「日本車の整備をしたい」。夢を抱いて、ネパールから憧れの国へ
ネパールで暮らしていた頃から、車やバイクに触れるのが好きだったというビシェク。しだいに、世界的に評価の高い日本製の車を整備する仕事に憧れるようになります。
「日本の車でもとくにトヨタ自動車は有名で、『性能がよくて長持ちする』と人気でしたね。最近では、ネパールの各地にもディーラーがたくさんできています。街でトヨタの車が走っているのを見るたびに、『自分もこんな車を整備したい』と思うようになりました」
その想いは、確かな決意へと変わっていきました。
「日本で自動車整備士として働きたい。その夢をかなえるために、ネパールにいる頃から日本語の勉強を始めました。2019年に来日し、日本語学校に通った後、トヨタ名古屋自動車大学校で整備についても学び、自動車整備士の資格を取りました。
ネパールと日本では言葉も文化も違うので、最初はすごく不安もありました。それでも頑張っているうちに『将来が楽しみ』という気持ちが大きくなってきました。学校ではクラスメイトや先生に支えてもらって、少しずつ知識や、できる作業が増えていきました」
その学生時代から愛知トヨタとは接点があり、親しみを感じていたと話します。
「愛知トヨタのサーキットイベントに参加してトヨタの車に乗せてもらった時には、『やっぱり、乗り心地がとてもいい』と感動しました。
また、学校に愛知トヨタの採用担当が来て、仕事内容を説明してくれたこともありました。長い歴史があって、規模が大きく安定した会社だということがわかったので、この会社で働きたいと思うようになりました」
採用試験を受けたビシェクは、見事に合格。こうして愛知トヨタの一員となりました。
レースのメカニックに選出され奮闘。ハイレベルな整備を経て成長を実感
入社2年目の今、およそ20人が勤務する名東店でサービスエンジニアとして働くビシェク。主に車検や12カ月点検をしています。
「車検では、検査員の先輩から指示を受けて作業を進め、終われば先輩に確認をお願いしています。私たちの仕事ではダブルチェック、クロスチェックが欠かせません。
先輩の作業を見るととても速くて正確で、学ぶことが多いです。自分の動きはまだムダな動きが多いので、どうすればもっと効率よく正確にできるのかといつも考えています」
お客さまの命を守る仕事であるサービスエンジニア。ビシェクには、働く中で大切にしていることがあります。
「お客さまの大事なお車を預かっているので、何回もチェックするようにしています。たとえば、オイル交換ではドレーンボルトやオイルエレメントを脱着します。作業を終えて一度自分で確認してから、先輩にチェックしてもらいます。
中でもブレーキの作業はお客さまの命に直接関わる部分なので、より気を引き締めて進めています。こうした一つひとつの作業が愛知トヨタの信用につながることを忘れず、責任を持って仕事をしています」
そんなビシェクは優秀なサービスエンジニアとして認められ、モータースポーツの世界でも活躍することに。「GR86/BRZ Cup」 というレースのメカニックに選ばれたのです。
「これまで3回参加し、タイヤ空気圧調整、車両の管理、点検作業、ホイールアライメント調整など難しい作業も任せてもらえるようになりました。ハイレベルな整備をする中で自分の成長を感じています」
日々の仕事で一番やりがいを感じるのは、「先輩からの信頼を感じた時」と言います。
「先輩が、海外から来た入社2年目の私のことを信じ、『ビシェクさんならできる』と新たな仕事を任せてくれる時はとてもうれしく、モチベーションが高まります。皆さんからもっと信頼されるように、これからもスキルを磨いていきたいです」
プライベートでは献血ボランティアに注力。「日本と母国の架け橋に」
毎日、熱心に仕事をしているビシェクには、プライベートでも力を入れていることがあります。それはボランティア活動です。
「同じネパール出身で、愛知トヨタの同期社員でもある友人と一緒に、ボランティア団体を立ち上げました。
日本に住むネパール出身者や、留学生をサポートすることが目的です。日本のルールやマナーを教えたり、生活に関わるさまざまな相談に応じたりしています。
活動の内容は最近、広がってきていますね。たとえば、ネパールの文化を広めるためのイベントを開くなどして、ネパールと日本の方々が交流できる機会もつくっています」
さまざまな取り組みの中でも、ビシェクがもっとも大切にしているのは「献血活動」だと語ります。
「仲間たちと一緒に、ボランティア活動で知り合った人たちに献血を呼びかけています。時には大阪や埼玉、東京などにも行って、参加してくれた人が困らないようにサポートします。
私が献血活動を頑張るのは、理由があります。母国のネパールでは、血液不足が原因で命を落とす方々が少なくありません。実は私も、親しい人を亡くしたことがあり、とてもつらい経験でした。
だからこそ、献血の大切さを強く感じているんです。とくに日本にいるネパール人が困らないようにたくさんの人たちに積極的に声をかけて、献血へのご協力をお願いしています」
異国の地で自動車整備士として働きながら、真っすぐな想いで、ボランティア活動を続けているビシェク。
「自分の経験を活かしてネパールと日本をつなぐ架け橋となり、よりよい社会をつくっていきたいと思っています。ボランティア活動にはやりがいを感じていて、今、仕事もプライベートもとても充実しています」
言語の壁を乗り越え、スキルを磨き続ける。めざすは「頼りにされるスペシャリスト」
日本に根を張り、前向きに仕事に取り組み続けるビシェクは、将来についてはっきりとした明確なビジョンを持っています。
「自動車検査員など整備に関するすべての資格を取り、トヨタで一番トップの整備資格である『トップクルー』をめざしたいです。最終的には、どんなことにも対応できる整備のスペシャリストとして、頼りにされる存在になりたいとイメージしています。そのためには毎日、最新の技術を取り入れて、自分のスキルを磨いていく必要があると思っています。
また、もっと日本語を話せるようになりたいですね。今、日本語能力試験で一番難しいN1レベルの取得をめざしていますが、合格後も勉強を続けていくつもりです。
ボランティア活動については、愛知トヨタの皆さんが共感してくれていて、うれしく思っています。こうして日本に住むネパール人たちが、ボランティア活動をしているということを、日本の人たちにぜひ知っていただきたいです」
最後に、愛知トヨタで働きたいと考えている外国出身の人たちに向け、温かいメッセージを送るビシェク。
「愛知トヨタは社員をとても大切にしていて、たくさんのサポートがあります。たとえば、家賃補助のサポートもありますし、仕事はもちろん、それ以外に関しても先輩たちが相談に乗ってくれるなど、働きやすい環境が整っています。
外国出身の社員も多く在籍しているので横のつながりが強く、お互いに支え合いながら働いています。知り合いがいない状況で入社しても1人になることはないので、安心してください。みんなで一緒に、仕事の楽しさ、やりがいを感じながら、ポジティブにがんばっていきましょう!」
※ 記載内容は2025年7月時点のものです
