航空測量用飛行機の紹介
当社で運航している飛行機は一般の飛行機と大きく異なり、デジタルカメラの十倍はあるような、巨大な航空測量機材が胴体下面に設けた1mほどの開口部より航空測量機材が地面に向けて顔を覗かせています。
当然、胴体に大きな穴を開けるわけですので、開口部の補強や機材を保護するための可動式のカメラドアを胴体に取り付けています。そういった大掛かりな機体の改造作業に立ち会うことや、改造後に飛行機が安全に飛行できる性能を有していることの確認作業といった、特殊な業務に携わることができるのも、航空測量用飛行機を運航する当社ならではの整備業務だと思います。
また、航空測量業務は天候に大きく左右されるため、飛べる一日を逃さないことが重要であり、常に飛べる状態に保つ必要があります。そのため運航スケジュールの合間を縫って、点検を行うなどスケジュール調整が非常に大変な部分でもあります。
航空整備士の仕事とは? 整備士のやりがい
飛行機が当たり前のように空を飛ぶことができる。そんな日常の裏には、見えないところで安全を守る人々がいます。それが私たち航空整備士です。私たちは、乗員の命を預かる飛行機が、安全に、確実に飛べるよう、地上から支える縁の下の力持ちを自負しています。
皆さんが想像される航空整備士の仕事は、現場に出て工具を持ち、修理や点検整備をする姿を想像される方が大多数であると思いますが、それだけでは飛行機は安全に空を飛ぶことはできません。機体ごとの整備履歴の記録や管理、定時点検の立案、飛行スケジュールの調整など、全体を俯瞰しながら安全をマネジメントする整備管理業務も忘れてはいけない大切な仕事です。そのどちらの業務においても、一つの見落としが大事故につながる可能性もあるため、常に緊張感と責任感を持って作業に当たっています。私の所属する整備統括室では、そのどちらも欠けてはならない整備業務、整備管理業務を一元的に行い、常に機体が万全な状態で飛び上がれるよう日々業務に取り組んでいます。
私が航空整備士になってよかったと感じる瞬間は、自身が点検に携わった飛行機が無事に空へ飛び立った姿を見た時です。自分の手で整備した機体が安全に飛行している。この実感こそが大きなやりがいです。
また、不具合が起きた時に、原因を特定し修理するトラブルシュートでは、知識と経験を駆使して問題を解決できた時の達成感は格別です。飛行機は複雑なシステムの集合体ですが、それを理解し、正常な状態に戻す過程は、パズルを解くような面白さがあります。
整備士として大切にしていること 整備士の誇りと責任
整備作業も整備管理業務も個人では完結しません。一つのチームとして空の安全を支える使命を担っています。そのため、チーム内での報告、連絡、相談を確実に行うことで、ミスの芽を早期に摘み取り、トラブルを未然に防ぐことが不可欠です。整備士同士の連携もさることながら、部署間での密接な連携も不可欠で、現場で飛行機に向き合う整備士と、実際に飛行機を飛ばす操縦士、測量作業を行う撮影士との連携が私たちの業務の根幹であり、同じ目標に向かい協力し合える仲間の存在が、この仕事を続けていく上での大きな支えになっています。
航空整備士の仕事は、表舞台に立つことはありませんが、空の安全と信頼を陰から支える存在です。空の安全は決して偶然ではなく、日々の積み重ねの上に成り立っています。その一端を担う誇りと責任を胸に、これからも地上から空の安全を支え続けたいと思います。
(2025年6月寄稿)
略歴
西田 有希(Nishita Yūki)
アジア航測株式会社 空間情報技術センター 航空部 整備統括室
2022年より当社 調布運航所にて航空整備士として勤務
