東北愛が育む未来。プロジェクトを動かすそれぞれの使命感
「東北地域事業連携プロジェクト」を推進する4社を率いる清水、石川、松坂、菅原に共通するのが、東北に対する深い愛着です。それぞれの地域や地域住民への熱い想いが、プロジェクトへの意欲をかき立ててきました。
清水:私は神奈川県の出身で、2013年に東北公共コンサルタント課長として東北支社に赴任しました。約4年半滞在した後、1年間の本社転勤を経て2018年にふたたび東北支社へ。現在まで10年以上にわたって単身赴任で仙台に暮らしています。いまや仙台は私にとって第二の故郷。このままこの地に骨をうずめたい思いです。
松坂:清水さんと違って、私は東北生まれの東北育ちです。生まれは青森県の八戸。盛岡で6年の学生生活を送った後、アジア航測に入社し、8年目に東北支社へ転勤して以来、仙台で過ごしてきました。タックエンジニアリングへの転籍を打診されたのは、おそらく上層部が私を盛岡出身だと勘違いしたからですが、コンサルティングも手がける当社であれば、自分の専門性を活かし、さらに磨きをかけられると感じ、喜んで受け入れて現在に至っています。
高い技術を持ちながらも、地場企業には、自らが業界の最先端を担う自覚が欠けていることが少なくありません。東北の復興とさらなる発展に向けて、アジア航測のグループ企業だからこその高い技術力を活かして他社との差別化を図りながら、社員一人ひとりの意識改革にも取り組んでいきたいと考えています。
石川:松坂さんと同じく、私も生粋の東北人です。岩手で生まれ、これまで一貫して東北の地で営業畑一筋のキャリアを歩んできました。
1社目と2社目では、主に岩手県や宮城県からの受注活動に携わりましたが、北光コンサルへの入社後、青森県、秋田県、山形県、福島県にも担当領域が広がりました。東北各地を訪れ、さまざまな方々と対話を重ねる中で強く感じるのは、東北人の実直で誠実な人柄です。多くのかけがえのない出会いを通じて、「東北のために尽くしたい」という想いがおのずと育まれてきたように思います。
清水さんが仙台に永住したいと表明されたのは、東北特有の価値観に共感してくださっているからこそ。私もまた、これからも変わらず東北への愛情を貫いていくつもりです。
菅原:私は宮城県代表です(笑)。18歳まで東松島市で育ち、大学進学と同時に神奈川県へ。1990年にアジア航測に転職して仙台に配属され、1995年に盛岡へ転勤になり、2004年からは盛岡支店長を務めました。
その後、同じ盛岡にあるタックエンジニアリングの取締役代表になるものとばかり思っていましたが、2016年に仙台支店長に。さらにその5年後、アドテックに出向し、2022年に取締役代表に就任しました。
幼少期を過ごした宮城県はもちろん、20年間以上暮らした盛岡も私にとってとても大切な場所です。強い思い入れのある地域の皆さんが、幸せで豊かな生活を送れることをめざしてこれまで取り組んできました。東北地域事業連携プロジェクトの一員として、よりいっそう地域への貢献を果たしていきたいと考えています。
清水:皆さんの熱い気持ちがひしひしと伝わってきます。そんな東北への切なる想いがプロジェクトを支えていることをあらためて強く理解しました。
震災を通じて深まる絆と使命感。東北への深いコミットメントがグループの力に
東北での長年にわたる生活を通じて、地域への深い愛着を育んできた4人。とくにその想いを深めるきっかけになったのが、東日本大震災をはじめとする一連の震災対応でした。
菅原:震災当時、私は盛岡にいました。送電が途絶える中、発電機を使ってパソコンを起動させ、岩手県庁で過去の航空写真を出力していた記憶があります。私は津波で甚大な被害を受けた東松島市出身です。沿岸部に対する強い思い入れから、被災地支援に積極的に取り組んできました。
松坂:当時の私が務めていたのは、アジア航測の防災地質課長。当然の責務として復旧・復興業務に携わりましたが、現地での作業にはタックエンジニアリングやアドテックの方も参加していました。災害現場を経験したことのある人なら誰もが感じることですが、被災地では誰もが死に物狂いでの対応を余儀なくされるため、自ら望んで災害対応する人はほとんどいません。
それにもかかわらず、私たちが被災地支援を続けるのは、揺るぎない使命感があるからです。被災地に足を運ぶたび同じ顔ぶれに出会うのは、東北ならでは、そしてアジア航測グループならではの強い結束力の表れだと感じています。
清水:松坂さんのおっしゃったことにまったく同感です。震災だけでなく、火山噴火や豪雨による災害などが発生した際も、社員たちが自主的に会社に集まり、本社と協力しながらすばやく飛行機を飛ばして災害現場の撮影を開始します。当社には災害対応がDNAとして脈々と受け継がれていると感じます。
石川:当社でもこんなことがありました。岩手・宮城内陸地震の発生時、林野庁の仕事を請け負っていたことから、ただちに人員を配置しヘリコプターで現地へ急行。初動調査で上空から大まかな被災の全体像を捉えた後、徒歩で現場に入って詳細な被災状況を調査して報告しました。
