かせることがあるかもしれないから、調べてみなよ」と言ってもらいました。一見、会社の事業と関係なさそうなアイデアでも、「おもしろそうだね、やってみなよ」と後押ししてくれる人が多いです。個人の興味を尊重し、枠にとらわれず挑戦を歓迎してくれる環境だと感じます。
挑戦の連鎖を生む。失敗を恐れず、事業を創り続ける意志
あらためて、アジア航測の強みや特徴はどこにあると感じているのでしょうか。
鎌田:これほどの企業規模でありながら、新しいことへの挑戦に積極的な姿勢は、素晴らしいなと思います。大企業だと、どうしても慎重になったり、スピード感を持って動けなかったりすることが多いと聞きますが、アジア航測には会社全体で新規事業を後押ししようという流れがある。それは大きな強みだと思います。
中野:私も、新規事業を応援してくれる雰囲気をとても感じます。私たちが「ロボット事業をやっています」と社内で発信すると、「こんな現場があるんだけど、ロボット使えるんじゃない?」と、いろいろな人が協力してくれるんです。みんなで一緒に盛り上げようという感覚を持ってくれているのが嬉しいですね。
また、「真面目に仕事したい人」を裏切らない会社です。周りも真面目に自分の課題に取り組んでいる人ばかりなので、その中で仕事ができるのはすごく魅力的な環境ですね。
最後に、2人は今後の展望を語ります。
鎌田:まずは、私が担当している海のロボット事業を、中野さんが進めている地上ロボットのように、具体的な形にすることが直近の目標です。そして将来的には、後輩たちに「挑戦することの楽しさ」を伝えられるような先輩になりたい。失敗を恐れずに挑戦できる、そんな会社にしていく一端を担えたらと思っています。
中野:事業としては、このロボットSIサービスを会社の1つの柱に育て上げることが目標です。アジア航測と聞いて、「ロボットの仕事もやっているよね」とイメージしていただけるようになるまで、しっかり育てていきたいですね。
ただ、私個人としては、新規事業を生み出し続けることが一番の仕事だと思っています。この事業が育ったら、自分の手から離して、また次の新しい事業に挑戦していく。この会社なら、それができる。そう思うと、これからも楽しみです。
挑戦は、始まったばかり。実直で温かい社風に支えられながら、2人はアジア航測に新たな風を吹き込み、未来を切り拓いていきます。
※ 記載内容は2025年9月時点のものです
