会社統合後の文化づくりに。ミッション・ビジョン・バリューに沿った研修の重要性
後藤が所属する人事企画部研修課では、さまざまな階層の社員を対象に研修を実施しています。
「『新入社員研修』をはじめ、労働組合と共同で行う『労使共催年齢別セミナー』、等級昇格者を集めて行う『階層別研修』など、さまざまな研修の企画・実行に取り組んでいます」
これらの研修に共通しているのは、当社のミッション・ビジョン・バリューを意識して設計されていること。とくに新入社員研修では、バリューである「『誠実』であること・『共感』を得ること・『成長』し続けること」を軸に、研修プログラムが組まれています。
「新入社員研修では、まず社会人としての心構えから入ります。言葉遣いや生活習慣、態度など、人間力を養うことに注力。その上でお客さまとどのように接するべきかをみんなで考え、実践してみることで、気づきを得られるようにしているのです。
またグループディスカッションなどを通じて、同期とのつながりを深めてもらうことも研修の大きな目的の一つです。今の新入社員はコロナ禍で学生時代に友達づくりが難しかった経緯もあるので、コミュニケーション力向上のためにも、同期同士の絆づくりに力を入れています」
同期社員の仲のよさは、離職率の低さにも影響するのではないかと後藤は分析します。加えて、店舗に配属された後の2カ月間は、先輩社員につきっきりでサポートしてもらう「ペアスタッフ制度」を設け、手厚くフォローしていることも大きな要因だと語ります。
一方、中堅社員を対象とした「労使共催年齢別セミナー」は愛知トヨタ全体で30歳、40歳、50歳、定年間近の57歳の節目に開催されています。
「普段は職種を超えた付き合いが少ないので、さまざまな部署をまたいで同年代の社員が集まれる貴重な機会となっています。年次が上がるにつれて疎遠になりがちな同期との再会を喜ぶ声も多いですね。
あらゆる年代に共通したテーマも取り扱いますが、年代ごとに直面する課題は異なりますから、それぞれのステージに合わせた内容で実施しています」
また「階層別研修」は等級昇格のタイミングで実施されるもので、次のステージで求められる行動基準が定められています。
「まず、昇格した段階で求められることを知り、それに対して自分ができているのかを見つめ直す。そこから、今後どのような行動を取るべきかを考える研修内容になっています」
会社統合後、新しい文化をつくるという意味でも、新たな行動基準に沿った研修は重要だと後藤は考えています。
「自分自身が先輩や上司から教わってきたことを、会社や先輩たちへの恩返しの気持ちを込めて、社員にしっかりと伝えていきたいという思いがあります。技術的なことはもちろん、自分が教えてもらったように接していくことで、感謝の気持ちを持って社員の成長を支援していければと考えています」
営業・車両部・秘書室──幅広いキャリアを積んで培った人材育成の視点
後藤自身の入社から現在までのキャリアは、営業から車両部、秘書室、そして現在の人事企画部研修課に至るまで多岐にわたります。
「営業が一番長く経験した職種ですが、その後は本部の仕事を幅広く経験してきました。どの部署での経験も大変勉強になりましたね」
本部での経験により、営業とはまた違った視点を養うことができたと振り返ります。
「車両部では、企画や数字の管理など、営業とはまったく違う視点の業務に携わりました。営業の経験が活きる部分もある一方で、まったく通用しない部分もあり、自分より若手の社員に教えてもらいながら、必死に取り組みました。そういった経験を通して、幅広い視点を身につけることができたと感じています」
また、営業職時代にチームのリーダーを務めた経験や秘書室で働いた経験も、今の仕事に活きていると言います。
「チームリーダーを任された時は、メンバー一丸となって目標達成に向けて取り組みました。当時はまだまだ未熟で理想的な上司にはなれていなかったかもしれません。それでも、マネジメントの経験を積むことができたのは、貴重な財産になったと思います。
秘書室では、幅広い視点で業務をとらえることを学びました。先の先まで見据えた仕事の段取りや手順の考え方は今の業務に大いに役立っています」
こうしたキャリアの中で、後藤は多くの尊敬する先輩たちと出会ってきました。
「さまざまな部署で働かせてもらえたおかげで、尊敬できる先輩にたくさん出会うことができ、自分は得をしたと思っています。こういった学びの機会を与えてもらったからこそ、自分も若手社員に対して、できるだけ多くのことを伝えていきたいと考えています」
2022年からは、研修課の課長として、人材育成の最前線に立っています。
「研修課のメンバーは全部で10人。経験豊富なベテランメンバーには講師を務めてもらったり、若手には常に変化していく内容の研修を担当してもらったりと、メンバーの特性に合わせて役割を分担しています。研修のプラン作りや実施タイミングの決定などは、私からの一方的な指示ではなく、メンバー全員で一緒に考えながら進めています」