アジア航測、タックエンジニアリング、アドテックの各社が直面した困難とは比較にならないかもしれませんが、連日、睡眠もままならない日々を過ごしたことを覚えています。
松坂:地上での調査のほうがはるかに苦労が多いと思います。
菅原:まったくその通りです。石川さんら北光コンサルの皆さんの苦労には頭が下がる思いです。
石川:結局のところ、私たちが共有しているのは同じ目的、同じ情熱です。それこそがアジア航測グループの強みだと思っています。
それぞれの強みを活かして地域社会に貢献。地元と共に成長する企業であるために
震災後、被災者に寄り添った活動を続けてきた各社。東日本大震災から13年が経過したいまも、当時とは違ったかたちで地域貢献活動を続けています。
松坂:当社ではとくに防災教育に取り組んできました。たとえば、毎年参加しているのが、岩手県が開催する「いわてまるごと科学・情報館」です。これは、最新の科学技術やデジタル技術を実際に見たり触れたりしながら学べるもので、当社が開発した、地形を立体視できるアナグリフ方式のCVESmapを活用して作成した土砂災害ハザードマップを使って、災害対策の重要性を伝えています。
参加者の中には、大雨が原因で自宅が浸水するリスクがあることを初めて知って驚く方も少なくありません。こうした住民との直接の交流を通じて、一人ひとりが自分の命を守るためのお手伝いができればと考えています。
菅原:すばらしい取り組みだと思います。当社でも、2023年8月に、宮城県東松島で開催された「東松島夏まつり2023」にアジア航測の方々と共に参加しました。地元の居酒屋さんたちの協力のもと、生ビール、ワイン、焼き鳥などを提供する屋台を出店。開始からわずか3時間で全商品が完売し、大盛況のうちに終えることができました。当日の売上は、イベント後に全額を市に寄付しています。
その後、清水さんと共に表彰を受ける光栄にあずかりましたが、このイベントが成功したのは、地元の方々の尽力があったからこそ。この経験を通じて、地域への感謝の気持ちがさらに深まりました。
石川:当社では林野庁の業務を主力事業の一つとしており、有害鳥獣駆除を支援しております。林野庁の調査によると、有害鳥獣の被害を受けた土地(立木など)の面積は約5000ヘクタールに上ります。このうち70%が鹿の被害です。駆除支援に、過去4年間取り組んできました。
松坂:そう言えば、アドテックでは公開講座も開催されていますね。
菅原:はい。地域貢献活動の一環として、近隣の中学生を対象に、測量技術やドローンの基礎について教える授業を3日間にわたり実施しています。私も講師のひとりとして参加し、明石天文台の緯度と経度に関する話をさせていただきました。
共創を通じて進化し、地域課題の解決に挑む。4社が描くプロジェクトの未来
それぞれの想いと方向性を共有しながら、各社および地域社会との連携強化をめざす4人。東北地域事業連携プロジェクトと自社、そして地域の未来を次のように展望します。
松坂:技術力の高さだけでは解決しきれない課題も多いのが現実です。今回のプロジェクトをきっかけに競争優位性を強化し、高い参入障壁を克服する力を培っていきたいと考えています。
これと並行して、優秀な社員、とりわけ中核を担う30〜40代の人材確保にも注力していく予定です。つい先日も、北光コンサルで勤務経験のある方を採用しました。現場で即戦力となることはもちろん、北光コンサルとの連携を強めるためのキーパーソンになってくれることを期待しています。
石川:私も松坂さんと同じ気持ちです。タックエンジニアリングでの彼のますますの活躍を願っています。
当社も採用活動に重点を置いており、とくに若い人材に向けて当社の事業について周知するための取り組みを進めてきました。たとえば、日本補償協会岩手県部会の活動に参加し、高校生に向けて業界や業務内容について説明する機会を設けています。アジア航測の知名度も積極的に活用しながら、これからも地道な活動を続けていくつもりです。
菅原:松坂さんや石川さんと同じく人材確保に力を入れる一方、長年にわたり培ってきた当社の技術を守り、さらに磨き上げていきたいと思っています。
東北地域事業連携プロジェクトを機に事業を拡大し、アジア航測をはじめとする各社、私たち社員、そして地域の方々を含むすべてのステークホルダーに貢献することが当社の目標です。
清水:皆さんと同じく、私たちにとっても人材確保は重要な課題です。社員一人ひとりが明確なビジョンを持って仕事に励み、「アジア航測グループに入って良かった」と感じられるような環境を整えることも、今回のプロジェクトの狙いのひとつだと私は考えています。
さらに、菅原さんが指摘したように、技術の伝承と発展も私たちの大切な使命です。そのためには、経験豊富な社員の技術を次世代に継承する仕組みづくりをする一方、最新技術を導入して新たな価値を生み出すことが欠かせません。
これら一連の取り組みが、地域脱炭素、防災、まちづくり、そして福島の復興など、東北地域が直面する多くの課題解決につながると信じています。
※ 記載内容は2024年2月時点のものです