マネジメントでは、メンバーとのコミュニケーションを大切にしていると言います。
「やることを明確にし、計画を立ててしっかり進めていくことを指導しています。個々のタスクの管理などは、かなり細かくチェックしているつもりです。
また、メンバーへの指示も口頭だけでは意図が正確に伝わらなかったり、聞き漏らしが出たりする可能性があるので、まずはメールや文章で指示を出し、その後に口頭でコミュニケーションを図りながら補足説明をするようにしています」
新入社員の成長を第一に考える──時代の変化に対応できる人材育成をめざして
研修課に異動してから、後藤がとくに力を入れているのが新入社員研修です。
「何より、『新入社員をいかにして社会に溶け込ませていくか』ということに注力しています。新人教育と言うと、会社に定着してもらうことが目的のように思われがちですが、私たち研修課としては、第一に社員たちが成長できる場になるよう意識しています」
新入社員には変化の激しい市場環境でもしっかりと活躍できる人材に育ってほしいと語る後藤。
「AIなどの発展により、職種も様変わりしていくかもしれませんが、営業職は最後まで残っていく仕事だと思っています。とはいえ、形は変わっていく可能性も。そういった時代にも通用する人材を育成することをめざしています」
愛知トヨタは2023年に4社が統合されてできた会社であり、新入社員研修のカリキュラムも一新されました。
「統合前は各社でそれぞれ研修を実施していたのですが、統合後は各社の研修内容を精査し、よい部分を取り入れて新しいカリキュラムを作り上げていきました。『これはよいね』『こんなこともやっていたんだ』と、お互いのよいところを認め合いながら、より適切な研修内容をめざして議論を重ねました」
新入社員研修を通して、後藤は新入社員たちの成長を間近で見守っています。
「研修の後、新入社員たちが生き生きとした表情で『頑張ります』と言ってくれると、大きなやりがいを感じます。一方で、店舗で再会した時につらそうな顔をしていると、すごく心配になりますね。まるでわが子を見守る親のような気持ちです」
新入社員研修が終わった後も、年次ごとのフォロー研修を実施することで社員がつながる機会を作っていきたいと話します。
「新入社員研修の後、2年目、3年目と、フォロー研修を続けていく予定です。この研修では、同期の仲間が久しぶりに会ってコミュニケーションを取ることで、少しガス抜き的な意味も持てたらなと。
普段は1人で仕事をすることが多い営業職では、孤独を感じることも少なくありません。他の店舗の状況なども、なかなか見えづらいものです。だからこそ、同期同士が集まって、近況を話したり情報交換したりする機会が必要だと考えています。会社として、そういった横のつながりを持てる場を、できるだけ作っていきたいと思っています」
新入社員から年次の高い社員まで、一人ひとりの成長を見守り支援する研修課長の思い
今後、研修体制としてどのような取り組みを強化していきたいのか──後藤はこう語ります。
「現在の研修体制はある程度形になってきたので、今後はその形に沿って、着実に実施していく段階です。ただ、統合して日が浅いこともあり、より一体感のある会社にしていくための研修のあり方を、これから考えていく必要があるでしょう。職種や年次を超えた交流の場を設けることで、社員同士の相互理解を深めていければと思います」
研修を通して、後藤は社員にどのような思いを持ってほしいのでしょうか。
「大それたことは考えていませんが、ビジョンにもある『この会社でよかった』を社員の皆が感じてくれるようにすることが一番。私自身はこの会社に入って本当によかったと感じているので、そういう思いを皆が持てるような研修を作っていきたいですね。一体感のある会社づくりをめざす上で、研修が果たす役割は大きいと思います」
最後に後藤は、当社の魅力と求める人材像を次のように語ります。
「この会社には『人が好きな人』が多いのではないかと感じています。それは職種柄というのもあるかもしれませんね。営業職ですから、自然と喋ることや、人と交流することが好きな人が集まりやすいのかなと。コミュニケーションを取ることが好きな人が多いという印象を持っています。
入社を志望する方に何より大切にしてほしいのは、誠実であること。人間性として求めるのは、当社のバリューにもあるように『誠実・共感・成長』という言葉に尽きます。こういった部分を大事にできる方に、ぜひ入社していただければと思います」
研修課の課長として、日々奮闘する後藤。新入社員から年次の高い社員まで、一人ひとりの成長を見守り、支援しています。そこには、自身が当社で得た学び、喜び、感謝の気持ちが溢れています。新入社員たちの成長をわが子のように見守る親心を持ちながら、時にはビシッと指導する──そんな温かみのある育成を実践する後藤たちが、社員の成長を後押ししています。
※ 記載内容は2024年7月時点のものです
